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テイルズ・フロム・ザ・トワイライト・ワールド



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 1990
Reviews: 90%
Genre: Epic Power Metal


ブラインド・ガーディアンの1990年発表の3rd。

ドイツのブラインド・ガーディアンは1988年に第一作『Battalions Of Fear』でデビューして以来、独自のエピックな方向性の探求を続けてきた。この作品から既にファンタジー文学の影響がヘヴィメタルに表れていたようだ。

ブラインド・ガーディアンの創造するヘヴィメタルは、昔からエピック・メタルの典型のスタイルだった。詞世界には、当然の如くヒロイック・ファンタジーが選択されていた。ブラインド・ガーディアンを語る上で興味深いのは、バンドの創始者であるハンズィ・キアシュ(Vo、b)がファンタジー文学のマニアだったことだ。彼は自分が愛してやまない物語を語り、それをJ・R・R・トールキンの『指輪物語』やマイケル・ムアコックの『永遠のチャンピオン』シリーズ、中世騎士道物語の代表作『アーサー王伝説』と公言している。他にドイツの英雄叙事詩にも影響を受けているようだ。当然の如く、ブラインド・ガーディアンの楽曲には様々な形でそれらのファンタジー叙事詩が登場する。云わばブラインド・ガーディアンのヘヴィメタルは、ファンタジー専門の巨大な図書館のようなものだ。

そして、ブラインド・ガーディアンの幻想的で壮大なエピック・ヘヴィメタルは、この第3作『Tales From The Twilight World』で完成したといっても過言ではない。現在でも、今作を最高傑作に上げるファンは多い。今に見られるシンフォニックなエピック・メタルとは一線を画す、スピーディかつパワフルな楽曲が次々に展開されていく大仰な作風は、熱心なファンには衝撃的だった(最も素晴らしいのは、ファンタジー文学の世界が見事に描かれていたこと)。本作の音楽性は、明らかにメロディック・パワー・メタルを基盤としているが、スラッシーなスピードとエピックな世界観の融合は、ブラインド・ガーディアンの独自の方法論だった。

上記の要素に幻想的なクワイアが加味され、ブラインド・ガーディアンの幻想世界は完成した。また、クワイアだけではなく、リードギターの流麗なメロディも非常に素晴らしく構築されている点も注目に値した。アンドレ・オルブッチ(lead g)は楽曲のソロ・パートを作曲しているため、印象的なメロディが多かった。更にメロディは、より勇ましいものを目指し、ケルト音階が取り入れられた。これらはヒロイックなヘヴィメタルには欠かせない要素だった。勇ましいソロが十分に展開される#1"Traveler in Time"、#6"Lost in the Twilight Hall"は既にファンタジー・メタルの名曲として名高い。ファンタジックでエピックなヘヴィメタルを語る際、ブラインド・ガーディアンの名は欠かせない存在となった。なお、本作は2007年にリマスター再販され、大幅に音質が向上した。



1. Traveler in Time
もはやこの手のエピックメタルでは定番ともいえる、クワイアを使ったドラマティックなオープニングから一気に爆走を開始する名曲。流麗なギターメロディと勇ましいヴォーカルがあまりにもスリリングな興奮を与える。クライマックのソロはファンタジー特有の世界観を強烈に印象付ける。最後の静かなエピローグも幻想的だ。
2. Welcome to Dying
疾走曲。猛烈な勢いで疾走し、そこにファンタジックなクワイアが加わるのはやはりブラインド・ガーディアンの代名詞であろう。また、ギターメロディも実に勇ましい。ファンタジー特有の興奮を感じる楽曲である。
3.Weird Dreams
まるでガンマ・レイ(元ハロウィンのカイ・ハンセンが結成したバンド。彼はこのアルバムにゲスト参加している)を思わせるようなパワフルなインスト。怒涛の勢いで勇ましいメロディが突き進む様は圧巻。
4. Lord of the Rings
タイトルにブラインド・ガーディアンが愛してやまない『指輪物語』をそのまま使用した名曲バラード。美しく、どこまでも幻想的な楽曲。古のファンタジーを思わせる、ファンタジーとは何かを問いかけられているような楽曲である。ここまで指輪物語を忠実に再現しているとは驚異的だ。
5. Goodbye My Friend
疾走曲。非常に勇ましい。
6. Lost in the Twilight Hall
ファンが共に合唱するために作られたかのような壮大な楽曲。サビでの大合唱はあまりにも勇ましく、若い勢いに満ち溢れている。ここまでやる大仰さは素晴らしい。展開はまるでRPGのようで、冒険物語を思わせる部分が随所に登場する。肝心のカイ・ハンセンは途中から突如奇声をあげて乱入し、凄まじいパフォーマンスを披露している。
7. Tommyknockers
攻撃的なメロディが耳に焼きつく佳曲。よく衰えないというほど、こちらでも疾走をしている。
8. Altair 4
短めの繋ぎ的な曲。いかにもドイツというような怪しげなメロディが印象に残る。
9. Last Candle
幻想的かつ荘厳なクワイアで幕を開ける必殺のファンタジーメタル。とにかく勇ましく、まるで#1"Traveler in Time"の再来とでもいうようなファンタジックな世界観が味わえる。サビでのクワイアとヒロイックなギターソロが爆走するパートでは途轍もない高揚感を得られる。また、ラストでのオペラティックな幕の締め方など、ブラインド・ガーディアンのエピックな手法が花開いた名曲でもある。



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