Epic Metal; Review Fan Site.
© 2010-2017




Column the Column

volume 20. 17 February: 2012



 「動画を貼る」という行為は、今や現代のネット社会において頻繁に見られる記事更新手段の内の一つだ。それらはHR/HMレビューのサイトやブログにまで拡散し、今日、我々はユーザーとして楽しむに至っている。我々はベンダーではない。しかし、「動画を貼る」という行為によって、彼らの何が変わっていったのか。ここでは、主にHR/HMレビューに関わる『METAL EPIC』誌のデイヴィッド・オルソー氏に話を伺った。どうやら彼は、このセンシティブな問題に対して、ある程度の過激な意見を持っているようだ。


──まず、動画の普及によってHR/HMレビューの何が変わったと考えるか。
デイヴィッド:簡潔に言えば、レビューの質が下がり、文章の項目が短くなった。
──逆にメリットはあるか。
デイヴィッド:メリットは、一つの記事にかける時間が短くなったこと。
──あなたが言いたいのは、動画の普及によってHR/HMレビューがダメになったということか。
デイヴィッド:当然のことだが、『METAL EPIC』では他者を攻撃することはしない。レビューの分量が少なくなり、記事を作る時間が短くなったと感じているのは、私個人の意見だ。
──他者を攻撃しないのに、動画を扱うレビューサイトを攻撃するような言い回しだが。
デイヴィッド:そう感じたのであれば、申し訳ない。私はインターネット上でのレビューの記事に動画を貼る行為を非難しているつもりはないし、むしろ画期的な進歩ではないかと考えている。
──"画期的な進歩"とは?
デイヴィッド:記事を書く側は以前よりも的確に情報を伝えられるし、ユーザーも目的を迅速に達成することができる、ということだ。
──HR/HMレビューにおける、ユーザーのその目的とは?
デイヴィッド:自分が気になっているバンドやアーティストの作品(アルバム)の情報を得ること。
──では、動画によってユーザーはどのように作品の情報を得るのか。
デイヴィッド:具体的には、記事に貼られた動画を耳で聴くことによって、商品化されている作品の内容をそのまま知ることができる。
──"商品化されている"という言葉に引っかかるが。
デイヴィッド:本来、バンドやアーティストの楽曲を聴くためにはCDを購入する必要があるが、インターネット上にはそれらを無料で視聴できる動画サイトがある。音楽関係のレビューサイトの記事に貼られているのは、主にそれらのサイトから転移されたものだ。
──あなたが言いたいのは、「ユーザーが本来有料であるはずの商品を、無料で視聴している」ということか。
デイヴィッド:そういうことになる。
──『METAL EPIC』では他者を攻撃しないと、さっきあなたはおっしゃったが。
デイヴィッド:私はただ事実を述べたに過ぎない。私自身、本来有料であるはずの商品が一体どのような経緯で、無料の動画サイトに貼られたのか全く知らない。しかし、それらの動画がサービスとして成立し、現在もHR/HMレビューサイトに貼られていることは、明らかなる現実であり、事実なのだ。
──ここまでの意見で、あなたは無料動画サイトを攻撃し、HR/HMレビューサイトも攻撃している。当然、あなたは動画サイトを利用していないことになるが。
デイヴィッド:何度も言うように、私は誰も攻撃しているつもりはないし、無料動画サイトの利用経験もある。
──自分が言っていることに矛盾があるとは考えないのか。
デイヴィッド:無料動画サイトに有料商品であるはずの音源が掲載されていることは否定しようがない事実である。そして、それらの動画をレビューサイトに掲載しているのは個人である。私は事実を事実として受け入れているだけであり、明確に個人に攻撃を加えるようなことはしていない。レビューによって作品を判断するのが個人であるならば、動画を視聴して作品を判断するのも個人の感覚に過ぎない。そして、公式とは異なり、サイトに動画を貼る行為も、文章で記事を書く行為も、個人の自由である。しかし、我々は大人であるから、何か問題が生じた際、責任は自分で取らなければならない。
──『METAL EPIC』に掲載しているレビューに関しての責任は?
デイヴィッド:『METAL EPIC』では、レビュー掲載済みのHR/HMのCDを購入して気に入らなかったというクレームは、一般的に受け付けていない。また、購入動機は個人に属するものと判断し、当方では一切責任を負わないものとする。
──あまりにも無責任な気がするが。
デイヴィッド:『METAL EPIC』のレビューは、殆どが創始者コスマン・ブラッドリー博士の手によるものだ。仮に責任を負うのであれば、彼の方であろう。しかし、今やレビューサイトにおいて、掲載された内容に対して個人の判断を加えた上でのCDの購入なのだから、レビューサイトに責任はない。「失敗した」とレビューにクレームをつけるのであれば、それは個人的な失敗になる。ここで重要なことは、我々の行っている行為は殆ど"非公式"という点だ。公式を模倣してはいるが、コスマン・ブラッドリー博士のレビューですら、個人的な産物に過ぎない。レビューサイトに対するクレームとは、個人が個人を攻撃するという行為だ。
──公式でなければ、レビューは責任を負わない、という考えのように聞こえるが。
デイヴィッド:CDの購入者は、飽くまでも参考にしたレビューサイトを個人的に攻撃する権利はない、ということだ。
──「HR/HMレビューと動画」という論点から大幅に逸脱し始めていると思うので、そろそろ核心に迫りたい。HR/HMレビューに対して動画は貼るべきではない、と考えるか。
デイヴィッド:その通り。
──その理由は?
デイヴィッド:ヘヴィメタルとは動画一つで理解できるほど浅い音楽性ではないし、長い歴史もある。バンドが心血注いで完成させた楽曲を無料で、しかもクリック一つで視聴していいはずがない。また、それで、リスナーは本当に作品を理解したことになるのか。誠実なヘヴィメタルのファンや、ヘヴィメタルの精神的な部分や知的な音楽性に感銘を受けてこの世界に入ってきたファンならば、今後、自らがどうするべきかよく知っているはずだ。無料で有料の音源がデジタルの海に野放しにされた時、製作者としてのアーティストの立場はどうなるのか。我々は楽曲さえ聴ければそれで良いのか。昔、インターネットも普及していない80年代、我々はCDを買うことで初めて楽曲を聴くことができた。その時から、私の考えは変わっていない。楽曲を聴きたいのなら、現金を払い、CDを購入するべきだ。過去にコスマン・ブラッドリー博士が言った「今後、『METAL EPIC』でHR/HM関連の動画は二度と扱わない。レビューは文章のみとする」果たして、彼は何を伝えたかったのか。
──このように崇高な理想を掲げる『METAL EPIC』が、他の「動画を貼っている」HR/HMレビューサイトにアクセス数で大幅に劣っていることは、単なる皮肉以外の何者でもないが。
デイヴィッド:それは、恐らく我々の力不足だろう。私自身、『METAL EPIC』がエピック・メタルの認知に多少なりとも貢献しているかどうか、疑問に思うことがある。しかし、不変の目標がここにはある。例え如何なる逆境に直面しようとも、かつてコスマン・ブラッドリー博士がエピック・メタルと出会い、生涯を変える感銘を受けた時より以来、『METAL EPIC』は窮極のエピック・メタルを探すことを決してやめることはない。
──それはコスマン・ブラッドリー博士のマスターベーションだ。




Click Ranking for epic metal!
関連記事
コメント
この記事へのコメント
デイヴィッド・オルソー氏の意見はもっともだと思います。
インターネットという現代の魔法によって「金を払って商品(音楽)を買う」という当たり前の感覚が欠如してしまったのでしょうか?
本文中でも指摘されてますが、アーティストが心血を注いで、金と時間をかけてやっと作り上げた作品を聴くには我々リスナーは対価を支払うべきだし、それがアーティストをどれだけサポートすることになるか知らない人が多すぎると感じます。

と言ってもインターネット自体は悪ではなく問題は使う人間です。実際METAL EPICでレビューされている作品、ことエピックメタルの作品は大半が輸入盤であり通常のCDショップに並ぶことがないため、購入するには通販を利用するしか手がないのですから・・・。

METAL EPICでは動画を扱わないとのことですが、僕はそれでいいと思います。METAL EPICでは古風な文章で構成された記事が似合うと思うからです。

長々と長文で失礼しました。

2013/01/25(金) 20:17 | URL | taka #-[ 編集]
返信
インターネットが存在しなければ、エピック・メタルというジャンルを本格的に本国へ輸入することはできなかったことは確かです。一部のマニアックな店舗を除いては、まさにあなたのおっしゃるように、市場で殆どそれらの作品を目にすることは皆無です。現在では、インターネットの存在によって、私達はニーズに合わせた商品を手にすることができます。昔の人々からすれば、まさに"魔法"だと思います。私達は、文明と技術の進歩に感謝しなければなりません。そして、正しい選択をすることは、私達に委ねられた大切なことです。
2013/01/26(土) 17:11 | URL | コスマン・ブラッドリー #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://cosmanbradley.blog129.fc2.com/tb.php/586-41f247bc
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック