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To Death & Beyond



Country: Greece
Type: Full-length
Release: 2008
Reviews: 88%
Genre: Epic Heavy Metal


ギリシャ発祥の正統派エピック/ヒロイック・メタルの重鎮、バトルロアの2008年発表の3rd。




大いなる戦神が彼らを選んだかの如く、ギリシャのバトルロアの第2作『Age of Chaos』(2005)は凄絶を極める傑作であり、劇的な進化を遂げた新時代エピック・メタルの重要作であった。この決定的な成功──商業的な成功ではなく、作品としての成功──により、もはやバトルロアの存在は世界各地のエピック・メタルのマニアたちの間を駆け巡り、絶えず英雄の如き称賛を浴びた。熱狂的な彼らにとって、バトルロアの壮大なサウンドがマニラ・ロードやキリス・ウンゴル影響下の伝統的なエピック・メタルのスタイルから発展してきたことは既に明らかであり、ここでシンフォニックなエピック・メタルが緊張感と迫真の表現力でそれらに僅かに劣るであろうことが証明されるに至った。異物の全くない純潔のエピック・メタルが各地で燻っていた情熱的なエピック・メタル・ファンの心を捉えたことは疑いようがなく、エピック・メタルにとって何が重要であるのかという疑問に対し、バトルロアは一つの答えを出していた。事実、すべてのエピック・メタル・ファンが求めるものが、バトルロアの生み出す作品に宿っていたのである。



前作での圧倒的なクオリティに続くかの如く、イタリアの「Cruz Del Sur Music」よりバトルロアの第3作『To Death and Beyond...』が発表された。エピカルなリスナーは『Age of Chaos』のサウンドに度肝を抜かれたが、更に驚くべきことは、本作『To Death and Beyond...』のサウンドが遥かにそれを上回っているという事実の方であった。バトルロアは前作で生み出したはずの渾身の内容を、今作でいとも簡単に超えてしまったのである。そして、その先に何があるのか、迫真のエピック・メタルによって、またもやリスナーは驚かされることになった。



To Death and Beyond...』──エピック・メタル史にその名を刻むことが確実であるこの一大傑作は、一切の妥協を許さない内容だけに、聴き手を選ぶことは必死である。本作はシリアスな戦場の様を叙事詩的に描いたバトル・メタルの傑作であり、ヒロイックなヘヴィメタルの最高峰に君臨する。2000年以降、エピック・メタルの時代はNWOMEM(New Wave of Mediterranean Epic Metal)によって新たな局面を迎えたが、その新時代の歴史的傑作の一つともなる巨大な可能性を、本作『To Death and Beyond...』は秘めている。恰も激流の如きエピカル・リフの嵐、中世の戦場の緊張感、大仰なヒロイズム、映画の如きスペクタクルが、凝縮された一つの楽曲として完成され、本作に9つの叙事詩として宿っている。考え方はシンプルだが、楽曲はシンプルではない。"Oceans of Pain"の中間部に突如出現する美的なヴァイオリンの旋律であるかのように、バトルロアの楽曲は波乱のドラマに満ちており、恰も激烈な戦地の叛乱の如く目まぐるしい展開をする。これぞ熱烈なファンが長年追い求めた真性のエピック・メタル作品であり、大仰なヒロイズムを極めた一大傑作である。エピック・メタルというヘヴィメタル最古のサブ・ジャンルは、人々が新鮮さと感動を忘れ去った時代にあってもなお、興奮と驚異を齎す傑作を我々に提供してくれる。。



1. The Wrathforge
およそ8分に及ぶ大作。開戦を告げる劇的なイントロダクションに導かれ、真性のエピック・メタルが太陽の曙を見る。バトルロア屈指の傑作である本曲は、激流の如きメロディの展開、鳥肌必至の緊張感、凄絶な戦地の描写力で聴き手の脳髄を直撃する。エピック・メタルかくあるべし。
2. Dragonhelm
雄大なメロディに彩られたエピック・チューン。ヒロイックに疾走し、聴き手の戦意を鼓舞する。血生臭い戦場の描写も迫真。
3. Finis Mundi
およそ9分に及ぶ大作。シンフォニックかつ深遠なイントロダクションからアコースティック・パートへの流れ、続くエピカル・リフの導入までを完璧な手順でこなすエピック・メタルの典型。脈動感のあるリフとメロディは大仰さを極める。中間部からはヴァイオリン・パートも登場。
4. Metal from Hellas
エピカルなミドル・テンポ。スムーズに展開し、強力なインパクトを備えたコーラスへと移る。リズミカルなリフ、及びソロも劇的なハーモニーを刻む。
5. Hyrkanian Blades
重厚なリフとグルーブ感のあるリフが特徴的。コーラス、メロディは依然としてヒロイック。
6. Oceans of Pain
およそ10分に及ぶ大作。壮大なムードを発散するエピック・メタルの一大傑作。ドイツのランニング・ワイルドを彷彿とさせる血生臭いヴァイキング・リフで勇猛果敢に戦場を疾走する。ヴォーカルの仰々しい歌唱、及び雄々しいコーラスは怒涛の臨場感を放つ。また、中間部のヴァイオリン・パートはの美しさは本作でも突出。
7. Born in the 70's
明るいムードとキャッチーなメロディが気掛かり。サウンドはアグレッシブ。
8. Warlord of Mars
エドガー・ライス・バロウズのSF小説『The Warlord of Mars(邦題:火星の大元帥カーター)』(1919)に触発された楽曲。ヒロイック・ファンタジー的な大胆なメロディの大量導入により、異様な勇猛果敢さを誇る本曲こそ、まさに異世界の英雄を描いた名曲に相応しい。SF的ハーモニーの使用とダイナミックなヒロイズムが圧倒的な高揚感を放っている。
9. Death before Disgrace
およそ8分に及ぶ大作。暗澹たるアコースティック・パートから大仰に展開。中世の軍隊の行進の様の如き重厚なエピカル・リフで突き進み、要所で泥臭い掛け声を多用。高度なドラマ性のため、当然の如く中間部ではヴァイオリンを導入。クライマックス付近でのリフの暴れ様は凄絶。



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