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Column the Column

volume 19. 8 January: 2012



 エピック・メタルに影響を与えた作品は小説や文学だけには留まらない。過去の音楽や映像作品などもこのジャンルには強く関係しており、我々は時にそれらを発掘し、ある種の驚異と感動に包まれる。これらの世界では、現代では味わうことのできない時代の一部分を疑似体験すると共に、エピック・メタルのアイデンティティの基盤となっているものに触れることができる。今回、我々が新たに出会う映像作品は、彼らにとって極めて忘れ難いものである。


Conan the Barbarian


 叙事詩的映画(Epic film)の巨匠ジョン・ミリアス(John Milius)は、1982年制作のロバート・E・ハワード原作の映画『Conan the Barbarian(邦題:コナン・ザ・グレート)』で監督を務めた。脚本はジョン・ミリアス自身と、後に名作『Alexander(邦題:アレキサンダー )』(2004)を生み出すことになるオリバー・ストーン。コナンの生涯の一片を描くという叙事詩的な構想はここから広がっていった。主演は無名時代のアーノルド・シュワルツェネッガー、音楽はアメリカの作曲家ベイジル・ポールドゥリス(Basil Poledouris)であった。ジョン・ミリアスとベイジル・ポールドゥリスは以前、サーフィン映画の名作『Big Wednesday(邦題:ビッグ・ウェンズデー)』でも共作を果たしている。かつてセルジオ・レオーネとエンニオ・モリコーネが共作で『Once Upon a Time in the West(邦題:ウエスタン)』(1968)や『Once Upon a Time in America(邦題:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ)』(1984)などの偉大な叙事詩的映画と音楽を生み出していったように、ジョン・ミリアスとベイジル・ポールドゥリスもまた、同じ星の元に映画史にその名を刻む宿命にあった。

 『Conan the Barbarian』は続編として『Conan the Destroyer(邦題:キング・オブ・デストロイヤー)』(1984)が制作されたが、リチャード・フライシャーが監督した本作はジョン・ミリアス版"Conan"に比べ、遥かに娯楽性が高い作品であった。続くハワードの世界観に基づくブリジット・ニールセン主演の『Red Sonja(邦題:レッドソニア)』(1985)にしても、叙事詩的かつ重厚な『Conan the Barbarian』を模倣してはいなかった。なお『Red Sonja』の音楽はエンニオ・モリコーネが担当し、ベイジル・ポールドゥリス並の勇壮なスコアを聴かせている。ハワード原作の映像化作品の中には『Kull the Conqueror(邦題:ザ・コンクエスト~征服大王カル)』(1997)もあるが、これはコナンの前史にあたる"King Kull"シリーズの映像化作品だ。

 ヒロイック・ファンタジーやハワードのファンにとっては、永遠にジョン・ミリアスの『Conan the Barbarian』こそが正式な"Conan"の映像化作品であり続けた。2011年にジェイソン・モモア主演で実現した新生『Conan the Barbarian』の発表の後も、その基本的な概念が失われることはなかった。なぜなら、新生『Conan the Barbarian』はジョン・ミリアスを超えてはいなかったからだ。ジョン・ミリアスとベイジル・ポールドゥリスが作り上げた最初で最後の"Conan"は、有史以前の夜空に輝いた星々の放つ微光の如く、太古の時代の情景を鮮明に思い出させる。歳月の蚕食によって例え何世紀経過しようとも、魔術師アキロの冒頭の語り声ははっきりと聴き取れるのだ。そして闇夜の静寂を突き破る荒馬の足音であるかのように、あの"Anvil Of Crom"の懐かしいテーマが遠くから聴こえてくる...


Ost: Conan the Barbarian

 もう二度とジョン・ミリアスとベイジル・ポールドゥリスが共作する映画は見ることができないであろう。たった一度の奇跡──『Conan the Barbarian』という一大叙事詩を拝めたことが、多くの叙事詩的映画ファンの心に今も残っていることは疑いようがない。その感動が、ベイジル・ポールドゥリスの作り上げた美しくも幻想的なサウンドトラックを通して、ハワードを愛してやまないエピック・ヘヴィメタルの作品群にも受け継がれていっている。ジョン・ミリアスとベイジル・ポールドゥリスの影響力は大きすぎた。なお『Conan The Barbarian』のサウンドトラックは、2010年にベイジル・ポールドゥリスの望んだ真の形となって、タッドロウとプロメテウス・レーベルの共同プロジェクトで進行し、プラハ・フィルパーモニック・オーケストラ起用で再録され、遂に完成した。

Metal Epic, Jan 2012
Cosman Bradley




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