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New Epic Metal Age.



 近年、イタリアを先頭にして新世代エピック・メタル・バンドが次々に登場している。恰も群雄割拠するハイボリア時代の諸王国の如く、これらのバンドもまた、実力がなければファンに認められることはない。ここでは活力ある注目株をいくつか紹介する。


英雄叙事詩譚の再訪。

ROSAE CRUCIS 「Fede Potere Vendetta」(2009)

Fede Potere Vendetta


──イタリアのエピック・パワーメタル、ロジー・クルーシズの第3作。シンフォニックなサウンドを使用しない正統派エピック・メタル史において、極限のドラマティシズムを一心に追求するティボリ出身の逸材である。過去、"エピックメタルの父"ロバート・E・ハワードの小説『Worm of the Earth(大地の妖蛆)』(1932)を題材とした第一作『Worm of the Earth』(2003)を発表し、極めてエピック/ヒロイックな分野へと特化したサウンド、及び世界観を世界各地のマニアたちに向けて披露した。そのスタイルは本作『Fede Potere Vendetta』にも見事に継承されており、本来、デモ『Fede Potere Vendetta』(1998)の流用を含む本作は、新たに〈コナン・トリロジー〉なる名曲を加えた後に完成し、全編が母国イタリア語で歌われる、という仕様である。スペインのサウロム(SAUROM)などにも通じるその勇壮さは常時異様を極めるものであり、前述の3部作(当然の如く、この作品はハワードの小説『CONAN』が題材となっている)に該当する"Le Cronache di Nemedia"、"Crom"、"Venarium"では、ヒロイズムが齎す興奮と恍惚のある種の頂点に達している。これらはエピック・メタルの新時代に金字塔を打ち立てたとでも断言すべき、ロジー・クルーシズの生み出した途方もない傑作群である。なお本作には、ドイツからグレイブ・ディガー(GRAVE DIGGER)のクリス・ボルテンダール(Chris Boltendahl)がゲスト参加。他、2010年には英語圏ヴァージョンである『Fede Potere Vendetta - Overlord Edition』が発売。エピック・メタルのファンならば、こちらも逃す手はないであろう。


真実の時、来たれり。

MARTIRIA 「Time of Truth」(2008)

Time of Truth


──イタリア・ローマ出身の真性エピックメタルの使徒、マーティリアの第3作。元ウォーロード(WARLORD)のリック・マーティン・アンダーソン(Rick Martin Anderson:vo)、ダンウィッチ(DUNWICH)のアンディ・メナリオ(Andy "Menario" Menariri:g、key)を抱えるバンドであることは、エピック・メタルのマニアたちの間では既に有名である。この強力なメンバーに加え、同郷の作家、詩人のマルコ・ロベルト・カペリ(Marco Roberto Capelli)を加えたのがこのマーティリア・プロジェクトである。一見するとエピカルなヘヴィメタル以外は決して誕生してこないようなクレジットだが、本作『Time of Truth』はまさにその王道を貫いた作品。既にアルバム・ブックレットの裏表紙に描かれているジャック・ド・モレー(Jacques de Molay, 1244 - 1314)の肖像画がサウンドのすべてを物語っており、宗教的かつ神秘的なカルト・エピック・メタルが惜しみもなく展開される内容を有している。また今作では、従来のキリスト教的世界観に加え、始祖ヴァージン・スティールが用いたような古代ギリシャ神話をモチーフとした"The Storm (Ulysses)"、"Prometeus"などの楽曲も登場し、叙事詩的な世界観に幅を広げている。その中にあっても、"Give Me a Hero"の突出したヒロイズムには驚きを禁じ得ず、本曲はマーティリアが生み出した最高の名曲の一つに数えられるはずだ。近年は特にエピック・メタル・シーンでの活躍著しいマーティリアだが、ファンは本作が品切れになる前に、是非とも入手しておきたいところ。


新時代の凄絶なる荒波。

BATTLEROAR 「To Death & Beyond...」(2008)

To Death & Beyond


──ギリシャの正統派エピック・パワーメタル、バトルロアの第3作。当然の如く、フィンランドのバトルロー(BATTLELORE)とは全くの別物であり、その迫真のサウンドと叙事詩的音楽に打ち込む堅実な姿勢は似て非なるもの。アメリカの地下エピック・メタルの神、マニラ・ロードを深く崇めるというバトルロアのサウンドからは、80年代エピック・メタルの薄暗い雰囲気と強烈な異臭が漂っている。本作『To Death & Beyond...』も例外ではなく、バトルロアが追求するエピック/ヒロイックなサウンドの極地ともいうべき凄絶な内容が展開され、重厚な叙事詩的リフが巨大な城塞を建設し、勇壮なコーラスが恰も戦地での戦士らの鬨の声の如く木霊する。エピック・メタルらしく、ロバート・E・ハワード、エドガー・ライス・バロウズ、北欧神話の世界観に代表される幻想的な本作の内容は、時にリアリスティックな描写と相俟って聴き手の想像力をも強烈に掻き立てる。劇的な冒頭を飾る"The Wrathforge"、広大な大洋を彷彿とさせる一大叙事詩"Oceans of Pain"、バロウズの『火星』シリーズにインスパイアされた"Warlord of Mars"などを含み、すべてが名曲と断言しても過言ではない完成度を誇っている。エピック・メタルは素晴らしい音楽だと、改めて痛感させられる作品であることは間違いない。結局のところ、80年代初期にマニラ・ロード、キリス・ウンゴルから始まり、幾度となく挫折を体験したエピック・メタルは、今なお進化を続けている。


古マケドニア軍の行軍の如く。

SACRED BLOOD 「Alexandros」(2012)

Alexandros


──ギリシャ発祥のエピック・パワーメタル、セイクリッド・ブラッドの第2作。同郷のエピック・メタル・バンドの中ではバトルロアに次ぐ逸材のセイクリッド・ブラッドは、主にアテネを拠点に活動し、豪傑かつ英雄主義的なエピック・メタルを聴かせている。既にアルバム・タイトルが物語っているように、古代マケドニアの王アレクサンドロス3世の生涯をコンセプトにした本作『Alexandros』の発表によって、その地位を不動のものとした。始祖ヴァージン・スティールのデイヴィッド・ディファイも絶賛したという本作の見事なサウンドは、本格派に相応しく、ダイナミックかつシネマスティックな音楽性を備えた壮大なものである。紀元前334年の"グラニコスの戦い(Battle of the Granicus)"を描写した英雄的な"The Battle of the Granicus (Persian in Throes)"や雄大なメロディを持つ"Ride Through the Achaemenid Empire"では、前作『The Battle of Thermopylae: The Chronicle』(2008)からの大きな飛躍が感じ取れる。本作の完成度を見ても明らかであるように、今後の更なる活躍に期待したい。


神の名をその手に。

WOTAN 「Epos」(2007)

Epos


──イタリアの正統派エピックメタル、ヴォータンの第2作。北欧神話の戦神の名をバンド名に冠していることが既に物語っているように、アメリカのマノウォーを代表とする非常に漢らしい世界観を追求するエピック・メタルの一派に属する。そして、サウンドもそれに相応しく、本作『Epos』では終始徹底したヒロイックな旋律に彩られ、要所で劇的な展開を交えた濃密な叙事詩が披露される。ローマ帝国に反逆したスパルタカスの英雄像をドラマティックに描いた"Spartacus"、勇壮なる"Vae Victis"、フランス最古の英雄叙事詩『ローランの歌』をモチーフとした長大な大作"Le Chanson de Roland"、9分に及ぶ波乱のラスト"Ithaca"など、耳を惹きつける楽曲は極めて多い。シンフォニック・エピックなサウンドも悪くないが、やはりエピック・メタルは硬派なサウンド、英雄叙事詩的なテーマに限り、本来の実力を発揮できる。





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