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ジャンヌ・ダルク

THY MAJESTIE the 3rd album in 2005 Release
★★★★★★★★★☆...(傑作)

イタリアのパレルモ出身、シンフォニック・エピック・メタルの使徒、ザイ・マジェスティの2005年発表の3rd。


物語...
1337年から1453年にかけて続いた英仏百年戦争の最中に救世主として登場し、「オルレアンの乙女(The Maid of Orléans)」と称されたフランスの英雄ジャンヌ・ダルク(Jeanne D'arc)。ジャンヌは神の啓示によってオルレアンの解放とランスでの戴冠式を使命とし、"パテーの戦い"での勝利の後、ノートルダム大聖堂でフランス国王シャルル7世として戴冠した。宮廷内で孤立した後、1430年のコンピエーニュの戦いでブルゴーニュ軍に捕らえられたジャンヌは、イギリス軍に異端者として異端審問裁判にかけられる。裁判によれば、ジャンヌが聞いた声は神のそれではなく、別のものであったという。よってジャンヌには死刑判決が下り、中世キリスト教世界で最も過酷な刑罰──火刑を受けることとなった。ジャンヌの火刑が実行されたのはフランス、ルーアンのヴィエ・マルシェ広場であったという。ジャンヌの死後、ローマ教皇カリストゥス3世のもと裁判がやり直され、ルーアンにて死刑判決が覆る。爾来、フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトの再評価によって広く名が知れ渡り、徐々にフランスでの国民的英雄としての地位を固めていく。1920年にはベネディクトゥス15世によって列聖され、カトリック教会の聖人に名を連ねた。

『Jeanne D'arc』について...
伝説はかつてスペインのダーク・ムーアが第2作『The Hall Of The Olden Dreams』(2001)の"Maid of Orleans"で取り上げたものだ。この叙事詩を扱った他の作品にリュック・ベッソンの映画『The Messenger: The Story of Joan of Arc(邦題:ジャンヌ・ダルク)』(1999)があるが、内容についてはそちらの方が詳しい。過激かつリアルな描写がセンセーショナルな印象を与えた問題作である。
話が逸れたが、1998年のイタリア・パレルモで結成されたエピック・メタル・バンド、ザイ・マジェスティが「Scarlet Records」より発表した第3作『Jeanne D'arc』のテーマに選択したのがこのジャンヌ・ダルクの生涯である。バンドの結成は、同郷のクラウディオ・ディプリマ(Claudio Diprima:d)とジュセッペ・ボンディ(Giuseppe Bondì:key)が出会ったのがきっかけであったという。二人は徹底して「エピカルなヘヴィメタル」を目指し、以来シーンでの活動を続けてきたのである。
本作でザイ・マジェスティは、演劇的かつリアリスティックな手法を用い、悲劇と栄光に満ちた聖女ジャンヌ・ダルクの真実に迫っている。本作で描かれているのは、ジャンヌ・ダルク死後の再評価までとなっており、その凄絶な様が血生臭くも圧倒的なスケール感のエピック・メタルによって構築されている。1066年に実際に起こった「ヘイスティングスの戦い」を描いた前作『Hastings 1066』(2002)がエピック・メタル史に巨大な爪痕を残した功績はどう考えても大きいのだが、そのザイ・マジェスティの新作ともあれば、否応にも周囲の期待は高まるもの。前作からおよそ3年という空白を経ての本作の発表は、バンドにとっても新しい挑戦となっている。
バンド内での変化もあった。今作から新ヴォーカルを録るのがジュリオ・グレゴリオ(Giulio Di Gregorio)であり、前任のダリオ・グリーオ(Dario Grillo)よりも力強い歌声が特徴的なシンガーだ。ヴォーカルの影響力もあるが、本作のサウンドは以前のザイ・マジェスティよりも遥かにパワー・メタル的な攻撃性が前面に押し出された作風である。全体的に壮大な演出を得意とした迫真のエピック・クワイアは控えめであり、より肉薄のあるコーラスが主役となっている。ジャンヌ・ダルクはカトリック教の聖女なので、"Ride To Chinon"、"...For Orleans"などの楽曲ではよりキリスト色の強いコーラス・パートも目立っている。ザイ・マジェスティは、過去シングルにもなった『Echoes of War』(2003)という絶対的な名曲を持っているが、今作でも卓越した作曲とソングライティングで"The Chosen"という次世代エピック・メタルの名曲を完成させている。当然の如く、その他の楽曲ですら、完成度は恐ろしいまでの高水準を保っているところは、このバンドの圧倒的なポテンシャル故であろう。
シンフォニックな側面からエピック・メタルを追求してきたのがイタリアのザイ・マジェスティというバンドである。ここに表現されているすべての壮麗なサウンドは、一見ヘヴィメタルとも疑われるものだが、その根本的な概念はやはりエピック・メタルに属している。この分野は途方もない進化を遂げている。ザイ・マジェスティのサウンドを聴けば直に事実は明白なものとなる。エピカルなパワー・メタルとリアリスティックな中世史の融合を果たし、本作『Jeanne D'arc』で徹底的に描かれたストーリーテリングな内容は、劇的な興奮を聴き手に齎し、多くのエピック・メタル・ファンの心を捉えることが約束されている。




1. Revelations
スペクタクル映画の如きイントロダクション。SE、クワイア、オーケストレーションを使用する。
2. Maiden Of Steele
スピード感溢れる勇壮なエピック・メタル。アグレッシブなサウンドの中に中世のメロディ、強烈なサビのインパクトを加える。コーラスはキャッチーでありながら、中世時代の雰囲気を漂わせている。
3. The Chosen
"Echoes of War"に次ぐ名曲。荘厳な中世のメロディに乗せ、徹底して大仰なヒロイズムが流麗に描かれている。エピカルなオーケストレーションを駆使した劇的なサウンドは圧巻である。臨場感及び緊張感も特筆に値する。
4. Ride To Chinon
スピーディなパワー・メタルと中世の世界観が融合した楽曲。芸術的なコントラストを持つ。クワイア・パートではカトリック的なムードも醸し出している。
5. ...For Orleans
目まぐるしい展開を持つ名曲。エピカルなリフを用い、戦場のSEが雰囲気を盛り上げる。映画の如き圧倒的なスケール感を放ち、大仰極まるコーラスを導入。ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』のように、終始劇的な旋律に包み込まれている。
6. Up To the Battle!
疾走曲。スピーディなサウンドにヒロイックなメロディが伴う。
7. March Of the Brave
イントロダクション。
8. The Rise Of a King
悲劇的な旋律を伴う楽曲。静と動の使い分けが際立つ。他の楽曲の例に洩れず、本曲も壮大なクワイア・パートを持っている。
9. Siege Of Paris
宗教音楽の如きイントロからヘヴィなリフへと展開。ダークなムードが漂うが、サビは真逆。エピカルなサウンドの発する誘引力は相当のものである。
10. Time To Die
重厚なミドル・テンポ。史実的かつオペラティックなサウンド。ジャンヌ・ダルクのリアリスティックな悲劇を演じている。後半ではテンポ・チェンジする。
11. Inquisition
不穏なイントロダクション。
12. The Trial
プログレッシブな大作。複雑なパートから構成され、疾走と減速を繰り返す。ヴァースからコーラスまでシリアスな雰囲気で統一され、立体的な音で聴き手に迫る。中間部では更にプログレッシブな展開を持ち込む。



Review by Cosman Bradley

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