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Defiance



Country: United States
Type: Full-length
Release: 2009
Reviews: 86%
Genre: Epic Power Metal


アメリカのニューヨーク出身、ジャック・スターズ・バーニング・スターの2009年発表の5th。


「強力な新作を引っ提げて、ジャック・スターが帰還を果たした」
 ──『METAL EPIC』誌



1 経歴

「前作からおよそ20年振りに新作を発表するバンドなどいるだろうか」
それが我々の率直な感想であった。この劇的な復活劇はヘヴィメタル・シーンにおいても極めて珍しい事態であり、困惑と同時に周囲の期待感も高まっていた──

今回の主役ジャック・スターズ・バーニング・スターは、才能に恵まれながらも時代に恵まれなかったギタリスト、ジャック・スター(Jack Starr:g)が率いることでよく知られていた。1985年に第一作『Rock The American Way』(1985)でデビューを果たし、その後第2作『No Turning Back!』(1986)、第3作『Blaze Of Glory』(1987)と作品を発表。アメリカンなサウンドながらもジャック・スターの鋭いギタープレイが注目を集め、マニアの間で人気があった。しかし、ヘヴィメタルから逸脱した作風をなぞった第4作目『Jack Starr's Burning Starr』(1989)での失敗以来、ジャック・スターズ・バーニング・スターの活動は失速。また、その時期がヘヴィメタルの本格的な低迷期の始まりであったことも重なり、バンドは殆ど機能を失った。そして、それらしい傑作も生み出せないまま、ジャック・スターズ・バーニング・スターは時代の影に呑み込まれていった。
ファンなら誰もが承知の事実だが、ジャック・スターは元ヴァージンスティールのギタリストであった。既に"エピックメタルの帝王"として定着したヴァージンスティールのデイヴィッド・ディファイとは旧知の仲にある。ジャック・スターは完全に音楽活動を諦めたわけではなく、時折ディファイと連絡を取り合っていた。ジャック・スターズ・バーニング・スターの解散後、ディファイと共に結成したブルーズバンドは上手くはいかなかったが、1997年頃には『Sacred』なるデモ・テープを制作。これがレコード会社の目に留まり(しかし発売には至らなかった)、ジャック・スターのシーンへの復帰の第一歩へと繋がることになった。しかし二人はジャックの参加していた初期2作品の再発を巡り対立。この事態に決起したジャック・スターは新しいバンド、ガーディアンズ・オブ・ザ・フレイム(GUARDIAN'S OF THE FLAME)を結成し本格的に活動を再開するものの、ディファイとの溝は深まった。その後メディア上でいくつかの口論があり、二人の関係性は更に悪化。しかし苦難を経てシーンに復帰したジャック、同じくどん底からヴァージンスティールを軌道に乗せたディファイは、それぞれの目指す活動を続けていく道を選択する。

2 『Defiance』について...

ガーディアンズ・オブ・ザ・フレイムからのジャックのパートナーとして、トッド・マイケル・ホール(Todd Michael Hall:vo)とネッド・メロニク(Ned Melonik:b)は新生ジャック・スターズ・バーニング・スターに欠かせない人物であった。2008年、マノウォーのジョーイ・ディマイオの協力によってジャックのバンドが復活を遂げる際、ジョーイのレーベル「Magic Circle Music」との契約はもちろんのこと、不足していたドラム奏者に元マノウォーのライノ(Rhino:d)が迎えられることとなった。ようやく時代の風がジャックに追い風となったのである。
役者は揃った。ジャック・スターは長年溜め込んでいた創作意欲と磨き上げたギター・テクニックを観客に披露するように、この超強力な新作『Defiance』を一気に作り上げた。ジャック・スターズ・バーニング・スターの第5作目にあたる本作は、前作からおよそ20年振りの新作ということもあり、発表後、様々な意味でヘヴィメタルのファンを驚かせることとなった。事実、我々の抱いた"驚異"を最も具体的に物語っていたのが本作『Defiance』のサウンドであった。例えば第一作『Rock The American Way』の頃のジャック・スターズ・バーニング・スターのサウンドを想像していた向きは、間違いなく怒涛の衝撃にその身を委ねることになったであろう。過去のアメリカン・ハードロック的な要素は微塵も感じさせない、正しく「正真正銘のヘヴィメタル」が『Defiance』には詰め込まれていたのだ。本作の全体を支配している崇高な緊張感やヒロイック/エピックなドラマ性などは、間違いなくマノウォーからの影響だが、これらの要素が新しいジャック・スターズ・バーニング・スターの方向性を決定付けるものとなっていることも事実である。そしてこの方向性は、ジャック・スターズ・バーニング・スターが長年探していたものに違いない。
確かに時代は変わった。我々は過去に学ぶこともあるが、既に過去の表現方法を選択する必要性などどこにもなかったのである。現代に求められているのは硬派なヘヴィメタルである。本作が物語っていることは、ジャック・スター自身がこの事実を熟知しており、尚且つ『Defiance』に流れているような"正統派"の血脈を強く意識した、というものである。真の意味で爆発したジャック・スターが生み出した唯一無二の傑作──それがこの『Defiance』なのだ。



1. Inquisitor
2. Once and Future King
聖歌隊を彷彿させるコーラスから開始されるエピックメタル。静のパートを絶妙に駆使し、ダークでありながらも決して緊張感の途切れない内容が展開する。トッド・マイケル・ホールの大仰な歌唱も見事にはまる。
3. Defiance
タイトル・トラック。神秘的なピアノ・パートから大仰に展開していく正統派エピックメタル。
4. Day of the Reaper
ヒロイックな高揚感に包まれた楽曲。刻一刻と緊張感を高めていくリフ、雄々しいコーラスの導入など徹底してヒロイックな内容。聴き手の興奮は必至であろう。
5. Indian Nation
インディアン風の笛の音色とSEを用いたイントロが印象的。強烈なリフとウィスパーボイスの掛け合いは最高。アメリカ先住民の熱きスピリットに溢れた渾身の一曲である。
6. Black Clouds of Thanos
およそ9分に及ぶ大作。ダークな雰囲気を宿す重厚な楽曲。
7. The King Must Die
スピーディな正統派ヘヴィメタル。荘厳なコーラス、ヘヴィかつメタリックなリフで攻める。
8. Ancient Ones
ヴァージンスティールに通じるエピカル・リフを披露する楽曲。リズミカルなテンポでシリアスな世界観を構築する。耳を惹きつけるエキゾティックな旋律の使用にも注目すべきであろう。
9. Catch the Rainbow
レインボー(Rainbow)のカヴァー。
10. The Beast Inside
11. Evil Never Sleeps
ライブ音源。



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