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Playground of the Damned



Country: United States
Type: Full-length
Release: 2011
Reviews: 80%
Genre: Epic Metal



アメリカのアンダーグラウンド・エピックメタルの重鎮、マニラ・ロードの2011年発表の14th。


近年、一連のコンセプト・アルバムの発表によってその健在ぶりをアピールしたエピックメタル・シーンの重鎮マニラ・ロードは、第14作目にあたる本作『Playground of the Damned』にて再びシンプルな方向性を目指している。それは『Gates of Fire』(2005)で表現された複雑な大作志向を排除するものであり、より個々の楽曲が際立つ要素を意図的に設けている。既に完成されたマニラ・ロードのアンダーグラウンド・エピックメタルが放つ古典的な魅力は、円熟したバンドの演奏と見事に重なり、今作でも真価を十分に発揮している。なお本作では楽曲が独立している分、我々はよりスムーズにマニラ・ロードの楽曲を聴くことが可能だ。
コンセプチュアルな手法が結集された前作『Voyager』(2008)では、中世時代のヴァイキングの航海の様を叙事詩的に描き切り、ドラマティックなエピックメタルの金字塔を打ち立てたことが記憶に新しい。今作でマニラ・ロードはやり尽くされたコンセプト・アルバムの手法を一旦手放し、各楽曲にそれぞれ異なるストーリーを持たせている。例えば映画『キル・ビル(Kill Bill)』(2003)などで有名なクエンティン・タランティーノ監督の『グラインドハウス(Grindhouse)』(2007)をモチーフとした"Grindhouse"などは、比較的新しい試みの一つとして数えられる。また従来のテーマに沿った"Abattoir de la Mort"やロバート・E・ハワードの小説『アシュールバニパル王の火の石(The Fire of Asshurbanipal)』(1936)を題材とした"Fire of Ashurbanipal"などの楽曲は、古いファンを喜ばせる内容を持っている。『Playground of the Damned』では全体を構築する一つのテーマが排除されているため、個々の楽曲も実にバラエティに富んだ内容を収録することができたのだ。
Playground of the Damned』のサウンドは前作の延長線上にあるといえよう。ブラックやデスから影響を受けたダークなエピックメタルが展開される本作では、若干スピードも抑えられている分、より安定したマニラ・ロードの重厚なサウンドを聴くことができるのだ。楽曲はシンプルなリフを基盤に構築され、ここでもマーク・シェルトン(Mark Shelton:g、vo)とブライアン・パトリック(Bryan Patrick:vo)の独特の歌声が素晴らしい仕事をこなしている。なお本作では、以前よりもブライアン・パトリックのヴォーカルがマーク・シェルトンの歌唱法に接近している点にも注目が集まる。なぜなら、今では判別が難しいほど二人のヴォーカルは類似しているためだ。これもブライアン・パトリックがマニラ・ロードというバンドのために努力した結果であろう。



1. Jackhammer
本作を冒頭を飾るに相応しい名曲。エピカルなギターメロディとヘヴィなリフが交互に狂乱を果たす。マーク・シェルトンの不気味なヴォーカルも異様に光る。
2. Into the Maelstrom
暗く重い内容。緩急に富んだ場面も披露し、要所で聴き手を驚かせる。この果てしない暗さがマニラ・ロードがアンダーグラウンドから脱出できない理由だが、これらの音楽性を他で聴くことはできない。
3. Playground of the Damned
タイトル・トラック。地を這うような重苦しいメロディがアンダーグラウンド特有のカルト的な空間を構築する楽曲。展開は至ってシンプルである。
4. Grindhouse
およそ8分に及ぶ楽曲。クエンティン・タランティーノ監督の『グラインドハウス(Grindhouse)』(2007)をモチーフとした内容である。冒頭の不穏な展開やグルーヴ感のあるリフの使用に加え、全体がオカルティックな雰囲気に彩られている。やはりそれらは題材のテーマに忠実に沿ったものであろう。なお「グラインドハウス」とは、アメリカのB級映画を数本立てで上映する映画館のことを指している。
5. Abattoir de la Mort
およそ7分に及ぶ、ヒロイック・ファンタジーに影響を受けた楽曲。本作のハイライトであり、エピカルな雰囲気と劇的な展開が聴き手を襲う。後半の盛り上がりにかけては従来のファンをも唸らせるものがある。
6. Fire of Ashurbanipal
ロバート・E・ハワードの小説『アシュールバニパル王の火の石(The Fire of Asshurbanipal)』(1936)を題材とした楽曲。この作品はハワードがクトゥルー神話に影響を受けて執筆した怪奇幻想小説である。本曲は妖艶なアコースティック・ギターの音色に彩られる叙情的な内容を持つ。
7. Brethren of the Hammer
勇壮な雰囲気に満ちた楽曲。ダークなリフとアグレッシブな内容を有し、従来のヒロイックなコーラスとエピカルなメロディを収録する。
8. Art of War
鍛えられたオーディンの戦士たちの戦争術(Art of War)について歌う。名曲"Epitaph Of The King"に連なるヒロイックなバラードの傑作であり、本作を締め括るに相応しい孤高のドラマ性を有している。後半にかけての叙事詩的なギターソロ・パートはあまりにも強烈。



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