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Time of Truth



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2008
Reviews: 83%
Genre: Epic Metal


イタリア発祥、真性エピック・メタルの血脈、マーティリアの2008年発表の3rd。


「ヴァージン・スティールの後継者」
 ──『METAL EPIC』誌



プロローグ...
カルト・エピック・メタルの覇者ウォーロード(WARLORD)のヴォーカリストとして活躍したリック・マーティン・アンダーソン(Rick Martin Anderson:vo)、ダンウィッチ(DUNWICH)のアンディ・メナリオ(Andy "Menario" Menariri:g、key)を中心として地下で活動を続けてきたイタリアのローマ出身のマーティリアは、同郷の作家であり、詩人のマルコ・ロベルト・カペリ(Marco Roberto Capelli)の創造した宗教的な詩をモチーフにして、独創的で古典的なエピック・メタルを作り上げてきた。1987年結成という遅咲きなバンドながら、2000年代になって始めて発表された『The Eternal Soul』(2004)、続く『Age of the Return』(2005)は純粋な正統派エピック・メタルの名作として、一部の古く熱狂的なエピック・メタルのマニアたちに絶賛された。これらの作品でマーティリアが古代や中世への徹底した傾向を示しているように、古い時代の伝統的なヘヴィメタルのサウンドが今再び注目を集めている。単純にマーティリアは長年続けてきた活動が遂に実を結んだだけだが、突然のマーティリアの表舞台への登場と時代の変化とは完全に無縁ではない。しかし結局は才能だ。哀愁に満ちた叙情的なメロディに乗せて神聖で叙事詩的な世界が形作られていくように、マーティリアのポテンシャルは極めて高く、ウォーロードやローディアン・ガード、そしてヴァージン・スティールの正統な後継者に相応しかったのである。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

Jacques_de_Molayマーティリアの第3作『Time of Truth』は硬派な古典的エピック・メタル作品である。叙事詩的であり、シリアスなリフとメロディによって構築された重厚な各楽曲は、時折キーボードの神秘的な音色に彩られながら、厳粛に悠久の古代の交響曲を奏でていく。マーティリアはローマのバンドに相応しい荘厳な世界観を持っており、特に本作ではアメリカのエピック・メタルの始祖、ヴァージンス・ティールの不動の名作『The House of Atreus』(1999)に通じる音楽性を披露している。ヴァージンス・ティールを彷彿とさせる立体的な質感のサウンドをエピック・メタルで表現することに成功したマーティリアは、極めて特別な才能を持っていることを無意識のうちに物語っている。また、全体でおよそ60分を超える本作の収録時間は、ヴァージンス・ティールの作風を忠実に模したものだ。これらの世界では、聴き手を長い間、恍惚に浸らせることが特に重要なようだ。
ブックレットの裏表紙に描かれているジャック・ド・モレー(Jacques de Molay, 1244 - 1314)の肖像画(*画像右)や、十字軍をテーマとした"13th of October 1303"などの楽曲が以前までのキリスト教的なイメージを残している。カトリック的な聖歌コーラスの配置や一部で残るカルト的な雰囲気は、中世キリスト教世界を起源とするものである。しかし、マーティリアは音楽性を広めた。これまでのキリスト教世界に代わる新しい叙事詩的なテーマを、マーティリアは発掘したのだ。本作では"The Storm (Ulysses)"を筆頭にして古代ギリシア世界を題材とした古典劇風のエピック・メタルが大仰に展開していく。これらは洗練されており、シンフォニックでもあるが、古典的なヘヴィメタルの重厚な雰囲気を合わせ持っている。今作でマーティリアがエピック・メタルの古典的な題材と重厚なサウンドを強調している点は、まさに失われゆく伝統的なエピック・メタルに対する強烈なオマージュである。無論、本作『Time of Truth』は真性のエピック・メタル作品であり、その証明はアルバム・タイトルが行っている。イメージは、我々が本作を視聴する時間、エピックメタルにとって真実の時(Time of Truth)が流れる、というものだ。
エピック・メタルらしい深遠なコンセプトが最大限に発揮されたマーティリアの第3作『Time of Truth』は他の追随を許さない。徹底されたシリアスな世界観を有し、エピック・メタルという分野の特徴を大いに発揮した傑作である。本編の後半にかけて若干の失速が認められる点に至っては残念だが、決してスピーディな内容ではなく、エピック・メタルの世界観そのものを尊重している作風は、やがて一部によって評価されるべき定めにある。"新しい時代が訪れてもなお、古く伝統的なものは残り続ける"──マーティリアはエピック・メタルを用いてその言葉を体現した。



1. Prologue
緊張感の漂うプロローグ。冒頭から重厚な世界観が表れる。
2. The Storm (Ulysses)
トロイの木馬を発案し、トロイアを陥落させたユリシーズ(オデュッセウス)。人々は業火に包まれる王国から船で逃れる。ヘヴィネスを増したリフにシンフォニックなフレーズが絡み、メロディは古代ギリシアの雰囲気をベースに構築される。暗くシリアスな内容はエピック・メタル特有の魅力を存分に引き出している。
3. Time to Pay
ソリッドがメロディが展開されるミドル・テンポのエピック・メタル。古代の頽廃的な雰囲気を纏い、時にオペラティックな音楽性を披露する。印象的なサビのコーラスは悲壮感に満ち溢れており、聴き手を忘れ去られた叙事詩の世界へと誘う。既にマーティリアは個性を開花させている。
4. Morgana, Again
魔女モルガナについての楽曲。妖艶な雰囲気を持つ。ゆったりとした曲調で進み、徐々に高揚感を高めるドラマティックな展開を見せる。
5. 13th of October 1303
最後の十字軍の失敗後に勃発したアナーニ事件(Outrage of Anagni)を扱った楽曲。この事件はローマ教皇ボニファティウス8世がイタリアの山間都市アナーニで捕らえたことに由来する。教皇は1303年10月に憤死した。讃美歌のような神聖極まるコーラスで幕開け、その後は正統派に接近したヘヴィなリフを刻み、ヒロイックかつ劇的に展開していく。後半のシンフォニック・パートは素晴らしく美しい。
6. God Knows
ミドル・テンポのエピックメタル。マーティリアの特徴の一つであるメロディックなリードギターは健在であり、久遠の叙事詩的な旋律が生身に沁み込んでくる。
7. As Far as We Can See
後半にかけて劇的に盛り上がる楽曲。その大仰な展開は、始祖ヴァージン・スティールにも通じる独特もの。なおシンフォニック・メタルに接近した滑らかな旋律も見受けられる。
8. Give Me a Hero
およそ7分に及ぶ大作。ヒロイックな名曲であり、古典劇風の厳粛な雰囲気を生かした本作最大の傑作である。恐らくはマーティリア史で最大のヒロイズムを有し、それを迫真のエピック・メタルで表現することに成功した軌跡が、本曲には残されている。
9. Your Law
重苦しいメロディを用いた楽曲。小刻みなリフでエピカルに展開し、堕落したようなヴォーカルが花を添える。しかしサビのコーラスは壮大で優雅。
10. Prometeus
人類に火を与えたプロメテウスは、ゼウスの逆鱗に触れ、代償として毎日カウカソス山の頂上にてハゲタカに内臓を抉られた。エピック・メタルに相応しい神話的なテーマだが、楽曲の内容もそれに相応しい。
11. Soliloquy
リック・アンダーソンがかつて所属していたウォーロードのカヴァー。シンフォニックなアレンジを施した壮大な名曲に仕上がっており、我々は改めてウォーロードというバンドの偉大さを思い知らされることになろう。しかし、本曲ではマーティリアの大胆な発想が勝利を収めた。
12. Like Dinosaurs
神聖なキーボードの旋律を用いた硬派なエピック・メタル。中間部からは壮大なクワイアとメロディアスなパートも登場する。
13. Epilogue
本編に幕を引く最後の語り。本作はまさに古代叙事詩を描いた歌劇であった。



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