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At the Edge of Time



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 2012
Reviews: 82%
Genre: Epic Power Metal


ブラインド・ガーディアンの2010年発表の9th。


モダン化したことで一部の古く熱烈なファンから痛烈な批判を浴びた前作『A Twist In The Myth』(2006)の発表からおよそ4年後に届けられた第9作『At The Edge Of Time』は、以外にも過去の名作に通じる内容を有しているものであった。ジョージ・R・R・マーティンの小説を題材とした先行シングル『A Voice In The Dark』が素晴らしかっただけに、我々は良い意味で期待を裏切られた。ドイツのブラインド・ガーディアンのサウンドにドラマティックな展開、ヒロイックな疾走感、民話にも通じる幻想的な世界観が戻ってきたのである。この本来の姿を誇示したような勇敢なブラインド・ガーディアンのファンタジック・サウンドをファンが称賛しないはずがない。
初のメンバーチェンジが勃発した『A Twist In The Myth』後の作品が原点回帰した事はもはや皮肉でしかないが、モダン化したサウンドを大幅に軌道修正したことは大いに成功へと繋がった。シャープなリフやよりキャッチーさを増したクワイアを前作から受け継ぎ、そこに名作『Somewhere Far Beyond』(1992)の強烈なエッセンスを加えたのが本作『At The Edge Of Time』であり、ブラインド・ガーディアンは現代ヘヴィメタル・シーンでの着実な一歩を踏み締めたのだ。

──21世紀という新しい時代には、もはや古い考えや手法は必要ではなく、未来を見据えて前進することのみがバンドの力となる。ある意味で、前作でのやり方は正しかったのかも知れない。過去にばかり捉われず、新しいことを試すことも時には重要だ。本作で初となるオーケストラの導入はまさに新しい挑戦であろう。ブラインド・ガーディアンの賢いところはただ現代的な表現を用いるのではなく、ちゃんと自らのルーツも忘れないところだ。『At The Edge Of Time』は新時代のブラインド・ガーディアンが決して駄作ばかりを発表するバンドではないことを証明した。

追記:なお輸入盤デジパックには本編未収録のボーナスCDが付属する。収録曲は下記を参照にされたし。



Disk:Ⅰ
1. Sacred Worlds
ロールプレイング・ゲーム『Sacred 2: Fallen Angel』に提供した楽曲。およそ8分を超える大作である。オーケストラを始めて導入しているが、既に完成しているブラインド・ガーディアンのサウンドには蛇足であった。また一般の家庭用ゲームに楽曲を提供するブラインド・ガーディアンの姿勢には疑問が残る。
2. Tanelorn (Into The Void)
マイケル・ムアコックの『永遠のチャンピオン』をベースとした楽曲。『Somewhere Far Beyond』収録の"Quest for Tanelorn"と共通のテーマを扱っており、ファンタジックなサビのクワイアの印象が強く残る。スピーディな曲調も勇壮である。
3. Road Of No Release
アメリカのSF作家ピーター・S・ビーグル(Peter S. Beagle)の作品にインスパイアされた楽曲。メロディアスな展開を持ち、ブラインド・ガーディアンのエピカルな手法が活かされている。しかしそれらは過去でやり尽くされたものだ。
4. Ride Into Obsession
アメリカのファンタジー作家ロバート・ジョーダン(Robert Jordan)の『時の車輪(Wheel of Time)』シリーズをベースとした楽曲。ロバート・ジョーダンはロバート・E・ハワードの『コナン』シリーズも過去に手掛けていた。シャープな疾走感を誇る楽曲であり、近年のメロディック・パワーメタルのスタイルに接近したサウンドを持つ。ここでもブラインド・ガーディアンの個性であるクワイアは高揚感を高める働きを担っている。
5. Curse My Name
ジョン・ミルトンの『国王と為政者の在任権(The Tenure of Kings and Magistrates, 1649)』に基づく楽曲。ジョン・ミルトンはこの論文によって国王を処刑する際の正当性を主張した。古いモチーフに相応しく、中世の雰囲気薫るルネッサンス調の絶妙なバラードに仕上がっている。
6. Valkyries
北欧神話のヴァルキリーを歌った楽曲。サビでは大仰なクワイアが聴ける。しかし今作では重厚なクワイアが幾分か単調になった点に疑問が残る。
7. Control The Divine
ジョン・ミルトンの『失楽園(Paradise Lost)』に基づく楽曲。メロディアスなフレーズを多用した構成や、内容にドラマティックなプロローグとエピローグを配す箇所などは確かに『Somewhere Far Beyond』に通じる。
8. War Of The Thrones
シングル未収録のピアノ・ヴァージョン。アメリカのSF・ファンタジー作家ジョージ・R・R・マーティン(George R. R. Martin)の『氷と炎の歌(A Song of Ice and Fire)』シリーズに基づいた楽曲である。幻想的な雰囲気に原点回帰したバラードであり、ファンタジー文学にも通じる民話的な要素を持っている。多くのファンはこういった楽曲が聴きたかったはずだ。
9. A Voice In The Dark
"War Of The Thrones"と同じ題材を扱う。これはブラン・スターク(Bran Stark)の物語である。なおこの楽曲はシングルとして先行発売された。シングル・カットされるに相応しい内容を持ち、劇的な疾走と勇壮なクワイアを配する典型的なブラインド・ガーディアンの名曲である。前作から発表された『Fly』での失敗を繰り返さなかった点は高く評価できる。
10. Wheel Of Time
ロバート・ジョーダンの『時の車輪(Wheel of Time)』シリーズに基づく楽曲。"Sacred Worlds"と同様オーケストラが導入されており、今回は上手く馴染んでいる。ブラインド・ガーディアンの音楽性はメロディック・パワーメタルを基盤としているため、こういったバンドがオーケストラを導入するとラプソディー・オブ・ファイアやフェアリーランドなどに代表されるシンフォニック・メタルのサウンドに急速に接近する。そしてそれらは結果的にブラインド・ガーディアンから個性を奪うことになる。


Disk:Ⅱ
1. Sacred Worlds (Extended "Sacred" Version)
2. Wheel of Time (Orchestral Version)
3. You´re the Voice (Radio Edit)
John Farnhamのカヴァー。
4. Tanelorn (Into the Void) (Demo Version)
5. Curse my Name (Demo Version)
6. A Voice in the Dark (Demo Version)
7. Sacred (Video Clip)
8. Studio Documentary



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