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Into Glory Ride



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1983
Reviews: 88%
Genre: Epic Metal


エピック・メタルの始祖、マノウォーの1983年発表の2nd。

今なおエピック・メタル界の王座に君臨する偉大なるバンド、それがマノウォーである。メンバー全員が死をも恐れぬ屈強な体躯のヘヴィメタル・ファンを自覚しており、常に音楽に対して全身全霊を捧げるその姿勢は、世界中に多くのファンを生み出した。エピック・メタルの歴史において、双璧のヴァージン・スティールに加え、キリス・ウンゴルやマニラ・ロードと共に多大な貢献を果たしたバンドでもある。リーダーのジョーイ・ディマイオ(b)を筆頭に、歴代メンバーの過激な言動や行動はもはや伝説的。マノウォーの鍛え上げられた肉体は、ファンタジィ・ヒーローの『コナン』に通じる(ジョーイは過去、インタビューでロバート・E・ハワードの生み出したキング・カルやコナン等の英雄達のファンだ、とも語っている)。

この『Into Glory Ride』と題されたマノウォーの第2作目は1983年に発表された。本作から軍隊のようなドラムを叩き出す名ドラマー、スコット・コロンバス(ds)が加入。スコット・コロンバスのドラムによって、アルバム全体にヘビィな重厚感が増しており、より重厚なサウンドが構築されるようになった。アルバム・ジャケットを見ても既に明らかなように、本作はダークで重苦しくも荘厳な雰囲気が全編を覆い尽くしている。それらはデス・メタルやブラック・メタルのような邪悪さではなく、厳かな戦士の世界の熱気に近い。冒頭にもジョーイは『コナン』のファンであると書いたが、鍛え上げられた見事な肉体、戦士の恰好を醸したジャケット、北欧神話や《剣と魔法の物語》を題材にした詞世界を見る限りでは、その傾向は極めて徹底している。"ヒロイック・ファンタジー"といわれる伝説の世界、それをヘヴィメタルで表現したマノウォーの試みは、実に興味深いものだ。本作を聴くと恰も神話上の妖魔や英雄達が蘇り、勇敢にも剣や戦槌を振り翳して戦っているような光景が一瞬でも垣間見れる。『Into Glory Ride』でバンドは、ヘヴィメタルの本質や戦士のアイデンティティをリスナーに問い質している。

大昔に忘れられた《剣と魔法の物語》を再現したマノウォーの『Into Glory Ride』は、すべてのヒロイック・ファンタジーを愛するもの、探求するもの、エピック・メタルの忠実なファンにとって、非常に理想的な作品だった。一般の音楽ファンから見れば、この作品は重くスロウな内容だ。しかし、エピック・メタルを求める向きからすれば、これほど荘厳かつ野蛮でヒロイックな作品は存在しないのである。大仰かつドラマティックなサウンドは、エピック・メタルの方向性を明確に示し、エリック・アダムス(vo)の雄々しく高貴な歌唱スタイルは、表現したい世界観に大きな説得力を与えている。ヒロイック・ファンタジーを体現し、唯一無二の完成度を誇る本作は、間違いなくエピック・メタル史に残る名盤だろう。しかし本作は、音楽ファンから楽曲が助長だという指摘を受け、今でも多くのリスナーを遠ざけている。 一度、そういった先入観を捨て去って、カルト的なエピック・メタルの世界を体験するなら、『Into Glory Ride』は入門書のような役割を果たすだろう。



1. Warlord
女のあえぎ声で幕を開けるアルバムの序曲とでもいうような悪漢なロックンロール。エピックメタル・ファンにとっては蛇足。
2. Secret Of Steel
太古の剣と魔法が支配する時代では、戦士の死後、天の神の御前に立たされ"鋼の秘密(Secret Of Steel)見出せり?"と問われるという。それが『コナン』の世界である。タイトルの如く荘厳な楽曲であり、重厚なエピックメタルの代名詞ともいえるような名曲である。エリックの雄々しい歌声と共に、スコットの軍隊のようなドラム、古代を思わせる聖歌が突き抜けるサビは壮絶を極める。
3. Gloves Of Metal
熱きヘビィメタルの凱歌である。ヒロイックかつヘヴィなリフが刻まれる際の心地よさは相当なものがある。重厚なヘヴィネスが継承されるコーラスは共に合唱するためにあるようなもの。メロディも抜きん出ている。
4. Gates Of Valhalla
北欧神話に登場する神の居城ヴァルハラを題材としたエピックメタルであり、死にゆく戦士の讃美歌を神秘的に歌い上げる。あまりにも荘厳で死地のような暗い雰囲気が充満しているため、一般のリスナーが聴いたら拒絶反応を示すことは必至。ラストのエリックのシャウトは人間離れしている。
5. Hatred
非常に重くスロウなヘヴィメタル。中間部のベースの美しいメロディは戦士のロマンティシズムを表現しているかのようだ。
6. Revelation (Death’s Angel)
地を駆ける馬の如き疾走、野蛮な歌声が魂まで震わせる大仰でヒロイックな大名曲。サビの漢のロマンティシズムを表現したかのような哀愁に満ちたメロディ、クライマックスに至るまでの興奮に滾ったゾクゾクする展開は剣と魔法の世界を感じるのに十分すぎるものだ。聴き終えた後に残るのはヒロイック・ファンタジー映画のエンディングのような高揚感のみである。
7. March For Revenge (By The Soldiers Of Death)
ヒロイックなエピックメタルの本作を代表する名曲。剣によって死した兄弟の戦士の復讐を、剣を持って成し遂げるという壮絶な叙事詩。冒険譚を思わせる勇敢なメロディの行進、サビでの雄々しい歌声は、一種の高揚感の限界を感じさせ、エピックメタルの真骨頂を発揮。中間部での荘厳かつ神聖なパートは、まるで死んだ仲間を抱き、復讐を誓う戦士の姿を想像させる。「For when we march, your sword rides with me(我らが行進せし時、汝の剣も共に行進せり)」とレクイエムのように歌うパートは感動的。エピローグでもあるラストの《剣と魔法の物語》を連想させる厳かなコーラスは、本作のエンドロールに相応しい。



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