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Holy Land

ANGRA the 2nd album in 1996 Release
★★★★★★★★★☆...(傑作)

アングラの1996年発表の2nd。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

「"ホーリーランド"というのは実際にある国ではなく、人々の心の中にある国なんだ」
アングラの第2作目にあたる本作『Holy Land』について、アンドレ・マトス(vo)は過去に興味深いことを述べている。ブラジルの過去、現在、未来を叙事詩的に描いたコンセプト・アルバムである本作は、情熱的な民族主義と愛国心に溢れた作品であり、世界中にブラジルという国を認知させることに大きく貢献した。叙事詩的なヘヴィメタルから人間の本質、及び起源を探ることに研究を重ねてきた我々は、本作がその終りなき過程において幾つか重要な意味を持つことを知った。"ホーリーランド"の思想は、紛れもなく我々にとって空想上の理想郷を指し示しており、多くの人間がこれまでに小説や絵画を通してその世界を表現しようとしてきたものである。いかなる人間にでも"ホーリーランド"は存在する可能性がある。しかし、現実という必然性によってそれらを破壊してきたのは、過去も現在も無慈悲な我々であった。
アンドレ・マトスは本作において、この『Holy Land』を通して人間の本質を見出して欲しいと考えている。その例として、16世紀のルネッサンス時代を背景にしているが、芸術的な作品からそれらの真実を引き出すことの可能性についても指摘している。芸術とは人間の最も根源的な想像力や信仰心から生み出されたものだが、それらの断片にこそ人間の本質が宿っているというのである。人間を縛り付ける法律や社会性が我々を軍人めいた役人に変えてしまった現在、芸術的作品に対して人間の極めて抑圧されない部分が解放されるということはあろう。多くのヘヴィメタル作品が攻撃的な人間の本質を包み隠さず表現してきたように、かつての古代ギリシア人らが野蛮ながらも築き上げた芸術の礎を、本作は未来への跳躍という意味合いで用い、深遠なヘヴィメタルとクラシック音楽との融合で完成させた、奇跡的な一大叙事詩なのである。我々は本作を何度も聴き、整然と整った楽曲の奥深くに眠っている真の意味を探し出さなくてはならない。


1. Crossing
16世紀の作曲家、パレストリーナの楽曲をモチーフとしたイントロダクション。内容は、インディアンが遠い国々の音楽を耳にするという設定である。
2. Nothing To Say
アメリカ大陸発見の後、スペイン人らによってアメリカ原住民は虐殺され、その文明は滅亡した。ブラジルのパーカッションを取り入れた緻密なメロディック・パワーメタルである。その疾走は軽やか。
3. Silence And Distance
生命の源である海について歌う。静寂に包まれた冒頭部分は、恰も広大な海洋であるような雄大さを物語っている。また民族的なエッセンスに満ちたヘヴィメタル・パートは、本作でも出色の出来である。アングラは独特な音楽性を極めて繊細にまとめ上げている。
4. Carolina IV
タイトルは船の名前に由来し、本曲はその航海を描いたものである。ラテンのリズムを大胆にアレンジした大作であり、本作を代表する傑作であろう。まさにアングラの音楽的ルーツを感じさせられる独特の内容を有する。
5. Holy Land
アンドレ・マトスが語るには、"ホーリーランド"はすべての人種を一つにしてくれるという。本作はブラジルの文化や歴史を世界に認知させるという目的もあるが、その試みは深淵で素晴らしい本曲によって間違いなく成功した。フルートの音色も相俟って、民族的かつ神秘的な雰囲気を醸し出している。
6. The Shaman
インディアンの呪術師についての楽曲。古い世界の民族には、神の代弁者が必要不可欠であった。強力なメロディを秘めた楽曲であり、後半には実在の呪術師の肉声も登場する。スリリングな展開は強烈に耳を惹きつける。
7. Make Believe
オルガンを使用した、古い時代を彷彿とさせる楽曲。
8. Z.I.T.O.
バロック的なスピード・メタル。前作で提示したヘヴィメタルとクラシックの融合というスタイルの発展型である。流麗なマトスの歌唱によって、楽曲は説得力に溢れている。
9. Deep Blue
死は新たな時代の始まるきっかけでもある。果たして、その時代がルネッサンス時代に似通ったものであるか否かは、誰も知るところではない。神聖な雰囲気を醸し出すバラードである。作品の終盤に向けてバラードを導入するところは、コンセプト・アルバムらしい。
10. Lullaby For Lucifer
善と悪の共存。波の音が静かに聴こえてくる箇所は、#1"Crossing"に繋がる。その瞬間、我々は物語が一つ終わったことを知る。



Review by Cosman Bradley

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