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エンジェルズ・クライ

ANGRA the 1st album in 1993 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

アングラの1993年発表の1st。


ヘヴィメタルが世界進出した事実を物語るように、アングラのヴォーカリストであるアンドレ・マトス(vo)が以前に在籍していたバンド、ヴァイパーも南米のブラジルの出身であった。ヴァイパーはクラシカルなメロディック・パワーメタルのスタイルで人気を博したバンドであり、その圧倒的な作品の完成度故に根強いファンは多く存在した。その卓越した楽曲群の大部分を担っていたのは、間違いなくアンドレ・マトス本人であったことは間違いない。
ヴァイパーを脱退したアンドレ・マトスはクラシック音楽を深く学び、新たに結成したバンド、アングラで第一作『Angels Cry』を発表した。ガンマ・レイのカイ・ハンセンらが一部で参加した本作は、メロディック・パワーメタルの伝統を踏襲したものであった。しかし、アンドレ・マトスのクラシックに対する深遠な学習は、本作の個性的なヘヴィメタルを創造することにおいて大きな効果を発揮し、各所で魅力的な旋律の導入や有名作曲家の楽曲をアレンジするに至っている。母国ブラジルのラテン音楽や民族的リズムを導入したことも、アングラの根本的な音楽のルーツを表現する意味合いにおいて成功を収めた。細分化したヘヴィメタルにおいても、民族的アイデンティティは忘れてはならない。アングラはそのことを良く知り及んでいたようだ。
疾走するメロディックなリフに壮麗な古典音楽風の旋律が乗る様は、長らく伝統的な分野であり続けたヘヴィメタルに新たな風を吹き込んだ。我々がこれらのスタイルをヘヴィメタルとクラシック音楽の本格的な融合であると指摘するようになるためには、この分野が認知されるのに加え、ある程度の時間を費やしたが、やがて本作をその代表的作品として認めることに落ち着いた。本作は、ヘヴィメタルの歴史の変化を描いた、ある一つの時代の絵画の切り抜きのような、記念碑的な作品なのである。


1. Unfinished Allegro
シューベルトの交響曲第8番"未完成"の第1楽章をモチーフとした劇的なイントロダクション。
2. Carry On
ヘヴィメタル史に残る名曲。壮麗なまでに美しい旋律が激流となって、一瞬のうちに聴者の肢体を駆け巡る。アンドレ・マトスの透き通る声は、芸術的な楽器の如き神妙さである。
3. Time
早くもブラジルらしさが浮き彫りとなっている楽曲である。バンドの実力の他に、この個性が他のバンドと一線を画す原因となったことは、多くの者が知る限りである。
4. Angels Cry
バンド名でもあるタイトルは、ブラジル神話の火の女神を起源としている。楽曲はハロウィンからの影響が顕著なものだが、タイトル・トラックに相応しい劇的な名曲に仕上がっている。
5. Stand Away
ブラジルの古謡的なパートで幕開け、次にクラシカルに展開する。アングラはラテン音楽を巧くメロディック・パワーメタルに取り込んでいる。その情熱的な曲調が更なる高揚感を生み出すことになった。
6. Never Understand
静かに盛り上がる佳曲。プログレッシブな内容も含む。本作の楽曲の完成度には驚かされるものが多々ある。
7. Wuthering Heights
ケイト・ブッシュのカヴァー。この世界的名曲をアンドレ・マトスが歌おうものなら感動は必至であろう。
8. Streets of Tomorrow
メロディアスなフレーズとクラシック、更にはブラジル音楽の雰囲気も宿した楽曲である。静と動を駆使した楽曲の構成も素晴らしいの一言に尽きる。ギターソロのメロディも非常に質の高いものだ。
9. Evil Warning
ジャーマンメタルをベースとしながらも、自己流にアレンジしたメロディック・パワーメタルが見事に花開いたともいうべき名曲。疾走するドラマティックなリフにラテン音楽的旋律が加わる個所は斬新である。
10. Last Child: I the Parting Words/II Renaissance
クラシックからの影響を覗かせる古典的なバラード。組曲であり、緩急に富んだダイナミクスを駆使している。作品の幕引きとしては、余韻を残す手法であり申し分ない。



Review by Cosman Bradley

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