Epic Metal; Review Fan Site.
© 2010-2017




メタル・ジャスティス



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1988
Reviews: 90%
Genre: Thrash Metal


メタリカの1988年発表の4th。


メタリカは自身のスラッシュメタルを初期の三枚の作品の中で進化させ続けてきたが、辿りつくべき耽美の終着点はあった。それが紛れもなく本作『...And Justice For All』であり、我々はここに表現された至高のヘヴィメタル的芸術を絶賛してやまない。メタリカの攻撃的な作品の中で最も複雑に絡み合う本作の楽曲群は、大成功を収めた前作『Master Of Puppets』(1986)のサウンドを更に凌駕するプログレッシブさで聴者の知覚を刺激する。針に糸を通すような緻密な構成はどれも驚嘆に値する精度だが、メロディに関しては更に芸術的である。英国を彷彿とさせる高潔な旋律は、"...And Justice For All"、"One"、"To Live Is To Die"で極められ、それは同時にメタリカの追求し続けてきた世界観が完結したことを物語っている。本作はメタリカの至高の芸術を表現した大作であり、知的な世界と相俟って、我々にヘヴィメタルの深遠さを告げている。
メタリカにとって大きな変化もあった。ベーシスト、クリフ・バートンの死である。彼は1986年にスウェーデンをツアー中のバスが起こした交通事故に巻き込まれ、不運にも生涯を終えた。残されたメタリカのメンバーは悲観に暮れたが、生前のクリフの意思を思い出し、活動は継続された。しかし如何に強靭な精神を持ち合わせているメタリカでさえ、理不尽な現実を前にして動揺しないわけではなかった。クリフの後にバンドに迎えられたジェイソン・ニューステッド(b)加入後の本作では、気持ちの整理がつかないメタリカのメンバーとの間に確執が生じ、ベースパートが殆ど聞こえない状態で発売された。それが本作の唯一の欠点として後に浮き彫りとなったが、当時のバンド内の葛藤、そして不満を生々しく表現した真実の記録として、ここに『...And Justice For All』は残されている。現実には理不尽な出来事があまりにも多過ぎるのだ。



1. Blackened
スラッシュメタルの歌詞の題材として頻繁に用いられる、核戦争──正確には、核戦争によって廃墟と化した世界の惨状──について歌った楽曲。メロディアスなオープニングを配し、シリアスかつドラマティックに聴かせる。
2. ...And Justice For All
本作のハイライトであり、メタリカの芸術点をすべて凝縮したような名曲。映画『...And Justice For All(邦題:ジャスティス)』(1979)に触発された楽曲であり、権力の横暴や金によって人々が如何に堕落していくかを歌う。メタリカの知性が前面に押し出されたかのような、複雑かつ劇的な展開を有する。中間部の重厚なメロディへの展開は、ドラマティシズムを極めている。
3. Eye Of The Beholder
選択の自由を訴えた楽曲。ザクザクしたリフが歯切れよく突き進む。
4. One
ダルトン・トランボーの小説『ジョニーは戦場へ行った』を題材とした名作。メタリカ初のビデオ・クリップが制作された楽曲であり、ビデオには原作の映画の映像が用いられた。内容はまさに真実を明かした戦場の惨劇に相応しく、信じられないような美しい前半パートから、怒号のリフを伴う後半パートへの流れは凄まじい。本曲は、1990年のグラミー賞のベスト・メタル・パフォーマンス部門を受賞した。
5. The Shortest Straw
6. Harvester Of Sorrow
7. The Frayed Ends Of Sanity
8. To Live Is To Die
クリフ・バートンの書きためていた詩をモチーフにしたメタリカ最大のインストゥルメンタル。気品をも感じさせる魅惑的なアコースティック・パートから始まり、徐々に壮絶なギターパートへと展開していく。思うに、メタリカが生み出した究極のインストゥルメンタル楽曲であろう。
9. Dyers Eve
10. The Prince



Click Ranking for epic metal!

にほんブログ村 音楽ブログ HR/HMへ
にほんブログ村
関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://cosmanbradley.blog129.fc2.com/tb.php/363-9f577b5d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック