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サムホエア・アウト・イン・スペース

GAMMA RAY the 5th album in 1997 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

ガンマ・レイの1997年発表の5th。


ホースオペラ(西部劇)があるように、スペースオペラ(宇宙活劇)も存在してきた。どちらも過ぎ去った時代のものだが、代表的なスペースオペラであるバロウズの『火星(Barsoom)』シリーズは、1920年代に発表されたものだ。同じように過去の遺産であるヘヴィメタルも、時代の流れと共に衰退を余儀なくされた。しかし我々は忘れていたのだ。これらの素晴らしい文化が、決して消滅しないということを。古代から継続されてきた秘密結社のように、密かにヘヴィメタルは受け継がれてきた。そしてヘヴィメタルの偉大な文化は、原初の猿人が人類へと進化したように、驚くべき飛躍を遂げた。我々がトレンドに翻弄されている中で、ヘヴィメタルは試行錯誤してきたのだ。過去の芸術的な産物の源流が、やがてはヘヴィメタルの血脈に合流し、巨大な湖となった。ハワードの生みだしたヒロイック・ファンタジー、人間味に満ちた北欧神話や民族間の伝承、そして、かつて隆盛を誇ったSFまでをもヘヴィメタルは取り込んだ。SFとヘヴィメタルの融合という分野において、アイアンメイデンの功績は讃えるべきものであった(同じように、ヒロイックファンタジーとヘヴィメタルの共存に挑戦的に挑んだマノウォーの功績もである)。
時代は再び流れたが、強大なるドイツのメロディック・パワーメタルバンド、ガンマ・レイもSFに傾向したヘヴィメタルを継承したものの一人である。過去の作品で技術を磨き続けたガンマ・レイは、新たなメンバーとしてヘニュ・リヒター(g)、ダニエル・ツィマーマン(d)という傑出した人材を迎え、第5作にあたる本作『Somewhere Out In Space』で本格的な銀河の探求に赴くことにした。以前から魅力を放ち続けたオペラティックが手法が壮大な宇宙観と共に炸裂し、銀河の星々のように煌くロマンティックなギターメロディが我々を未知の世界へと導く。我々はガンマ・レイの素晴らしい楽曲と共に宇宙の様々な諸惑星を巡り、最後には巨大なブラックホールに呑み込まれるであろう。そして運が良ければ、ブラックホールに分解された粒子が母なる地球に帰還することもあろう……


1. Beyond The Black Hole
スペースオペラの開幕となる壮大なメロディック・パワーメタル。ガンマ・レイの黄金期を告げる。
2. Men, Martians And Machines
煌くメロディが炸裂する名曲。
3 No Stranger(Another Day In Life)
宇宙観が壮大な軌道を描く。
4. Somewhere Out In Space
大仰極まる展開とスピードに乗せてドラマティックに歌い上げるスペースオペラ。恰もオペラ劇場での公演を見ているかのような、凄まじい展開力である。圧倒的なパワー、メロディの質、楽曲の構成、すべてが名曲に値する。
5. The Guardians Of Mankind
宇宙のロマンティシズムを儚いメロディで描く。静から動へ、ブリッジパートの出来は飛び抜けている。中間部からの盛り上がりの様は、まさに宇宙活劇をヘヴィメタルで描いた結果である。
6. The Landing
コーラスによる小曲。
7. Valley Of The Kings
神曲。ヴァースからコーラスに至るまで完璧な軌道を描く。古代の厳かさと宇宙の神秘性が神妙に融合した奇跡的な楽曲である。メロディック・パワーメタルのファンであるなら、中間部のソロパートは必聴であろう。古代エジプト的なピラミッドと神像という、意味深なアルバム・ジャケットのイメージは、ここから持ち込まれたものなのかも知れない。
8. Pray
神秘的な雰囲気が感動を誘うバラード。銀河の雄大な景観を彷彿とさせる旋律が、失われた古典的なSFの世界を思い出させる。
9. The Winged Horse
8分に及ぶ大作。古代神話とエイリアンというコンセプトに忠実な楽曲だが、何れも、コンセプトにそぐわない楽曲は本作には収録されていない。
10. Cosmic Chaos
ダンによるインストゥルメンタル。外宇宙から聞こえるドラムスであるという。
11. Lost In The Future
ヘヴィなパワーとスピードで押す。
12. Watcher In The Sky
カイ・ハンセンとピート・シールクによるプロジェクト、アイアン・セイヴィアーの第1作『Iron Savior』からの名曲を選出。正統派パワーメタルの剛直なスピードに力強いメロディが乗る。後半からの展開は情熱的である。
13. Rising Star
次曲へと繋がるインスト曲。
14. Shine On
本編の最後を飾るに相応しい壮大な一大宇宙活劇。速弾きのリフに絡むピアノによる旋律が、神秘的に宇宙の光景を映し出す。オペラティックなコーラスは叙事詩的な物語を優雅に描き、ヘヴィメタルで一つとなる。SF映画の如き感動巨編である。
15. Return To Fantasy
以下はボーナストラックである。2002年のリマスター再販の際に新たに追加された。
16. Miracle
17. Victim Of Changes



Review by Cosman Bradley


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