Epic Metal; Review Fan Site.
© 2010-2017




Gods of War



Country: United States
Type: Full-length
Release: 2007
Reviews: 90%
Genre: Symphonic/Epic Metal


アメリカのエピックメタル、マノウォーの2007年発表の10th。


「風に向かって剣で戦いを始めよ」
 "The Sons Of Odin"より


北欧神話エピックメタルの比類なきマスターピース

北欧神話の主神オーディンを主人公とする一大コンセプトアルバムの制作は、長きに渡る沈黙を破り、エピックメタルの始祖マノウォーが遂に本格的に英雄伝説を完成させることに乗り出した証明であった。エピックメタルの創造と共に始まった彼らの長い歴史において、この偉大なる神である英雄は何度も歌われながらも、終ぞ一つの作品として完成に至ることはなかった。
古くから語られ、バラバラに分散した北欧の叙事詩を繋ぎ合せる作業は難航を極めた。フィヨルドを凍りつかせる雪が降り、暗く朧気な太陽が幾日も天上を遮った。既に我々は、マノウォーの過去の断片的な物語の一部から、偉大なる神々の名を知って久しかった。槌を振う英雄の祖トール。そして父なるオーディンの名を我々は知った。オーディンはアース神族の最初にして最強の神、戦いの神、詩の神、また片目を失うことで手にした究極の知恵の神、魔法の文字ルーンの創造者であった。ここから我々がよく知るように、ファンタジー・エピックが生まれたのである。故にオーディンは始祖であった(思い出さなくてならないのは、マノウォーもエピックメタルの始祖である、ということである)。
そして、唯一の創造者によって成し遂げられるべき偉業は、ここに驚異的な作品を誕生させた。大神に相応しい究極のエピックメタル作品が、処女の如く無防備な姿で、我々の眼前に曝け出されているのだ。我々はそれをたったの20ドルという現金で購入することが出来るが、神への冒涜という言葉がまだ死語でないのなら、まさに今我々が行おうとしていることこそは冒涜の極みに値する。
本作品は異常ともとれるオーケストレーション、ナレーション、エピック・クワイアによって、壮大極まる英雄世界を実に生々しく描くことに成功した数少ない作品である。マノウォーが得意とする劇的な曲展開並びに大仰の頂点に位置する曲調は大胆な仕事をこなし、視覚や聴覚をも超越した刺激を聴き手に齎す。明らかに本作はリヒャルト・ワーグナーの作品を越えたかも知れない──しかし、我々が真に議論すべき対象は、両者のどちらが如何に優れているかということでは永久にないのだ。この感動的な叙事詩的作品を前にして、そのような議論が行われること自体おこがましいことである。常にワーグナーは"ヘヴィメタルの父"であり、尊敬すべき対象であることに変わりはない。
かつてワーグナーが完成させた『ニーベルングの指輪』四部作を我々は思い出すかもしれないが、『Gods of War』にインスピレーションを与えたのもまたワーグナーの作品に他ならないのである。マノウォーは本作品でワーグナーの功績に敬意を表している。それはマノウォーがエピックメタルの始祖としての英雄的な使命を果たすことであり、『Gods of War』という偉大な作品の完成によって完結され、新たに始まる時代の幕開けとなる警笛を告げるべく風に向かって剣を掲げたということである。そう、エピックメタルは死なないのだ。Glory Majesty Unity!



1. Overture To The Hymn Of The Immortal Warriors
壮大なオーケストレーションによる6分に及ぶ序曲。その焦らしは尋常ではない。
2. The Ascension
神そして英雄、王の誕生を歌う小曲。
3. King Of Kings
尋常ならざる緊張感が支配し、鉄槌の如く振り下ろされる鋼鉄の嘶きが神の力を物語る。
4. Army Of The Dead, Part I
戦って死んだ戦士をヴァルハラに迎える役目を担うワルキューレ。そしてこれは不滅の戦士の聖歌である。
5. Sleipnir
オーディンの愛馬スレイプニル。8本足のこの馬は如何なる次元へも行くことが出来る。ヒロイックなコーラスが戦意を高揚させる。
6. Loki God Of Fire
オーディンの兄弟である邪神ロキは、やがて神々を破滅へと導くことになる。スピーディなリフが刻まれる佳曲。
7. Blood Brothers
血で結ばれた兄弟の絆は永遠である。名バラードに値するこの楽曲は、勇ましさに満ちたサビが印象的である。
8. Overture To Odin
大仰極まりないインストゥルメンタル。後半にかけての盛り上がりが驚異的。
9. The Blood Of Odin
ナレーションがオーディンの伝説を語る。
10. The Sons Of Odin
オーディンの4人の息子が対面した凄まじき戦場の様を迫真の表現力で描く傑作。軍隊の行進の如きベースのメロディは信じられないほど生々しい。そしてサビの壮大なクワイアは、天地を揺るがす戦士らの轟きを彷彿とさせる。
11. Glory Majesty Unity
オーディンに授けられた力によって4人の息子らは戦いに勝利を収め、戦士の祈りが述べられる。やがてこれらの厳かな言葉は、マノウォーの語り草となるであろう。
12. Gods Of War
ラグナロクへと向かう神々の軍勢の最後の行進を描く。途轍もない足音が響き渡り、天空を貫くかのようなクワイアが朗々と歌いあげられる。
13. Army Of The Dead, Part II
ここで再び偉大なる聖歌が歌われる。
14. Odin
オーディンの偉業を物語る。後半には、オーディンを永久に讃えるかの如く"Army Of The Dead"のクワイアが三度登場する。
15. Hymn Of The Immortal Warriors
アルバム冒頭の旋律が再び繰り返された時、我々は現実を超越した感動に包み込まれるであろう。この聖歌はオーディンへの究極の賛美である。オーディンの生み出した精神はヘヴィメタルに似ている。崇高な伝説は永久に不滅であると歌い、こうして今まで受け継がれてきた。叙事詩とは不思議なものである。
16. Die For Metal
ボーナストラックである。



Click Ranking for epic metal!

にほんブログ村 音楽ブログ HR/HMへ
にほんブログ村
関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://cosmanbradley.blog129.fc2.com/tb.php/327-63091169
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック