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 時代を経て、白黒のスクリーンは3Dの立体的な映像を映し出すようになった。VFX(*)やCGの斬新な仕事は映像をよりリアリティのある視覚的なものへと変化させ、不可能な表現が可能となった。頻繁に"映像革命"が起こり、ダイナミズムを極めた映画が生み出された。戦後の人々にとって映画は唯一の娯楽であったが、時代が平和になるにつれ、映画の描く世界観も変化していった。単なる娯楽的な内容は徐々に薄れていき、壮大な思想や文化、社会的メッセージを含むようになったのである。 
 太古の神話や伝承がそうであったように、エピックメタルで映画作品が題材とされるのは常であった。彼らは映画の真実味のある内容に目を付けたのである。題材となったのはヒロイックな内容を含む一連の作品群であった。主に『Conan the Barbarian』(1982)、『Highlander』(1986)、『Gladiator』(2000)、『The Lord of the Rings』(2001)等がエピックメタルの歴史で実際に用いられた。これらは過去の世界や異なる世界に遡り、現代と比較することで人類の世界を再確認するというものである。また、人類が見逃しがちな神秘に目を向けるきっかけとなる内容も持ち合わせていた。彼らは映画における変化に気付いていたのである。
 映画における変化は、西部劇に顕著に表れた。ジョン・フォードに代表されるアメリカの正統派西部劇(Classic Western)は、正義の保安官が悪のガンマンを倒し、町の秩序を守るという勧善懲悪であった。イタリアのセルジオ・レオーネを代表とするマカロニウエスタン(Spaghetti Western)の登場は画期的であり、アメリカやメキシコの黒歴史を描き、人間の本質を射抜いていた。レオーネ作品での西部劇が娯楽を超越した方向性を見出していたことは明白であった。アメリカの人々は決して勧善懲悪には収まりきらない西部劇に驚愕した。50年代から60年代にかけて西部劇は変化し、内容は著しく視聴者の感情を揺さぶるようになった。大衆は娯楽としての映画ではなく、思想や啓示の発信源、異文化の触れ合いを目的として映画を捉えるようになっていったのである。
 21世紀の映画作品は、根底的な人間性に訴えかけるものが多くなった。真実を追求しているのである。それはどの作品にも顕著であるが、巨額の製作費を投じたハリウッド作品ですら、スペクタクルなその方向性を見出している(ハリウッドが手掛けた『Ben-Hur』(1959)はその先駆けである)。人々が映画に求めるテーマが変化していった結果、映画の描く世界観は深淵になったのである。「映画は娯楽のみではない」この思想は音楽にも共通するものである。


*Visual Effectsの略。CGとは異なる非現実的な視覚効果を表現する際の技術力を指す。『スター・ウォーズ』、『ハリー・ポッター』を手掛けたILM社が有名。

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