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アンシェント・スピリット・ライジング



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2007
Reviews: 79%
Genre: Epic Power Metal


イタリアの古豪、エピック・メタル界をリードする"嵐を呼ぶ者の支配者"、ドミネの2007年発表の5th。


エンリコ・パオリ(g)とリッカルド・パオリ(b)の兄弟に加え、強烈な個性を放つモービィ(vo)のラインナップは前作同様。戦士のように飽くなき探求を続け、ヒロイック・ファンタジー系ヘヴィメタルを創造し続けてきた彼らは、その歴史的な前作『Emperor of the Black Runes』(2004)で過去最大の成功を手にして久しい。情熱的な意欲に濃厚極まりない楽曲の質、追求し続けてきたマイケル・ムアコックに連なる叙事詩的な世界観が見事に完結したともいうべき驚愕の内容は、あらゆるエピック・メタルのファンの魂を興奮と恍惚で満足させた。そのような傑作から3年が経過し、当然の如く新作への期待は高まった。そして、2007年、満を持して発表されたのが本作『Ancient Spirit Rising』である。

まず、本作を視聴したのならば、誰もが思うはずだろう「ドミネは変わった」。メンバー曰く、"過去の古い伝統的なロックに舞い戻った"作風は、残念ながらドミネの良さを粉砕し尽くしている。ドミネが目標としたのは80年代のハードロック/ヘヴィメタルであるが、その根底にある、陽気さや軽さまでもが楽曲に表現される形となった。ドミネの唯一無二の個性だった悲壮感や宿命感──伝説的な《エルリック・サーガ》に秘められた暗さや暗澹たる妖艶さに似ているもの──が失われ、取って代わったのは、奇妙な明るさである。これまでのドミネのエピック・メタルに表現されてきた雄大さや情熱的なヒロイズムは、太陽を遮る邪悪な黒雲のように完全に隠された。

楽曲の充実、完成度は言うまでもなく高い。安定した演奏に加え、伸びのあるハイトーンが時に心地よく響く。メロディアスな面も充実している。本作がカルト的なエピック・メタルから、メジャーな音楽性を目指した大胆な内容であることは間違いない。しかし、ドミネの熱心なファン層は、このような音楽性を求めているのではないことは確かである。前作までの混沌とした英雄世界が一部のカルト的なエピック・メタルのファンたちに受け入れられ、ドミネの新作は記念碑的な名作となった。ドミネの体現したヒロイズム、大仰さ、ドラマ、ロマンス、叙事詩的な世界こそは、ドミネがエピック・メタルの支配者たる由縁だった。疑問は残る。その最大の武器を失った今、ドミネには何が残っているのだろう。過去の名曲の雰囲気を微小に残す"Another Time, Another Place, Another Space"が意味深に響く──私たちは彼らを信じるとしよう。何れ再び、新たな幻想と怪奇の叙事詩を名剣の如く携えて、群衆の前に嵐を呼ぶ者の支配者が帰還することを。



1. The Messenger
本作の作風を主張するかのような、飛翔感を漂わせる楽曲である。
2. Tempest Calling
スピードナンバー。良質なメロディック・パワーメタルである。
3. The Lady Of Shalott
第2作『DragonLord(Tales from the noble steel)』でも題材とした『アーサー王物語』から乙女シャーロットを歌った楽曲。幻想的なアルバム・ジャケットに描かれているのは彼女である。しかし、悲劇的な物語であるのに対し、曲が明るい雰囲気を醸し出しているのは頂けない。
4. Stand Alone (After The Fall)
5. Ancent Spirit Rising
プログレッシブな大作であり、タイトルトラック。楽曲に秘められた意味は、古い時代のロックの再興だという。
6. On the Wings of the Firebird
7. Another Time, Another Place, Another Space
従来のドミネの雰囲気を宿したエピカルな楽曲。神秘的な世界観を描き、重厚なメロディを絡ませる部分は流石か。
8. Sky Rider
疾走する伸びやかな楽曲。
9. How the Mighty Have Fallen
今作の作風を上手く消化した、バラード調の佳曲である。絶妙なる、明るさと哀愁との融合は見事という他ない。出来れば全曲にこの雰囲気が欲しかった。



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