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Lordian Guard



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1995
Reviews: 95%
Genre: Epic Metal


アメリカ発祥、クリスチャン・エピック・メタルの創造主、ローディアン・ガードの1995年発表の1st。


"この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された"
 ──『ヨハネの黙示録』12章12-9節



「ウォーロードの中心人物であったデストロイヤーが結成したバンド」という売り文句のみで判断し、我々エピック・メタル・ファンの期待にそぐわない、ということはまずあり得ない作品。エピックメタルの覇者ウォーロード(WARLORD)の解散後、ブレインであったギタリスト、"デストロイヤー"ウィリアム・チャミス(William j.Tsamis:g)がこのローディアン・ガードを結成した。ヴァーカルには妻ヴィダン・セイヤー・リメンシュナイダー(Vidonne Sayre Riemenschneider:vo)を迎える。バンド名のローディアン・ガードとは、大天使ミカエルが従える神聖な守護者のことを指す。

サウンドは非常にシンプルなもの。ウォーロードを踏襲したメロディックでシリアスなカルト・エピック・メタルのサウンドに、ブラック・メタルとは対極する真性のキリスト的宗教観を加味、そして、そこに一見魔女のような女性ヴォーカルを導入する。本作の見事なまでに伝統的で神秘的なエピック・メタル・サウンドは、聴き手に対し頗る深淵に響く。楽曲のメロディに関しても、宗教的なカルト性に満ち溢れ、いかにローディアン・ガードの音楽性が独自性を持ったものであるかがよく表現されている。またウォーロード時代と比べ、神の洗礼を受けたウィリアム・チャミスのリードギターは遥かに磨きがかかっている。バックや楽曲の冒頭にはキーボードが効果的に用いられ、エピカルな世界観の厳かさも高められている。
カルト的なエピック・メタルながら本作収録の楽曲の完成度はどれも度肝を抜くもので、特にオープニングを飾る#1"War in Heaven"、大仰極まりない#3"Lost Archangel"等の名曲は神曲的位置にまで押し上げることが出来る。敬虔なクリスチャン以外が生み出すことが絶対に不可能なこれらの神聖な楽曲群は、既に芸術の領域に達している(神学の勉強の末、実際にウィリアム・チャミスはクリスチャンとなっている)。我々がこの言葉を使うことは稀だが、本作『Lordian Guard』は真のカルト・エピック・メタル作品である。この作品が一般人の居住区の遥か地下に埋もれていることは幸運以外の何物でもない。



1. War in Heaven
魔王ルシファーと天使の軍勢との戦いを描く一大叙事詩。メロウなイントロに始まるローディアン・ガードにしてはキャッチーなナンバーである。アルバムの掴みとしてはこのくらいが良い。後半から始まる長尺なギターソロ・パートでは本領を発揮し、大仰さをまき散らす。ローディアン・ガードの辞書に「控える」という言葉は全く存在していない。最もそうなってしまった場合、エピック・メタル・バンドとしての価値は軽減されるのだが。
2. Winds of Thor
北欧民族の神話からインスパイア。冒頭の劇的なリードギターで悶絶は必至。タイトルに相応しく、北欧神話的な雰囲気も漂う、神秘的なエピック・ナンバーである。後にリメイクされ、本作の完成度を遥かに凌駕した素晴らしい名曲となっている。
3. Lost Archangel
創造主(神)によって天から追放され、後に地上で暴虐の限りを尽くすことになる魔王ルシファー。ここではルシファーが神の軍勢の前に敗れ去り、地獄まで落とされるその凄絶な様が描かれる。尺八のような音色で幕開け、大仰極まりないメロディが交錯するカルト・エピック・メタルの傑作。ヴォーカルの魔女のような声がカルト色を倍増させている事実は既に疑いようがない。中間部のギターソロ・パートは絶品悶絶。途轍もないエピカルさと宗教観を放出する楽曲である。
4. My Name Is Man
強烈なシンセサイザーの音色に導かれ、不気味かつ神秘的な世界を描くエピック・メタル。アコースティック・ギターの音色はルネッサンス音楽のムードも持つ。妖艶なヴォーカルも相変わらずだが、リードギターの旋律も哀愁を極める。耽美的な旋律は聴き手の悪しき魂を浄化すること必至。
5. Revelation XIX
包囲されるエルサレム。キリスト教の聖地に剣を振り上げることは、神に対して剣を振りかざすことと同じである。熱狂的な宗教観漂う神聖なエピック・ナンバーであり、他の追随を一切許さない世界観を披露。重厚なミドル・テンポで進み、眩暈のするような宗教的旋律を繰り返す。中間部には語りも導入する。
6. In Peace He Comes Again
アコースティック・バラード。中世風の雰囲気、純粋なルネッサンス音楽の要素すら漂う。



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