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 ヘヴィメタルという音楽におけるイメージを考慮してみよう。
 我々が抱くヘヴィメタルの一般的なイメージには、"攻撃的"要素と"暗い、重い"という世界観が挙げられる。いずれもヘヴィメタルという特異なジャンルを良く捉えている。イメージには常に具体性が求められるという訳である。このように第三者から客観視したヘヴィメタルのイメージには、大衆一般としての偏見や固定観念が必ずしも根底に潜んでいる。前に記述したスレイヤーの例がいい見本となってくれているが、今回はその"イメージ"として見落とされている、ヘヴィメタルの密かなる魅力について書いていくとしよう。


ブレイヴ・ニュー・ワールド
 ヘヴィメタルの攻撃的な音楽性のインパクトが先行するというケースは多い。実際にメタルを聴くとき、いかに速く、過激であるかが問われた時代もあった。スラッシュやデス系メタルのファンはその典型に位置するといえる。これはメタルファンとして刺激を求める最もな姿勢であり、メタルにおける速さやヘヴィネスの重要性を物語っている。加えてメタルには、シリアスな世界観が常に付きまとう。グルーヴィーなサウンドにヘヴィな世界観ともなれば、まさにそれは大人でも楽しめる音楽である。そしてそれに追随してくるのがドラマ性である。先述した攻撃的なサウンドに暗く重い世界観、そこにドラマティックな要素とくれば何かに思い当たる。そうこれは一種のストーリーだ。元来ヘヴィメタルには、"ただ過激な音楽をやっているのではない"という構造があった。それは世間一般には知られるはずもなかったが、熱心なファンのみが認知していた"隠れたメタルの魅力"だったのである。伝統的なメタルではこのドラマティックなサウンドを「硬派なドラマ性」と形容し、特にポピュラーな音楽に退屈しきっていた者たちには好まれた。その「硬派なドラマ性」はアイアンメイデンの時代にまで遡ることが出来る。ドラマティック・ヘヴィメタルにとって彼らはまさに第一人者だった。メイデンの硬派なサウンドとシリアスなドラマ性が多くのファンに認められているのは想像に容易な事実である。また彼らの場合は商業的な成功も収めているのだがら、ドラマ性を有するヘヴィメタルの需要が大きいという理論がより現実味を帯びてくる。また、こうしたシリアスなドラマティシズムを体現するメタルバンドには、根強いファンが付き易いというのも興味の対象だろう。メタルシーンに君臨するバンド達を考えてみると、そのバンド歴が長いメタルバンドほど、ドラマティックなサウンドを有しているというケースは非常に多い。しかし逆説的に、シーンを賑す若いバンド達も高水準なドラマ性を有しているのだから更に面白い。
 老舗メタルバンドと新鋭メタルバンドのドラマティシズムの違いは何であろうか。その答えを探すには、メタルバンドの区分けされたジャンルを確認するのが近道となってくる。多くの若いメタルバンド達がメロディック・パワー・メタルであるのに対し、老舗のメタルバンド達は正統派のスタイルをプレイしている。もちろんこの結果は必ずしも定説ではないということを付け加えておくが。要するに彼らのドラマ性の違いは"硬派の度合い"にある。アイアンメイデン、ジューダスプリースト、マノウォー、ランニングワイルド等が重厚なドラマ性を内包しているというのなら、ソナタ・アークティカ、ドラゴンランド、ダークムーア、フリーダムコール等のバンド達はより即効性のあるドラマ性を内包しているといえよう。ただ新旧どちらにも共通しているのは、それが素晴らしく魅力的なドラマティック・メタルということである。良質なアンダーグラウンドのメタルバンドが溢れ返る現在のヘヴィメタル・シーンでは、ドラマ性の選択すら、個人的な問題に過ぎないのだ。



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