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Las Sombras del Este



Country: Spain
Type: Full-length
Release: 2003
Reviews: 85%
Genre: Epic Folk Metal


スペイン出身のエピック・フォーク・メタル、サウロム・ラムダースの2003年発表の2nd。2枚組の大作である。


高速乱舞する民謡(笛)が特徴的なサウロムだが、今作ではそのファンタジックかつエピカルなサウンドを一層進歩させてコンセプト・アルバムに挑戦した。題材としたのは、欧州での幻想音楽シーンでの主なテーマともなっているトールキンの「指輪物語」。当ブログでも過去、指輪物語に傾倒したエピックメタルバンドを幾つか紹介している。
早くもコンセプトに挑戦したということで音楽的な技術とトータルでのバランスが問われるが、彼らに至ってはそのような心配は全く必要なかったといえよう。それほど本作の完成度は高い。Disk2の冒頭に15分もの大作を持ってきたのにも彼らの自信の程が伺える。

一体何故、彼らのようなクオリティを持つ優れたバンドがアンダーグラウンドで、更に私達の国で認知されていないのか疑問である。アンダーグラウンドというのはメタルバンドの宿命として(アンダーグラウンドにも利点はあるのだ)、まあ、だからこそ彼らを発掘した時の感動が大きかったのかもしれないが(笑)。

では改めて本作の内容に移ろう。
先述したように、本作はコンセプト・アルバムである。まずコンセプチュアルなアルバムで重要になってくるのが全体としての完成度、そしてドラマティシズムに伴うストーリー性である。一般的にこれらには高い技術と才能が必要となってくるが、サウロムはそのどちらも有していたようである。最も、彼らの素晴らしい楽曲のセンスは既に前作で披露されていたのだが…。基本的に、音楽性に至っては前作を踏襲しているが、エピック・クワイアの多用や映画的な演出を楽曲のイントロや繋ぎに導入することにより、ドラマ性が著しく向上したといえる。特に、アルバムの始まりを告げる壮大なプロローグ、Disk1の#1などはファンタジー・エピック映画だ。
しかし彼らの描く幻想世界は、ラプソディーに代表される超大作スペクタクルというよりも、田舎臭く土着的な小劇場のファンタジーである。どこか郷愁を誘う、馴染み深い世界への空想の冒険に魅力を感じる向きは多いはず。「指輪物語」本来の民族的な雰囲気が存分に発揮されているのだ。

もちろん本作の魅力は、決して雰囲気ものに留まってはいない。どの楽曲も強烈な笛の音色とヒロイックなギターのフレーズに酔いしれることができ、繋ぎに挿入されるリアリティに富んだSEが幻想世界の情景を描写している。ギターのメロディは、エピックメタル界では最高峰に民謡臭い部類に入る。またシンフォニックな要素も加味されれおり、若干映画音楽的な重厚さも感じさせる。そしてそれに劇的な展開力を持つ楽曲アレンジである。ここに有無をいわせぬサウロムのエピックメタルが完成したのだ。



Disk1:
1. Cormalairë
壮大極まるエピック・シンフォニーと語りでシリアスに幕開けるイントロダクション。
2. Acertijos en las Tinieblas
牧歌的な笛の音色が早くも奏でられ乱舞する、サウロム節炸裂の一曲。クワイアのドラマティックなアレンジやスムーズな曲展開の多用により非常に魅力的なエピックメタルに仕上がっている。
3. La Comarca
4. El Cumpleaños de Bilbo
5. De Hobbiton a los Gamos
6. El Bosque Viejo
7. Bajando por el Tornasauce
8. Tom Bombadil
9. La Bienvenida del Señor Mantecona
10. La Posada del Poney Pisador
11. Trancos/Aragorn
ドゥネダインの末裔、アラゴルンを歌った英雄ファンタジーメタルの最高傑作。全編を貫く民族英雄的な勇猛果敢さが胸を打つ。本アルバム中で最高の名曲ではないだろうか。
12. Los Jinetes Negros
ヘヴィでメタリックなリフが印象的な神秘的楽曲。アコースティカルな響きと、ヘヴィなリフのコントラストが絶妙である。神秘的というのは楽曲の雰囲気のことを指しており、シリアスなファンタジーの王道をいっている。またヘヴィさに伴い暗さも漂う。

Disk2:
1. El Concilio de Elrond
サウロム・ラムダースの歴史で初の大作曲。驚異的にファンタジックな一大叙事詩で、あまりの場面展開の多さに全貌を図ることは難しいが、傑作であることは間違いない。
2. El Paso de Caradhras
クワイアを伴った壮大なインストゥルメンタル。D&D系のRPG的展開、シンフォニーが劇的に冒険を促す。
3. Las Minas de Moria
フォーキーなメロディがヒロイックにアレンジされた名曲。スペイン語のヴォーカルがこれ以上ないほど勇ましく歌い上げる様は高揚感を鼓舞する。
4. La Dama de Lórien
スペイン・エピックメタルのもう一つの雄であるダーク・ムーアからエリサ・マルティンがゲスト参加。非常に楽曲にあった歌唱を聴かせる。
5. Los Pilares de los Reyes
とてつもない郷愁と民謡臭さを発散させる笛によるインストゥルメンタル。笛の重なり合うハーモニーの美しさは絶品。果たして彼らはメタラーなのか笛使いなのか疑わしいところだ(笑)。
6. La Disolución de la Compañía
土着的な物語を終局へと導く雄大な民謡調エピックメタル。大団円を迎えるサビの牧歌的なクワイアはファンタジーを謳歌している。郷愁を誘う雰囲気があり、感動的な結末を魅せる。ちなみに本曲はゲイリームーアのカヴァーである。
7. Mordonorienna
指輪物語に登場するエルフの奏でる音楽のように幻想的で美しい民謡。余韻を残すエピローグだ。



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