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 8月31日、「週刊文春」やテレビ放送によって明らかとなった、世界的ジャズ・ミュージシャンである日野皓正氏(74)が起こした"ビンタ騒動"。この事件の様子は、Youtubeにアップされた衝撃的な映像の中にも、はっきりと収められていた。
 事件後、日本のワイドショーでは、この"ビンタ騒動"に対する多種多彩な意見が、有名人たちの口から発せられた。ここで問題視されたのは、「日野皓正氏が中学生に暴力を振るった」という部分だった。
 現在の日本には、体罰に関して過剰な反応を示す大人たちが大勢いる。当然のように、この"ビンタ騒動"も大炎上する結末を迎え、私たちは、改めて教育と体罰に関して考える機会を得た。

 しかし、どうしてこのプロのジャズ・ミュージシャンによる"ビンタ騒動"を、わざわざ当ヘヴィメタル専門サイトで取り上げたかというと、"音楽"と"暴力"の二つの要素が、決して無関係ではないと感じたからである。
 実際のところ、従来のヘヴィメタルという音楽は、常に理不尽な"暴力"と接してきたジャンルであり、ファンたちが社会や大人たちから弾圧され、圧力を掛けられるという場面が少なくなかった。つまり、今回の日野皓正氏が起こした"ビンタ騒動"にも、日本の一人のヘヴィメタル・ファンとして、疑問に感じる点が多かったのである。

 日野皓正氏の言い分は、「猪木のビンタより痛くない。ビンタも必要な時もある」というものだった。また、連日のワイドショーでは、有名人たちの口から、「昔は体罰もアリだった」という意見が数多く挙がった。所謂、「体罰容認派」だ。
 8月20日、東京・世田谷区の世田谷パブリックシアターの中で、日野皓正氏は、中学生をビンタすることによって、その演奏(ドラムソロ)を中断させた。
 しかし、そこには、ある図式が完成していた。
 音楽を演奏する場において、子供の"表現"が、大人の"暴力"によって止められたのである。

 確かに、日本の60代~70代の大人たちは、自らの社会的立場や周囲の規律を守ることに関しては、特に敏感な世代だった。何故なら、そういった大人たちは、殆どが戦争経験者であり、日本の古い軍事教育を目の当たりにしているからだ。
 また、このような古い思想に固執した高齢の大人たちが、子供たちの表現の自由や将来の可能性を奪い去っていくことは、決して珍しい出来事ではなかった。以前、当サイトでは、ヘヴィメタルのファンたちが、社会の大人たちに抑圧されてきた歴史を書いたが、そういう恐ろしい出来事は、世間の裏側で頻繁に起こっているのだった。

 今回、"ビンタ騒動"を起こした日野皓正氏は、世界的ジャズ・ミュージシャンという立派な肩書きを持ち、結果的には、それが一般人たちから注目を集める引き金となった。恐らく、一般人たちは、無名のミュージシャンが同じような事件を起こしたら、見向きもしなかったのかも知れない。
 しかし、このようにして、"音楽"と"暴力"という、殆ど無関係だと思われてきた要素が交わる事件が起きたことを、現代の私たちは忘れないようにしたい。

Vulgar Display of Power





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