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Somewhere Far Beyond



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 1992
Reviews: 92%
Genre: Epic Power Metal


ドイツのエピック/メロディックパワーメタルの筆頭、ブラインド・ガーディアンの1992年発表の4th。

本作『Somewhere Far Beyond』はブラインド・ガーディアンらしいドラマティックかつファンタジックな世界観を確立させた名作である。前作『Tales From The Twilight World』(1990)を軽く凌駕する内容を持ち、楽曲は更なる進化を遂げている。日本盤の帯に書かれた「前作を見事に踏襲」という言葉は実に適切な表現であろう。
新しい要素として、冒頭から美しく響くスパニッシュギターに代表されるように、本作では中世音楽を取り入れている。いよいよブラインド・ガーディアンの幻想物語を描く手法が本格化してきた。ヘヴィメタル・パートの破壊的なリフとケルトメロディの美旋律が入り乱れる手法は、従来よりも遥かに説得力を増している。特に今回はアンドレ・オルブッチ(g)のギターソロが作曲されたパートが多く、各楽曲でのソロは非常に洗練されたものとなっている。また楽曲の展開力においても圧倒的であり、劇的なテンポ・チェンジを要所で多用している。これらの要素は、まさにブラインド・ガーディアンのファンタジーメタルが完成したことを強烈に物語っている。総じて本作は非常に高度なエピックメタル作品である。

また本作は、物語的なコンセプト・アルバムであるという。本作では様々な吟遊詩人──本作で彼らは「Bard(バード)」という呼び名で呼ばれる。バードとは、ケルト人達が呼んだ吟遊詩人の名を指す──が幾多の次元より集まり、その世界での出来事を歌にして語る。アンドレアス・マーシャルの幻想的なアルバムジャケットは、まさにその吟遊詩人たちによる集会の様を描いたものである。これはまるで不思議な話で、紡がれる物語は至高の絵画となって劇的なヘヴィメタルとして具現化している。故に本作に徹底的に表現されたブラインド・ガーディアンの幻想世界が、聴き手に様々な光景を見せることは必至である。エピカルでストーリーテリングな傑作が『Somewhere Far Beyond』なのである。なお本作は、初期の頃からブラインド・ガーディアンの音楽性と世界観に影響を与えているJ・R・R・トールキンの『指輪物語』やマイケル・ムアコックの『永遠の戦士』等のファンタジー小説の愛好家たちにも訴える要素を持っている。

追記:本作は過去何度も再販され、リマスター再販盤が2002年と2007年に発売されている。なおそれぞれ収録のボーナス・トラックは異なっており、2007年のリマスター再販盤には#14"Ashes to Ashes (Demo Version)"、#15"Time What is Time (Demo Version)"が新たに収録された。



1. Time What Is Time
静寂の中に聞こえる美しいスパニッシュギターの音色。そこからの大仰な展開は劇的極まりない。オープニングを飾るに相応しい名曲だ。物語は映画『BLADE RUNNER』の世界観に基づいた未来を舞台としている。
2. Journey Through the Dark
時空を超えて旅するバードについての楽曲。このバードは人に乗り移ることが出来る力を持っている。非常にスピーディでスリリングな名曲である。本作の楽曲を聴けば"シリアスなファンタジー・メタル"が決してくだらないものばかりではないことが分かる。
3. Black Chamber
怪物に取りつかれ死を迎える男の物語に、クラシカルなピアノが悲壮感を添える短い楽曲。
4. Theatre of Pain
ケルティックなメロディが幻想的なミドルチューン。未来から来た吟遊詩人が環境問題の恐ろしさについて語り、荒廃した未来世界の現状を嘆く。
5. Quest for Tanelorn
カイ・ハンセンの協力のもと制作され、マイケル・ムアコック『永遠の戦士』に登場する永遠の都《タネローン》 を舞台にした強力な楽曲である。歌っている詩人は、チャンピオンの相棒であるという。恐らく、英雄の介添人(共に戦う宿命を持つ戦士)を意識して書かれた楽曲の可能性もある。劇的なハーモニーを持つソロパートを披露する楽曲であり、また聖歌隊のような壮大なコーラスも素晴らしい。
6. Ashes to Ashes
中世を想起させるメロディを持つ楽曲。サビのメロディは特にそうであろう。
7. Bard's SongⅠ- In the Forest Ⅱ- The Hobbit
二曲からなる組曲。前半「In the Forest」は年老いたバードの物語る話であり、後半「The Hobbit」は『ホビットの冒険』を題材とした物語である。「In the Forest」は中世ドラッドの影響を顕著に受けた、ブラインド・ガーディアン史屈指の名曲である。「The Hobbit」はドラマティックなメロディックチューンだ。
8. Piper's Calling
スコティッシュ・バグパイプによるインストゥルメンタル。
9. Somewhere Far Beyond
スティーヴン・キングの小説『ダークタワー』にインスパイアを受けた長尺の楽曲。主人公のローランドが、《暗黒の塔》の謎を握る《黒衣の男》を捕らえようと旅をする場面が描かれる。タイトルの「何処か遥か彼方」という意味深なフレーズは、アルバムの鍵を握っている。内容は本作でも最高にドラマティックなもの。
10. Spread Your Wings
ボーナス・トラック。クイーンのカヴァーである。クイーンの素晴らしさ、またはブラインドガーディアンというバンドのルーツが再確認できる。
11. Trial by Fire
ボーナス・トラック。イギリスのヘヴィメタル、サタンのカヴァー。
12. Theatre of Pain [Classic Version]
ボーナス・トラック。#4のクラシック・インストゥルメンタル・ヴァージョン。生のオーケストラではなくキーボードを用いている。そのためかファンタジック・ゲームの音楽のように聞こえる。



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