Epic Metal; Review Fan Site.
© 2010-2017




Nocturnes of Hellfire & Damnat



Country: United States
Type: Full-length
Release: 2015
Reviews: 77%
Genre: Epic Metal


アメリカのエピック・メタルの帝王、ヴァージン・スティールの2015年発表の13th。


2010年代に入り、欧州のイタリアやギリシャへと拠点を移したエピック・メタル・シーンは、それらの地域で様々な実績を残した。近年のアンダーグラウンド・シーンのエピック・メタル・バンドたちは、徐々に新しいファン層を開拓し、従来の音楽のスタイルを更に進化させていった。また、欧州のエピック・メタル・シーンが一時的に活性化したことによって、80年代から活躍していたバンドたちが、それに強い刺激を受けたというファンたちの憶測は、イタリアのアドラメレクやダーク・クォテラー、アメリカのマニラ・ロードやウォーロードなどの復活を見ても、既に明らかな現実だった。

アメリカのニューヨーク出身のヴァージン・スティールは、エピック・メタルというロック音楽のサブ・ジャンルの中では、極めて重要な存在だった。このバンドは、デイヴィッド・ディファイ(David Defeis:vo、key)という特殊なバックグラウンドを持ったミュージシャンがメイン・ソングライターとなり、これまでのキャリアの中で12枚のアルバムを発表してきた。近年では、第12作『Black Light Bacchanalia』(2010)が最も新しい作品だったが、未だ積極的に創作活動を続けるバンドは、2015年に第13作『Nocturnes of Hellfire & Damnation』を完成させた。

『Nocturnes of Hellfire & Damnation』は、ドイツの「SPV GmbH」から発表され、1981年結成のヴァージン・スティールが未だ健在であることをファンたちにアピールした。本作は、従来のヴァージン・スティールの音楽のスタイルを踏襲した内容だったが、実際にはそこに様々な変化を含んでいた。バンドのファンたちが最初に注目したのは、前作『Black Light Bacchanalia』を経て更に変化したデイヴィッド・ディファイの独特なヴォーカル・スタイルだった。実際のところ、1961年生まれのデイヴィッド・ディファイは、既に全盛期を過ぎたヘヴィメタル・ヴォーカリストの一人であり、ロック音楽のファンたちの間では、様々な意見が飛び交っていた。

この『Nocturnes of Hellfire & Damnation』の楽曲の中では、デイヴィッド・ディファイが従来のシャウトを抑え、囁くようなヴォーカル・スタイルを強調している部分がはっきりと表れていた。バンドのファンたちは、この新しいヴォーカル・スタイルを受け入れることには完全に否定的であり、その現実がそのまま作品の評価に繋がった。詰まるところ、『Nocturnes of Hellfire & Damnation』の殆どの楽曲は、デイヴィッド・ディファイの変化したヴォーカル・スタイルによって、全てが台無しになるというのである。

本作のハイライトは、ギタリストのエドワード・パーシノ(Edward Pursino:g)のテクニックを前面に押し出した"Lucifer's Hammer"や"Persephone"にあるが、これらは従来のエピック・メタルの音楽のスタイルを踏襲した、完成度の高い楽曲だった。また、そういった楽曲の間に挟まれている"Queen of the Dead"と"Black Sun-Black Mass"は、ヴァージン・スティールの80年代の覆面バンド、エクソシスト(EXORCIST)のものだった。これらの楽曲は、エクソシストの唯一の作品である『Nightmare Theatre』(1986)の中からリメイクされ、結果的に『Nocturnes of Hellfire & Damnation』に収録されたのである。この過去の楽曲のリメイクという試みは、純粋な「新曲」を求めるファンたちからは、次第に疑問視されることとなった。

『Nocturnes of Hellfire & Damnation』のハイライトの一つである"Persephone"以降は、単純に楽曲の完成度が落ち、第5作『Life Among the Ruins』(1993)と第6作『The Marriage of Heaven & Hell』(1994)の中間に位置するようなサウンドが強調された。しかし、こういった作風は、特にバンドの初期作品のファンたちからは、大きく批難される結果となった。ヴァージン・スティールが本来のエピックな音楽性を取り戻すのは、後半のインストゥルメンタル"A Damned Apparition"からであり、その後の楽曲は、比較的安定した内容だった。特に"Delirium"や"Hymns to Damnation"は、『The Marriage of Heaven & Hell』にも通じるロマンチックなムードを放ち、最後の"Fallen Angels"では、作品の深い余韻に浸ることができた。

結果的に、ヴァージン・スティールの『Nocturnes of Hellfire & Damnation』は、2015年に発表されたエピック・メタルのアルバムの中では、このジャンルのファンたちから最も大きな批判を浴びた。この背景には、バンドのメンバーたちの高齢化やアルバム・コンセプトの排除に加え、かつてアメリカ東海岸で最高のドラマーと評されたフランク・ギルクリースト(Frank Gilchriest)の脱退なども関わっていた。エピック・メタルという音楽のスタイルから考察すれば、やはりヴァージン・スティールは始祖に違いないが、満を持して発表された『Nocturnes of Hellfire & Damnation』は、従来のファンたちと意見が食い違う点が極めて多かったのである。なお、本作は2枚組のデジパック盤と同時発売され、様々なバンドのカヴァー曲を収録したボーナスCDが付属した。



Disc 1:
1. Lucifer's Hammer
2. Queen of the Dead
3. To Darkness Eternal
4. Black Sun-Black Mass
5. Persephone
6. Devilhead
7. Demolition Queen
8. The Plague and the Fire
9. We Disappear
10. A Damned Apparition
11. Glamour
12. Delirium
13. Hymns to Damnation
14. Fallen Angels

Disc 2:
1. Halloween Theme
2. D.O.A.
3. The Witch In The Forest
4. Black Sabbath [Black Sabbath cover]
5. The Immigrant Song [Led Zeppelin cover]
6. Black Sabbath "Reprise"
7. Riderless Horse (Save Your Breath)
8. The Devil Drives
9. Anger Never Dies
10. Funeral Games
11. The Plot Thickens
12. Haunted Wolfshine
13. West Of Sumer
14. A Greater Burning Of Innocence
15. The Birth Of Beauty



Click Ranking for epic metal!

にほんブログ村 音楽ブログ HR/HMへ
にほんブログ村
関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://cosmanbradley.blog129.fc2.com/tb.php/1101-03daf088
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック