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Crystal Logic



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1983
Reviews: 90%
Genre: Epic Metal




「『Crystal Logic』なくして、エピック・メタルの確立は有り得なかった」

 ──『METAL EPIC』誌

マニラ・ロードの『Crystal Logic』が再発された。1983年に発表されたこの素晴らしい名盤は、今日のエピック・メタルの基礎を築き上げた極めて重要な作品である。勇ましく疾走する名曲"Necropolis"、すべてのエピック・メタル・バンドに影響を与えたヒロイックなギター・ソロを奏でるタイトル・トラック"Crystal Logic"は、今後も末永くマニアたちに愛聴されていくことであろう。我々は改めてこの作品を拝聴し、劇的でヒロイックなエピック・メタルというジャンルが生まれていった経緯を耳にすることができる。『Crystal Logic』は偉大なるエピック・メタル・バンドの、偉大なる遺産だ。

 ──Cosman Bradley



本作はアメリカのカンザス州ウィチタ出身のエピック・メタル・バンド、マニラ・ロードが1983年に発表した第3作である。中心人物マーク・シェルトン(Mark Shelton:g、vo)、 スコット・パーク(Scott Park:b)、リック・フィッシャー(Rick Fisher:d)から構成される3人のメンバーによって制作され、プロデュースはマーク・マズール(Mark Mazur)が担当。太古のネクロポリスを描いたというカヴァー・アートワークはジョン・ジンクス(Jon Jinks)が手掛けた。なお本作は2000年に「Iron Glory Records」から再発、その際マニラ・ロードが1983年に『U.S. Metal Vol.Ⅲ』に提供した"Flaming Metal Systems"をボーナス・トラックとして追加収録。その後、2012年に「Shadow Kingdom Records」より再発された。




マニラ・ロードが現在のエピック・メタル・シーンで孤高の地位を獲得できたのは、間違いなく本作『Crystal Logic』の成功があったからだ。1977年にマニラ・ロードを結成したマーク・シェルトンが思い描いていた幻想文学に通じる世界観や、独創的な音楽性は80年代初期のヘヴィメタルの分野には大きな影響を与える必然性があった。バンドの結成時からマーク・シェルトンが追求していた世界観は神秘主義的なものであり、その特異な要素が本格的なヘヴィメタルのサウンドと出会ったのが、他ならぬ『Crystal Logic』であった。



本作から漂うヒロイックなムードの根源は、マーク・シェルトン自身の趣味に基づくものであり、それはアルバム・ジャケットの表紙、及び掲載されているメンバーの写真に至るまで影響を与えている。これは後にマーク・シェルトン自身が認めたことだが、ロバート・E・ハワードの『コナン(Conan)』はマニラ・ロードの世界観に多大な影響を及ぼしていた。また古代・中世に属する古典文学も同様であり、『Crystal Logic』制作時の一つのインスピレーションとして機能していた。これらの勇壮なイメージがインテリジェントな音楽として始めて成立したのが、本作『Crystal Logic』という作品であった。これまでのロック史を覆すヒロイックなサウンドの登場に、地下のファンは大きくどよめいた、という。



劇的、大仰、勇壮、そして、緻密な小説の如く結末を迎えるストーリーテリングな『Crystal Logic』の内容は、マニラ・ロードという陰鬱なバンドの存在を一気に世に照らし出した。"Necropolis"の放つ幻想的な爽快感、"Crystal Logic"の雄大なギター・ソロ、"Riddle Master"におけるヒロイックなリフの使用、長大な"Dreams of Eschaton"の途方もない憂鬱さ。スラッシュ・メタル、ブラック・メタル、NWOBHM……形容する言葉が見当たらなかった。しかし、歴史には常に見落としがあるように、かつてマーク・シェルトンが自身のサウンドを命名した際の一つの言葉が残されていた。それは同郷のキリス・ウンゴルやマノウォーのサウンドを辛うじて形容していた"EPIC METAL(叙事詩的なヘヴィメタル)"という言葉であった。



1983年、マニラ・ロードの第3作『Crystal Logic』はエピック・メタルのスタイルを確立するに至る。以前までのハードロックの呪縛から脱却した、クラシックな叙事詩的音楽の原形が『Crystal Logic』には生々と描かれている。ここにヘヴィメタルと「剣と魔法(Sword and Sorcery)」の世界観が前衛的な手法で融合を果たし、エピック・メタルが完成したのである。言うまでもなく、マニラ・ロードはその第一人者であり、先駆者であった。当時、ここまで"ヘヴィメタル的"なサウンドを提示したエピック・メタル作品は他に有り得なかった。本作の発表後、現在に至るまで、世界各地のマニラ・ロードのファンは『Crystal Logic』を初期の傑作として称賛し続けている──以上が、我々が知り及ぶ本作の物語であった。



1. Prologue
暗く不穏な本作のオープニングトラック。ネクロポリスの謎を語りかける。
2. Necropolis
オープニングに続く勇壮な疾走曲。古代神話にインスパイアされ、ステュクス河のネクロポリス、王の墓に関して言及する。ヒロイックなメロディがドラマティックかつアグレッシブに展開される本曲は、マニラ・ロードの代表的な名曲となった。また、エピック・メタルというジャンルの良点を顕著に示した楽曲でもある。
3. Crystal Logic
タイトル・トラックにしてエピック・メタル屈指の名曲。大仰なマーク・シェルトンのヴォーカルと無骨なギター・サウンドがエピカルに絡み合った見事な構成を有する。およそ6分の中に戦士的なドラマ性を凝縮しており、中間部のソロでは最高にヒロイックなフレーズを奏でる。このギター・ソロが後続に影響を与えた事実は、既に語り尽くされている。
4. Feeling Free Again
短くも、勇壮な荒々しさが表現された楽曲。バーバリックな勢いだけは素晴らしい。
5. Riddle Master
伸びやかな歌声が炸裂する明白かつドラマティックな内容。ヘヴィメタル史において、始めてヒロイックと思しき印象を与えるギター・リフを使用したことでも知られる名曲。本作のエピカルな作風を代表する楽曲でもあり、サビの強烈なメロディが強く印象に残る。また後半にはテンポ・チェンジがあり、完成度は非常に高い。
6. Ram
鋭くメタリックなリフが変則的なリズムで刻まれる佳曲。ほのかに滲むマイルドな漢らしさが非常に良い。ギター・ソロは破天荒な内容。
7. Veils of Negative Existance
上手くエピカルにまとまった内容。楽曲の展開も期待感を煽るもの。大仰さが爆発しており、ラストのコーラスも勇壮な世界観を良く描いているといえよう。
8. Dreams of Eschaton/Epilogue
およそ10分に及ぶエピック・メタル大作。様々な神話・伝承に触発される。バラード調から始まり、大仰な唸り声を上げ、リフ・パートに移行する箇所はなんともエピック・メタルらしい。歌メロの漢の色気を感じるメロディには高揚感を覚えるものの、後半の永遠と続くソロ・パートが、ストレートな曲調故に冗長に感じる部分が非常に残念。エピローグでは、整合性のない大仰なメロディが時に哀愁を秘めて、余韻を残すべくエンドロール・メロディが奏でられる。
9. Flaming Metal System
ボーナストラック。当時のマニラ・ロードがコンピレーション・アルバム『U.S. Metal Vol.Ⅲ』(1983)に提供した楽曲。完成度は高く、ヒロイズム、伸びやかな歌声、ドラマ性などが十分に発揮された佳曲である。



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