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One Foot In Hell



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1986
Reviews: 85%
Genre: Epic Metal


アメリカのエピック・メタルの始祖、80年代に四天王の地位に君臨、キリス・ウンゴルの1986年発表の3rd。


「我々の音楽性は、"エピック・メタル"と一般的に分類されている」
 ──グレッグ・リンドストーム


ロバート・グレイヴン(Robert Garven:d)、ティム・ベイカー(Tim Baker:vo)、ジェリー・フォグル(Jerry Fogle:g)、マイケル・フリント(Michael "Flint" Vujea:b)によって制作。



強烈なB級色とチープな音質で一般層をより遠ざけた──逆にカルト・エピック・メタルのマニアたちからは絶賛された──前作『King of the Dead』(1984)から一変し、キリス・ウンゴルの第3作目にあたる本作『One Foot in Hell』は、大幅に洗練された正統派エピック・メタルのサウンドを収めている。特筆して前半部分は飛躍的な進歩を証明しており、『King of the Dead』のサウンドに衝撃を受けた層からすれば、冒頭の"Blood & Iron"から流れるエピック・メタル・サウンドの完成された世界観に驚くことは必至。なおイギリスの小説家マイケル・ムアコックの《エルリック・サーガ》に触発された"Nadsokor"は、エピック・メタル史に残る名曲。本曲は後にイタリアのエピック・メタル・バンド、ドゥームソードによってカヴァーされ、キリス・ウンゴルはその行為を好意的に受け取った──「キリス・ウンゴルの楽曲をカヴァーをすることは、我々への讃辞の証明である



本作において、絶対的な個性を放つティム・ベイカーの奇声を張り上げるような異様なヴォーカル・スタイルは健在だが、バックに呪文のようなコーラスを大幅に配したことにより、キリス・ウンゴルが追求する混沌としたムードがより大仰に描き出されている。先述の"Nadsokor"、及び強烈な単語を力強く連発する"Chaos Descends"においては、そのダイナミックな要素を堪能することが可能。勇壮な"100 MPH"や"War Eternal"など、ストレートなエピック・メタルの名曲が目白押しである。
今作はキリス・ウンゴルの中で最も安定したエピック・メタル作品であり、捨て曲らしき楽曲は見当たらない。初期キリス・ウンゴルの集大成に相応しい、正統派エピック・メタルの傑作と呼べる作品である。しかし、本作の発表の後、『One Foot in Hell』を担当した「Metal Blade Records」のプロデューサー、ブライアン・スレイゲル(Brian Slagel)がキリス・ウンゴルの方向性を独断で決定しようとしたため、バンド側が揉め、その結果としてキリス・ウンゴルは解散した。契約したレコード会社の対応も頗る悪く、メンバーは精神的に追い詰められていた。当時、音楽業界でヘヴィメタル・バンドの地位は低く、適切な支援を受けることができない立場にあった。その悲劇的な犠牲者談の一つに、キリス・ウンゴルの解散がなおも語られている、ということだ。なお本作は「Metal Blade Records」によって1999年に再発。



1. ブラッド・アンド・アイアン
Blood & Iron
バーバリックにギャロップするリフが興奮を誘う名曲。薄っすらとしたコーラスもいい感じだ。ギターソロでの大仰なドラマ性も、迫真性を感じるほどに進化している。

2. カオス・ディセンズ
Chaos Descends
ヘヴィかつエピカルなリフが刻まれる楽曲。コーラスの醸し出す不気味な雰囲気にはゾクゾクする。幻想小説さながらの迫力を武器に、後半の突如として疾走する劇的なパートには、エピック・メタルを極めた感がある。

3. ファイア
Fire
第4作『Paradise Lost』(1991)収録の同名曲とは別物。これもエピカルさを湛えたリフが秀逸。巧みに静と動を使い分ける。楽曲の雰囲気も剣と魔法の物語を想起させる幻想的なもの。

4. ナドソコル
Nadsokor
《エルリック・サーガ》に登場する廃都「ナドソコル」を曲名に関した名曲。怪しく幻想的なその世界観、そして戦士特有の勇敢さが厳かに表現されており、興奮は必至といえる。各所に導入される呪文のようなコーラスも雰囲気を盛り上げる。後半でのヒロイックかつ激的なパートは、キリス・ウンゴルが生み出した展開の中でも最高の部類。まさに叙事詩と名乗るに相応しい内容。

5. 100 MPH
100 MPH
ヘヴィメタルらしさを追求した疾走曲。大仰なギターソロが冴える。

6. ウォー・エターナル
War Eternal
漢の哀愁をにじませるイントロのギターメロディが素晴らしい。絶叫のコーラスの放つバーバリックなヒロイズムもインパクトがある。最後のスロウなパートでもドラマ性を演出し、戦士のロマンティシズムを感じさせる名曲である。

7. ドゥームド・プラネット
Doomed Planet
やや平凡な楽曲。

8. ワン・フット・イン・ヘル
One Foot in Hell
タイトルトラック。オーソドックなタイプのヘヴィメタル曲で、好演をしている。



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