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Introduction

Robert_E_Howard

「エピック・メタルとは、叙事詩的なヘヴィメタルの総称であり、主に大仰かつ劇的でヒロイックな音楽性を示す言葉である」 [More stats] 

 ──Cosman Bradley


◆新着情報 News Topics
[Reviews]
VALKYRIE 「Deeds of Prowess」
WRATHBLADE 「Into the Netherworld's Realm」
VIRGIN STEELE 「Nocturnes of Hellfire & Damnation」
[Release]
Jack Starr’s Burning Starr 「Stand Your Ground」
Cirith Ungol 「King Of The Dead」
Manilla Road 「To Kill a King」

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White Goddess (a Grammar of Poetic Myth)



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 2013
Reviews: 85%
Genre: Epic Doom Metal


ドイツのエピック・ドゥーム・メタル、アトランティアン・コデックスの2013年発表の2nd。


エピック・ドゥーム・メタルというサブ・ジャンルは、アンダーグラウンド・シーンの中でも密かにファンを持つ音楽性だ。キャンドルマス(Candlemass)やソルスティス(Solstice)といったバンドがその代表だが、そのサウンドは雄大でロマンティックという特徴を持っている。この音楽のスタイルの中では、スピード感のある楽曲は少なく、大半がミドル・テンポのエピックなメロディを主軸とした作風である。
イギリスのソルスティス風のサウンドを踏襲したアトランティアン・コデックスの『The White Goddess』は、前作『The Golden Bough』(2010)からの明確な進歩を見せた作品となった。アンダーグラウンド・シーンのエピック・メタル・バンドらしく、大衆的なロック音楽から浮世離れした世界観は、古代や中世に由来している。また、バンドはヒロイック・ファンタジーにも影響を受けているため、長大な楽曲群からは英雄主義的な雰囲気も漂っている。
『The White Goddess』が持つ雄大なメロディのエピック・メタル・ルーツは、ヨーロッパのフォークや土着的な民族音楽にある。この方向性はソルスティスと同じであり、このサブ・ジャンルの中で、アトランティアン・コデックスが支持を獲得するのは時間の問題となった。そして、その支持の理由が、本作における楽曲のクオリティの高さだった。大作指向でもリスナーを飽きさせない楽曲の作りは、このバンドが叙事詩的なヘヴィメタルのサウンドを目標に近付けたことを物語っている。



1. Trumpets of Doggerland
2. Sol Invictus
3. Bilwis
4. Heresiarch
5. Twelve Stars and an Azure Gown
6. Der untergang der stadt Passau
7. Enthroned in Clouds and Fire


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Immortal Hellenic Metal.


Argonautica



 ギリシャの正統派エピック・メタル、セイクリッド・ブラッドの第3作『Argonautica』が「Pitch Black Records」から2015年に発表。近年になって、バトルロアのような勢いのあるギリシャ産のエピック・メタル・バンドがヨーロッパのシーンで活躍しているが、このセイクリッド・ブラッドもファンたちから注目されている。ポーリーディキス(Polydeykis:g、key)率いるバンドは、母国の神話と歴史を題材とした雄大な音楽のスタイルを継承しており、『Alexandros』(2012)はヴァージン・スティールのデイヴィッド・ディファイにも高く評価された経歴を持つ。
 セイクリッド・ブラッドの新作『Argonautica』は、再びギリシャの神話と歴史をモチーフとしたエピック・メタルの作風を貫き、ロドスのアポローニオスの叙事詩『アルゴナウティカ』をメイン・コンセプトに選択している。叙事詩史上の重要な作品を取り上げる姿勢は、エピック・メタル・バンドとしての真剣な活動にも繋がっている。ここで表現されているのは、同郷のリフレクションが『Οδύσσεια(Odyssey)』(2003)で提示したヘレニック・メタルを踏襲したサウンドである。ギリシャ出身のバンドが叙事詩的なヘヴィメタルを演奏する場合、ファンたちは必ずこの音楽性との関連性を追及している。セイクリッド・ブラッドは紛れもない伝統的なヘレニック・メタルの音楽のスタイルのバンドであり、その背景に存在しているのがギリシャ出身というエピック・メタル・ルーツである。『Argonautica』において、母国の神話と歴史を軸に展開されるヒロイックな世界観は、エピック・メタルらしい雄大な雰囲気に包み込まれている。収録曲は以下の通り。

1. Legends of the Sea – The Epic of Apollonius (Argonautica)
2. Hellenic Steel
3. Hail the Heroes
4. Legacy of the Lyre
5. To Lands No Man Hath Seen
6. Call of Blood
7. O'er the Tomb (Beyond the Pillars of Heracles)
8. Friend or Foe
9. Enchantress of the East
10. The Golden Fleece pt.I
11. The Golden Fleece pt.II


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叙事詩的なヘヴィメタルの歴史



 これまでにMETAL EPIC編集部に寄せられた、音楽論『叙事詩的なヘヴィメタルの歴史』に対する質問と回答。


★METAL EPIC編集部より質問と回答

■どんなバンドを紹介していますか?
→アメリカのキリス・ウンゴル、マニラ・ロード、マノウォー、ヴァージン・スティール、ウォーロード、メディーバル・スティール、ブローカス・ヘルム、スルー・フェグ、コルドロン・ボーンから、ヨーロッパのアドラメレク、ブラインド・ガーディアン、ラプソディー・オブ・ファイア、バルサゴス、ドゥームソード、ドミネ、マーティリア、バトルロア、セイクリッド・ブラッド、ロジー・クルーシズなどのバンドを紹介しています。

■これを読めばどんなことが分かりますか?
→エピック・メタルの音楽の概要や、バンドたちの歴史や歌詞のルーツ、叙事詩作品との関連性が分かります。

■ニュー・ウェイヴ・オブ・メディタレニアン・エピック・メタル(NWOMEM)とは何のことですか?
→2000年代後半にヨーロッパの地中海各国(イタリア、ギリシャ)で起こった、エピック・メタルの新世代のムーヴメントのことです。

■ここに書いてある他にまだバンドはいますか?
→現在調査中です。

※本書の発売後に新たに判明したエピック・メタル・バンドは、ダーク・クォテラー、ソルスティス、アラヤン・パス、アトランティアン・コデックス、ソリタリー・セイバード、テラベストニなど。
※続編の『叙事詩的なヘヴィメタルの歴史2』は現在制作中、近日発売予定。


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Golden Bough



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 2010
Reviews: 75%
Genre: Epic Doom Metal


ドイツのエピック・ドゥーム・メタル、アトランティアン・コデックスの2010年発表の1st。


2005年にドイツで結成されたアトランティアン・コデックスは、ドゥーム・メタルとエピック・メタルに影響を受けた音楽を演奏していた。それが具体的な形になったEP『The Pnakotic Demos』(2007)は、アンダーグラウンド・シーンのファンたちから支持を集めた。今回、バンドは第一作『The Golden Bough』を発表し、その支持に応えるという形を取った。そして、この作品に表現されているのがエピック・メタルの暗い世界観だということは、内容を聴けば単純に理解できることだ。アトランティアン・コデックスは『The Pnakotic Demos』でも、ミドル・テンポ主体の楽曲を収録していたが、その作風は『The Golden Bough』にも受け継がれている。大仰なヴォーカルや叙事詩的なメロディは癖が強くなり、前作のファンはそこに微妙な違いを感じることもできる。大作指向という高度な音楽のスタイルは、若いバンドが挑戦すると冗長になることがある。『The Golden Bough』のアトランティアン・コデックスは、その深い溝に嵌った。



1. Fountain of Nepenthe
2. Pilgrim
3. The White Goddess
4. Temple of Katholic Magick
5. Disciples of the Iron Crown
6. Vesperal Hymn
7. The Atlantean Kodex
8. A Prophet in the Forest
9. The Golden Bough


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Pnakoticdemos



Country: Germany
Type: EP
Release: 2007
Reviews: 80%
Genre: Epic Doom Metal


ドイツのエピック・ドゥーム・メタル、アトランティアン・コデックスの2007年発表のEP。


アトランティアン・コデックスがマニアからの支持を獲得した記念すべきEP。ドイツ人らしい大仰なヴォーカルで行進する楽曲と、メロディアスなギター・サウンドが骨格。エピック・ドゥーム・メタルというジャンルは、キャンドルマス(Candlemass)やソルスティス(Solstice)からの影響が強いが、このアトランティアン・コデックスも例外ではない。ヘヴィなサウンドに疾走という概念はなく、演歌調のメロディを聴かせることに軸を移している。『The Pnakotic Demos』から漂う大きな期待感やヒロイックな高揚感は、ソード・アンド・ソーサリー(Sword and Sorcery)の世界や各地の神話・民話に由来する。これらの叙事詩的な世界観をヘヴィメタルで表現するためには、ミドル・テンポの楽曲の方が適している。本作は2010年に「Cruz Del Sur Music」から再販。デモとライブ音源が追加収録された。



1. From Shores Forsaken
2. Marching Homeward
3. The White Ship
4. The Hidden Folk
5. The atlantean kodex (Demo)
6. The hidden folk (Metal Coven Version)
7. A Prophet In The Forest (Demo)
8. Marching Homeward (Live)


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Redemption Through Force



Country: Cyprus
Type: Full-length
Release: 2014
Reviews: 80%
Genre: Epic Heavy Metal


キプロスの真性エピック・メタル、ソリタリー・セイバードの2014年発表の2nd。


シングル『Prelude to Redemption』(2012)の後に発表。本作は自主制作。情熱を創作活動で示すのがこのサブ・ジャンルの様式美。オーソドックスなエピック・メタルを踏襲したサウンドは今作でも変わらず。前作『The Hero The Monster The Myth』(2009)では、典型的なアンダーグラウンド・エピック・メタルを披露したが、バンドは確実に成長している。パワー・メタル風のサウンドが説得力を増したことで、叙事詩なヘヴィメタルを表現する際に独特の緊張感が漂っている。ギター・サウンドは荒々しいものであり、そこからヒロイックなムードを感じることができる。カルト・エピック・メタルの次世代の存在として、ソリタリー・セイバードの今後の活躍には期待だ。なお、このバンドに対する海外のファンの反応は非常に良いものであり、『Redemption Through Force』では地位を確立したとも言える。本作にはコルドロン・ボーン(Cauldron Born)のハウィー・ベントレー(Howie Bentley)がゲスト参加。エピック・メタル・シーンの横の繋がりが見える。



1. Synaxxis of Honor
2. Disciples of the Sword
3. Stigmata of Pain
4. A Violent Transgression
5. Redeemer
6. Burn Magic, Black Magic
7. Resurrectio Animi
8. Sarah Lancaster (The Witch's Breed)
9. Realm of Darkness
10. Revelation
11. Damnation


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The Hero The Monster The Myth



Country: Cyprus
Type: Full-length
Release: 2009
Reviews: 70%
Genre: Epic Heavy Metal


キプロスの真性エピック・メタル、ソリタリー・セイバードの2009年発表の1st。




キリス・ウンゴル、マニラ・ロード、ブローカス・ヘルム、コルドロン・ボーンを始めとする真性エピック・メタルの音世界。それは現実とは異なる空間に存在しているかのように、一般人の耳から遠ざけられてきた。主にロバート・アーヴィン・ハワードの『コナン』やマイケル・ムアコックの『エルリック・サーガ』を題材として展開される、この不気味でカルト的な音世界は、過去のアンダーグラウンド史の中で多くの熱狂的なファンを生んできた。そして、この分野に未来があるとすれば、それは若い世代のエピック・メタルのファンたちが、自らがミュージシャンとなって才能を開花させることだった。既に叙事詩的なヘヴィメタルの新時代は始まっていた。



キプロスの地から芽を出したソリタリー・セイバードは、自主制作という苦肉の策で第一作『The Hero The Monster The Myth』を現実的な形とした。それは典型的な『コナン』タイプのエピック・メタルであり、同時にアンダーグラウンド特有の強烈な湿り気を帯びていた。古いファンたちが求めていたエピック・メタルのサウンドが、この『The Hero The Monster The Myth』という作品にはあった。この時代、既に世界各地では、ファンタジーや神話の世界をモチーフとして作品を作るバンドが大量に出現していた。しかし、80年代から続く真性のエピック・メタルのファンたちに言わせれば、それらは外見を飾るファッションに過ぎなかった。
ソリタリー・セイバードの作品を聴けば、純粋な幻想世界の影響力を身近に感じることができた。しかし、それは同時にファンタジーが本来持っている、煌びやかで美しいイメージを徹底的に破壊するものだった。ソリタリー・セイバードは過去の偉大なバンドたちに敬意を払い、その徹底した音世界を忠実に表現する手法を選んだ。即ち、純粋で無慈悲なダーク・ファンタジーが『The Hero The Monster The Myth』には宿っている。



1. Slayer's Oath
2. A Necromancers Plight
3. Dominion
4. Hammers of Ulirc
5. Anvil of Crom
6. Avengers of Set
7. Solitary Sabred
8. The Trojan Hero


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Tides of War



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 2013
Reviews: 82%
Genre: Epic Heavy Metal


ドイツの正統派エピック・メタル、セイクリッド・ゲイトの2013年発表の2nd。


イタリアの「Metal on Metal Records」から発表されたセイクリッド・ゲイトの第2作『Tides Of War』は、バンドが目標とするサウンドを更に追及したという印象が強い。アルバム・ジャケットに古代のギリシャ兵が描かれていることで、そのサウンドのテーマを想像をすることは容易だ。バンドは『When Eternity Ends』(2012)で、アイアン・メイデンやマノウォーからの影響の強い正統派メタルを披露していたが、今作に限ってはエピック・メタル風の音楽のスタイルに接近している。具体的なサウンドの形態は、80年代のNWOBHMとエピック・メタルの融合である。それを主張する"Gates of Fire"や"The Battle of Thermopylae"などの楽曲は、このサブ・ジャンルの中でも人気の高いコンセプト"テルモピュライの戦い(Battle of Thermopylae)"を扱ったものだ。敢えて語るまでもなく、この物語は、ヘロドトスが著書の中で記述している叙事詩的な戦いのことだ。サウンドやテーマがエピック・メタルに接近することによって、このセイクリッド・ゲイトというバンドは更なる進化を遂げた。



1. The Coming Storm
2. The Immortal One
3. Tides of War
4. Defenders (Valour Is in Our Blood)
5. Gates of Fire
6. Never to Return
7. The Final March
8. Spartan Killing Machine
9. Path to Glory
10. The Battle of Thermopylae


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When Eternity Ends



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 2012
Reviews: 78%
Genre: Epic Heavy Metal


ドイツの正統派エピック・メタル、セイクリッド・ゲイトの2012年発表の1st。


ドイツのセイクリッド・ゲイトは2008年に結成され、アイアン・メイデンやマノウォーなどのバンドに影響を受けた。EP『Creators of the Downfall』(2011)の後に発表された第一作『When Eternity Ends』は、80年代のヘヴィメタルの雰囲気を上手く表現した内容だった。本作は海外の正統派メタルのファンたちから高い支持を獲得し、日本でも輸入盤市場を始めとして人気に火が付いた。

『When Eternity Ends』のサウンドは、重厚になったアイアン・メイデンという印象が強い。そこにNWOBHMの雰囲気を感じることができるのは当然だろう。バンドは80年代のヘヴィメタルから強い影響を受けており、その手の音楽を好むファンたちの期待を裏切ることがなかった。また、これらのサウンドにはアイスド・アース的な構築感も存在している。しかし、セイクリッド・ゲイトの音楽のスタイルの基礎は、グルーヴ感の強い80年代のクラシックなヘヴィメタルにある。



1. Creators of the Downfall
2. Burning Wings
3. The Realm of Hell
4. When Eternity Ends
5. Freedom or Death
6. In the Heart of the Iron Maiden
7. Vengeance
8. Earth, My Kingdom
9. Heaven Under Siege


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Ira Imperium



Country: Cyprus
Type: Full-length
Release: 2011
Reviews: 83%
Genre: Epic Power Metal


キプロス出身のエピック・パワー・メタル、アラヤン・パスの2011年発表の3rd。


今作からバンド名をアラヤン・パス(Arrayan Path)へと改名。新たな一歩を踏み出した。キプロス屈指のヴォーカリスト、ニコラス・レプトス(Nicholas Leptos、vo)を有するバンドということで、ヘヴィメタル業界からは注目される一方。本作はサンボイゼン(Sanvoisen)のヴァゲリス・マラニス(Vagelis Maranis)がプロデュースした。

この『Ira Imperium』は、前作『Terra Incognita』(2010)がなければ存在しない音楽性だと言える。前作同様にエジプト神話から強い影響を受けた楽曲の内容は、かつてのアイアン・メイデンの名作『Powerslave』(1984)を彷彿とさせる。しかし、このアラヤン・パスは明確にエピック・メタル的な方向性を打ち出しており、欧州を中心に盛り上がっているこの手のムーヴメントの典型的な音楽のスタイルだと言える。エピックなメロディ、ヘヴィメタル的なパワー、ドラマティックな展開が一つになった作品だ。

キプロス出身という個性を活かした楽曲の作りは見事なものであり、そこにエジプト的な旋律とテーマを加えることで、更にドラマ性が増している。『Terra Incognita』ではプログレッシブ的な音楽性も強調していたが、その方向性は本作で更に顕著になっている。アンダーグラウンド特有の湿ったメロディを大仰に奏でるのが、現在のエピック・メタルの音楽のスタイルだが、このアラヤン・パスもその手法を追及している。荘厳な神話世界の立体的な質感と、パワー・メタル的なエピック・サウンドが融合したのがこの『Ira Imperium』だ。本作におけるバンドの進化は見事なもの。



1. Dies Irae
2. Gnosis of Prometheus
3. Ira Imperium (The Damned)
4. Kiss of Kali
5. Katherine of Aragon
6. 77 Days 'til Doomsday
7. Emir of the Faithful
8. Hollow Eyes of Nefertiti
9. Amenophis
10. Lost Ithaca
11. I Sail Across the Seven Seas
12. The Fall of Mardonius
13. The Poet Aftermath


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Terra Incognita



Country: Cyprus
Type: Full-length
Release: 2010
Reviews: 79%
Genre: Epic Power Metal


キプロス出身のエピック・パワー・メタル、アーヤン・パスの2010年発表の2nd。


アメリカ発祥のエピック・メタルの音楽のスタイルが、時代を超えて、ヨーロッパ諸国に伝わったことは以前に語った。ヨーロッパではイタリアやギリシャを拠点として、新しいエピック・メタルの世界が築かれていた。2000年代に入ったイタリアでは、エピック・メタルのファンたちにとって、既に見逃せない動きが幾つもあった。

2004年に第一作『Road to Macedonia』を発表したアーヤン・パスは、キプロス出身というルーツを活かして、古代ギリシャの世界をモチーフとした、劇的なエピック・メタルを作り上げていた。ニコラス・レプトス(Nicholas Leptos、vo)という強力なヴォーカリストによって支えられたバンドは、2010年にようやく第2作『Terra Incognita』を発表することができた。この作品はキプロスの「Pitch Black Records」から配給され、アーヤン・パスが前作よりも遥かに進化した存在だということをアンダーグラウンド・シーンに証明した。

前作から続く叙事詩的な音世界は、この『Terra Incognita』で更に強調されている。ギリシャ神話の後にバンドが題材としたのは、悠久の太古のエジプト神話であり、そこにアラビアやアジアに共通するエッセンスを見出すのは容易なことだった。『Terra Incognita』では強烈無比なギター・サウンドが表現されており、中東風のメロディが叙事詩的な世界観を彩っている。このアルバムのジャンルは一般的にはエピック・パワー・メタルだが、ファンの感性によっては、プログレッシブ・メタルの雰囲気を感じることも可能だった。この時点で、バンドには大きな可能性があった。本作には、サンボイゼン(Sanvoisen)のヴァゲリス・マラニス(Vagelis Maranis)がゲスト参加。サウンド面に大きな影響を残している。



1. Cassiopeia
2. Molon Lave
3. Terra Incognita
4. Open Season
5. Ishtar
6. The Blood Remains on the Believer
7. Elegy
8. Angel with No Destination
9. Minas Tirith
10. The Mind


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