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Introduction

Robert_E_Howard

「エピック・メタルとは、叙事詩的なヘヴィメタルの総称であり、主に大仰かつ劇的でヒロイックな音楽性を示す言葉である」 [More stats] 

 ──Cosman Bradley


◆新着情報 News Topics
[Reviews]
VALKYRIE 「Deeds of Prowess」
WRATHBLADE 「Into the Netherworld's Realm」
VIRGIN STEELE 「Nocturnes of Hellfire & Damnation」
[Release]
Jack Starr’s Burning Starr 「Stand Your Ground」
Cirith Ungol 「King Of The Dead」
Manilla Road 「To Kill a King」

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Hardworlder



Country: United States
Type: Full-length
Release: 2007
Reviews: 84%
Genre: Epic Power Metal


アメリカのペンシルベニア州出身のベテラン・エピック・パワー・メタル、スルー・フェグの2007年発表の6th。


虎よ! 虎よ! あかあかと燃える
闇くろぐろの 夜の森に
どんな不死の手 または目が
おまえの怖ろしい均整を つくり得たか?
 ──ウィリアム·ブレイク『虎』より



アメリカン・コミック調のアルバム・ジャケットからSF的な世界観を連想するファンは多かろう。スルー・フェグの第6作『Hardworlder』は、以前発表したコンセプト作『Traveller』(2003)のテーマに再び接近し、その他の様々なSF小説にインスパイアされた作品である。題材の中にはイギリスの詩人ウィリアム·ブレイクからの影響もあり、サウンド以上に世界観の面でもアイアン・メイデンに接近する形となっている(ブルース・ディッキンソンがウィリアム·ブレイクのファンだということは有名な話だ)。

この分野では既にベテランの域にあるスルー・フェグだが、従来のテーマを再び使用することにより絶大な安定感を保持することに成功。今作『Hardworlder』においてもファンの期待を裏切らない高品質のエピック・パワー・メタルに仕上がっている。海外では特にマニアから高い評価を得ているこのスルー・フェグ。そろそろ本国で評価されてもいいはずだ。なお本作にはアイルランドのケルティック・ロック、ホースリップスのカヴァー"Dearg Doom"、エピック・メタルの始祖マニラ・ロードのカヴァー"Street Jammer"を収録。何れもスルー・フェグの音楽的ルーツが垣間見える選曲となっている。



1. The Return of Dr. Universe
2. Tiger! Tiger!
イギリスの詩人、ウィリアム·ブレイクの詩『虎(The Tiger)』に基づいた歌。ツイン・リードが宇宙的なイメージを主張。
3. The Sea Wolf
フォークの要素を加えたメロディック・メタル。円熟の域にある楽曲とコンセプチュアルな内容とが絶妙なドラマ性を発揮。
4. Hardworlder
タイトル・トラック。メロディックなフレーズを散りばめた王道のスタイルを貫く。後半にかけての長大なギターソロ・パートは特に秀逸。
5. The Spoils
6. Frankfurt-Hahn Airport Blues
7. Galactic Nomad
8. Dearg Doom
アイルランドのケルティック・ロック、ホースリップスのカヴァー。スルー・フェグのルーツが垣間見える。
9. Insomnia
ザクザクしたリフを持つ楽曲。テンポも良い。
10. Poisoned Treasures
勇壮なアップテンポ。メタリックなサウンドも有する。
11. Karma-Kazee
重厚なミドル・テンポ。ヘヴィなムードを醸し、ダークなメロディも使用する。
12. Whirling Vortex
13. Street Jammer
マニラ・ロードのカヴァー。こちらもスルー・フェグのルーツの一つか。


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Atavism



Country: United States
Type: Full-length
Release: 2005
Reviews: 89%
Genre: Epic Power Metal


アメリカのペンシルベニア州出身のベテラン・エピック・パワー・メタル、スルー・フェグの2005年発表の5th。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

第5作『Atavism』の発表後、バンドはザ・ロード・ウィアード・スルー・フェグ(THE LORD WEIRD SLOUGH FEG)という正式名称をスルー・フェグ(SLOUGH FEG)へと短縮。これが心機一転を図るものであるかどうか、本作『Atavism』はスルー・フェグのキャリアにおいて極めて重要な意味を持つ作品となった。以前の作品以上にシン・リジィ(THIN LIZZY)の影響を強めた作風である本作は、傑作『Down Among the Deadmen』(2000)を上回る完成度でリスナーを圧倒し、シンプルながらも情報量の多い洗練されたエピック・パワー・メタルを聴かせる。イントロダクションに続く"I Will Kill You / You Will Die"では強烈なギターソロを披露し、完璧な名曲"Hiberno-Latin Invasion"が高いテンションを維持する。タイトル・トラックでもある"Atavism"は本作の最後を飾る"Atavism II"のイントロダクション的な楽曲であり、従来のフォーキーな要素をミステリアスに絡めてムードを高めていく。そのフォークの要素は後半の"Man Out of Time"でも顔を覗かせ、スルー・フェグが一辺倒のエピック・パワー・メタル・バンドではないことをアピールする。『Atavism』の終盤の展開はこれまでで最高のもので、劇的なフレーズ満載の"Agony Slalom"、そしてスルー・フェグ最大の名曲といっても過言ではない"Atavism II"が、興奮と余韻の覚めやらぬうちに本作に幕を下ろす。間違いない。これはスルー・フェグの最高傑作だ。



1. Robustus
イントロダクション。
2. I Will Kill You / You Will Die
洗練されたサウンドを聴かせる佳曲。スルー・フェグの過去の内容が凝縮されたかのような印象も受ける。ギターソロは依然として劇的。
3. Portcullis
エピカルなリフを刻むインストゥルメンタル。
4. Hiberno-Latin Invasion
これまでに追求してきたメロディックな世界観を更に煮詰めた内容。扇情力の高いメロディの使用は完璧なまでの軌道を描く。本作を代表する名曲。
5. Climax of a Generation
インストゥルメンタル。
6. Atavism
"Atavism II"へと続くそのイントロダクション。フォークの要素で怪しげに雰囲気を高めていく。
7. Eumaeus the Swineherd
ミドル・テンポの中でドラマティックなフレーズを連発する楽曲。
8. Curse of Athena
9. Agnostic Grunt
テンションの高い小曲。ギターリフを駆使したメロディックな疾走をする。
10. High Season V
過去の作品に収録されたシリーズの関連曲。およそ1分の小曲。
11. Starport Blues
12. Man Out of Time
変則的なヘヴィメタルの代名詞。フォーキーな要素も絡めて圧倒的なクオリティを放つ。
13. Agony Slalom
大仰な雰囲気を宿す盛大な楽曲。終始劇的なツイン・リードに彩られる隙がない内容。
14. Atavism II
タイトル・トラックの続編。スルー・フェグの新たなアンセムともなる強力な名曲。メロディック・メタル、エピック・パワー・メタルのすべての利点が集合した内容といっても過言ではない。


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Traveller



Country: United States
Type: Full-length
Release: 2003
Reviews: 86%
Genre: Epic Power Metal


アメリカのペンシルベニア州出身の正統派エピック・パワー・メタル、ザ・ロード・ウィアード・スルー・フェグの2003年発表の4th。


コンセプト...
ザ・ロード・ウィアード・スルー・フェグの第4作『Traveller』は、GDW(Game Designers' Workshop)社が1977年に発表したSFロールプレイングゲーム『Traveller(邦題:トラベラー)』がメイン・テーマのコンセプト・アルバム。『Traveller』とは、57世紀の未来世界を舞台としたスペース・オペラであり、プレイヤーは広大な恒星間国家〈第三帝国〉とその周辺宙域を宇宙船で旅することができる。原作はマーク・ミラー(Marc W. Miller)。本作はTRPGとして世界的に人気を博し、ファンタジーTRPGの名作『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』と共に地位を確立した。なお全盛期にはホビージャパンから日本語版も発売されている。

『Traveller』について...
本作『Traveller』は先述のロールプレイングゲームの世界観に沿って展開されるエピック・メタル作品。遺伝子操作された犬の知性化した種族、ヴァルグルを中心としてストーリーが進み、リスナーは架空の宇宙での様々な出来事を疑似体験する。スルー・フェグは以前よりも遥かにスペーシーなサウンドでこの『Traveller』の壮大な世界に挑み、ダイナミックな脈動感に溢れる作品を作り上げている。『Twilight of the Idols』(1998)でも指摘されていた近未来的な世界観が、より完成度を増して表現されたのが本作である。バンド名の由来にもなったアイルランド神話と同じく、伝統的なサイエンス・フィクションの知識がバンドに大きな影響を与えている。スルー・フェグの崇拝の対象となっているバンドの中にアイアン・メイデンがいるが、本作は彼らからの影響を強く感じさせる要素が多い。エピック・メタルでは人気の高い題材として北欧神話や英雄叙事詩があるが、何もSFが全く作品のテーマとして選択されて来なかった訳ではない。スルー・フェグは円熟したこの『Traveller』で、自身が追求した世界観を完成させ、ドラマティックな架空の宇宙史をエピック・メタルのシーンに蘇らせることに成功している。



1. The Spinward Marches
ヘヴィなギター・リフを用いたプロローグ。
2. High Passage / Low Passage
ヴァルグル人の宇宙海賊をテーマとした楽曲。スペーシーなサウンドがテンポよく繰り出される名曲であり、リズミカルなリフが劇的に刻まれる。後半のギター・ワークは圧倒的なスケール感を放つ。
3. Asteroid Belts
アステロイドベルトを通過するスリリングな小曲。
4. Professor's Theme
悠久の太古の既知宙域に存在したという太古種族のテーマ。宇宙的なイメージを強調した楽曲。メロディックなフレーズが、広大な宇宙の大パノラマの如く流れるように展開する。
5. Vargr Moon
前半のコンパクトな楽曲とは異なり、濃密なドラマを描く。SF的世界観を強調した旋律を全編に渡り展開し、雄大なムードを醸す。中間部からはスピーディになる。
6. Vargr Theme / Confrontation (Genetic Prophesy)
太古種族の遺伝子操作によって誕生した種族、ヴァルグルのテーマ。ヴァルグルの姿はアルバム・ジャケットに描かれている。メタリックなパワー・メタルが勇壮に展開。恰もビッグバンの如く、ダイナミックに爆発するリードギターが強力であり、ストーリーテリングかつドラマティックな内容。
7. Baltech's Lament
SF風にアレンジされたフォーキーな楽曲。大仰なヴォーカル・ラインが印象的。
8. Gene-ocide
激しいテンポの楽曲。一定して高いテンションを維持する。
9. Curse of Humaniti
ヘヴィなリフからダイナミックなメロディを繰り出す小曲。
10. The Final Gambit
大仰な雰囲気に包まれた内容。聴き手に休む間を与えないタイトなサウンド。
11. The Spinward Marches (Return)
インストゥルメンタル。
12. Addendum Galactus
クライマックスに相応しい、劇的なエピック・パワー・メタル。宇宙的なドラマ性が圧倒的なパワーと一体となる。


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Down Among the Deadmen



Country: United States
Type: Full-length
Release: 2000
Reviews: 90%
Genre: Epic Power Metal


アメリカのペンシルベニア州出身の正統派エピック・パワー・メタル、ザ・ロード・ウィアード・スルー・フェグの2000年発表の3rd。


「現代のメタル・クラシック」
 ──The Metal Archives



1 経歴

エピック・メタルの数多ある歴史の中で、神話や伝説などのフォークロアにインスピレーションを受けたバンドは多い。北欧神話、ケルト神話、ギリシア神話などの民族的な伝承は、過去幾度となくエピック・メタルの分野にも貢献してきた。ここにバンド名をケルト神話に触発された英国のコミックスから取ったというザ・ロード・ウィアード・スルー・フェグも、キリス・ウンゴルがそうであったように、エピック・メタルの伝統に沿ったバンドの一つである。
アルスター伝説群における英雄叙事詩『クアルンゲの牛捕り(Tain Bo Cuailnge)』の世界観に強烈な影響を受けたスルー・フェグの歴史は、80年代後半のアメリカのペンシルヴァニア州から始まった。アイアン・メイデン、ブローカス・ヘルム、キリス・ウンゴル、マニラ・ロードといった先人たちを崇拝し、クラシックでドラマティックなエピック・パワー・メタルを体現することが、初期スルー・フェグの大きな目標であった。そしてそのために、バンドは伝統的なエピック・ヘヴィメタルの要素と、ツイン・リード・ギターを主軸とするメロディック・メタルの要素を取り入れた。
90年代のヘヴィメタル・シーンを復興させるべく決起し、リーダーであるマイケル・スカルジ(Michael Scalzi:vo、g)を中心に意欲的な活動を続けたバンドは、後にカリフォルニア州サンフランシスコのベイ・エリアへと拠点を移した。そして1993年までの間にいくつかのデモを発表した後、決定的なデモ『Highlander』(1994)を発表。次いでスルー・フェグは1996年に念願であった第一作『The Lord Weird Slough Feg』(1996)を発表し、これがエピック・メタルのマニアたちの目に留まり、スルー・フェグの存在は地下で大きく知れ渡ることになる。バンドは1998年に待望の第2作『Twilight of the Idols』(1998)を発表。独創的な世界観とドラマティックなエピック・メタル・サウンドを完成に近づけ、更なる評価を獲得した。

2 傑作の誕生

スルー・フェグのファンにとって、第2作『Twilight of the Idols』での飛躍は特に大きなものであった。独自の世界観の確立、そしてトラディショナルなヘヴィメタルがクオリティの高い楽曲の中で表現され、バンドの今後の可能性を示す内容を含んでいた。90年代後半にかけて、メロディック・パワー・メタルがその人気を再燃させたことのように、スルー・フェグは着実に進化の階段を上り始めていた。
今や激動の90年代は終わりを告げた。ヘヴィメタルの歴史的な荒廃は過ぎ去り、この21世紀に新しい時代が訪れた。過去の苦難や絶望も良い思い出と化していたのである。しかし、人間には休みなどがないように、ヘヴィメタルのシーンは活動を続け、ミレニアムに相応しい強力な作品が必要とされた。ここでは過去を踏襲しながらも、斬新な方法論が必要であったのだ。
この年のエピック・メタル・シーンでは、始祖マニラ・ロードの再結成が大きな話題を呼んでいた。心機一転、エピック・メタルの歴史は新たな一歩を刻み込もうと、既に胎動を始めていた。その波に第一に乗り出したのが、アメリカのサンフランシスコのスルー・フェグであった。当然の如く、新作に期待するファンの声は大きく、世界各地から送られた予想以上の反応にバンドは圧倒された。『Twilight of the Idols』が巨大なポテンシャルを秘めていたように、次の作品がこれを上回るであろうことは確かに保障されていた。
そして、勇士が剣を鍛えるかのように、完成したスルー・フェグの第3作『Down Among the Deadmen』は、読んで文字の如く、エピック・ヘヴィメタルの偉大な傑作の列にその名を刻んだ。個性の爆発、及び才能の開花がこの『Down Among the Deadmen』からは感じ取られ、聴き手を圧倒するダイナミックなドラディショナル・メタルの切り口と、高度なドラマ性を有するエピック・メタルの生々しい質感が、柔軟な発想によって表現されていたのである。かつてマニラ・ロードやブローカス・ヘルムが地下で発展させてきたエピック・メタルに、アイアン・メイデンの洗練された要素を加えたスルー・フェグのサウンドは、本作で遂に完成され、知的かつ複雑、そして変則的なリズムを多用し、この斬新な作品へと結び付けた。サウンドの中核を成す劇的なツイン・リードは、リーダーであるマイケル・スカルジと、同郷のエピック/プログレッシブ・メタル・バンド、ハマーズ・オブ・ミスフォーチュン(HAMMERS OF MISFORTUNE)でも活躍するジョン・コベット(John Cobbett:g)が紡ぎ出すものであり、何れの楽曲でも驚異的なフレーズを刻んでいる。特に前半を飾る"Sky Chariots"、"Walls of Shame"、"Warriors Dawn"では、初期スルー・フェグの集大成的内容を遺憾無く発揮し、最高の名曲としてファンを興奮させる力を有している。
かくして新時代に発表された本作『Down Among the Deadmen』だが、スルー・フェグはこれまでの最高傑作を作り上げた。一切隙のない内容であり、ヘヴィメタルの伝統を受け継ぐこのような名作の登場が、エピック・メタルの後の繁栄を約束したのである。エピック・メタルは進化するが、スルー・フェグも進化するであろう。例え狭まったジャンルに限定せずとも、スルー・フェグの『Down Among the Deadmen』は十分な魅力を持っている。本作がエピック・メタルという分野の門口を広げた功績はいうまでもない。なおアルバム・カヴァーはアメリカのファンタジー・アーティスト、エロール・オトゥス(Erol Otus)の手によるものである。



1. Sky Chariots
トラディショナルなヘヴィメタルの唯一無二の傑作。メタリックなリフがメロディックに心地いいリズムを刻む。既に独特の世界観は揺るぎない。
2. Walls of Shame
リズミカルなメロディで変則的に展開。初期の集大成的な名曲であり、近未来的なムードも持つ。
3. Warriors Dawn
ダイナミックかつドラマティックな名曲。グルーヴ感のあるリフとメタリックなメロディを使い分ける。中間部にはテンポ・チェンジも挿み、プログレッシブな面も強調する。
4. Beast in the Broch
アコースティックなインストゥルメンタル。前作でも導入されたフォークの要素が光る。
5. Heavy Metal Monk
奇怪なメロディが印象的な楽曲。この世界観は前衛的。
6. Fergus Mac Roich
スピーディな小曲。スリリングに疾走する。
7. Cauldron of Blood
前2曲と繋がる構成。ツイン・リードを駆使し、目まぐるしいまでの展開を有する。エピック・メタル的な冗長なドラマ性も存分に発揮。8. Troll Pack
9. Traders and Gunboats
ワイルドなアップテンポ。ノリの良いリフが流麗なギターメロディと共にドラマティックな疾走をする。
10. Psionic Illuminations
静から動へと展開。雄大な雰囲気を宿すエピック・ナンバー。中間部における劇的なギターワークは絶品。これはスルー・フェグのツイン・リードの完成形であるかも知れない。
11. Marauder
12. High Season
13. Death Machine
スルー・フェグのメタリックなサウンドと奇怪な世界観が融合した佳曲。中間部から開始されるスピーディなパートはパワー・メタル的なスリルを極める。


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Twilight of the



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1998
Reviews: 85%
Genre: Epic Power Metal


アメリカのペンシルベニア州出身の正統派エピック・パワー・メタル、ザ・ロード・ウィアード・スルー・フェグの1998年発表の2nd。


1 前作

マイケル・スカルジ(Michael Scalzi:vo、g)を中心とするサンフランシスコのザ・ロード・ウィアード・スルー・フェグは、1990年のアメリカ・ペンシルヴァニア州で結成され、ヘヴィメタルの低迷期と呼ばれた90年代の初期から活動を続けてきた希少なバンドである。恐らく5つのデモ制作後に発表された第一作『The Lord Weird Slough Feg』(1996)は、イギリスのアイアン・メイデンを筆頭とするトラディショナルなヘヴィメタルのサウンドを継承し、世界各地のリスナーから高い評価を得た。第一作目に収録されていた楽曲群は、何れも伝統的なヘヴィメタルを踏襲したばかりのものではなく、80年代に一度隆盛したエピック・メタルの雰囲気も合わせ持っていたことから、一部のマニアたちの間では注目が集まった。間違いなくスルー・フェグは大きなポテンシャルを秘めていたが、そのすべてが『The Lord Weird Slough Feg』の中で解放されていたわけではなかった。エピック・ヘヴィメタルのファンは、今後このスルー・フェグがシーンで高い地位を確立し、斬新な作品を生み出していくであろうことが、漠然とした感覚の中でではあるが、確かに事実のように思えた。

2 今作

さて、アメリカの「Doomed Planet Records」より発表されたザ・ロード・ウィアード・スルー・フェグの第2作『Twilight of the Idols』は、ファンの期待通り、前作を大きく凌駕する内容となった。前作でのコンパクトにまとめられていた作風が変化し、劇的な起伏を持って大仰に展開し、複雑かつ知的なアレンジが加えられている。要所で炸裂する印象的なメロディは、スルー・フェグ独自の感性を有し、強烈な個性を放つまでに進化している。特にメロディを強調したギター・ワークは、全編に渡り展開し、本作でのドラマ性の基盤を形作っている。これらの背景にあるのが『ブレードランナー』の世界観、及びアイアン・メイデンの『Somewhere In Time』(1986)に代表される近未来的な世界観であり、ドラマティックかつ独創的なエピック・メタルの構築に大きな貢献を果たしている。また"Slough Feg"などの楽曲では、アイルランド神話にもインスピレーションを受け、"Brave Connor Mac"ではケルト音楽の要素も登場する。その劇的な多様性の中にはダイナミックな爆発力が絶えず存在し、本作『Twilight of the Idols』が紛れもない傑作であることを証明している。ツイン・リードの高いドラマ性に導かれるように、ここに新たなエピック・メタルの扉が開かれたのだ。



1. Funeral March
イントロダクション。
2. Highlander
ドラマティックなサウンドが流れるような起伏を描く屈指の名曲。意表を突くテンポ・チェンジの導入などもする。初期の代表曲であろう。
3. High Season II
前作に収録されていたシリーズの前編。重厚なメロディから徐々にムードを高めていく構成。その独特の雰囲気には、エピカルな方向性も感じられる。
4. The Pangs of Ulster
恰も初期アイアン・メイデンを意識したかのようなギター・インストゥルメンタル。およそ4分間の中に構築感のあるサウンドを収める。近未来的なメロディの使用は"Highlander"を彷彿とさせる部分もある。
5. Brave Connor Mac
アコースティックな面を取り入れた楽曲。ケルト音楽的な民族的雰囲気も醸し出す。
6. The Wickerman
メロディックなドラマ性を描く名曲。強烈なインパクトを放つギターフレーズは必聴。後半のツイン・リードは哀愁すら漂わせる劇的なもの。
7. Slough Feg
バンド名を冠した楽曲。バーバリックなリフで疾走する強力な一曲。印象的なメロディを配しながら、荒々しく終焉へと向かう。
8. The Great Ice Wars
およそ8分に及ぶ大作。獰猛なツイン・リードがメロディックに展開される様は圧巻。中間部はプログレッシブな側面も垣間見せる。
9. Life in the Dark Age
この分野では比較的珍しい旋律を用いる。スルー・フェグ特有の変則的なサウンドが十分に発揮された内容である。
10. Warpspasm
インストゥルメンタル。アグレッシブなギター・サウンドで押す。本編の要所にこのような繋ぎを配するところは上手い。
11. Bi-Polar Disorder
ノリの良いメロディックなリフを用いた内容。イントロは冗長。
12. The Wizard's Vengeance
レジェンド(LEGEND)のカヴァー曲。
13. We'll Meet Again
スぺーシーな雰囲気を宿すサウンドが特徴的。その全容は何処か機械的であり、SF的な質感を聴き手に与える。
14. Bagpipe Outro
エピローグ。


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Slough Feg (Limited Edition) [Analog]



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1996
Reviews: 80%
Genre: Epic Power Metal


アメリカ出身の正統派エピック・パワー・メタル、ザ・ロード・ウィアード・スルー・フェグの1996年発表の1st。


アメリカの「Beef Rock Records」より発表。90年代初期にいくつかのデモを制作した後に発表された、米サンフランシスコのザ・ロード・ウィアード・スルー・フェグの第一作目。全体的に楽曲がコンパクトにまとめられており、アイアン・メイデン、ブローカス・ヘルム、スカイクラッドなどに影響を受けたトラディショナルなエピック・パワー・メタルを披露する。リードギターの印象的なメロディを基軸にしたアグレッシブなスタイルは、80年代のNWOBHMにも通じる。何れの楽曲も短いのが難点であり、その個性的な世界観に浸る前に楽曲が終了してしまう。なお本作は欧州の「Miskatonic」から2002年に再発。その際、ボーナス・トラックとしてデモ音源を加えた全15曲収録となる。



Original:

1. Shadows of the Unborn
NWOBHM的リフでメロディックに疾走する佳曲。ギターワークには初期アイアン・メイデンからの影響がある。
2. 20th Century Wretch
スルー・フェグの独特の世界観が早くも表現された内容。
3. Blarney Stone
インストゥルメンタル。メロディアスなギターフレーズを奏でる。
4. The Red Branch
ギターメロディを前面に押し出した楽曲。ヴォーカルラインも良好。
5. Why Not
他の楽曲とは異なった印象を聴き手に与える。陽気な雰囲気が問題か。
6. High Season III
ミステリアスな小曲。
7. High Season IV
本作のハイライト。変則的なリズムと強力なリードギターを駆使し、ドラマティックな世界観を描く。
8. Highway Corsair
アグレッシブな小曲。

Re-release:

1. Shadows Of The Unborn
2. 20th Century Wretch
3. Blarney Stone
4. The Red Branch
5. Why Not
6. Highway Corsair
7. High Season III
8. High Season IV
9. Intro (Instrumental)
10. The Mask
11. High Season I
12. High Season II
13. The Red Branch (Demo Version)
14. The Room
15. Headhunter


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Cost Performance.



良い音でエピックメタルを聴くには
Creative_SBS_A120 昔からHR/HMのジャンルは音質が良い方ではなかった。ヘヴィメタルのシーンが本格的に拡大し始めたのは80年代初期であるし、それらの活動は地下を拠点とするものであった。バンドは少ない資金で作品を作らなくてはならなかった。故に音質がチープであることは必然的な結果であり、当時のヘヴィメタルのファンは、スピーカーの音量を限りなく上げる必要があった。アンダーグランド出身のバンドでも、後に大物になったもの──例えばアイアン・メイデン、メタリカ、ハロウィンなどのバンド──は、アルバムのヒットと共に楽曲の音質も向上していった。我々が音質に拘る理由は、それが作品の評価と決して無縁ではないからだ。発売して数年を経た作品がデジタル・リマスターで再発され、当時と印象が大きく変わったような事実上の"新作"は多い。ドイツのブラインド・ガーディアンが2007年の再発の際、第一作『Battalions of Fear』(1988)と第2作『Follow the Blind』(1989)に施したリミックス効果が絶大であるように、既に現代の音質状況は大きく変化している。しかし、一般的にHR/HMの音質が昔と比較して向上したとはいえ、その恩恵を受けることができていないバンドも未だ多く存在する。当『METAL EPIC』が追求しているエピック・メタルのジャンルでも、21世紀に相応しいとは思い難い音質を有する作品がある。ロジー・クルーシズの『Fede Potere Vendetta』(2009)やマーティリアの『The Age of the Return』(2005)などがまさにそうで、これらの作品は素晴らしい内容であるにも関わらず、音質の悪さが足を引っ張っている。80年代のエピック・メタルの歴史的な価値を持つ作品に関しても、音質面での問題は避けて通ることはできない。キリス・ウンゴル、マニラ・ロードといったエピック・メタルのシーンで最高の地位を築き上げているバンドですら、そのチープな音質は一般のHR/HM作品に遠く及ばないものだ。『The Marriage of Heaven and Hell』(1994)で成功を収めたヴァージン・スティールですら、世界各地のリスナーから音質面で疑問視されている。現代の我々にとって必要なことは、より安価で高音質を実現することである。CDアルバムの音質は変えようがないが、知識によって、環境を変えることができる。例えばコンポに2.1チャンネルのスピーカーを付け加えるだけで音質は劇的に向上するし、その効果はエピック・メタルの作品にも通用する。時代は確実に進歩しており、現在では高音質のスピーカーの値段も非常に安価になった。値段ではクリエイティブ(Creative)やロジクール(Logicool)のスピーカーが、高いコストパフォーマンスで人気を博している。僅か3000円足らずの出費で一段良い音質を楽しめるのなら、過去の作品がリマスター再発されるのを敢えて待つ必要はない。これらはヘッドホンジャックによって、意図も簡単に迫力のある音質をリスナーに提供する。我々は知らないだけで、後悔するということがあまりにも多い「もう少し早くスピーカーを買っていればよかった」



クリエイティブ 2.1チャンネル ステレオ アクティブ PCスピーカー SP-SBS-A120

LOGICOOL スピーカーシステム 2.1ch PCスピーカー Z313


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 12月18日、本日付けでレビュー欄を更新。閲覧は上のメニューバー、または下記の直接リンクを参照にして頂きたい。

・『The Reviews


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An Angel's Tale

Country: United States
Type: Full-length
Release: 1994
Reviews: 84%
Genre: Epic Metal


アメリカ発祥、地下カルト・エピック・メタルの秘宝、ロンギングス・パストの1994年発表の2nd。


『An Angel's Tale』は、元エンチャンター(ENCHANTER)のジェームズ・シェルバーグ(James Shellberg:vo、g)率いるエピック・メタル・バンド、ロンギングス・パストの第2作目である。本作の大半を占めるのは合計で30分を超す大作"An Angel's Tale"であり、♯1~♯16の楽曲がこのコンセプトに該当する。なお本作はボーナス・トラックを2曲追加して「Arkeyn Steel Records」より2009年にリマスター再発されており、その際にオリジナル盤と曲順が入れ替えられている。ファンタジックかつプログレッシブな手法で劇的な叙事詩の世界へと迫ったこのロンギングス・パストは、名作『Meadows of Maseilya』(1992)と本作『An Angel's Tale』での優れた内容も含め、過去カルト・エピック・メタルの輝ける彗星であった。インテリジェントなサウンドを有し、独特のムードを持っていたロンギングス・パストの楽曲群は、我々がやがて幻想小説を読まなくなるように、今となっては単なる思い出と化した。過ぎ去った思い出に価値を見出せるかどうかは、あなた方の物差し次第ということになる。



1. The Returning
2. The Transformation
煌びやかなエピック・メタル。およそ2分の小曲。天使のような飛翔感を持つ。
3. Purgatory
4. The Journey
5. Contentment
6. Drift with the Wind
7. Three Moons
8. A Limbo and Love
メロウな楽曲。神秘的な世界観が柔らかな筆跡で描かれる。
9. The Ghostly Hour
アグレッシブなナンバー。重厚なリフでクラシカルなエピック・メタルを体現。
10. A Somber Mist
11. Eternal Glow
12. The Celestial Forest (An Offering)
13. Ethereal Quarter
14. Thoroughfare of the Gods
15. Ceremony
16. Sovereignty (Arose with the Tides)
17. The Goddess
およそ8分に及ぶ大作。プログレッシブな内容を有し、大人が戯れるようなシリアスな幻想世界を演出する。要所にはメロディックなフレーズも散りばめる。
18. Epitaph (Song for Brittany)
およそ7分に及ぶ大作。激しいリフを用いたパートから炸裂感のあるエピカルなギターメロディを繰り出す。後半では静寂パートを導入。


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Meadows Of Maseilya



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1992
Reviews: 87%
Genre: Epic Metal


アメリカ発祥、地下カルト・エピック・メタルの秘宝、ロンギングス・パストの1992年発表の1st。


『METAL EPIC』誌より抜粋:



アメリカの地下でブローカス・ヘルムが1988年に名作『Black Death』を発表したことは、カルト・エピック・メタルの信徒たちの間ではよく知られている事実である。彼らとほぼ同時期に活動していたエピック・メタル・バンドの中に、エンチャンター(ENCHANTER)というバンドがいた。ブローカス・ヘルムと同様に音質は好ましくなかったが、スピーディなエピック・パワー・メタルの有力株であった。エンチャンターは1988年にデモ第一作『Defenders of the Realm』、1989年にデモ第2作『Time Gone Past Nevermore』を制作した後、音楽史の闇に消えた。しかし、エピック・メタルの歴史がこのように長寿を誇示しているように、エンチャンターはロンギングス・パスト(LONGINGS PAST)という新たなバンドとなってシーンに帰還を果たす。正確にはエンチャンターのジェームズ・シェルバーグ(James Shellberg:vo)が結成したバンドこそが、ロンギングス・パストであった。



90年代初期の暗黒時代に登場したロンギングス・パストは、キリス・ウンゴルの名作『Paradise Lost』(1991)にも匹敵する完成度の高いエピック・メタルを作り上げ、カルト・エピック・メタルの信徒たちから崇拝された。叙事詩的なギター・リフとリズム、及び緩急に富んだ展開を多用する知的な内容が、主な讃辞の対象となったのである。70年代の前衛的なプログレッシブ・ロック──例えばイギリスのホークウィンドのような──、そしてクラシックなエピック・メタルのサウンドに影響を受けているロンギングス・パストの音楽性は、幻の原石の如く、薄暗い地下洞穴の中で燦然たる輝きを放っていた。その存在自体が"奇跡"であるとも称された第一作『Meadows of Maseilya』は、当時のテープ・アルバムでおよそ500枚作られた。その後、多くのエピック・メタルが幸運にもサルベージされたように、ギリシャの「Arkeyn Steel Records」が本作『Meadows of Maseilya』を2008年に1000枚限定で再発した。ロンギングス・パストの存在を知っていたエピック・ファンにとっては、まさに奇跡の再発であった。



1. Prelude to Sorcery
2. Peak of Almashia
信徒の頭上を直撃する強力な一撃。その暗澹たる不気味なサウンドは、唯一無二のエピック・メタルの世界へとリスナーを誘い込んでいく。
3. Warming Embers
およそ7分に及ぶ大作。チープな音質で疾走し、恰も幻想小説であるかのような、何処か懐かしいヒロイズムを披露する。 途中からは静寂に包み込まれ、その後、ファンタジックなムードを発散させ疾走を再開。昔の我々が熱心に探求したような、あのエピック・メタル以外の何物でもないサウンドは、マニア感涙必死。
4. The Dream Catcher
およそ8分に及ぶ大作。プログレッシブかつサイケデリックなエピック・メタルの完成形。疾走パートと変則的なリズムを駆使した個性的な音像で聴き手に迫る。
5. Meadows of Maseilya
タイトル・トラック。知的なピアノの音色が印象的。オリエンタルかつ大仰なエピック・メタルが突如開始される様は、絶大なカタルシス。異国風のエピカルな世界観がファンタジックに表現された、唯一無二の傑作。
6. Dawn´s Eternal Mist
大仰な歌唱から暗く湿ったエピック・メタルへと展開。静と動を駆使した複雑な構成を持つ。 後半にかけての盛り上がり方は勇壮を極める。
7. Upon a Dragon's Wings
マニラ・ロードであるかのような、静寂に包まれたメロウなパートに始まる。インテリジェントなサウンドによって、次第に高揚感を高めていく。しかし、中間部では再度メロウなパートに移行。プログレッシブ音楽の雰囲気も存分に宿す。


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Smash the Gates Ep



Country: Italy
Type: EP
Release: 2009
Reviews: 80%
Genre: Epic Heavy Metal


イタリアの正統派エピック・メタル、バトル・ラムの2009年発表のEP。


欧州においてNWOMEM(New Wave of Mediterranean Epic Metal)が異様な盛り上がりを続ける中、イタリアから登場したバトル・ラムも他のエピック・メタル・バンドと同様、この新時代の荒波に乗り出した逸材である。地中海でのエピック・メタルのムーヴメントが本格的に拡大する以前、バトル・ラムは密かにデモ『Battle Ram』(2003)を制作しており、熱心な一部のマニアたちにアピールしていた。そして、その中でカヴァーされていたのは、かの有名なキリス・ウンゴルの楽曲"Join the Legion"であった。近年、シーンではクラシックなエピック・メタルが追求される傾向にあるが、このバトル・ラムとて例外ではなかったのである。
バトル・ラムはバンドとして初のEP『Smash the Gates』をイタリアの「My Graveyard Productions」より2009年に発表。本作で表現されているのは、文字通りの伝統的なエピック・メタルのサウンドであり、80年代に始祖たちが築き上げた土台を純粋に継承しているものだ。将来への大いなる素質を感じさせるバトル・ラムの正統派エピック・メタルは、今後、更なるファン層を獲得することが義務付けられており、その証明は本作『Smash the Gates』が行っている。作品には全6曲しか収録されていないが、その先を聴きたいと願うリスナーの流行る気持ちは、『Smash the Gates』のクオリティが非常に高い位置にあるためである。ドゥームソードにも接近するバトル・ラムの硬派なエピック・メタルが、より完成度を高めて私たちの元に届けられる日は近い。



1. Smash the Gates
新曲のタイトル・トラック。
2. A Warrior's Life and Death
未発表曲。重厚な世界観においてエピカルなリフをリズミカルに刻む名曲。メロディはヒロイズムを伴い、扇情的なドラマ性で聴き手を惹き入れる。
3. Angel Witch
エンジェル・ウィッチ(ANGEL WITCH)のカヴァー。
4. Dark Command
デモ『Battle Ram』収録曲のアコースティック・ヴァージョン。
5. Burning Lives
"Keep It True"でのライブ音源。
6. The Vow
"Keep It True"でのライブ音源。


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ニュー・ウェイヴ・オブ・メディタレニアン・エピックメタル(NWOMEM)


著者:Cosman Bradley
翻訳:METAL EPIC


地中海で起こったエピック・メタルの事象に関しての記録。

新時代のムーヴメント
ancient_greece ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸の間に跨る地中海は、古くはローマ時代のラテン語でマーレ・ノストゥルム(mare nostrum:「我々の海」という意味)と呼ばれ、古代の世界において、海上貿易による膨大な富を文明諸国にもたらした。その利益を一身に受けたのが、古代ギリシアであり、古代ローマ帝国であった。温暖な海洋を巡り諸国へと運ばれた多種多様な珍味、装飾品、貴金属、衣服などの異国の逸品は、外国を知らなかった古代人たちにとって、大きな歓喜の一部でもあった。爾来、歳月は巡り、新しい時代が訪れた。これまでに、偉大な地中海はヨーロッパ諸国と様々な文化とを融合させてきたが、その温厚な波が、やがて激流となってエピック・メタルの分野にも押し寄せてきた。恰もヨーロッパ文化と異国文化のクロスオーバーであるかのように、これらの国々が特異なエピック・メタルと出会い、そして融合を果たしたのである。多くの人々が疑問を抱くことだろうが、エピック・メタルとは、70年代から80年代にかけて誕生し、主にアンダーグラウンド(地下)で人気を博したヘヴィメタルのサブジャンルである。特に80年代初期~後期にかけてアメリカの地下で急成長を遂げたエピック・メタルは、一部の熱狂的なファンによって支持され、小レコード会社が音源の配給を支え、地下での確固たる地位を獲得し、現在まで続いている。"エピック・メタル"という独自の名称は、作詞や世界観の側面において、古典文学や神話、及び叙事詩的なファンタジー作品からの引用を含むことに由来している。その起源は、アメリカのカンザス州出身のマニラ・ロードが発表した最初の2作品にあるとされ、『Invasion』(1980)発表後のインタビューで「エピック・メタル」という言葉を最初に口にしたのもマーク・シェルトンであったという。その後、80年代にはアメリカのマノウォー、オーメン、ヴァージン・スティール、ウォーロード、キリス・ウンゴル、ブローカス・ヘルムなどがこの分野の確立に貢献し、後続への影響を残した。続く90年代は、ヘヴィメタル全域にとって最も悪い時代であり、同様にエピック・メタルのシーンも沈黙を余儀なくされた期間である。しかし、この頃、ヴァージン・スティールが発表した『The Marriage of Heaven and Hell』(1994~1995)がヨーロッパでヒットし、エピック・メタルの存在をファンにアピールするための絶好の機会が訪れた。ここでエピカルなヘヴィメタルに目覚めたというHR/HMファンも少なくはない。21世紀に入ると、いよいよエピック・メタルの活動は本格化し始め、主にイタリアやギリシャを発端としてエピック・メタルのジャンルは人気を博していった。特に欧州では、エピック・メタルのムーヴメントも巻き起こった。"New Wave of Mediterranean Epic Metal(NWOMEM)"と呼ばれる熱狂的なムーヴメントがそうであり、地中海に面する国々を中心に拡大したこの巨大なコミュニティは、世界各地にエピック・メタルの新時代の訪れを告げた。NWOMEMから登場した代表的なエピック・メタル・バンドは、ギリシアのバトルロア、セイクリッド・ブラッド、イタリアのマーティリア、ロジー・クルーシズ、ドゥームソード、ホーリー・マーター、アイシー・スティール、ヴォータン、バトル・ラム、そしてポルトガルのアイアンソードなどである。なおこのムーヴメントは、地中海を中心に現在も拡大を続けている。



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The Juglar Metal.


Saurom_Vida

 スペインのエピック/フォーク・メタル、サウロムの第7作『Vida』が2012年12月に「Zaluster」より発表された。前作『Maryam』(2010)の発表後、以前にも増して順調な活動を続けた結果がここには表れている。本作では、サウロムの最も得意としてきた民族的な音楽性を再び強調した作風に回帰しており、ファンはサウロム・ラムダース期を鮮烈に思い起こすことになる。過去と同様、圧倒的なクオリティを誇るインテリジェントなエピック・メタルが『Vida』内で展開されていることは言うまでもないが、時に深遠なムードも醸し出す神秘的な世界観は、ここにきて更に洗練された。恰も中世時代の奇術師の演技の如く、サウロムの巧みな演奏が叙事詩的なヘヴィメタルを写実的に描き出し、新時代のエピック・メタル・シーンを濃密な色合で飾る。本国でこの『Vida』のアルバムを入手するためには、マニアたちはもうしばらく辛抱することになる。なお収録曲は以下の通り。

1. Cambia El Mundo
2. La Noche de Halloween
3. Magia
4. La Leyenda de Gambrinus
5. El Hada & La Luna
6. Emperatriz
7. Íntimos Recuerdos
8. Ángeles
9. La Poetisa
10. Mírame
11. El príncipe
12. Vida
13. Se Acerca El Invierno
14. El Cristal


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Manilla Road New Album.


Mysterium

 アメリカのカンザス州ウィチタ出身のエピック・メタルの始祖、マニラ・ロードは現在第15作目となるアルバムを制作中であることを明かした。バンドは新たに「Golden Core Records」と契約し、『Mysterium』と題された新作は、「High Roller Records」と「Shadow Kingdom Records」から2013年の2月上旬に発表されることが決定している。既に結成35年を迎えるエピック・メタル・シーンの重鎮が、このような意欲的な活動を行っていることは、後続のバンドに更なる活気を与えることに繋がり、このジャンルがいまだ現役であることを証明している。なお本作の詳細は、何れ『METAL EPIC』でも改めて取り上げる。


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METAL EPIC



  『METAL EPIC』はエピック・メタルを追求する日本最大の専門サイトです。(レビュー数 185作品)

  "METAL EPIC" is Japan's largest site dedicated to the quest epic metal.


  叙事詩的なヘヴィメタルを中心に作品の紹介、考察を行っています。

  Introduction of work around the epic heavy metal, we are discussion.





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