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ATHLOS 「In the Shroud of Legendry - Hellenic Myths of Gods and Heroes」

In The Shroud Of Legendry



Country: Greece
Type: Full-length
Release: 2009
Reviews: 74%
Genre: Symphonic/Epic/Hellenic Metal


ギリシャ発祥、エピック/ヘレニック・メタルの後継者、アスロスの2009年発表の1st。


『METAL EPIC』誌より抜粋:



アメリカのヴァージン・スティールがエピック・メタルを追求する過程で辿り着き、後にギリシャのリフレクション(REFLECTION)などが継承した古代ギリシャ世界を題材としたエピック・メタルの一派が、その古名に肖って"ヘレニック・メタル(HELLENIC METAL)"と形容されるに至ったのは、遅かれ早かれ、必然的なことであった。アレクサンドロス大王が齎したヘレニズム文化の再来の如く、ヘヴィメタルと古代ギリシャ文化を融合させ、劇的かつ古典的なヘヴィメタルのスタイルを編成したヘレニック・メタルの登場は、エピック・メタル史においても致命的な改革を齎した。ヘラス──古代ギリシャ人は、かつてギリシャ全土をこう呼んでいた──における神話大系、及び英雄叙事詩、悲劇などを題材としたこれらのエピック・メタルは、他の分野で可能性を拓けるバンドが登場する傍ら、ずっと古代の事象を追求していたのである。
その代表作としてヴァージン・スティールの『The House of Atreus』(1999~2000)が大きな成功を収めたことは、後続のヘレニック・メタル・バンドにとってはある種の事件であった。本作はエピック/ヘレニック・メタルのファンから絶賛され、海外の一部のレビュー・サイトなどでは驚くべき高得点をマークした。ヴァージン・スティールの"アトレウス二部作"が古代ギリシャの劇作家、アイスキュロス(Aischylos, 525 - 456 B.C)の『オレステイア(The Oresteia)』を題材としていたことは有名であったが、それに続くかの如く、ギリシャからリフレクションが詩人ホメロスの『オデュッセイア(Odyssea)』を題材とした『ΟΔΥΣΣΕΙΑ (Odyssey)』(2003)を発表したことは、実はあまり知られていなかった。この分野はエピック・メタルの狭きセクションから見ても、あまりにも偏った分野であったのだ。そして、戦地の業火がやがて鎮まるかの如く、ヘレニック・メタルの勢いも次第に衰えていった。



2009年、我々は滅亡したヘレニック・メタルの再興を見る。ギリシャのアテネより突如出現した英雄、セイクリッド・ブラッドが"テルモピュライの戦い(Battle of Thermopylae)"を題材とした第一作『The Battle of Thermopylae: The Chronicle』(2008)で強烈に提示したように、古代ギリシャ世界を不変のテーマとしたエピック・メタルの一派は、完全に死に絶えてはいなかったのである。それらは地下で着々と準備を進める軍隊のように、長年に渡り力を温存していたのだ。そして、その抑えつけられていた強力な力が、恰もカタルシスの如く、一気に解放され始めたのは、誠に近年になってからのことであった。
セイクリッド・ブラッドでも中心人物を務めていたポーリーデイキス(Polydeykis:g、key)が、更なるヘレニック・メタルの再興を訴えるべく挑んだのが、今回のアスロス・プロジェクトに他ならない。ポーリーデイキスの単独のプロジェクトであるアスロスは、その掲げる崇高な理想に相応しく、これまでに確立されてきたヘレニック・メタルの伝統を一身に継承している。当然の如く、歌詞の題材はすべて古代ヘラスに関するものであり、叙事詩的なムードを漂わせる各楽曲では、ヘラスの神々と英雄たちが幾度となく登場する。"Aegean Blue (Poseidon's Realm)"では海の神ポセイドンがテーマとなり、またアスロスは、ギリシャ発祥の古典文学に対しても追求、"Enslaved (A Slave's Odyssey)"などの楽曲ではホメロスの『オデュッセイア』を扱っている。本作『In the Shroud of Legendry - Hellenic Myths of Gods and Heroes』では、これらの時代を超えた叙事詩の中で、勇壮なドリア風の調べによって彩られ、古代の神話、及び神と英雄の燦然たる物語が、恰も大宇宙の巨大なパノラマの如く、優雅に展開される。そのために悠久の古代ギリシャ旋法──アスロスは実際に、インストゥルメンタルの中でギリシャ旋法を用いている──は蘇り、エピック/ヘレニック・メタルのために幻想的な情景を散々と描くのだ。なお本作にはフォークアース(FOLKEARTH)のメンバーに加え、ヴァイキング・メタルでも活躍する女性ミュージシャン、ヒルドル・ヴァルキリー(Hildr Valkyrie)が参加している他、多くのゲスト・ミュージシャンが迎えられている。



1. In the Vineyards of Dionysus
インストゥルメンタル。リズミカルなリフが勇猛に行進する。
2. The Wrath of the Hekatonkheives
勇壮なドリア風の調が真実のヘレニック・メタルを奏でる。古代ヘラスの再現、エピック・メタルに秘められたドラマ性、ヒロイズムを宿した迫真のリフが渾然一体となり、ギリシャ発祥のカタルシスの如く解放される名曲。
3. Aegean Blue (Poseidon's Realm)
魅惑的な民謡調のバラード。海の神ポセイドンをテーマとする。笛の音色と厳かなコーラス、女性ヴォーカルがメランコリックなムードを演出する。
4. The Dance of Kouretes
遠くから聞こえる笛の音色。突如としてメタリックなリフによって静寂は破られ、フォーキーなエピック・メタルが展開する。リズミカルな笛とリフが心地良い。
5. Enslaved (A Slave's Odyssey)
およそ8分に及ぶ大作。ホメロスの『オデュッセイア』を題材とする。スペクタクル映画のスコアに使用されても何ら不思議ではない深遠なサウンド。語りとシンフォニックな味付けのみで構成されており、以外にもギターは登場しない。まさにギリシャ音楽。
6. Hellas Eternal
栄光のヘラスとその長大な歴史を幻視する。ギリシャ人にとって、ヘラスの魂は永遠に輝き続ける星である。シンフォニックなイントロからエピカルなリフへ、厳格なクリーンヴォイスが古代の威厳を物語る。
7. Ulysses Before the Gates of Hades (Necromantia)
ギリシア劇の如き内容のインスト。荘厳な旋律が彩る。
8. Taurokatharpsia (Horns of Power)
ギリシャ民謡がヘヴィメタルと狂乱する楽曲。メロディックなギターが耳を惹く。完成度が一級品故、およそ2分間が惜しい。
9. Areth kai Pomh
勇ましいファンファーレの音色が古代の英雄主義を貫く。神秘的なピアノの旋律も花を添える。
10. Talos Unleashed
官弦楽器を用いた民族的なサウンド。笛の音色が乱舞するパートもある。
11. The First Faun (Song of the Elder)
弦楽器によるインストゥルメンタル。演奏は古代のギリシア旋法を彷彿とさせる。
12. The Son of Amon Ra (Intro)
13. The Son of Amon Ra
"アモン・ラーの息子(Son of Amon Ra)"とはアレクサンドロス大王を指す。アレクサンドロスはエジプトを制圧した際、神官からこのような信託を受けたと伝えられる。なおアモン・ラーとはエジプトの太陽神。波乱に満ちた展開を有するエピック・メタルであり、緩急に富んだ内容であり、随所で劇的な転調を加える楽曲。


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Enter the World...

War in Heaven.


Dore1


敵の数は多く、戦いの時は長い。

 ──ギュスターヴ・ドレ




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エピック・ランキング:「新世代エピックメタル入門選」

New Epic Metal Age.



 近年、イタリアを先頭にして新世代エピック・メタル・バンドが次々に登場している。恰も群雄割拠するハイボリア時代の諸王国の如く、これらのバンドもまた、実力がなければファンに認められることはない。ここでは活力ある注目株をいくつか紹介する。


英雄叙事詩譚の再訪。

ROSAE CRUCIS 「Fede Potere Vendetta」(2009)

Fede Potere Vendetta


──イタリアのエピック・パワーメタル、ロジー・クルーシズの第3作。シンフォニックなサウンドを使用しない正統派エピック・メタル史において、極限のドラマティシズムを一心に追求するティボリ出身の逸材である。過去、"エピックメタルの父"ロバート・E・ハワードの小説『Worm of the Earth(大地の妖蛆)』(1932)を題材とした第一作『Worm of the Earth』(2003)を発表し、極めてエピック/ヒロイックな分野へと特化したサウンド、及び世界観を世界各地のマニアたちに向けて披露した。そのスタイルは本作『Fede Potere Vendetta』にも見事に継承されており、本来、デモ『Fede Potere Vendetta』(1998)の流用を含む本作は、新たに〈コナン・トリロジー〉なる名曲を加えた後に完成し、全編が母国イタリア語で歌われる、という仕様である。スペインのサウロム(SAUROM)などにも通じるその勇壮さは常時異様を極めるものであり、前述の3部作(当然の如く、この作品はハワードの小説『CONAN』が題材となっている)に該当する"Le Cronache di Nemedia"、"Crom"、"Venarium"では、ヒロイズムが齎す興奮と恍惚のある種の頂点に達している。これらはエピック・メタルの新時代に金字塔を打ち立てたとでも断言すべき、ロジー・クルーシズの生み出した途方もない傑作群である。なお本作には、ドイツからグレイブ・ディガー(GRAVE DIGGER)のクリス・ボルテンダール(Chris Boltendahl)がゲスト参加。他、2010年には英語圏ヴァージョンである『Fede Potere Vendetta - Overlord Edition』が発売。エピック・メタルのファンならば、こちらも逃す手はないであろう。


真実の時、来たれり。

MARTIRIA 「Time of Truth」(2008)

Time of Truth


──イタリア・ローマ出身の真性エピックメタルの使徒、マーティリアの第3作。元ウォーロード(WARLORD)のリック・マーティン・アンダーソン(Rick Martin Anderson:vo)、ダンウィッチ(DUNWICH)のアンディ・メナリオ(Andy "Menario" Menariri:g、key)を抱えるバンドであることは、エピック・メタルのマニアたちの間では既に有名である。この強力なメンバーに加え、同郷の作家、詩人のマルコ・ロベルト・カペリ(Marco Roberto Capelli)を加えたのがこのマーティリア・プロジェクトである。一見するとエピカルなヘヴィメタル以外は決して誕生してこないようなクレジットだが、本作『Time of Truth』はまさにその王道を貫いた作品。既にアルバム・ブックレットの裏表紙に描かれているジャック・ド・モレー(Jacques de Molay, 1244 - 1314)の肖像画がサウンドのすべてを物語っており、宗教的かつ神秘的なカルト・エピック・メタルが惜しみもなく展開される内容を有している。また今作では、従来のキリスト教的世界観に加え、始祖ヴァージン・スティールが用いたような古代ギリシャ神話をモチーフとした"The Storm (Ulysses)"、"Prometeus"などの楽曲も登場し、叙事詩的な世界観に幅を広げている。その中にあっても、"Give Me a Hero"の突出したヒロイズムには驚きを禁じ得ず、本曲はマーティリアが生み出した最高の名曲の一つに数えられるはずだ。近年は特にエピック・メタル・シーンでの活躍著しいマーティリアだが、ファンは本作が品切れになる前に、是非とも入手しておきたいところ。


新時代の凄絶なる荒波。

BATTLEROAR 「To Death & Beyond...」(2008)

To Death & Beyond


──ギリシャの正統派エピック・パワーメタル、バトルロアの第3作。当然の如く、フィンランドのバトルロー(BATTLELORE)とは全くの別物であり、その迫真のサウンドと叙事詩的音楽に打ち込む堅実な姿勢は似て非なるもの。アメリカの地下エピック・メタルの神、マニラ・ロードを深く崇めるというバトルロアのサウンドからは、80年代エピック・メタルの薄暗い雰囲気と強烈な異臭が漂っている。本作『To Death & Beyond...』も例外ではなく、バトルロアが追求するエピック/ヒロイックなサウンドの極地ともいうべき凄絶な内容が展開され、重厚な叙事詩的リフが巨大な城塞を建設し、勇壮なコーラスが恰も戦地での戦士らの鬨の声の如く木霊する。エピック・メタルらしく、ロバート・E・ハワード、エドガー・ライス・バロウズ、北欧神話の世界観に代表される幻想的な本作の内容は、時にリアリスティックな描写と相俟って聴き手の想像力をも強烈に掻き立てる。劇的な冒頭を飾る"The Wrathforge"、広大な大洋を彷彿とさせる一大叙事詩"Oceans of Pain"、バロウズの『火星』シリーズにインスパイアされた"Warlord of Mars"などを含み、すべてが名曲と断言しても過言ではない完成度を誇っている。エピック・メタルは素晴らしい音楽だと、改めて痛感させられる作品であることは間違いない。結局のところ、80年代初期にマニラ・ロード、キリス・ウンゴルから始まり、幾度となく挫折を体験したエピック・メタルは、今なお進化を続けている。


古マケドニア軍の行軍の如く。

SACRED BLOOD 「Alexandros」(2012)

Alexandros


──ギリシャ発祥のエピック・パワーメタル、セイクリッド・ブラッドの第2作。同郷のエピック・メタル・バンドの中ではバトルロアに次ぐ逸材のセイクリッド・ブラッドは、主にアテネを拠点に活動し、豪傑かつ英雄主義的なエピック・メタルを聴かせている。既にアルバム・タイトルが物語っているように、古代マケドニアの王アレクサンドロス3世の生涯をコンセプトにした本作『Alexandros』の発表によって、その地位を不動のものとした。始祖ヴァージン・スティールのデイヴィッド・ディファイも絶賛したという本作の見事なサウンドは、本格派に相応しく、ダイナミックかつシネマスティックな音楽性を備えた壮大なものである。紀元前334年の"グラニコスの戦い(Battle of the Granicus)"を描写した英雄的な"The Battle of the Granicus (Persian in Throes)"や雄大なメロディを持つ"Ride Through the Achaemenid Empire"では、前作『The Battle of Thermopylae: The Chronicle』(2008)からの大きな飛躍が感じ取れる。本作の完成度を見ても明らかであるように、今後の更なる活躍に期待したい。


神の名をその手に。

WOTAN 「Epos」(2007)

Epos


──イタリアの正統派エピックメタル、ヴォータンの第2作。北欧神話の戦神の名をバンド名に冠していることが既に物語っているように、アメリカのマノウォーを代表とする非常に漢らしい世界観を追求するエピック・メタルの一派に属する。そして、サウンドもそれに相応しく、本作『Epos』では終始徹底したヒロイックな旋律に彩られ、要所で劇的な展開を交えた濃密な叙事詩が披露される。ローマ帝国に反逆したスパルタカスの英雄像をドラマティックに描いた"Spartacus"、勇壮なる"Vae Victis"、フランス最古の英雄叙事詩『ローランの歌』をモチーフとした長大な大作"Le Chanson de Roland"、9分に及ぶ波乱のラスト"Ithaca"など、耳を惹きつける楽曲は極めて多い。シンフォニック・エピックなサウンドも悪くないが、やはりエピック・メタルは硬派なサウンド、英雄叙事詩的なテーマに限り、本来の実力を発揮できる。




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レビュー欄、コラム欄更新

  10月25日、本日付けでレビュー欄及びコラム欄を更新。閲覧は上のメニューバー、または下記の直接リンクを参照にして頂きたい。

・『The Reviews
・『The Columns



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Manowar:大仰さの払拭「The Lord Of Steel」(2012)

The Kings of Metal, True Metal ?


Lord Of Steel

 アメリカのエピック・メタルの王者、マノウォーの第11作『The Lord Of Steel』が「Magic Circle Music」より発表された。北欧神話の主神オーディンに捧げられた前作『Gods Of War』(2007)発表の後、新作への布石となるEP『Thunder In The Sky』(2009)を発表したマノウォーは、順風満帆に事を運んでいるかのように思えた。しかし、名ドラマー、スコット・コロンバスの突然の死という重荷がバンドに重圧と悲劇を与え、しばしの沈黙を余儀なくされた。マノウォーは体制を立て直すために、初期のドラマーであったドニー・ヘムズィク(Donnie Hamzik)をバンドに再編入させ、第一作目の再録『Battle Hymns MMXI』(2010)を発表。多くの場合、新作は『Thunder In The Sky』で描かれていた緊張感と凄絶なドラマティシズムが支配する壮大なエピック・メタル作品だと思われていたが、実際の『The Lord Of Steel』の内容は異なる軌道にあった。初期の正統派メタルを踏襲した作風に回帰した『The Lord Of Steel』では、『Gods Of War』のような大仰なオーケストレーションやエピック・クワイアを抑え、シンプルかつオーソドックスなヘヴィメタル・サウンドが披露されている。緻密に構成された小曲の導入や難解な展開、及び大仰なナレーションが全編を占めるなどという楽曲は存在していない。近年のマノウォーのエピック/シンフォニック路線には、一部のファンの間では賛否に分かれていたが、これでそのファンたちも納得するはずだ。なお収録曲は以下の通り。


1. The Lord Of Steel
2. Manowarriors
3. Born In A Grave
4. Righteous Glory
5. Touch The Sky
6. Black List
7. Expendable
8. El Gringo
9. Annihilation
10. Hail, Kill And Die


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Cirith Ungol:1st~4thレビュー加筆

 『METAL EPIC』のレビューの中からキリス・ウンゴルの1st~4thまでを加筆。詳細は以下の通り。

▶『Frost & Fire』(1980)
▶『King of the Dead』(1984)
▶『One Foot in Hell』(1986)
▶『Paradise Lost』(1991)



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TRIBUTE TO MANILLA ROAD 「The Riddle Masters」

Tribute_to_Manilla_Road

VARIOUS ARTISTS the Tribute album in 2007 Release
(参考資料)

アメリカのエピック・メタル始祖、80年代に四天王の地位に君臨したカンザスのマニラ・ロードに捧げられた2007年発表のトリビュート・アルバム。


概要:
マニラ・ロードはマーク・シェルトン(Mark Shelton:g、vo)によって1977年結成、第一作『Invasion』(1980)でデビュー。第3作『Crystal Logic』(1983)でエピック・メタルのスタイルを確立し、第4作『Open the Gates』(1985)、第8作『The Courts of Chaos』(1990)などの傑作を残す。その後、一度は解散するも2000年に再結成。第10作『Atlantis Rising』(2001)、第11作『Spiral Castle』(2002)、第12作『Gates of Fire』(2005)を破竹の勢いで完成させ、バンド初のトリビュート・アルバムとなる本作『The Riddle Masters』の発売へと至る。なお本作は2枚組、マニラ・ロードに影響を受けたと公言するロジー・クルーシズ(ROSAE CRUSIC)、ホーリー・マーター(HOLY MARTYR)、ソレムニティ(SOLEMNITY)、バトルロア(BATTLEROAR)などの有望な次世代エピック・メタル・バンドが、若かりし頃の情熱を再燃させて楽曲を提供している。




CD1:
1. Rosae Crusic - The fires of mars
2. The Weird Lord Slough Feg - Streer Jammer
3. Crystal Viper - Flaming Metal Systems
4. Ironsword - In the Veils of Negative Existense
5. Against Nature (ex. Revelation-Penance) - Crystal Logic
6. Lord Haunted - Dig me no Grave
7. Battleroar - Morbid Tabernacle Isle of the Dead
8. Solemnity - Mystification
9. Viron - The Dreams of Eschaton

CD2:
1. Emerald - Divine Victim
2. Downcast - Death by the Hammer
3. Battlerage - Necropolis
4. Dantesco - Masque of the Read Death
5. Jotenheim - Queen of the Black Coast
6. Rotten - Slaughterhouse
7. Denim & Leather - Open the Gates
8. Holy Martyr - Dragon Star
9. Tempus Fugit (ex. Ligeia) - The Prophecy



Review by Cosman Bradley
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TRIBUTE TO CIRITH UNGOL 「One Foot In Fire」

A_Tribute_To_Cirith_Ungol

VARIOUS ARTISTS the Tribute album in 2006 Release
(参考資料)

アメリカのエピック・メタル始祖、80年代にエピック・メタル四天王の地位に君臨したカリフォルニアのキリス・ウンゴルに捧げられた2006年発表のトリビュート・アルバム。


概要:
キリス・ウンゴルはグレッグ・リンドストーム(Greg Lindstrom:g)を中心として1972年に結成、第一作『Frost & Fire』(1980)でデビューした。マイケル・ムアコックやトールキンの小説を題材としたファンタジックな作風でカルト的な人気を博し、第2作『King of the Dead』(1984)で地位を不動のものとする。その後、第3作『One Foot in Hell』(1986)で完成度の高いエピック・メタルを披露するもバンドは解散。しかし、1991年に再結成を果たし、不朽の名作『Paradise Lost』(1991)をキリス・ウンゴル史の遺作とした。バンドの解散後も世界中のアンダーグラウンドで人気は衰えず、そのために後続に多大な影響力を与え、現在に至るまで各地で讃辞が続いている。トリビュート・アルバムとなる本作『One Foot In Fire』では、キリス・ウンゴルのエピック・メタルを踏襲するロジー・クルーシズ(ROSAE CRUSIC)やホーリー・マーター(HOLY MARTYR)、ソレムニティ(SOLEMNITY)、アッセディウム(ASSEDIUM)などの有望な次世代エピック・メタル・バンドが楽曲を提供している。




1. Rotten – Cirith Ungol Overture
2. Falcon – Shelob’s Lair
3. Solemnity – What Does It Take
4. Holy Martyr – Frost And Fire
5. Dawn Of Winter – Doomed Planet
6. Assedium – Black Machine
7. Emerald – Heaven Help Us
8. Monstrum – Fallen Idols
9. Rosae Crucis – Death Of The Sun
10. Battle Ram – Join The Legion
11. Crystal Viper & Elixir – Chaos Rising



Review by Cosman Bradley
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Thy Majestie:悠久の交響曲「ShiHuangDi」(2012)

This is Symphonic Epic Metal.


ShiHuangDi

 イタリアのパレルモ出身のシンフォニック・エピック・メタルの最高峰、ザイ・マジェスティが第5作『ShiHuangDi』を発表した。過去、壮大なスケールで中世の「ヘイスティングスの戦い」やフランスの聖女ジャンヌ・ダルクなどを作品のテーマとして選択し、史劇的なエピック・メタルを創造してきたザイ・マジェスティだが、今作では新しい試みを行っている。叙事詩的なテーマとして選択されたのは中国史、紀元前221年に中国統一を成し遂げた秦の始皇帝 (Shi Huangdi) の生涯だ。万里の長城の建設などでも知られる始皇帝の偉業に対し、ザイ・マジェスティはこれまでに築き上げた功績を無題にすることなく、時にアジア風なエッセンスを加えて、大仰かつシンフォニックなエピック・メタルの傑作として完成させている。ザイ・マジェスティのように表現力の高いバンドならば、例え物語の舞台を中世から古代中国に移したとして、サウンドは常に不変であるということだ。
 本作には新ヴォーカルとしてクリムゾン・ウィンド(CRIMSON WIND)のアレッシオ・トゥオルミーナが迎えられている他、同郷のシンフォニック・エピック・メタル、ホーリーナイツ(HOLY KNIGHTS)のシモーネ・カンピオーネが全面的にプロデュースに関わっている。"End Of The Days"では、ラプソディー・オブ・ファイアのファビオ・リオーネがゲストとして参加している。サウンドが雄弁に物語っているが、これは一大エピック・メタル・プロジェクトだ。なお収録曲は以下の通り。

1. Zhoongguo
2. Seven Reigns
3. Harbinger Of A New Dawn
4. Siblings Of Tian
5. Walls Of The Emperor
6. Under The Same Sky
7. Farewell
8. Huanghun
9. Ephemeral
10. End Of The Days
11. Requiem


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SACRED BLOOD 「Alexandros」

Alexandros



Country: Greece
Type: Full-length
Release: 2012
Reviews: 83%
Genre: Epic Power Metal


ギリシャ発祥、新世代エピック・メタルの歩兵、セイクリッド・ブラッドの2012年発表の2nd。


「それは大いなる情熱と叙事詩的な感性で満ち溢れている…」
 ──デイヴィッド・ディファイ



『METAL EPIC』誌より抜粋:



過去、圧倒的な戦力差によってイタリアに大敗を喫していたギリシャの地域は、2008年、アテネのバトルロアに次ぐ強力な戦力、セイクリッド・ブラッドを次世代エピック・メタル・シーンに向けて送り込んだ。今やエピック・メタルのシーンは欧州全域へと拡大したが、"エピックメタル大国"イタリアは他のすべての国家を圧倒していた。しかし、戦いの原野に突如として英雄が出現したのだ。フォークアースでも活躍したポーリーデイキス(Polydeykis:g、key)率いるセイクリッド・ブラッドは、第一作『The Battle of Thermopylae: The Chronicle』(2008)で瞬時に頭角を現すと、これまでのギリシャの窮地を救った。古代ギリシャの普遍的な英雄のテーマである"テルモピュライの戦い(Battle of Thermopylae)"を題材とした第一作は、地元ギリシャでの大絶賛の後、世界各地のエピック・ヘヴィメタルのファンを瞬く間に取り込んだ。



エピック・メタルが誕生してから既に30年以上が経過したが、我々は重要な部分を見落としていたに違いない。『The Battle of Thermopylae: The Chronicle』で表現された正統派かつ劇的でヒロイックなサウンドが、このように多くのファンを魅了したように、気が付けばエピック・メタルですら本物が求められる時代となっていた。ヘヴィメタルはオリジナルの登場の後、様々な形へと姿を変えて我々の耳を楽しませてきた。しかし、時が経つにつれ、細分化したジャンルからオリジナルへの回帰が始まったのである。正統派メタル、ピュアメタルといった音楽性の追求は、その流れの一つに過ぎなかった。それほどヘヴィメタルの歴史が続いた証拠でもある。そして同じように、一周してエピック・メタルの分野でも原点回帰が始まった。敵国イタリアのマーティリアのサウンドなどがまさにそうだが、一般に"マニア"と呼ばれるエピック・メタルのコアなファン層はそういったサウンドを求めていた。この分野の始祖であるマニラ・ロード、キリス・ウンゴル、ヴァージン・スティールなどのサウンドに如何にして接近するか。近年ではエピック・シンフォニックなサウンドよりも正統派なサウンドが特に重要視されていた。エピック・メタルの追求の末に起こったのが原点回帰とは何とも興味深い結末だが、ファンがそれを求めていたのだから、そうなる結末が正しかったのであろう。なお上記で語られているファンとは、エピック・メタル・バンド自身も含んでいる。多くのエピック・メタル・バンドが公言しているが、彼らはマニラ・ロードやキリス・ウンゴル、ヴァージン・スティールなどの始祖たちに影響を受けてこの業界に入ってきた。始祖たちに認められれば、バンドとしても本望だ。



話は戻り、セイクリッド・ブラッドの第2作『Alexandros』は、そのアルバム・タイトルが語る如く、古代マケドニア──有史以前のギリシャ──の王、アレクサンドロス3世の生涯をコンセプトにした一大叙事詩である。アレクサンドロス大王はこのような生涯を送ったと歴史にある──強大な軍隊でマケドニアを統一した片目の王、ピリッポス2世の息子として生まれたアレクサンドロスは、幼少期にアリストテレスを師とし、知性と武術の両方を学んだ。ピリッポスが暗殺された後、王位を継承したアレクサンドロスは、小アジア、エジプトへと軍を行進させる。アレクサンドロスに率いられたマケドニア軍は神の行軍の如く、破竹の勢いでこれを征服した。紀元前331年、4万のマケドニア兵はガウガメラ(Battle of Gaugamela)でダレイオス3世率いる25万のペルシア軍と対峙し、激闘の末にこれを打ち破る。戦利品としてアレクサンドロスはバビロンを略奪し、若くして全世界の王の地位に君臨した。その後は絢爛なバビロンに留まらず、壮大な東方遠征及びインド遠征へと旅立ち、世界各地に強大な都市アレクサンドリアを建設した。東方遠征の謎、32歳での若すぎる死などが今なお伝説として語られ、神秘的な人物像、及び達成した偉業のあまりの多さから、現在では実在した最大の英雄であると考えられている──この偉大なる英雄を題材とした本作は、エピック・メタルとしての失敗が許されていない。崇高なテーマであり、シリアスな音楽性で描かれなくてはならない題材だ。セイクリッド・ブラッドはこれに迫真のエピック・メタルで挑んだ結果、大きな成功を収めている。前作『The Battle of Thermopylae: The Chronicle』以上のスケール感を放ち、完成度の高い楽曲で締められた本作は、これまで以上にセイクリッド・ブラッドの評価を高めることに繋がるであろう。頻繁に小曲を挿みながら、時にシネマスティックな手法でストーリーテリングな内容を描き、決定打としてダイナミックな音で聴き手に迫る会心のエピック・メタルが、『Alexandros』の全容である。エピック・メタルの帝王、ヴァージン・スティールのデイヴィッド・ディファイが酷く絶賛したという本作のサウンドは、虚言など語らない。勇敢なる古代マケドニアの軍隊の如く行進し、軍人の鉄の信念の如く他国を武力で圧倒し、今ここに新たなエピック・メタルの歴史が綴られたのだ。



1. The Warrior's Scion
オリエンタルな旋律と共に有史以前の伝説が幕開けるイントロダクション。
2. The Bold Prince of Macedonia
アレクサンドロスの誕生を描く叙事詩。重厚かつダイナミックなリフで大仰な表現をする。恰も史劇の幕開けの壮大さであるように、厳かな有史以前の世界観を描いている。後半の盛り上がりは映画の終盤さながら。
3. The Battle of the Granicus (Persian in Throes)
紀元前334年の"グラニコスの戦い(Battle of the Granicus)"を描写。この日、マケドニア軍は始めてペルシア軍に勝利した。勇猛果敢な古代ギリシャの英雄主義が炸裂する傑作である。 ヒロイック極まるメロディをギターで紡ぎ出し、地を穿つ軍隊の如く雄大なコーラス・パートへと導く。セイクリッド・ブラッドのサウンドが古典劇を脱し、シネマスティックな段階に踏み込んだことを告げる名曲である。
4. Phalanx Invicta
英雄的なムードが滲み出るインストゥルメンタル。
5. Marching to War
ヒロイズムを伴ったギターメロディを奏でる。シリアスに進行する楽曲は、独特の緊張感を高める。後半にはテンポ・チェンジを配置。
6. Golden Shields in the Sky
ナレーションによる短いイントロダクション。映画スコアの雰囲気もある。
7. Death Behind the Walls
勇壮なリフよりエピカルに展開。シンフォニックなコーラスが圧巻。
8. New God Rising (At the Oracle of Siwa)
弦楽器によるインストゥルメンタル。妖艶にエキゾティックな描写をする。 後半では笛とギターの音色を加える。
9. Before the Gates of Ishtar
10. Battlefield Aenaon
アコースティック・パートから巧みにエピック・メタルへと誘導。 オリヴァー・ストーンの映画『Alexander(邦題:アレキサンダー)』(2004)のサウンドトラックを彷彿させる遠大なムードが興奮を呼び覚ます。故にリフのメロディは本作屈指。
11. The Apotheosis of Alexander
スペクタクル映画を彷彿とさせる壮大なイントロダクション。
12. Ride Through the Achaemenid Empire
アレクサンドロスの遠征によって滅亡したアケメネス朝ペルシア帝国。かつては強大な権力を誇ったこの大帝国も、英雄アレクサンドロスに率いられた神の如きマケドニア軍を超えることはできなかった。雄大なメロディと壮大なコーラスを持つエピック・メタルであり、圧倒的なスケール感を放つコーラス・パートは特筆に値する。大仰だが器用さも合わせ持ち、後半ではシンフォニックなパートも導入してより一層ドラマ性を高める。
13. Heart of the Ocean (Nearchus Advancing)
古代風バラッドのような楽曲。女性ヴォーカルの声が雰囲気を盛り上げる。
14. Macedonian Force
伝統的なエピカル・リフを刻み、そこにシネマスティックなオーケストレーションを加えた楽曲。雄大で大仰。中間部のリード・ギターはあまりにも勇猛果敢。楽曲の印象的な締め方も余韻を残す。
15. Legends Never Die
アレクサンドロスは若き死と引き換えにして不滅の栄誉を手にした。


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コスマン・ブラッドリー博士

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