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manowar_2nd エピックメタルの王者マノウォーは、おびただしい数の名曲を残しているが、その多くが初期の作品に多いことはファンも承知の事実だ。エピックメタル界でよく引き合いに出されるのが1st『Battle Hymns』であるが、その栄光の陰に隠れ2nd『Into Glory Ride』(1983)に焦点が当たるということは少なかった。マノウォーの膨大な歴史の中で最も暗く影に満ちたこの作品は、重くカルト的な臭気を沼沢地の如く噴き出している。恰も巨人の如く居並ぶ長編の楽曲群は、当時にしては浮世離れし過ぎていただろう。
 熱心な彼らのファンでも見落としがちなこの作品の中に、エピックメタルの発展に貢献した名曲が眠っている。正式にヒロイック・ファンタジーの気高さと蛮性のイメージを取り入れた本作だからこそ生まれた珠玉の名曲群である。本来この作品の重さや暗さは、重厚なそれらの世界の再現に他ならない。戦士の讃美歌のような楽曲は、まさに戦士的なイメージであり、エピックメタルの最も基礎的で基本的な部分である。1stで彼らが成し得なかったことを、エピックメタルという表現を持って完成させたのが本作であるのだ。
 その中でも最大の傑作が、英雄の復讐劇とも形容される最後の"March For Revenge (By The Soldiers Of Death)"であることは疑いようがない。数々の歌劇や英雄譚で語り継がれてきた基本的な復讐劇という構図。強力な戦士の永遠のモチーフであり、また形作ってきた要素だ。かの名曲も同じように、剣における戦士の死と復讐を叙事詩的に描く。中間部での語りかけるような場面では、マノウォーの歌詞の中でも頻出する"戦士の祈り"に直接想像が結びつく。最後の雄々しいエピローグは、純血のヒロイック・ファンタジー小説の大作を読み終えた後の恍惚たる読後感と全く一緒である。この半ば伝説的なこの名曲を拝む者は、現代の状況と流布の問題で少ないが、もし辿りついたならば、それは最大の興奮を得るきっかけとなるだろう。



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ウエスタン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

監督:セルジオ・レオーネ 公開:1968年、イタリア・アメリカ


 いかなる分野においてもその頂点を極めた作品はある。エピックメタルの頂点に位置するのがヴァージンスティールであるように、西部劇の頂点に位置するのが『ウエスタン』(原題:once upon a time in the west)であると多くの者は語っている。

 アメリカの西部劇とは一線を画した「マカロニウエスタン」という斬新な──しかし多くの者にとってはアメリカの真実を描いている──ジャンルの中で、その歴史を紡ぎ続けてきた巨匠セルジオ・レオーネが撮影した西部劇の集大成が本作であった。1968年に公開された『ウエスタン』は、伝統的な西部劇の手法に加え、過ぎ去ろうとするアメリカ西部の歴史の一部分を叙事詩的に描いたスペクタクル大作として、半永久的に語り継がれる西部劇の最高傑作となった。
 この感動的な作品は、生涯における人間のドラマと真実を追求し続けてきたセルジオ・レオーネ監督が、西部劇に対して出した答えであると多くの者は受け取っている。言葉など必要ない映画の真実がここにはあり、私たち観客は、時代という巨大な濁流に呑まれるだけの傍観者でしかないことを思い知らされる。若い者たちが知らない昔に、『ウエスタン』は西部劇という縛られた分野の先にある何かに手を伸ばしていたのである。

 およそ三時間という現代の娯楽作品では想像もつかない長大な本編の中で、わずかに触れられる重要な部分がある。それは西部劇における名優チャールズ・ブロンソン演じるハーモニカ──彼の名前は劇中でも終ぞ語らることがない──が、ヘンリー・フォンダ演じる悪役フランクに投げかける気付きもしないような言葉である。驚くべきことに、この映画では台詞が殆どない。三時間の中で使用した台本はたったの15ページ。歴史的かつ重厚で叙事詩的な儚い雰囲気のみが全体に古い時代の風を送っている。故に登場人物の語る言葉は変化する時代の描写を繊細にとらえたものだ。ハーモニカはフランクにこう語る「お前は古い男だ。モートンのような新しい男に消される」彼のこの言葉は、本作に隠されたもう一つの只漠然としたテーマを僅かに告げているように思えてならない。物語では、やがてスイートウォーターに鉄道が通り、アメリカ西部がより住みやすい場所へと変化する様が描かれている。しかし、果たしてこの"鉄道"とは、西部に古くから馴染んできた男たちにとって何を告げていたのであろうか。答えはハーモニカの語った言葉にあるかも知れない。ここでエピックメタルを通じて叙事詩を学んだ私たちにとって、あらゆる歴史の中に存在してきた文化の盛衰を一瞬垣間見てきた私たちにとって、今も『ウエスタン』あの言葉は絃琴のように鳴り響いている。それは即ち、古い時代と新しい時代の隙間にある葛藤に他ならないのであろう。


Review by Cosman Bradley

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 1982年に公開され、ヒロイック・ファンタジー映画史に金字塔を打ち立てた伝説の名作『CONAN THE BARBARIAN』。ジョン・ミリアス監督が、遥か太古の有史以前の雄大な世界を重厚に描き、野蛮人コナンの壮絶な生涯を綴るという叙事詩的な試みは、現代の感覚を持ってしても視聴するに耐える。ロバート・E・ハワードが生み出した最大の英雄コナンを演じ切ったアーノルド・シュワルツェネッガーの出世作といっても過言ではない。
 本作品が世俗に与えた衝撃は相当なものであり、エピック・メタル界でもファンは非常に多い。多くのエピックメタルアルバムに導入されてきた、作曲家ベイジル・ポールドゥリスによる本編のサウンドトラックは、ヒロイック・ファンタジー音楽におけるバイブルともいえる作品である。
 これほどの名作をリメイクし、現代の最新映画技術で進化させた『CONAN THE BARBARIAN』の監督は、『13日の金曜日』でも知られるマーカス・ニスペル。主演は荒々しい容姿が特に印象的なジェイソン・モモアによる。物語は過去の作品とは異なる復讐劇であり、カラ・シンに家族を殺されたコナンの冒険を描いているという。映画は2011年8月19日に全米で3D公開される。日本公開はまだ未定であるが、是非とも公開されることをつとに祈りたい。






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