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Introduction

Robert_E_Howard

「エピック・メタルとは、叙事詩的なヘヴィメタルの総称であり、主に大仰かつ劇的でヒロイックな音楽性を示す言葉である」 [More stats] 

 ──Cosman Bradley


◆新着情報 News Topics
[Reviews]
VALKYRIE 「Deeds of Prowess」
WRATHBLADE 「Into the Netherworld's Realm」
VIRGIN STEELE 「Nocturnes of Hellfire & Damnation」
[Release]
Jack Starr’s Burning Starr 「Stand Your Ground」
Cirith Ungol 「King Of The Dead」
Manilla Road 「To Kill a King」

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 フランスのシンフォニック・エピックメタル、Kerion(カリオン)。

 2008年に1st『Holy Creatures Quest』によりデビューし、同国のフェアリーランドにも通じるファンタジックかつエピカルなシンフォニックメタルでファンを震撼させた。2010年には2nd『The Origins』を完成させ、エピックファンから熱烈な支持を得るに至った。このバンドの最大の魅力は、第六のメンバーであるファンタジー作家、クリス・バーベリが描く幻想物語"Staraxis"に、エピカルなヘヴィメタルがシンクロするところだ。物語のスケールはまさに超大作である。

▶スピード感とスリルに満ちたエピックナンバー。


▶幻想的かつ魅惑的な神秘のバラード曲。



◆参考作品◆
ジ・オリジンズ
彼らの2010年発表の2nd。フローラ嬢の美的なヴォーカルに加え、本家フェアリーランドからフィリップ・ジョルダナがゲスト参加した、一大大作アルバムである。やり尽くされたハイ・ファンタジーの世界ではあるが、飛躍すれば彼らが今後のエピックメタルシーンをリードしていく存在になる可能性も十分にある。


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Voimasta Ja Kunniasta

MOONSORROW the 2nd album in 2001 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

フィンランドのシンフォニック・ヴァイキング、ムーンソロウの2001年発表の2nd。

同国ヘルシンキのスパインファーム(Spinefarm Records)からリリースされた本作は、"Epic Heathen Metal"を掲げる彼らにとって記念碑的な作品になったと言わざるを得ない。前作で提示した北欧の民謡的美旋律の導入は本作でより顕著になり、時には大仰なシンセサイザーの音色が木霊する。それは北欧の土着民族に古来より伝わってきた旋律であり、叙事詩的な異郷の物語と相俟って、古き世界の情景を私達に思い出させる。本作の視覚的な効力はバルサゴスにも匹敵する箇所がある。全ての曲が物語なのである。
アルバムは強烈な郷愁を誘うインスト#1で静かに幕を開ける。北風に乗ってヴァイキングの勇士らの叙事詩が蘇ってきたとでも表現すべきだろう。余韻も覚めやらぬまま開始される名曲#2は荒涼とした雪原で繰り広げられる異教徒の戦いとでも言うべきだ。私は映画『ニーベルングスの指輪』(2004年、ドイツ)の映像を使った本曲の動画が非常に好きだ。ジークフリートは偉大な英雄であるし、ドイツのこの叙事詩は北欧神話とも密接な繋がりを持っている。#3は本作のハイライトともとれる名曲。中間部からのポルカ──フンパという説もある──調が民族的な酒宴の有様を浮かばせ、ケルト的な美旋律の導入が絶妙に決まる。#4は印象が薄い微妙な曲だ。#5は#1と同様に、郷愁を誘う笛の音色で幕を開ける魅惑的な曲であり、北欧の苛烈さや雄大な自然美をも抱かせる。本編の最後を飾る#6はエピック・ヴァイキング史に残るべき一大叙事詩であり、およそ14分の間に渡って怒涛の情景が荒波の如く押し寄せる。この曲にこそ異教叙事詩の神髄がある。これは忘れられた戦士らの叙事詩である。
劇的な進化を伴って見事に完結された本作はヴァイキング史に悠然と輝く名作であり、過ぎ去った過去からの遺産である。それはキリスト教の流布によって忘却された民族の伝承でもあり、禁じられた民謡の旋律でもある。彼らによって、私達は異教徒の文化を知る絶好の機会に恵まれたのである。


1.Ukkosenjumalan Poika
2.Sankarihauta
剣の響きが打ち鳴らされ、重厚に行進する楽曲。
3.Kylän Paassä
歓喜に満ちた雰囲気も醸す、劇的なヴァイキングトラック。
4.Hiidenpelto incl. Hapean Hiljaiset Vedet
5.Aurinko Ja Kuu
郷愁を誘う荒涼としたエピック。
6.Sankaritarina
さざ波、焚き火、泥声が織りなす異教徒の叙事詩。曲の最後に、#1の静寂を伴った麗しい旋律が風に吹かれ流れ込んでくるのが余韻を残す。


Review by Cosman Bradley
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Sword and Sorcery




 エピックメタルとヒロイック・ファンタジーの関連性について、我々は長いこと追求し続けてきた。我々が最も魅了された世界であり、憧れてきた興奮と恍惚の眩いヒロイック・ファンタジーの世界は、残念なことに現代の新しい風によって早急に忘れ去られようとしている。幻想が現実に変わり、神秘が科学に変わった。かつて我々が夢見た真のヒロイック・ファンタジーの原型は失われ始め、誰も『コナン(Conan)』の輝かしい冒険譚を囁かなくなった。古い時代の大切なものが失われてしまわないように、今一度ヒロイック・ファンタジーの世界を振り返る必要がある。話が難しくならないように、飽くまで簡潔に。そう、大昔のヒロイック・ファンタジーの世界では、すべての物事が単純かつ明確であった……

 ここでは歴史を振り返る。ヒロイック・ファンタジーとは主に、小説の内容によって用いられてきた。1963年にL・スプレイグ・ディ=キャンプが編集したアンソロジーの副題にこの言葉が初めて用いられたのがヒロイック・ファンタジーを広く確立させるきっかけとなった。伝説に名高い「剣と魔法の物語(Sword and Sorcery)」という副題は、幻想怪奇の原点『ウィアード・テイルズ』誌で活躍したフリッツ・ライバーが名付け親だ。L・スプレイグ・ディ=キャンプはアメリカで有名なファンタジー作家の一人であり、同国の作家リン・カーターらと共に活躍した。彼らはあのハワードの『コナン(Conan)』シリーズを改修したことでも特に有名だが、この試みは熱心なコナン・ファンの間では賛否両論に分かれている。ロバート・E・ハワードが創造した断片的なコナンの英雄譚を一つにまとめあげるのは問題だ。しかし、彼がこの世界の確立に貢献した事実は疑いようがなく、彼らの編集がなければ遠い国に住む人々はコナンの存在すら知らなかったのだ。後にL・スプレイグ・ディ=キャンプとリン・カーターは未完のまま残されたコナンの物語を完結させ、更には続編も描いた。

 我々はヒロイック・ファンタジーという言葉が1963年に始めて用いられたという事実には驚きを隠せない。その歴史を遡れば、古代の北欧神話やギリシア神話の英雄譚、近代ではウィリアム・モリスやロード・ダンセイニなどの幻想小説、またエドガー・ライス・バロウズの生み出した秘境冒険譚等に辿りつくが、時代を超えて現代にその世界を最も忠実に描いたのはやはりハワードその人であろう。1930年代に発表されたコナンがヒロイック・ファンタジーそのものを語り、これを知らずしてヒロイック・ファンタジーを語ることはできない。つまりヒロイック・ファンタジーの第一の英雄はキンメリアのコナンであり、ヒロイック・ファンタジーを知りたければこれを読めば良いということである。しかしここでも疑問は残っている。その"ヒロイック・ファンタジーとはどのような世界なのか"ということだ。リン・カーターの語った伝説ではこのように述べられている──



男は皆凛々しく勇敢で、女は揃って美しい。大海に光があふれ、都市には原始の美が煌き、王者の地位も剣一本で勝ち得られる。人生は冒険に満ち、神話の怪物がいたるところに、邪悪なる魔法使い、残忍な剣士が蠢き、魔法が猛威をふるう。神々が信仰の幻想ではなく、現実に姿を見せる時代……


最後の言葉:

 現在、我々がヒロイック・ファンタジーという数奇な世界を垣間見ることができるのは、こういった筋書きがあったからであった。真にロマンに満ち、日々が冒険の毎日……。男なら誰しも一度は憧れる世界である。我々のような理想主義者にとってこの世界は、まさに究極の聖地であり、生涯をかけて探究しても惜しくはない崇高な存在といえよう。我々はこの素晴らしくも高貴な太古の世界をもっと皆に知ってもらいたいと願っている。「何故か」と聞く向きも多かろう。答えは単純に、この伝説の物語が齎す興奮が少しの間だけ、我々を無情な現実の世界の外へと誘ってくれるからである……


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オーディン


 退屈な時に聴くウィザードの『Odin』(2003)は極上の美酒だ。ほぼこのドイツのエピック・パワー・メタルバンドの存在など忘れかけていたのだが、あまりの熱さと徹底した大仰さに一瞬で思い出した。何せ#1「Prophecy」から既に爆走であるうえ、名曲#7「Hall of Odin」、#9「Powergod」の破壊力が途轍もない。正直このアルバムがこれほどまでに名盤だと思えたのは初めてだ。ヒロイックかつスピーディーであり、更に大仰であれば退屈が瞬く間に興奮に変わる。オーディンは素晴らしい高揚感を与えてくれた。


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Column the Column

volume 5. 2 December: 2010


 以下に公表する文章は、コスマン・ブラッドリー博士が社会学の論文を発表する際に用いた貴重な下書きであり、ヘヴィメタルと社会学の関連性を綴った内容である。なお、コスマン氏の意思をできるだけ正確に伝えるために、本分は原文のままとした。


*  *  *


Heavy Metal, The Outsider
(ヘヴィメタル、社会の疎外者──)


Prologue
 ヘヴィメタルは巨大なムーヴメントを内包する音楽の一ジャンル。ツインリードの重いギター・サウンドに連なるドラムがツーバスを叩き出し、世界観を歌い上げるヴォーカリストを鼓舞している。ヘヴィメタルは、ハードロックが“限界”と呼ばれ始めた時から自らの探究心を途絶えさせないために創造、発展された。多岐に分極化されたジャンルの全てが、このヘヴィメタルの枠の影響下にあり、そこではモラルは異なった進化を遂げ、人間の本質的な真実を得ることだけが彼らの目的だった。純粋な探究心のみに支配され、ヘヴィメタルの名のもとに社会的な反逆行為も合法手段と見なされるこの世界では社会性は通用しなかった。可能な限り上手く真実を発見し伝えることが彼らの世界に唯一存在する法律だった。何十年もの間、社会的な圧力がヘヴィメタルのそれを上回っていたので、普遍的な社会とヘヴィメタル間での抗争は無益なものだったが、突然この均衡が崩れようとしており、ヘヴィメタルの攻撃の可能性が示唆された。こうした状況の中、ヘヴィメタルは巨大なムーヴメントに本拠を置く世界的な支持を確立。新しい風と凄まじい攻撃力を備えたこのムーヴメントは昔からの権力の均衡を取り戻すはずだったが、懐疑主義者が一歩的な弾圧をヘヴィメタルに行使し平和的共存という夢は打ち砕かれた。社会は弾圧を使ってヘヴィメタルの認知を妨げ、独断と偏見を抱かせるようになってしまったのだ。法律的な抗争の中、社会は恐るべき敵と化し、ヘヴィメタルのオーバーグラウンドでの支持は消滅した。しかし、まだ完全にヘヴィメタルが失われたわけではない。勇敢なメタルバンドが、なんとかアンダーグラウンドで地位を獲得しようとしていたのだ。時間と戦いながら、彼らはヘヴィメタルが再び社会に誤解されないようにと、表舞台から姿を消した。彼らは、先の何十年後かにはヘヴィメタルが世界に戻ってくると思っていた。その頃には弾圧も解決され、社会が独断と偏見を取り除いているだろうという望みを持っていたからだ。彼らにとって、この決断は戻ることのない最後の鎮魂歌だった。彼らは、理不尽な末路を辿る前に、社会がまだ弾圧を行っている場合に備えて、ヘヴィメタルの根本的な部分に必要な概念を全て付け加えていた「ヘヴィメタルを守り、社会に反逆せよ」ヘヴィメタルの根を完全に断たない限り、この意思を無視することはできない。しかし、抗争を止めるためには、既に手遅れという状況だった。社会は、激怒して無情にも法律的処置を命じ、ヘヴィメタルは休む間もなく半永久的に自由を剥奪されてしまった。この大惨事は他にも様々な影響を及ぼし、殺人、麻薬、シーンの低迷、音楽性の変化などで、ヘヴィメタルは完全な形を失ってしまった。残された者達は、ゆっくりとではあるが世代を追うごとに原点回帰していった。遂に純粋なヘヴィメタルと同じ分野まで回帰して、新たなるヘヴィメタルの夜明けが来るのだった…
 そして今、2010年、ヘヴィメタルはシーンに舞い戻り、社会が依然として誤解を抱いたままであるという現実に直面する。理解あるかに思われた者たちとのコンタクトはことごとく失敗。ヘヴィメタルがまだ認知されず抑圧されるがまま、一般大衆は、ヘヴィメタルは社会に破壊され殆ど失われた、という決断を下す。意思を持つ音楽の理論で、ヘヴィメタルバンドは重要な使命を実行する。

ヘヴィメタルを守り、社会に反逆せよ

 以下の論文はこれらの出来事に基づくもので、ヘヴィメタルが過去、現在、未来の世界で遭遇した状況を論じたものである。


Chapter 1:The Arrival(The Legacy of Kings)
 1970年。怪奇的な音楽性を持つブラック・サバスがロック・シーンに登場し、衝撃を与えた。後に続く、ヘヴィメタルの誕生である。その背景には、リヒャルト・ワーグナーに代表される古典音楽の影響、太古の叙事詩や民俗伝承・神話──ゲルマン神話、ギリシア・ローマ神話、中世暗黒時代、悪魔崇拝、吸血鬼伝説(ゴシック世界及び幻想文学)、聖書を含む──などの起源があるとされる。


Chapter 2:The War
 ヘヴィメタルと社会の抗争を論じる。1983年のメタリカ──またはスラッシュ・メタル──の出現、1990年に行われたジューダス・プリーストの裁判(注1)、スレイヤーに対する社会的な偏見、CDジャケットの差し替え及び発売の禁止、更には中東地区での逮捕例などを題材に、事実と虚実を暴いていく。


Chapter 3:Blood Brothers
 ヘヴィメタルのシーンの飛躍の一端を担ってきたファンの存在。その実態を描写し、思想、アイデンティティ、アウトサイダー的概念に触れる。思想面では主に、異教崇拝及びナショナリズムへの接近を、北欧古来の民俗信仰を起源とし、それに基づいて論じていく。また一方で、それに伴うファッション──レザー、ゴシックファッションなど──と思想面での共通点についての考察も含む。


Chapter 4:Steel Meets Steel
 ヘヴィメタルを形成する上で重要な要素である音楽面を追求。社会的な非難の対象となる攻撃性の必然性、一般音楽──娯楽音楽、商業音楽と呼ばれる分野──との比較を交えながら、根本的なメタルサウンドの基礎概念を論じる。


Chapter 5:Dawn of a New Day
 ヘヴィメタルと社会に関する最終的な結論。ヘヴィメタルを抑圧した社会体制及びその矛盾について熟考し、歌詞に表現されたそれらに対する意思表明の実例に加え、アメリカ、イラクに代表される軍事社会の実情に警告を発するメタルバンドたちを紐解く。そして、最後にヘヴィメタルが辿りつく答え。


注1 1990年、アメリカ・リノに住んでいた少年二人が自殺を図り、一人が即死した事件に関して、遺族から「息子の自殺はバンドの曲に含まれるサブリミナル・メッセージが原因」として裁判を起こされるが、最終的にはバンド側の無罪判決となる。


予想される反論:
──感情的な主観が交じってはいないか。
感情とは、合理的な機能である。 ──カール・グスタフ・ユングより
──社会に対する一方的な見解が読み取れるが。
上記は全て事実である。自由な意思表現を抑圧された文章に関しては、本来の事実を歪曲する恐れがある。


2010年12月2日
コスマン・ブラッドリー



追伸;これは後に分かった事実であるが、原文の『Prologue』は、ドイツのアイアン・セイヴィアーの1st「Iron Savior」(1997)のライナーノーツを巧妙に捩ったもののようだ。
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Other Tales...


Weird

 神秘世界を追求する研究者や、幻想怪奇小説の発足に大きく貢献したのがアメリカのパルプ雑誌、『ウィアード・テイルズ(1923~1954)』である。ここから生まれた名作家は数知れず、ロバート・E・ハワード、クラーク・A・スミス、H・P・ラブクラフト──彼ら3人は"ウィアード・テイルズの三大作家"として知られている──らも名を連ねている。その他にも、人気の高いロバート・ブロック、オーガスト・ダーレス、C・L・ムーア、フリッツ・ライバー等が数多の名作を本誌に残し、現在の幻想文学が形作られていったのである。、『ウィアード・テイルズ』誌なくしては《剣と魔法の物語》が誕生することもなく、またそれらの英雄譚から材を取るエピックメタルの名作群も誕生しなかった、といっても過言ではない。
 これら当時の貴重な幻想譚は青心社出版の『ウィアード』シリーズで読むことが出来る。既に20年以上前のアンソロジーとでも言うべき本書だが、内容の素晴らしさは全く損なわれていない。それどころか、些か退屈な内容の小説が溢れる現在の時代においては、過去の作家たちが如何に知的で奇抜な傑作群を発表していたかが分かるきっかけとなる。本書には、原型のまま描かれた幻想と怪奇の世界が生き生きと展開されている。その野生的な魅力はいつの時代も尽きることがないのである。
 ただ『ウィアード』シリーズは当初全5巻が用意されていたにも関わらず、全4巻で発行が終了してしまったのと、『ウィアード・テイルズ』誌の貴重な文献を網羅しているのにも関わらず絶版状態にある、という現状が非常に残念である。私は偶然にも古本屋で見かけ購入することが出来たが、その出会いまでは時間を有し、それまでは2巻しか所有していなかった。本誌のような、一見陰気に思われ大衆から避けられる本にこそ、数多くの知識が宿っているものである。その知識への門口が閉ざされた世界では、芸術性が発展しないだろう。


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Anthology



Country: United States
Type: Compilation
Release: 1997
Reviews: 70%
Genre: Epic Metal


マノウォーの1997年発表のベスト。


本作は"ヘヴィメタル史上最悪のアルバム・カヴァー"と称された経歴を持つマノウォーの伝説のベスト・アルバムである。アルバム・ジャケットに披露されている強烈にハワードの『コナン』を意識した各メンバーの強靭な裸体は、それらのファン以外からは痛烈な批判を受けることとなった。マノウォーの熱狂的な信者以外には、これらがゲイの取る行動に思えたようである。無論、強烈なインパクトを視覚的に与えるアルバム・ジャケットと内容の差異は殆どない。これらの肉体的な主張が外見のみのイメージであるならば一般大衆から嘲笑されるのも無理はないが、我々はマノウォーの剛直な楽曲を聴いた後、果たして同じ意見を述べることが出来るであろうか。

本作に収録されている楽曲は主に第一作『Battle Hymns』(1982)、第4作『Sign Of The Hammer』(1984)、第5作『Fighting The World』(1987)、第6作『Kings Of Metal』(1988)、第7作『Triumph Of Steel』(1992)から選曲されており、レーベル側の問題が生じたために第2作『Into Glory Ride』(1983)、第3作『Hail To England』(1984)からの選曲はない。本作の選曲は必ずしもマノウォーのベスト盤と大仰に形容することはできず、要所で重要な名曲が抜け落ちている。マノウォーの初心者には良い内容かも知れないが、長年慣れ親しんでいるファンにとっては不満が残る内容であろう。我々の想像するマノウォーは更に劇的でヒロイックであるし、作品の構成にも非常に気を使うバンドだ。本作を契機にマノウォーの勇壮な世界観を理解できれば良いが、これが単にレコード会社の金儲けのために取られた措置であるならば、それは極めて悪質な行為だ。悲しいかな、これまでにヘヴィメタル界では似たようなベスト盤が山ほど発表されているのが現状である。



1. Manowar
第一作『Battle Hymns』(1982)から収録。ファンにはお馴染みの名曲である。
2. Metal Daze
第一作『Battle Hymns』(1982)から収録。
3. Fast Taker
第一作『Battle Hymns』(1982)から収録。
4. Battle Hymns
第一作『Battle Hymns』(1982)から収録。マノウォーの劇的かつヒロイックな音楽性を主張する名曲中の名曲である。
5. All Men Play On 10
第4作『Sign Of The Hammer』(1984)から収録。
6. Sign Of The Hammer
第4作『Sign Of The Hammer』(1984)から収録。ドラマティックなサビが印象的な勇壮なエピック・ナンバー。楽曲がリマスターされているのは嬉しいが、名作『Sign Of The Hammer』 からの選曲が二曲のみというのは痛い。
7. Fighting The World
第5作『Fighting The World』(1987)から収録。アメリカン・ロックンロール的な作風に回帰した本作では一部のファンから批判を受けた。タイトル・トラックである"Fighting The World"は悪い楽曲ではない。
8. Blow Your Speakers
第5作『Fighting The World』(1987)から収録。
9. Heart Of Steel
第6作『Kings Of Metal』(1988)から収録。マノウォーのもう一つの名作である『Kings Of Metal』からこの名バラードが選曲されるのは当然のことであろう。
10. Blood Of The Kings
第6作『Kings Of Metal』(1988)から収録。本作の最後に収録されたワイルドなエピックメタルの傑作であり、要所に過去の歌詞が再登場する。雄々しいエピローグも健在だ。
11. Violence And Bloodshed
第5作『Fighting The World』(1987)から収録。
12. Wheels Of Fire
第6作『Kings Of Metal』(1988)から収録。スラッシュメタルを意識したスピーディなナンバーである。
13. Metal Warriors
第7作『Triumph Of Steel』(1992)から収録。シングル・カットもされたヘヴィかつメタリックなメタル・アンセム。
14. The Demon's Whip
第7作『Triumph Of Steel』(1992)から収録。第7作から何故この楽曲が『Anthology』 の最後に選曲されているのかは未だに謎だ。マノウォーなら絶対にこのような中途半端な構成にはしないと考えられる。


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The Book of Burning



Country: United States
Type: Compilation
Release: 2002
Reviews: 80%
Genre: Epic Metal



アメリカのエピックメタルの始祖、ヴァージン・スティールの2002年発表の企画盤。


「当時のヴァージンスティールと今のヴァージンスティールは別の生き物だ」

 ──デイヴィッド・ディファイ


1981年のアメリカのニューヨークでデイヴィッド・ディファイ(David Defeis:vo)とジャック・スター(Jack Starr)によって結成され、現在ではエピックメタルの第一人者としての揺るぎない地位を築いたヴァージンスティールではあるが、結成当時の活動や音楽性には不鮮明な部分が多かった。それらの暗澹たる領域に光を当てたのが2002年に発表された本作『The Book of Burning』に他ならず、この素晴らしくも意欲的な作品はヴァージンスティールの第一作『Virgin Steele』(1982)、第2作『Guardians of the Flame』(1983)の楽曲をリメイクして一枚のアルバムにまとめ上げている。収録曲は前述した他に新曲、90年代後半にディファイが初期ギタリストのジャック・スターと共作した楽曲を含んでいる。収録曲のサウンドは飽くまでオリジナルを基盤としているが、過去と現在とではヴァージンスティールの表現の手法が全く異なっているため、印象の変わる楽曲もいくつか存在する。何れにせよ、初期ヴァージンスティールの貴重な楽曲が現代の技術でリメイクされ、音質の向上と後に誕生した「Barbaric and Romantic(バーバリックかつロマンティク)」な味付けが成されたのであれば、ファンが見す見す本作を逃す手はない。

Sacred

本作『The Book of Burning』には新しく録音はしたものの、意図的に初期ヴァージンスティールの雰囲気が残されており、現在のヴァージンスティールの音楽性と詳細に比較することができる。現在のヴァージンスティールは文字通り完全なるエピックメタル・バンドだが、初期のヴァージンスティールにはアメリカのニューヨークに漂う陰鬱なロックの雰囲気や、軽快なハードロック寄りの音楽性があった。ディファイの持ち込んだエピカルな要素によってそれらは薄れはしたものの、本作『The Book of Burning』では過去の臭気が存分に生きている。今回、初期の楽曲を完全に新しいものとして生まれ変わらせることも可能であったはずのヴァージンスティールだが、敢えて元曲の雰囲気を残したことはある意味では成功であろう。およそ70分に及ぶ内容の『The Book of Burning』で聴けるヴァージンスティールのサウンドは大仰かつドラマティックではあるが、そこに存在しているのは間違いなく第一作『Virgin Steele』や第2作『Guardians of the Flame』の頃のヴァージンスティールなのだ。
本作に対し、現在のヴァージンスティールのファンは何かしらの違和感を覚えるはずである。しかし、その感覚は『The Book of Burning』の正しい解釈だ。なぜなら、過去と現在のヴァージンスティールは異なる方向性に辿り着いているからである。例えば、ディファイのヴァージンスティールとジャックのバーニング・スターのように...



1. Conjuration of the Watcher
2. Don't Say Goodbye (Tonight) (re-recorded version)
3. Rain of Fire
4. Annihilation
5. Hellfire Woman
6. Children of the Storm (re-recorded version)
7. The Chosen Ones
8. The Succubus
9. Minuet in G Minor (re-recorded version)
10. The Redeemer (re-recorded version)
11. I Am the One (re-recorded version)
12. Hot and Wild
13. Birth Through Fire (re-recorded version)
14. Guardians of the Flame (re-recorded version)
15. The Final Days
16. A Cry in the Night (re-recorded acoustic version)


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Hymns to Victory



Country: United States
Type: Compilation
Release: 2002
Reviews: 92%
Genre: Epic Metal



アメリカのNY出身、エピックメタル・シーンにて不動の地位を誇るヴァージン・スティールの2002年発表のベスト。


「エピックメタル史上最高のグレイテスト・ヒッツ」

 ──『METAL EPIC』誌


長年エピックメタルを創造・発展させてきた唯一無二の始祖であるヴァージンスティールのベスト盤が発表されたことは、ファンとしても嬉しい限りであると同時に、ヴァージンスティールというバンドが如何に海外のエピックメタル・ファンの間で熱烈な支持を得ているのかが分かる(しかし残念なことに、この分野以外での正しい評価は得られていない)。本作の最良の点は、企画盤としての楽曲の寄せ集めという手法を演じてはおらず、投票で厳選してファンの声が重視され、デイヴィッド・ディファイ(David Defeis:vo、key)自らが決断を下したということだ。そのため内容がずば抜けて突出したものとなり、ほぼグレイテスト・ヒッツ的な作品となっている。収録されたのは第3作『Noble Savage』(1986)以降の楽曲から第10作『The House of Atreus, Act II』(2000)までの楽曲に限られる。名盤として名高い第7作『The Marriage of Heaven & Hell, Pt. Ⅱ』(1995)からは3曲が収録されている。ディファイは「初期のヴァージンスティールと現在のヴァージンスティールは別物だ」という考えを示しており、そのため初期の楽曲の収録が見送られた可能性もあり得るが、真相はほぼ同じ時期に発表された『Book of Burning』(2002)にある。この企画盤では1stと2ndの楽曲がリメイクされているため、それらの楽曲を本作に収録する必要性はなかったということだ。
本作はヴァージンスティールというバンドがいかにエピカルで徹底したヒロイズムとドラマティシズムを追求したバンドであるか、という事実が痛烈に感じさせられる構成であり、#1~#9までの凄絶な展開は雪崩が起きたかのような衝撃を有する。また本作は過去の楽曲に対しリマスターあるいはリミックスが施されており、音質が格段に高上している。その点も相俟って、やはり前半の怒号の展開が眩しい。『Hymns to Victory』はヴァージンスティールの劇的極まりないエピックメタルの名曲が一冊の豪勢な写本に閉じられた、とでもいうべきかもしれない。本作の内容はすべてのエピックメタル・ファンを満足させる魅力を備えている。
#1の幕開けは高潔、#2の古代ギリシア調のシンガロングパートで高揚感は最高潮に達するが、次に待ち構えているのは名曲#3のサビの神々しいまでの讃美歌的裏声である。そして感動的な#4の劇的な展開とヒロイズムが涙を誘い、またもや蛮性極まる#5で高揚感の爆発を体感する。#6は北欧神話を歌った神秘的なバラードだ。再び魅惑的な#7のホーンが物語へと誘い、ヴァージンスティールの代表曲#8で文明の興亡を垣間見る。#9はマリッジの旋律が過去を呼び戻す。#11は言うまでもなく初期の大傑作。そしてラストである大団円#13は恰も当然のように「Emalaith」が来る。ベスト盤といえども、ここまで劇的な演出が果たしてあるだろうか。我々はこれ以上のエピックメタルのベストアルバムがあるのか疑問なほどだ。現在世に出回っているベストアルバムは大抵がうんざりする粗悪品ばかりだ。そして我々はそれを軽い気持ちで手に取っている。ヴァージンスティールの歴史で初となる記念すべきベスト盤がそのような失敗をしなかったことは、一重にディファイの努力に尽きる。
ただ本作の残念な点を挙げると、#10が初期スタイルの軽快なロックンロール調であるため、雰囲気をないがしろにしてしまうのと、正直微妙な完成度なバラ―ド#12が唐突に導入されているということだ。この二曲を「Sword of the Gods」や「Blood & Gasoline」(名曲中の名曲だが本作には未収録)等の名曲に変えれば本作は更に良くなったのではないだろうか。しかし考えて見れば、これ以上本作『Hymns to Victory』が優れたベスト盤になってしまえば誰も他のヴァージンスティールの作品を買わなくなる。



1. Flames of Thy Power (From Blood They Rise) [Remastered]
第10作『The House of Atreus Act II』(2000)から収録。憂いを帯びた高潔なメロディが冒頭に相応しい。
2. Through the Ring of Fire [Remastered]
第9作『The House of Atreus Act I』(1999)から収録。中間部からのスペクタクルな展開が余りにも劇的なドラマを演出。ある種これはオペラである。
3. Invictus [Remastered]
第8作『Invictus』(2000)から収録。彼らの不屈の精神を反映した名曲。古典的旋律に加え、ディファイの裏声が見事。
4. Crown of Glory (Unscarred) [in Fury Mix]
第7作『The Marriage of Heaven & Hell, Pt. II』(1995)から収録。冒頭の部分が少し長くなっている。サビの圧巻のヒロイズムと後半の神々しい展開は相変わらず。
5. Kingdom of the Fearless (The Destruction of Troy) [Remastered]
第9作『The House of Atreus Act I』(1999)から収録。迫真性に満ちた急展開を見せる劇的な疾走曲。後半エドワードのソロパートがあまりにも大仰である。
6. Spirit of Steele [New Acoustic Version]
第3作『Noble Savage』再発時に収録されたバラード。一説にはマノウォーの名曲「Heart of Steel」に対抗したとも囁かれるが、この曲の感動的なアプローチからすればそんなことはどうでもいい。
7. Symphony of Steele [Battle Mix]
第7作『The Marriage of Heaven & Hell, Pt. II』(1995)から収録。冒頭部分に語りが追加。爆発的な疾走感は最高。
8. Burning of Rome (Cry for Pompeii) [Remastered]
第4作『Age of Consent』(1988)から収録。ローマの悲劇を物語るヴァージンスティーの代表曲。キーボードを駆使した重厚で古典的なドラマティックなイントロ部分と、悲しみを代弁するかのようなサビのシャウトが魅力。
9. I Will Come for You [Remastered]
第6作『The Marriage of Heaven and Hell Part I』(1994)から収録。後半にマリッジのテーマメロディが導入され盛り上がる名曲。
10. Saturday Tonight
新曲。ある意味ヴァージンスティールはこういったロックンロール調の楽曲も作れるということであろう。
11. Noble Savage [Long Lost Early Mix]
第3作『Noble Savage』(1986)から収録。タイトルトラックの別バージョン。若干キーボードのエピカルな旋律が小さくなっている印象を受ける。
12. Mists of Avalon
新曲。アヴァロンとは、アーサー王伝説に登場する浄土である。楽曲はアコースティック主体。
13. Emalaith [Remastered]
第7作『The Marriage of Heaven & Hell, Pt. II』(1995)から収録。ヴァージンスティール最高の名曲にして、エピックメタル界屈指の歴史的傑作。もはや語るまでもないだろう。


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Louder Than Hell



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1996
Reviews: 86%
Genre: Epic Metal


マノウォーの1996年発表の8th。

ジョーイ・ディマイオ(b)、エリック・アダムス(vo)、スコット・コロンバス(d)、カール・ローガン(g)によって制作。カール・ローガンは新メンバー。このカール・ローガンは年齢が若く、高度な技術を持ったギタリストであり、愛車は当然の如くハーレー。要はマノウォーのメンバーに相応しい戦士ということだった。元々カールには、マノウォーの創始者であり、エピックメタル界の首領のジョーイのバイク乗り仲間だったという経歴がある。
有名な「地獄よりひどいぜ」とのタイトルが冠された本作の内容は、普段通り、大仰な正統派メタルの音楽のスタイルである。今作で他のアルバムと異なるのは、北欧神話や英雄叙事詩を歌う楽曲──例に挙げるなら北欧神話を讃えた「Thor (The Powerhead)」や「Blood Of My Enemies」等の名曲だろう──が少なくなったということ。冒頭を飾る#1はマノウォーのライフスタイル──バイクに乗り酒を飲みヘヴィにプレイすること──を歌っている。#2は最高のメタルアンセムであり、#3はヘヴィメタルの神に捧げられている。名バラードに値する#4、荘厳さを醸す#6、ヒロイックな#7も含め、質の高いピュアなエピック・メタルが収録される。また9分に及ぶインスト#8はクラシックからの影響を感じさせる。ここでは前作のオーケストレーション導入の成果が効果的に生かされている。#9はカールのギターソロ曲であり、超絶なプレイが披露される。ラストを飾る#10はマノウォーの代名詞的な大傑作。
全く持って素晴らしい作品である。バンドが如何にファンを大切にしているか、それは本作を視聴すれば明白になる。エピックな視点から考察すればシンプルになり過ぎているが、逆にそれは正統派らしい"分かりやすさ"として十分な良点だ。マノウォーの世界に本作から入るのも悪くはない。



1. Return Of The Warlord
名作2nd「Into Glory Ride」の#1"Warlord"の続編。
2. Brothers Of Metal Part 1
3. The Gods Made Heavy Metal
ヘヴィメタルの誕生を必然的に捉えたメタルアンセム。ヘヴィなサウンドがヒロイックさを誇示する。
4. Courage
勇ましく大仰な名バラード。短い中にヒロイックなドラマを網羅し、聖歌隊を彷彿とさせるコーラスが劇的なスケール感を演出。
5. Number 1
6. Outlaw
7. King
タイトル通りの勇ましさを備えた曲であり、冒頭と中間部のメロディは戦士のロマンティシズムを感じさせる。
8. Today Is A Good Day To Die
9. My Spirit Lives On
10. The Power
圧倒的な戦意で全てを破壊せんとするような、疾走感と重厚感に満ち溢れた名曲。イントロ部分のベース音が強烈。戦士の雄叫びともとれるサビは高揚感を爆発させる。この曲の意味はいたってシンプル。鋼鉄の力、剣と魔法の力である。


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 1月3日、古着屋・古本屋巡りとメタル発掘に赴いた。普段余り出歩くことはない私だが、家に固執するのは視野を狭めることになるという考えを持っているので、気分転換の意味も込めて出掛けるようにしている。普段の全身黒のウエスタンファッションで身を飾り、辺鄙な田舎町の店を転々とする。頭には幅広のカウボ―イハットだ。私はカウボーイハットが好きで、フェルトハット──ビーバーの毛を用いた本格的なカウボーイハットのことである──を三つ持っている。私のポリシーはテンションの上がらない服装はしないということであり、スタッズ付きレザーでもカウボーイハットでも堂々と着るように心掛けている。服装面では主に"日本らしさ"にこだわってはいない。自分が良いと思うものを求めるのに母国に縛られる必要はないのだ。
 そうして、私は店舗を廻っていったのだが、この日はメタルがほぼ全滅。毎度ながら田舎の現状を痛感することとなった。しかし、この辺境にも私のようなメタルファンは存在するのだから、その影響力は計り知れないものである。恐らく、荒んだ故郷を持つ若者だからこそ、メタルに辿りつくのではないのだろうか。より広い世界への憧れと、狭い世界から逃れるためにである。これらは若者にとって重要なことだ。雪の積もった山脈を目を細め眺めながら、奇妙に晴れた暗闇の空を超えて、そう感じた。今日も一日が過ぎ去ったのである。

 最後にこの日の収穫を記録しておこう。
 新しく古着屋で購入したウエスタンブーツとフリンジレザーライダースをヴィンテージコレクションに加えることとなった。レザーライダースは私が最も好きなダブル仕様でイーグルモーターサイクルダグ。ウエスタンブーツはメキシコ製。とある古着屋が閉店するということでセールをしていたので約8400円で購入した。共時性(*)が働いているのかは分からないが、異様にウエスタングッズが手に入る有様である。以前、中世の武具を収集した際にも同じようなことがあったのだが、意志の強力な人間がある物質を求め続けると、このような不思議なことが起こる可能性があるのかもしれない。最も、それも偶然の産物である可能性も否定できないのだが……


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*心理学者カール・ユングによって提唱された「偶然の一致」のこと。神秘的解釈に用いられることが多々ある。コリン・ウィルソン等の作家も執筆物の中で触れている。
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