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Introduction

Robert_E_Howard

「エピック・メタルとは、叙事詩的なヘヴィメタルの総称であり、主に大仰かつ劇的でヒロイックな音楽性を示す言葉である」 [More stats] 

 ──Cosman Bradley


◆新着情報 News Topics
[Reviews]
VALKYRIE 「Deeds of Prowess」
WRATHBLADE 「Into the Netherworld's Realm」
VIRGIN STEELE 「Nocturnes of Hellfire & Damnation」
[Release]
Battleroar 「Codex Epicus」
Cirith Ungol 「King Of The Dead」
Manilla Road 「To Kill a King」

正統派メタル(Classic metal) 

伝統的なヘビィメタルの総称。 

全てのヘヴィメタルの源流。そう正統派メタルは呼ばれている。
ヘビィメタルの創成期たる80年代初期の時代に生まれ、多くのファンに受け継がれながら今まで続いてきた。
またメタルの時代の架け橋ともなったNWOBHMにも深くかかわっている事が挙げられる。

ヘビィメタルには様々な型(ジャンル)があるが、全てを辿るとこの正統派メタルに行き着く。それほどこの正統派メタルは重要な位置を担っており、正統派メタルが消滅することはメタルそのものが消滅することに他ならない。


正統派メタルはメタルの重要な要素全てを含んでいる。掻い摘んで説明しよう。

まず第一に正統派メタルバンドのほぼすべてが用いるメタリックなリフは極めて重要である。金属的で歪みきったギターサウンドが、ヘビィメタルには不可欠なのである。ヘヴィにギャロップするリフが多くのファンに「これぞヘヴィメタルだ」と唸らせるのだ。メタルといわれる由縁がここにはある。金属的、つまりはメタルという語源が出来たのもサウンドからだという説がある。

次に重要なのはポップなところが一切なく、常にシリアスだということである。サウンドは重苦しく硬派であり、信念を持ち何物にも流されない精神面も持ち合わせる。一般の商業的音楽とは大違いである。よくメタルファンはポップスを嫌うが、流行り廃りに流され、臨機応変にサウンドを変え商業的成功を熱望するポップスを気にいることができないのには私も十分うなづける。もちろんポップスファンも同じようにメタルを嫌悪するのはいうまでもない。完璧な音楽などは限りなくないのである。

そして以外にも重要であるのが、ロックンロールからの影響を受けていないということである。この部分は非常に難しい境界線である。例をあげよう。かつてマノウォーのジョーイ・ディマイオはインタビューでこう言っている。「俺たちはメタルファンである以前にロックファンなんだ」と。マノウォーのジョーイといえば漢の中の漢、徹頭徹尾メタルを追求してきた者である。彼がこのような発言をしたのは興味深い。彼はメタルの根底にはロックがあり、それを軽んじる事はできないということをいっているのだろう。もちろんその通りである。ロックが生まれなければメタルは生まれなかった。これは万人が認める事実である。しかしロックンロールとヘヴィメタルを明確に一緒にすることはできるのだろうか。ヘヴィメタルの持つ強いグルーヴ感はロックンロールの型にあてはまるものではないのである。確かに初期の頃はメタルのサウンドの根本的な部分が出来上がってなく、ロックンロールからの影響の強いハードロックと区別することができなかった。しかし徐々に正統派メタルの始祖たるアイアンメイデン、ジューダス・プリーストがロックンロールの影響を消していったことは確かである。特にアイアンメイデンの3rd以降に顕著に表れている。一方先ほど挙げたマノウォーであるが、彼らのアルバムにはロックンロール調の曲が入っている。彼らのアルバムを聴くと、完全にロックンロールの曲とヘヴィメタルの曲とが二極化されているのが分かる。このようにヘヴィメタルとは独自のアティテュード、アイデンティティを持ち合わせた音楽であり、ロックンロールを超えて、一つのジャンルを確立したのである。現に、ロックンロール調の軽快な曲がメタルと形容されることはないのである。また、その世界観も一般の音楽とは大きく異なっており、独自性を強めている。主に詩世界に表現される要素であるが、一般のロックが「愛やセックス、ドラッグや女」を歌うのに対し伝統的なメタルは「歴史や伝承、戦いや戦士」を歌うのである。これが顕著に表れ、正統派メタルより更に大仰かつドラマティックに成り得たものがエピック・メタルであり、メタル独自の世界観を惜しみなく表現しているのは事実である。

以上を踏まえ、結果的に正統派メタルを簡潔に示すとなると"重厚かつメタリックなサウンドを有したヘヴィメタル"ということになる。
 


正統派メタルの歴史はジューダス・プリーストから始まったといってもいい。彼らの行ったレザー、スタッドの着用は今なおヘヴィメタルの伝統服装である。1980年に発表されたアルバム「BRITISH STEEL」はメタリックなリフを軸とした最初のメタルアルバムとして歴史に決定的な打撃を与えた。同じく重要なのがイギリスのアイアン・メイデンである。当時としては恐ろしく凶暴でスピーディな音楽性はメタル以外の何物でもなかった。彼らの初期の傑作3作がのちの正統派メタルに与えた影響は計り知れない。というよりも、前述した二つのバントのもつサウンドそのものが正統派メタルと呼べるのである。すべての正統派メタルバンドが彼らの影響を受けているのは絶対的であり、彼らのサウンドを踏襲していることが正統派メタルでは重要となってくる。その後の80年代以降長らく正統派メタルはメタルの歴史から過去の存在となっていった。しかし90年代後半になると再び伝統的なヘヴィメタルを重んじるという傾向が出始め、徐々に復興を遂げていった。これによってアイアン・メイデンやジューダス・プリーストが復活したというのは大きい。彼らは今なお現役であり、若い世代のメタルバンドから大きな目標として、自らを向上させる糧になっているのである。


しかしよく考えてみれば正統派メタルがなくなることは決してないのである。なぜなら、この文章の冒頭に書いたように、幾多に細分化したメタルの全ての始まりがこの正統派メタルなのだから。ヘヴィメタルの記念すべき出発点を否定するファンはいなかろう。そして、これからも世界中にメタルを信じる根強いファンがいる限り、メタルの精神がなくなることはないのである。
 


主なバンド
JUDAS PRIESTIRON MAIDENSAXONU.D.ORUNNING WILDGRAVE DIGGERMANOWAR
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Dragons of the North

Dragons of the North
(2008/04/22)
Einherjer

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★★★★★★★★★★...(名盤)
伝説的なノルウェーのヴァイキング・メタルバンド。1996年に発表の1st。名前は「エインヘリャル」と読む。エインヘリャルとは北欧神話において、戦いの中で勇敢に死に絶えヴァリキリーにオーディンの居城ヴァルハラへと招かれた戦士の魂の事である。この名前からも分かるように、彼らは正真正銘、真性ヴァイキングメタルバンドである。ヴァイキングメタルの源流の一つであるブラックメタルとは一線を画す作風で、重厚な音づくり、勇壮なミドルテンポ、野太いコーラスなどの要素が顕著に見られる。どの曲も非常に練られており、実にドラマ性を感じさせる。北欧トラッドメロディを基盤としたリフ、ソロが聴きどころといっても過言ではなく、一部においてはギターが歌っているのかと思われる。全編に漂う漢らしさ、北欧独特の古めかしい世界観の表現力は異常であり、浮世離れしている。そうした要素すべてを含め、ヴァイキングメタルファンならば、一度は聴いておくべきだろう。 


1. Dragons of the North 
朗々と刻まれるリフが漢らしさを醸し出す。後半の戦士を想起させる掛け声はいかにもヴァイキングらしい。
2. Dreamstorm 
冒頭のもの悲しいアコースティカルなメロディから野太いトラッドメロディへの展開は絶品であり、歴史的な名曲である。 重厚であり、正統派らしいギターリフと幻想的なキーボードが合わさり、とても古い、キリスト教が広まる以前の神秘的な世界を思い出させてくれる。こういった素朴で、民族的な音楽はいつの世も人の心を打つものだ。叙事詩的な展開も秀逸である。
3. Forever Empire 
スカンディナビアの海を想起させるかのような荒々しい曲である。特にサビでの勇壮な戦士らしいコーラスは素晴らしい。また、後半の歌い継がれるソロは極めて劇的である。
4. Conquerer 
船の甲板を打ち鳴らすかのようなドラム、北欧の船乗りのような歌声、三連に刻まれるリフが民族色を醸し出す曲である。非常に哀愁のあるメロディが胸を打つ。特に、曲最後の部分でのギターメロディは突出している。
5. Fimbul Winter 
この曲も朗々とした中に荒々しさの宿る正統派ヴァイキングメタルである。
6. Storms of the Elder 
ヴァイキングメタル史に今なお残る歴史的な名曲。タイトルの如く嵐を呼ぶかのようなサビのパートは壮絶であり、真性のヴァイキングメタルがいかなるものかこの曲を聴けば明白である。ヴァイキングが大海に出、荒れ狂う海を船で突き進む様が浮かび上がる、一つの叙事詩ともいえる大作である。後半では中世を思わせるアコースティックパートに入り、前半の荒々しさとの完全に二極化されている。
7. Slaget Ved Harfsfjord 
中世北欧の港町を思い浮かばせるような陽気な曲。フォーキーな中にも民族的な勇ましさが垣間見れる曲である。
8. Ballad of the Swords
恐らくだがバラードかと思われる。ヴァイキングらしく雄々しく歌う様がとても良い。

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エンペラー・オヴ・ザ・ブラック・ルーンズ



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2004
Reviews: 94%
Genre: Epic Power Metal


イタリアの古豪、ドミネの2004年発表の4th。


「そしてキンメリア人の誇りによって、いつの日かアキロニアの王冠は我がものとなろう」
 "The Aquilonia Suite - part I"より




長年エピック・メタルという地下の分野を探求してきた我々にとって、ドミネ(DOMINE)という強烈な名は忘れ得ぬものである。第2作『DRAGONLORD(Tales from the noble steel)』(1999)から劇的なまでにヒロイックなエピック・メタルの世界観を絶え間なく追求してきたドミネの才能は、一大傑作『STORMBRINGER RULER -The Legend of the Power Supreme-』(2001)で宇宙規模の大爆発を引き起こした。過去のホークウィンド、そしてキリス・ウンゴルの時代から続く古典的なヒロイック・ファンタジーの世界をヘヴィメタルで表現するという、全く不可能と思われた斬新な試みは、まさにドミネの登場によって覆されたのである。
我々はドミネの齎した功績について考える際、必ずイギリスの作家マイケル・ムアコック(Michael John Moorcock)の功績も同時に思い出すことになる。マイケル・ムアコックの創造した途方もない世界観──『永遠のチャンピオン』シリーズで描かれた多元宇宙という果てしない構造──に対する飽くなき探求が、結果としてドミネに素晴らしい恩恵を授けたのである。この古典的なヒロイック・ファンタジーは、ハワードの名作『コナン』のように、エピック・メタルという分野で何れ再現されるべき題材であったが、現代におけるヘヴィメタルの著しい低迷、更には挑戦的なバンドが現れないことも、この課題に時間を費やす原因となっていた。
ドミネがイタリアのフィレンツェで1983年に結成された時、可能性はまだ小さかった。歳月をかけて完成させた4本のデモ・テープは、カルト・エピック・メタルのマニアですら見出すのに長い時間がかかった。ドミネの第一作『Champion Eternal』が発表されたのは1997年であり、エンリコ・パオリ(Enrico Paoli:g)とリッカルド・パオリ(Riccardo Paoli:b)の兄弟の夢は、忍耐という壁に押し潰されかけていた。それでもなお、ドミネがバンドを続けられてきた背景には、ヒロイック・ファンタジーへの飽くなき情熱があったからこそである。掲げられる気高い理想が平然とあるように、理想とは叶えられるべきものであった。
ドミネには才能がある。だからこそエピック・メタルのファンは未熟な『Champion Eternal』を絶賛したのだし、ドミネの肩を持ち続けたのであろう。彼らの選択は正しかった。今や苦渋の過去は去り、ドミネはエピック・メタル・シーンにおける王者のような風格を宿した最重要バンドとなって、この分野で偉業を成し遂げた数少ない英雄(ヒーロー)として、支持を受けている。我々は叙事詩の中の英雄がかつてそうであったように、古強者であるドミネを讃え、その偉業を振り返る。恰もタルサ・ドゥームの軍隊の如く、大地を轟かす凄絶なドミネの行軍は、鈍い音を立てて砂丘を踏み荒らす軍馬の蹄のように、いつまでも我々の脳髄の中で木霊するのだ。



傑作である前作『STORMBRINGER RULER -The Legend of the Power Supreme-』(2001)での成功、加えてヒロイックかつファンタジックなエピック・メタルを極限まで砥いで完成させたドミネは、一部のエピック・メタル・ファンより絶大な支持を獲得するに至った。ファンが支持し、ドミネが完成させた唯一無二のエピック・メタルこそ、古典的なヒロイック・ファンタジーの正式な再現であった。
前作の利点をすべて踏襲し、更なる芸術性を極めたのが本作『Emperor of the Black Runes』である。作品のタイトルには、当然の如く、前作でもコンセプトとした"メルニボネのエルリック(Elric Of Melnibone)"の要素が用いられている(マイケル・ムアコックの原作『永遠のチャンピオン』において、「黒きルーンの皇帝」とはエルリックを指しており、エルリックは一万年の歴史を持つメルニボネ帝国の最後の皇帝として君臨し、エルリックの持つ黒き剣(Stormblinger)には無数のルーン文字が彫られている)。
勇壮な世界観をヒロイック・ファンタジーの古典から受け継ぎ、本作も詞世界には殆どヒロイック・ファンタジーが用いられている。"The Aquilonia Suite - part I"で題材としているのはジョン・ミリアスの映画『Conan the Barbarian(邦題:コナン・ザ・グレート)』(1982)であり、また"Icarus Ascending"では有史以前のギリシア叙事詩を題材とし、正統派エピック・メタルの伝統に忠実に沿っている。『エルリック・サーガ』を題材とした"The Song of the Swords"では、魔剣を操る二人の英雄に焦点を当て、戦いに特化した空想的な世界観を再現し、エピック・メタルにおけるヒロイズムの重要性を説いている。我々はそれらを真摯に受け止め、尚且つエピック・メタルの持つ至高の陶酔感に浸らなければならない。
サウンド面は大化けしている。ギターソロの充実、圧倒的な疾走感、楽曲を構築する重厚感が著しく向上していることは既に明らかであり、ドミネ特有の悲壮感を感じさせるメロディや、劇的な緩急を用いたプログレッシブなドラマ性も見事なまでに表現されている。これらは傑作であった前作を大きく凌駕する内容である。作品全体としての一体感、統一感までも尋常ではないほどに高度なものとなり、各楽曲に描かれた幻想が視覚を刺激するレベルにまで到達している。ここまで剣と魔法の世界を表現したエピック・メタルは他にはなく、 本作を持って、まさにドミネは神格化したといえるであろう。"And justice is done(そして正義は果たされた)"



1. オーヴァーチュア・モーテイル
Overture Mortale
クラシカルかつ荘厳なオープニング。前作同様、脅威と興奮の世界への幕開けといったところであろう。ちなみにモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」をアレンジするという高度な技を用いている。

2. バトル・ゴッズ
Battle Gods (of the universe)
ドミネの定番である激烈な疾走曲。勇壮なメロディ(極めて英雄的な)を伴い、騎士のように疾走する様はもはや筆舌に尽くしがたい。さらに今回は重厚なバッキングが加わり、よりリアリティを持った伝説の世界を表現することに成功している。題材は中国のヒロイック・ファンタジー映画『The Legend of ZU』であるという。

3. アリオッチ、ザ・ケイオス・スター
Arioch, the Chaos Star
聴き手が打ちのめされるに相応しい強烈な一撃。多元宇宙における混沌の王アリオッチ(Arioch)を歌った、幻想と怪奇の渦巻くおぞましい楽曲である。"Battle Gods (of the universe)"と同等か、それ以上の激烈な疾走感を誇っており、サビの猛烈な勇ましさと驚異的な荘厳さには絶えず圧倒される。途方もなく壮大な世界である。

4. アキロニア組曲 パートⅠ
The Aquilonia Suite - part I
ヒロイック・ファンタジー史にその名を残す映画『Conan the Barbarian(邦題:コナン・ザ・グレート)』(1982)のサウンドトラックからの引用を含む、およそ14分にも及ぶ超大作である。栄光に満ちた古代世界を思わせるような荘厳な曲調、大仰極まりない曲展開により、聴き終えた後には英雄の如き興奮と高揚感を味わうことが可能となる。この展開はまるで映画のようだ。メロディはヒロイックの一言に尽きる。特にクライマックスでの感動的なギターソロ・パートが興奮を最高潮にまで押し上げる(このソロは、映画でコナンとヒロインのヴァレリアとの愛を歌った、感動的なテーマ・メロディのものである)。

5. 紅衣の公子
The Prince in the Scarlet Robe (the three who are one - part I)
「一五次元界」の英雄、紅衣の公子コルムを歌う英雄的なコーラスが感動を誘う壮大なバラード。中世を思わせる、モービィの勇ましい熱唱がこれでもかというほど胸を打つ。攻撃的な"The Aquilonia Suite - part I"の後に静かな曲を持ってくる繊細さも素晴らしい。彼らのバラードでは最高の完成度であろう。

6. イカルスの飛翔
Icarus Ascending
前半の哀愁漂う雰囲気とは一線を画す陽気な楽曲。古代ギリシアのイカロスの自由への探求を叙事詩的に描いている。決して平凡なわけもなく、勇ましくかつエピカルに仕上がっている。このアルバムには捨て曲はない。

7. ザ・ソング・オブ・ザ・ソード
The Song of the Swords
勇壮な疾走曲。ストームブリンガーとモーンブレイドという二振りの剣につて歌っている。独特の雰囲気を放ち、幻想の中へと聴き手を誘う。剣と魔法の世界を忠実に再現したエピック・メタルである。後半のケルティックなギターソロは古代の勇者を思わせる勇ましさ。

8. ザ・サン・オブ・ザ・ニュー・シーズン
The Sun of the New Season (an homecoming song)
"The Aquilonia Suite - part I"には及ばないが、幻想的な大作。冒険物語のような、徐々に盛り上がっていく展開はドラマティックだ。勇壮かつ重厚な鋼鉄の響きによって、異世界に入るような感覚さえ覚える。女性ゲスト・ヴォーカル、リーナン・シドハとモービィのハーモニーも繊細。

9. トゥルー・ビリヴァー
True Believer
名曲として名高い熱き疾走曲。大仰極まりない疾走とシャウトの連打により、凄まじい勇ましさを感じることができる。楽曲の衰えなさは、正直疲労に値する。

10. ザ・フォレスト・オブ・ライト
The Forest of Light
ラストの静かなバラード。アルバム全体を通して、これらの物語を思わせる全体の構成が、やはり最後に胸を打たれるのであろう。この楽曲には、永遠の戦士が戦いを終え、永遠の都──ムアコックの世界ではタネローンと呼ばれている──で静かな平安を得る姿が想像できる。


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Stormbringer Ruler



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2001
Reviews: 93%
Genre: Epic Power Metal


イタリアン・エピック・メタルの雄、ドミネの2001年発表の3rd。


「母よ、私の時代が来た。父よ、私の日々は過ぎ去る」
 "Dawn of a New Day - A Celtic Requiem (The Chronicles Of The Black Sword - The End Of An Era Part IV)"より


1 ドミネの登場

歴史的に極めて珍しい事態だが、ラプソディーなどのエピック・メタル・バンドを産んだイタリアでは、叙事詩的なヘヴィメタルに対する注目が一度に集まっていた。その状況下にあるイタリアで傑出して頭角を現したのが、現地で名立たる古豪のDOMINE(ドミネ)だった。 ドミネは激烈にヒロイックな正統派メタルを軸にして、荘厳なシンフォニーやコーラスの多様といった、まさに典型的なエピック・メタルの音楽のスタイルを貫くバンドだった。
ドミネに関して特筆すべき点は幾つもあり、要所はヘヴィメタルに対する情熱、《剣と魔法の物語(ヒロイック・ファンタジー)》の世界観に対する憧憬を滲ませんばかりの疾走曲は、真に熱いの一言に尽きる。それは正式名『STORMBRINGER RULER -The Legend of the Power Supreme-』と題されたドミネの第3作目の楽曲群にも顕著に表れているが、詞世界は主にヒロイック・ファンタジーであり、中でもイギリスの小説家マイケル・ムアコック(*注釈)の『Champion Eternal(邦題:永遠のチャンピオン)』には相当の思い入れがあるようだ。この物語は現在でも世界中にファンを持つ、ヒロイック・ファンタジーの歴史の中でも類を見ない大傑作である。本作のアルバム・ジャケットに大仰なまでに描かれているのは、その英雄エルリック以外の何物でもない。このアルバム・ジャケットには、エルリックの活躍する世界「新王国」が《混沌》に支配され、空は地獄のような紅に染まり、《運命の角笛》を握りしめたエルリックが、まさに一つの時代の終わり(The End Of An Era)に立ち会うという、壮絶な場面が描かれている。
少し昔の話をするが、かつてエピック・メタル界にもマイケル・ムアコックの世界観に傾倒し、エルリックを題材としたカヴァー・アートワークを作品に頻繁に用いていた、CIRITH UNGOL(キリス・ウンゴル)というバンドがいた。キリス・ウンゴルは正統派メタルをベースに大仰かつドラマティックなエピック・メタルを作り上げた、このジャンルの第一人者だった。そして、ドミネのコンセプト、及びサウンドを見る限りでは、一致する部分が多くあり、まさに正統継承者と言って良いだろう。

2 世界観の追及

当然の如く、このアルバムはあまりにも素晴らしいアルバムだ。エンリコ・パオリ(Enrico Paoli:g)本人のプロデュースによる本作は、壮大かつ勇壮で、聴いていて熱いものが込み上げてくる。本当に男らしく、真にヒロイックなエピック・メタルが好きな者ならば、このアルバムは嫌いにはなれないはずである。ファンはドミネの熱い鋼鉄の信念に対し、敬意を表するべきなのである。
ドミネの気高い信念は、本作のコンセプトに表れている。アルバム・コンセプトは前述したように、ドミネが愛してやまない"永遠のチャンピオン"であり、"Horn of Fate"、"The Bearer of the Black Sword"、"For Evermore"、"Dawn of a New Day"は、「Elric Of Melnibone」という伝説の最終章からインスパイアされたものだ。ドミネは大胆にもエルリック・サーガの伝説的な最終章を、伝統的なエピック・メタルで再現しようとしたのだ。
そして、勇壮に疾走するヘヴィ・メタリックなリフと、荘厳なシンフォニーによって、見事にこの物語は大々的に表現され、本作の目的は達成されたのである。何よりも、エルリックが合わせ持つ独特の悲壮感が完全に表現されている様には、ファンも本当に驚くばかりだった。収められた楽曲はどれもヒロイックかつ重厚なものばかり。そこに大仰なドラマ性も加わり、まさに、ドミネ独自のエピック・メタルが展開されている。 ケルティックなギター・ソロも魅力的であり、神話的なヒロイズムを表現することに大きく貢献している。また、ヴォーカリストのモービィ(Morby:vo)の歌い上げるハイトーン・シャウトも圧倒的な実力で聴き手に迫ってくる。本作のゲストであるBEHOLDERのリーナン・シドハとのヴォーカ・ルハーモニーも非常に良い演出であり、エピック・メタルに優雅さを加える要因となっている。もう1つ、この作品の素晴らしい語り(ナレーション)は、POWER COURTのヴォーカル、ダニー・パワーズが担当している。よくここまで徹底できるものだ。

3 作品の完成

──忘れ去られた《剣と魔法の物語》を描くエピック・メタルの一派が、未だに死に絶えていないことを、新しいヘヴィメタルの時代に体現したドミネの行為は、間違いなく偉業ととれるものだ。この壮絶なコンセプトの一部に記された"The End Of An Era(一つの時代の終わり)"という言葉は、ドミネがヒロイック・ファンタジーを起源とするエピック・メタルの歴史に終止符を打ったことを物語っている。随分と長い時間をかけて、ようやくエピック・メタルという特異な分野は、納まるべき最上の鞘を見出した。しかし、その完成形が現れようとも、神話の中の魔術師のように、エピック・メタルという分野に魅せられた探求者たちの冒険は、果てしなく続いていくこととなる。

*注釈:Michael John Moorcock(1939~)。イギリスのSF、ファンタジィ作家。彼の作り上げた一連の個性的なヒロイックファンタジー作品は、「アンチ・ヒロイック・ファンタジー」として新たなジャンルを切り開いた。代表作は『グローリアーナ』、『永遠のチャンピオン』シリーズ。また音楽活動も行っている。



1. ザ・レジェンド・オブ・ザ・パワー・スプリーム
The Legend of the Power Supreme
怪しげなナレーションから始まるプロローグ。剣と魔法の世界に誘われるかのような雰囲気が何とも言えない。また、後半には、本作の物語の鍵となるメロディが登場する。

2. ザ・ハリケーン・マスター
The Hurricane Master
ハリケーン・マスター("嵐の支配者"という意味。始めは楽曲の解釈に迷ったが、ストーム・ブリンガーで"嵐を呼ぶ者の支配者"となるため、ここでの意味は前者)、エルリックを歌った名曲。かつて彼は、魔術で嵐を呼び、宿敵であるパン・タンの大魔術師、セレブ・カーナを打ち破った。その壮絶な世界観は楽曲にも顕著に表現されており、大仰極まりないヒロイックなメロディが激烈に疾走する。全てを叩き潰さんとする勇壮さはあまりにも熱い。まさにエルリックが剣を握りしめ、混沌の軍団に一人で立ち向かうかのような、決死のヒロイズムを表現している。

3. ホーン・オブ・フェイト
Horn of Fate (The Chronicles Of The Black Sword - The End Of An Era Part II)
オープニングの勇壮なケルト系のメロディから、壮大な剣と魔法の世界が描かれる重厚な楽曲。《運命の角笛》を吹き鳴らさんとするエルリックの勇士が描かれた楽曲でもあり、彼は世界を終結させるために、その角笛を三度鳴らさねばならない。それこそが彼にのみできる使命であり、運命なのである(エルリックが角笛を手にする前、それは異次元の勇者ローランが持っており、エルリックは戦いの末に角笛を奪い去った)。悲壮感に満ち、どこか勇ましい後半の劇的な展開には度肝を抜かれる。まさに"永遠の戦士"、エピック・メタルという言葉が相応しい楽曲である。そして、とにかくメロディがいちいち勇ましい。

4. ザ・ライド・オブ・ザ・ヴァルキリーズ
The Ride of the Valkyries
"ヘヴィメタルの父"リヒャルト・ワーグナーの有名なオペラ「ワルキューレ」をモチーフにした楽曲、らしいのだが、ギター・ソロの部分以外はほとんどが自作だと思われる。ワーグナーには失礼だが、ドミネの本曲の方がワルキューレらしい。ドミネが作曲した部分が際立っている。本曲の勇壮さは素晴らしい。

5. トゥルー・リーダー・オブ・メン
True Leader of Men
"The Hurricane Master"を彷彿とさせる、ヒロイック極まりない疾走曲。フランク・ハーバートの小説『惑星デューン(Dune)』を題材とし、その物語の中の戦いについて記された楽曲である。とにかくドミネの楽曲は、大仰なまでにヒロイックなメロディを叩きつけるものが多く、ヒロイック・ファンタジー小説が体の芯まで沁み込んでいるファンには、耐えられないほどの高揚感が襲ってくる。本曲のコーラスの展開がまさにそうで、もはや、やり過ぎとまで思える。

6. ザ・ベアラー・オブ・ザ・ブラック・ソード
The Bearer of the Black Sword(The Chronicles Of The Black Sword - The End Of An Era Part I)
アルバム中間部に配置された、今作のコンセプトの第一章目の楽曲。物語を掻い摘むと、人類の誕生以前に鍛造された魔剣、ストーム・ブリンガーと、それを担う者エルリックについて描かれている。彼は数多の名で呼ばれ、旅を続けてきた。今や彼に真実と謎が明かされ、彼は《法》と《混沌》の間で最後の戦いを行わなければならない。楽曲としては、ギター・メロディに重点を置いたミドル・テンポだが、といっても勇壮かつもの悲しいメロディのせいで、他の楽曲と大差のないほどヒロイックに仕上がっている。本曲はドミネ本来の劇的さがよく表現されており、息を飲むかのような緊張感の漂う展開を有している。

7. ザ・フォール・オブ・ザ・スパイラル・タワー
The Fall of the Spiral Tower
他の曲に比べるとやや平凡な楽曲かも知れないが、後半のケルティックなギター・ソロは絶品。曲調も勇壮で非常に好感が持てる。メロディに関しては、ケルティックな雰囲気が存分に漂っている。

8. フォー・エヴァーモア
For Evermore(The Chronicles Of The Black Sword - The End Of An Era Part III)
バラード。これまでの楽曲で息をつく暇が全くなかったので、そのためかと思われる。出来が特別良いわけでもなく、他の楽曲に隠れて印象も薄い。

9. ドーン・オブ・ア・ニュー・デイ
Dawn of a New Day - A Celtic Requiem (The Chronicles Of The Black Sword - The End Of An Era Part IV)
この伝説の最後を締め括る、およそ10分にも及ぶ凄絶な大作。本作の重要な場面を繋いできたエルリックの一大叙事詩は、悲劇的でありながらも感動的な結末を迎える。遂にエルリックは、運命によって定められた行為を成し遂げ、宇宙のサイクルが完了する。彼は新たな世界が始まるのを見る。そして、全てが失われ、新たな一日の夜明けが訪れる(Dawn of a New Day)。それは彼自身の死に他ならず、彼もまた古い世界と共に滅びゆく運命だった。結局のところ、この壮大な叙事詩が物語っているものは、全宇宙の構造(パターン)であり、人類の全ての世界もまた、構造(パターン)ということなのである。ドミネの挑戦は偉大だった。世間では長過ぎるなどと欠点ばかり言われているが、ドラマティックな構成面は抜きん出ている。オープニングでの壮大な勇士のメロディが、メインで繰り返されるパートを聴いたときの感動は、計り知れない。ラストのコーラスを繰り返すパートでは、エルリックが混沌との巨大な戦いを終え、自らもまたその命が尽き、荒野に横たわる姿が目に浮かぶ。一つの伝説が終わった瞬間を感じる、尊い時間だ。この歴史的な達成感を解き放つ長大なエピック・メタル大作は、『STORMBRINGER RULER -The Legend of the Power Supreme-』以外にはない。


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Glory to the Brave

Glory to the Brave
(1997/08/05)
Hammerfall

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★★★★★★★★☆☆...(傑作)

1997年、メロディックメタル界に衝撃を与えたハンマーフォールの1stアルバム。メタルのすべてが混沌としていた時代、伝統的かつピュアなメタルの登場は非常に新鮮だったようである。多くの者がピュアなメタルなメタルを忘れかけたが、彼らのようなメタルを愛してやまない戦士たちがいつの時代も、思い出させてくれるのだろう。このアルバムはOscar Dronjak (G)とイン・フレイムスのJesper Strömblad(Ds)を中心に結成された。そこにJoacim Cans (Vo)が加わり、バンドの核が出来上がった。そして完成した本作であるが、まさにヘビィメタルの新時代を思わせるピュアで勢いのある、若々しい正統派メタルアルバムである。このあまりにもベタで伝統的なピュアメタルが当時のシーンに衝撃を与えても何ら不思議ではない。典型的なヘビィメタルであり、伝統的な要素が惜しみなく詰め込まれている。疾走感、ヒロイズム、メロディ、コーラス、ドラマ性、様式美のすべてを感じることができる。果たしてここまで純粋なヘビィメタルを嫌いなメタルファンがいるのだろうか。聴くことによってメタルの輝かしい、新しい時代の到来を感じさせる内容であり、本当に勢いに満ちている。ドラマティックな展開もメタルファンの心をつかんで離さないだろう。以上を踏まえて、ピュアなメタルを求める多くのメタルファンにお勧めできる作品である。 


1. Dragon Lies Bleeding 
アルバム一曲目にふさわしい、疾走感とピュアなヒロイズムに満ち溢れた名曲である。この曲でアルバムのつかみは完璧といえる。
2. Metal Age 
典型的なパワーメタル曲である。
3. Hammerfall 
まさにヘビィメタルの新時代到来を告げる、究極のピュアメタル。メタリックかつドラマに満ちた曲展開、サビでの漢らしいコーラス、中間部での劇的なメロディ、エピローグの合唱、素晴らしいの一言に尽きる。数あるハンマーフォールの曲の中でも最高峰の完成度を誇るといっていいだろう。歴史的名曲である。
4. I Believe 
北欧のバンドらしい哀愁に満ちたバラード。
5. Child of the Damned
アメリカのカルトメタルWarlordのカヴァー曲。なんともマニアックな選曲であるが、彼ら自身とてつもないメタルファンなのだろう。曲もパワフルで見事にはまっているし、色んな意味で微笑ましい。

6. Steel Meets Steel
ヘビィかつメタリックなリフがハンド名のハンマーの如く打ちおろされる熱い曲である。「Steel Meets Steel 」の掛け声は特に熱く、思わず叫んでしまう。ツインハーモニーも高揚感を高めるものとなっている。実に練られた曲だ。
7. Stone Cold

リズムよく突き進んでいくミドルテンポ。ここでもメタリックなリフは健在である。またメタルらしい掛け声も良い。
8. Unchained

スピーディなパワーメタルであり、フックもあり良くできている。
9. Glory to the Brave 

アルバムのラストを飾るに相応しい、ある種のエンディング的な雄大なバラード。サビの勇ましいメロディに、後半戦士のような合唱が入るところは感動的ですらある。曲自体に漢のロマンのようなものを感じる。
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パワー・メタル (Power Metal) 

正統派メタルをよりアグレッシブにしたメタルの総称。

正統派メタルのもつ伝統性を踏襲しつつ、よりパワフルにしたスタイルのことを我々はパワーメタルと呼んだ。このスタイルには多くのメタルバンドが当てはまるだろう。スラッシュほど過激ではなく、メロディもしっかりしていることから、メタルファンとしては非常にとっつきやすい型である。重厚かつメタリックなリフの壁にスピーディなツーバスの疾走が加わることが多い。しかし最も特徴的なのは詩世界である。ブラックメタル/デスメタルが悪魔や死などの暗黒世界を題材にしているのに対し、パワーメタルは剣と魔法、ドラゴンと英雄などの幻想世界を題材にしている。この傾向が顕著に表れているメタルもあり、極端なものとなるとエピック・パワー・メタルと形容されることもある。簡潔にするとパワーメタルとは"伝統的なメタルをよりパワフルにしたヘヴィメタル"ということになる。 

歴史としては80年代後半に始まったとされ、ドイツのアクセプト、ランニングワイルド、初期ハロウィン等がなどが原型といわれる。またアメリカのパンテラは「パワーメタル」というアルバムをリリースした。このジャンルは類似ジャンルのメロディック・パワー・メタルの歴史と共通する要素が多いため、そちらを参照にされたし。


代表的なバンド
METAL CHURCHRunning WildIRON SAVIORACCEPTICED EARTH
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Ensiferum

Ensiferum
(2001/06/10)
Ensiferum

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★★★★★★★★★☆...(定盤)

フィンランドの勇者エンシフェルム。この名はラテン語で「剣を持つ者」との意味である。
その名からも想像できるように、勇猛果敢にして劇的なまでにヒロイック極まりないサウンドを有している。北欧民謡、ケルト音階を思わせるトラッド・フォークの要素の導入は、果てしない哀愁と中世のロマンを思わせる。さらには北欧の戦士(ヴァイキング)の戦いの武勇や伝説・神話をモチーフにした叙事詩的な歌詞、映画のような手法も取り入れ、一部ではそのメタルを「ロード・オブ・ザ・リング」とすら形容する者もいる。
 
かつて伝説とさえ言われたヴァイキングメタルバンド、ミソチィン亡き今彼らはその正統な後継者と言えるだろう。ヒロイック/エピック系メタルファンなら必聴である。 

このアルバムは2001年に発表された彼らのデビューアルバムである。しかし…まず聴いてみてその圧倒的ともいえるヒロイズムに悶絶の応酬であった。あまりにもヒロイックかつドラマティックな楽曲の数々、中世的な世界観といったこの手の音楽に必要な要素がやりすぎなまでに詰まっている。また楽曲のすべてが、名曲に値するであろう曲の完成度であり、絶大なるインパクトを持ち合わせている。戦士のドラマを思わせる楽曲の展開や、荒々しい中にもアコースティカルな静寂さが盛り込まれており、非常に奥深さを感じさせる。
まさに戦い、戦士のヘヴィメタルと呼べるだろう。


1.Intro 
アルバムのオープニングであり、静かに中世の民族音楽を奏でる。チェンバロとスパニッシュギターのような音色が幻想的だ。
2.Hero in a Dream 
イントロからまさに期待を裏切らない曲である。勇猛果敢なメロディと劇的な展開にはただ脱帽といえる。ヒロイックなケルトメロディが印象に焼き付く名曲。
3.Token of Time 
まるで騎士のRPGとでもいうような冒険の如き興奮を覚える、民族的なメロディが劇的に展開される名曲。途中の民謡パートも素晴らしい。
4.Guardians of Fate 
ヴァイキングメタル史に残らざるを得ない歴史的名曲。とにかくこの馬のような疾走とヒロイックメロディの融合には悶絶必至である。全編を貫く戦士が歌っているかと思わせるヒロイックなクワイアはあまりにも漢らしい。特にサビのコーラスではアドレナリンが異常放出してしまうほどである。そして、クライマックスの「ヘイヘイヘイ」のかけ声は一生記憶に焼き付くことだろう。
5.Old Man 
ミドルテンポで勇壮な哀愁を奏でる曲。疾走曲もさながらミドルにも力が入っておりこのバンドは安心して聴ける。しかし後半の疾走パートはやはり秀逸。劇的。

6.Little Dreamer
ミドルで始まるも一変、中世の民族騎士を思わせるメロディで爆走する名曲。サビでの勇ましいコーラスと荒々しい疾走の連打には震える。ここにに来てもヒロイックなフレーズが連発され笑うしかない。中間部のドラマティックな歌声から疾走の流れには驚愕。さらにはエピローグもあり余韻を残す。つまりは完璧ということである。

7. Abandoned 
ヤリ・マエンパ(Vo、g)が戦士のようなクリーンヴォイスで歌い上げ、そこにヒロイックなギターメロディが絡む様は圧巻。まさに北欧の戦士の哀愁を思わせる。
8.Windrider 
個人的にはランニングワイルド系のヴァイキングメロディで疾走する曲。そこも魅力的なのだが、中間部の劇的なまでに美しく幻想的なロマンスパートが凄まじく、聴く価値は十分すぎるほどある。もはや英雄ファンタジーであろう。
9.Treacherous Gods
勇壮極まりないクワイアが魂を高揚させる曲である。そしてまたもや後半から激烈にヒロイックなパートが開始。馬を駆る勇者か。とにかく戦士の民謡とともに疾走する様は悶絶に値する。
10.Eternal Wait 
聖歌隊のような重厚なクワイアが胸を打つ。こういった映画的な手法も見事にはまり、彼らの音楽性の高さと可能性を感じさせる。

11.Battle Song
タイトルからしても分かるように北欧戦士の戦いの歌である。激烈な疾走からサビのとてつもなくヒロイックなコーラスへの流れは言葉にならぬほどの高揚感を得ること必死。そして、最後ここまで来て全曲捨て曲なしとは驚異的である。
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Dragonlord (Tales of Noble Steel)



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 1999
Reviews: 84%
Genre: Epic Power Metal


イタリアのエピック・メタル、ドミネの1999年発表の2nd。


イタリアのフィレンツェ出身のドミネは、唯一のオリジナルメンバーであるエンリコ・パオリ(Enrico Paoli:g)とリッカルド・パオリ(Riccardo Paoli:b)の兄弟に率いられたバンドであり、一貫性のあるサウンドをファンに提示し続け、伝統的なエピック・メタルをドラマティックに創造してきた。一部のカルト的なエピック・メタルのマニアたちから多大な支持を受けたバンドは、1983年の結成後、一時は活動休止に追い込まれたが、不屈の闘志で幾度となく再起した。ドミネのサウンドは、サボタージュ(SABOTAGE)のシンガーだったモービィ(Morby:vo)の加入によって大幅に変化し、伸びのあるハイトーンを武器にして、イタリアン・メタル・バンドが頻繁に陥る、ヴォーカルの難点から脱出することに成功した。オペラティックなコーラスやヒロイックなギター・ソロを多用する箇所も、バンドの大きな特徴だった。

ドミネの第2作『DragonLord(Tales from the noble steel)』は、長々と題された正式名のタイトルからも分かるように、コンセプト・アルバムの手法を採用していた。一般的に《剣と魔法の物語》と呼ばれる、古代の魔法が支配し、剣が猛威を振るう様々な時代を主な舞台として、本編の楽曲は成立した。幻想的なアルバム・タイトルが物語っているように、"メルニボネのエルリック"(*注釈)が作品のメイン・コンセプトだった。ドラゴン王(DragonLord)とは『永遠の戦士』である主人公、エルリックのことに他ならない。ドミネの《剣と魔法の物語》に対する思い入れは相当なものであり、この後のアルバムにもその傾向は顕著だった。

本作は雄大なヒロイック・ファンタジーのコンセプトに忠実であり、シリアスな作風を貫き、徹底して作られている。この手の音楽に必要な語り(ナレーション)、SEの導入など、エピック・メタルの愛好者には御馴染みの内容が登場する。また、今回はキーボード奏者として新たにリッカルド・イーアコーノ(Riccardo Iacono:key)が迎えられており、バッキングでも重厚感が増している。ケルト音楽に通じる幻想的な音色も使いこなし、まさにそれらしい世界観を描いている。ギター・サウンドは伝統的な正統派メタルの流派を踏襲しており、ヘヴィメタリックなリフや情熱的なギター・ソロが高揚感を高めていく。これらの要素は非常に荒々しく、またヒロイックであり、典型的なエピック・メタルを名乗るに相応しい出来だった。楽曲の完成度の高さから、地元イタリアでこの『DragonLord(Tales from the noble steel)』が"ALBUM OF THE MONTH"に選出されたのは必然的な結果だった。

本作にてドミネは、既に絶対的な個性というものを開花させている。過去のバンドたちを調べても、ここまで剣と魔法の世界を忠実に再現したエピック・メタルはあまりなかった。なぜなら、その大半は気高い理想に反して、チープなサウンドに収まっているからだ。しかし、ドミネは驚くべき内容を『DragonLord(Tales from the noble steel)』の中で披露し、かつての常識を覆した。ある種、本作はヒロイック・ファンタジー系のエピック・メタルの一つの到達点ともいえる内容だった。 エピカルで劇的にヒロイックなヘヴィメタルを探していて、妖艶な幻想世界に浸りたいのなら、このアルバムは迷わず買うべきリストに含まれるだろう。

*注釈:原題「Elric of Melniboné」。 エルリックとは、イギリスの小説家マイケル・ムアコックの創造したヒロイックファンタジー巨編『永遠のチャンピオン』シリーズの中の《エルリック・サーガ》における主人公の名。またメルニボネというのは、物語の舞台である新王国が勃興する以前に、一万年に渡り世界を支配した世界の中心に位置する竜の島のことである。エルリックはメルニボネに生息する人類とは異なる人種《メルニボネ人》であるため、このような命名をとる。



1. 宣戦布告
Anthem (A Decloration of War)
先述したように、《剣と魔法の物語》の世界を描く幻想的なイントロダクションである。戦いが始まる様の緊迫した雰囲気を漂わせる。

2. サンダーストーム
Thunderstorm
モービィの超絶なハイトーンが炸裂する名曲。タイトルでもある歌詞「Thunderstorm」を連発するパートのインパクトは絶大。その部分が「チャンダァァァァストォォォォム」と聴こえるのも凄まじい。この時点で既にシリアスな緊張感が絶えない。爆発力に満ちており、素晴らしいカタルシスを感じさせる。また、高速のドラムと共に刻まれるリフも漢らしさを感じさせる。

3. ラスト・オブ・ザ・ドラゴンロード
Last of the Dragonlords (Lord Elric's Imperial)
メルニボネのドラゴン王の最後を歌う叙事詩である。最強のドラゴンたちが高く飛ぶ時、彼は最期を遂げるであろう。邦題は「エルリック軍の進撃」。実に大胆な訳をしたものだ。ミドル・テンポながら非常にヒロイックな雰囲気が漂う楽曲であり、エピック・メタルらしい緊張感に満ちている。サビでのエルリック軍の進撃を思わせるコーラスは実に秀逸。何度でも聴きたいメロディーである。また、中間部のギター・ソロも素晴らしく、英雄の長い道程を想像させられる。

4. ブラッド・ブラザーズ・ファイト
Blood Brothers' Fight
メタリックなギター・リフがザクザクと幻想的なキーボードの中で刻まれる佳曲。ヴァースへの流れは、ヒロイックなヘヴィメタルらしい。途中でのテンポ・チェンジ、及びケルティックなギター・メロディの導入などドラマ性も高い。

5. ディフェンダー
Defenders
古代世界の威厳を伴って疾走を繰り返す名曲。高速のメタリックなリフに、ドラマティックな歌パートが繋がる部分は胸を打つ。キーボードも幻想的に絡み、唯一無二の世界を描く。後半の劇的なテンポ・チェンジから雄々しい掛け声への流れには、戦士の闘争本能が呼び起こされる。サビでの荘厳なコーラスは素晴らしく勇ましい。ラストの超絶なハイトーンの咆哮も身を震わせる。

6. 軍神マーズ
Mars, the Bringer of War
不気味な語りが始まるインストゥルメンタル。これは調べた結果、エルリックが地獄の公爵アリオッチに助力を求める場面であるらしい。

7. ドラゴンロード
Dragonlord (The General Master of the Mightest Breasts)
新王国にて行われる数々の戦争、千もの戦場を駆けるエルリックの波乱の戦いを物語る。彼は黒き剣の使い手であり、光の帝国メルニボネの王子、そして、ドラゴンの王として運命(フェイト)によって定められている。この楽曲は、その悲壮なる英雄エルリックのメイン・テーマ。壮絶な大作である。まさにエルリックの世界観を限りなく表現した、雄大な名曲。オープニングとラストに配置されたシンガロング・コーラスの勇ましさは天にも昇る。女性コーラスが入る箇所は絶品。メロディと行進曲調が一体となり、ヴァースからコーラスへの雄大な流れは、恰もチャンピオンたちの剣と魔法の戦いを傍観しているかのような錯覚に陥る。劇的な展開は終盤にも配置されており、圧倒的なヒロイズムを放つ壮大なギター・ソロから、王国調のリズムへの展開を聴いた時、あなたは架空のチャンピオンになっている。

8. 神々の炎
Uriel, the Flame of God
勇壮なギターが絡み合う佳曲。ダークな雰囲気は果てしなく妖艶に響く。

9. シップ・オブ・ザ・ロスト・ソウルズ
Ship of the Lost Souls
重く暗い雰囲気が支配したエピック・ナンバー。

10. ザ・バトル・フォー・ザ・グレート・シルヴァー・ソード
The Battle for the Great Silver Sword(A Suite in VII parts Opera III)
全7章から構成される巨大なオペラ。およそ10分以上にも及ぶ雄大な大作である。かの有名な『アーサー王伝説』にインスパイアされた内容。この物語は15世紀になってまとめられたが、実際にはその1千年も前に存在していたという。これは中世時代が本格的に幕を開ける前時代のことであろう。本曲では、暗黒時代の陰鬱なる世界観を、古代と中世を掛け合わせたような絶妙なムードを表現しており、バンドの叙事詩的な描写センスを見せる。特に、混沌の神に対し騎士が聖剣を懇願するパートでもある、サビ前の高潔かつ大仰なモービィの熱唱が、途轍もない勇ましさである。目まぐるしく紡がれるギター・ソロもそうだが、実に英雄的なメロディを惜しみなく導入している。しかし、本曲が冗長であるという批判を受けることも多い。


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megadetah2

  
メタルを語る上で欠かせないバンドはいくつもある。
 
今日ここに紹介する「スラッシュメタル四天王」はその中でも、特に重要なバンドたちだろう。その名の通り四天王は4バンドあり、メガデスもその1つに数えられている。 

今日語っていくのは他でもない、バンドの創始者デイヴ・ムステインと共に歩んできたスラッシュメタルバンド・メガデスの苦難の道のりである……。


1982年、メガデスのリーダーとなるデイヴ・ムステインはメタリカにギタリストとして在籍していた。しかし、メタリカのメンバーとの諸問題により、バンドをクビになってしまう。(その頃のデイブはかなりの不良だった)当時のデイブの心の傷は相当なもので本人いわく「親の死より辛かった」そうだ。もしかしたらここからデイブの苦難の道のりは始まったのかもしれない。
その後、メタリカへの復讐心とメタルへの思いを捨てきれなかったデイヴは、たまたま自分のアパートの近くに住んでいたベーシストのデイヴィッド・エレフソンと出会う。夜な夜なベースを爆音で弾くエレフソンにデイブは怒り苦情を言いにいって喧嘩になった。これがメガデスの始まりであった。
そして85年、新たにギタリストとドラマーを加え、念願の1stアルバム「Killing Is My Business... And Business Is Good!」を発表した。(他の四天王に比べ、彼らの1stのリリースは遅かった)この頃から複雑でテクニカルなメタルの要素は含まれていたが、メンバー全員の麻薬中毒のせいで資金が底をつき、劣悪なプロダクションに陥ってしまったという。今でもその音質の悪さは、レコードで聴くことができる。(しかし2002年には念願のリマスターがされた)デイヴの精神状態に伴いメガデス内部での麻薬中毒などの事件は、今後さらに頻繁に起こることとなる。
続く86年には、初期の名盤「PEACE SELLS... BUT WHO'S BUYING?」を発表。タイトルの「平和を売る……しかし誰が買うんだ?」という衝撃的な歌詞等で社会・政治への皮肉を過激なまでに表現した本作は、メガデスの歴史において最高傑作と称するファンも多い。無論私も大好きな作品だ。サウンドはさらに知的になり、彼ら独自のスタイルを完成させた。デイヴはこのメタルを"インテレクチュアルスラッシュメタル"と呼んだ。また、アルバムのジャケットに登場しているヴィック・ラトルヘッドも彼らならではのコミカルな演出としてファンに好まれた。
88年には3rd「SO FAR SO GOOD...SO WHAT!」を発表。このアルバムには、メタリカ時代の親友クリフ・バートンの死に触発されて書いたという名曲を収録。(これについてはリマスター版のブックレットに入っているデイヴの解説に興味深いことが書かれている)なんとこのアルベムはメタルとしては異例のプラチナムアルバムを獲得した。
1990年には歴史的名盤として名高い4thアルバム「RUST IN PEACE」が発表された。もはや伝説的なギタリストのマーティ・フリードマンとドラマーのニック・メンザを迎え、メガデスは黄金時代を迎えるこことなる。マーティのメロディックなプレイにより洗礼された知的なメタルは、最高の域に達していた。
1992年、5thアルバム「COUNTDOWN TO EXTINCTION」発表。以前より若干抑えめなサウンドはよりシンプルとなり、結果として全米チャート初登場2位という驚異的な数値を記録。しかしその後、治まったかと思われていたデイヴの麻薬問題が再浮上し、メガデスはまたもや危険な状態に陥っていくこととなる。
しかし定期的にアルバム製作は続き1994年、6thアルバム「YOUTHANASIA」を発表する。メロディアスなサウンドで全米チャート初登場4位を記録した。
1997年には7thアルバム「CRYPTIC WRITINGS」を発表。黄金時代の集大成的なアルバムだが、メンバーの間に生じた不具合はぬぐい切れなかった。アルバムのポップな内容は、当然ながらファンの間に物議を醸し出した。
さらに1999年の8thアルバム「RISK」ではポップな内容になり、一部ではメガデスは終わったとまで囁かれた。メンバーとの関係もさらに悪化し、2000年には最高のギタリスト、マーティ・フリードマンまでが脱退してしまう。
しかし2001年、起死回生を込め「THE WORLD NEEDS A HERO」を発表。だが現実は甘くなく、中途半端な内容はファンには受け入れられなかった。
そして2002年、衝撃的な事件が勃発。バンドのリーダーであり創始者でもあったデイヴ・ムステインが突如脱退。結果的にバンドは解散してしまう。さらに悲しいことに、デイブは自分のギターをオークションで売り払ってしまったのだ。誰もがメガデスの歴史は終わったのだと、そう思った。
……それから約2年間、デイヴは自分の人生を振り返った。そして彼は……やはり自分はメタルをやり続け、メタルに一生を捧げるために戻ってきたのだった。再びアルバム制作の意思を固めたデイブは着々と準備を続けた。そして2004年にメガデス名義で発売されたアルバム「THE SYSTEM HAS FAILED」は過去のファンの度肝を抜くテクニカルでメタリックな独特の内容で、完全にメガデス再生を世界に知らしめることとなった。私も今でも普通に聴いている傑作アルバムである。その後の彼の話では、メガデスとして再びツアーに出た際のあまりのファンの熱狂ぶりに、メガデスを再び続けていくことを決心したのだそうだ。
それが通じたのか2007年にはアルバム「UNITED ABOMINATIONS」を発表。全米チャート8位を記録するに至った。このアルバムも初期を思わせる攻撃的でテクニカルで邪悪な要素満載で、素晴らしいアルバムとなった。
続く2009年には12thアルバム「ENDGAME」を早くもリリース。黄金期を思わせるエクストリームな作風はメガデス順風満帆を思わせ、また熱心なファンをも熱狂させた。良く言われることだが、もはや彼らの"キリング・ビジネス"はメタル界になくてはならないものとなった。
そして2010年、メガデス復活を再現させるほどの衝撃をファンに与えたのが"ジュニア"として知られるオリジナル・ベーシスト、デイヴィッド・エレフソンの復帰である。メガデスにとってなくてはならないとファンの誰もが思ったデヴィッド・ジュニアが戻ってきたのである。彼はデイブとこれまでのこと(彼らの間には様々な問題があったのだ)を話し合い、遂には和解することができたのである。偶然が呼んだ軌跡かも知れないが、メガデスは再び再生したといっても過言ではないだろう。2010年もメガデスから目が離せない。
今後もメガデスの歴史は、メタルの世界と共に歩み続けるだろう。



……このように苦難の道のりを歩んできたデイヴ・ムステインことメガデスは、メタルファンにメタルとは何なのかを教え、私たちにすべてを捧げる価値のあるヘビィメタルを与えてくれた。 
私はデイブに教えられたことがある。それは、"メタルは何度でも再生することができる"ということである。デイヴはメタルを信じていたからこそ、幾多もの苦労を越えてこられたのだと思う。時には生死に関わることさえも。
メタルは本当に人生を賭けてもいい音楽だと、私はメガデスを通して思うきっかけとなったのだ。彼には感謝しきれない。
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メロディック・パワー・メタル(melodic power metal)


メロディックで正統派より攻撃性のあるヘヴィメタルの総称。

このジャンルはスラッシュメタルと並び日本人にはなじみ深いジャンルである。キャッチーな旋律を大胆に対し、そこにメタルのパワフルなアグレッションが加味されるというスタイルは、多くのファンが好む要素である。メロディックパワーメタルは主に欧州ドイツより発祥しており、ヨーロッパ全域に広がっている。欧州にはアメリカに比べ、圧倒的にメロディックパワーメタルバンドが多いのもその表れである。
基本的なサウンドとしては、先述したように明確ではっきりと聞き取れるメロディを導入していることが挙げられる。その大仰とも取れるメロディは一般的に"クサメロ"と形容され、このメロディの質によってバンドの評価が判断されることも多い。
メロディックパワーメタルを簡潔に表現するとなると"メロディアスで勇壮なパワーメタル"となる。また、メロディックメタルとパワーメタルの融合などと形容するとより理解しやすい。


歴史:
gammaray2メロディックパワーメタルの歴史は、ドイツのハロウィンから始まったというのが一般的な定説である。ハロウィンの1987年から始まったコンセプト・アルバム「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」シリーズが成功を収めると、ファン達は新たなジャンル、メロディックパワーメタルの幕開けを感じ取った。彼らに影響を受け、80年代後期から90年代初期にかけては様々なバンドが登場した。中でもハロウィンを脱退したカイ・ハンセンが結成したガンマ・レイ、ハロウィンのスタイルに加えファンタジックな方向性を打ち出したブラインド・ガーディアン、独特のスタイルで他の追随を許さないレイジは、現在も第一線で活躍している。興味深いのは、彼らはいずれもドイツ出身だということだ。


hammerfall1しかし90年代の中期ごろになると、このジャンルは全く注目を受けなくなり、リリース等も極端に減り、シーンは低迷してしまう。そんな中でシーンに躍り出たのが、スウェーデン出身のハンマーフォールだった。彼らは1997年発表の1stでメロディックシーンに衝撃を与え、アルバムは欧州で異例のヒットとなった。このアルバムに網羅されたピュアなサウンドが、方向性を見失っていたシーンに新世代の風を吹き込み、メタルファンの心を掴んだという結果だった。
彼らのデビューに続き世界的にメロディックパワーメタルに注目が集まり始めると、まず大国ドイツのEDGUY(エドガイ)が3rd「VAIN GLORY OPERA」(1998)で成功を手にし、ハロウィンの再来といわれる。また元ムーンドックのクリス・ベイ率いるFREEDOM CALLも1st「STAIRWAY TO FAIRYLAND」(1999)でエピカルなメロディックパワーメタルを網羅しデビューを飾った。一方メロディック・メタルの偉大なるマスター、ストラトヴァリアスを生んだフィンランドからはソナタ・アークティカが美旋律を纏った1st「Ecliptica」(1999)でデビューした。彼らは新世代に必要不可欠な若々しい才能と力で、成功を手にしていったのである。
21世紀世紀に入ると、幾つもの優れたメロディックパワーメタルバンドが次々とデビューを飾るようになる。スペインからは今やシーン欠かせないメロディック・モンスターへと変貌したダークムーアが2nd「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」(2001)でシーンに異臭を放つ。またスウェーデンからはDRAGONLANDが超絶なメロディックスピードメタルアルバム「THE BATTLE OF THE IVORY PLAINS」(2001)で鮮烈なデビューを果たす。これらの新世代のバンド達は、メタル新時代の象徴である。そして、現在も新たなメロディックパワーメタルバンドは生まれ続けている。

このように見ていくと、まさにメロディックメタルシーンは、メタル界の一角を担う強大なマーケットへと変貌を遂げたことが分かる。同時に、初心者にも馴染み易いこのジャンルの開拓は、新たなヘヴィメタルのファン層の獲得にも繋がっており、現在も更に拡大中という事実がある。これも背景に、優れたポテンシャルを持つメタルバンドの存在あってこそだということを、常に忘れてはならないのである。

注)今回、類似ジャンルとして主に本国で発達したメロディック・スピード・メタルについては、メロディック・パワー・メタルの枠の中で扱うのでご了承願いたい。なぜかというと、全てのメロディックなメタルは世界的な視点でメロディックパワーメタルの一括りになるからだ。


代表的なバンド
BLIND GUARDIAN、DARK MOOR 、DRAGONLAND 、EDGUY、FREEDOM CALL 、GAMMA RAY 、HELLOWEEN、HEAVENLY、HAMMERFALL 、LABYRINTH、MASTERPLAN、NOCTURNAL RITES、SONATA ARCTICA
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