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Introduction

Robert_E_Howard

「エピック・メタルとは、叙事詩的なヘヴィメタルの総称であり、主に大仰かつ劇的でヒロイックな音楽性を示す言葉である」 [More stats] 

 ──Cosman Bradley


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WRATHBLADE 「Into the Netherworld's Realm」
VIRGIN STEELE 「Nocturnes of Hellfire & Damnation」
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Cirith Ungol 「King Of The Dead」
Manilla Road 「To Kill a King」

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ザ・ヴァランジャン・ウェイ~大海原の覇者~

TURISAS the 2nd album in 2007 Release
★★★★★★★★★☆...(傑作)

チュリサスの2007年発表の2nd。


シンプルに『Battle Metal』(2004)と題された第一作で鮮烈なデビューを飾ったフィンランドのチュリサスだが、次作で更に濃密な内容のコンセプチュアルな作品を発表することは、安易に予想できた。 前作に収められた内容から我々が感じ取ったことは、まずチュリサスがエピカルでサウンドトラックのような壮大なヘヴィメタルを目指しているということであった。それは『Battle Metal』でも大まかに表現されはしたが、チュリサスは更なる可能性を秘める要素を多く持っていた。事実、普遍的なバンドであるならば途中でやめてしまうような大仰極まりない楽曲を何のためらいもなく作り上げるウォーロード・ナイガルド(vo、key)は、確かにとんでもない才能の持ち主であった。
今回ウォーロードは自らが旅をした体験をヒントにして北欧人の旅の物語を作り上げた。中世のヴァイキングたちはかつて"ヴァランジャン(これはヴァイキングの一派の名でもある)"として知られていたルートを通り、様々な困難や冒険を潜り抜け、最終的にはコンスタンティノープルの城塞を目にすることになる。本作『The Varangian Way』に収録された楽曲群は、すべてそのストーリーに基づくものだ。我々はチュリサスの圧倒的な進化を遂げた本作を聴き、スペクタクル映画のような興奮と感動を味わい、古い時代の人々が体験したことを一瞬垣間見ることになる。広大な大洋に投げ出された一艘のヴァイキング船の如く、我々は新たな土地を、新たな出会いを享受するのである。およそ40分という短い本作を聴き終えるのが如何に早いことを惜しまずにはいられないが、素晴らしい時間とは一瞬にして消え去ってゆくものだ。そう、恰も中世のヴァイキングたちの身をなじる北風のように……


1. To Holmgard and Beyond
勇壮な漢たちによる泥臭い船出の回想を漂わせる、感動的な楽曲。本作ではウォーロードがすべてクリーンヴォイスで歌っている箇所にも注目したい。
2. A Portageto the Unknown
ロシアの地を通るヴァイキング一派の様子を描いた楽曲。方向性は#1と似通っているが、こちらの方が落ち着いた雰囲気を宿している。当然の如く、サビでは大仰なクワイアが聴ける。
3. Cursed Be Iron
デスメタル的な攻撃性を宿すパートが印象的。
4. Fields of Gold
勇猛果敢な雰囲気を纏って突進するチュリサスの真骨頂。無論唐突に勇壮なだけではなく、本作の歴史を題材にしたストーリーであるように、重厚感に伴った説得力も加わっている点は是非とも特筆しておきたい。
5. In the Court of Jarisleif
民族的であり、ダンサブルなナンバーである。
6. Five Hundred and One
本作のハイライト。一同の運命を左右する重要な局面を描く。後半のまるで映画のような展開は、聴き手に怒涛の興奮を引き起こす。
7. The Dneiper Rapids
ギリシアの文化が息づく地域では、その土地にあった音楽性を取り入れる。例えばこの楽曲のように、幽玄なクワイアが追加されるのだ。
8. Miklagard Overture
一行は遂に目的地であるコンスタンティノープルに到達する。まさに栄光を勝ち取ったかのような燦然たる内容は、壮絶な余韻を残し、本作が紛れもない傑作であることを再確認させられることになる。
9. To Holmgard And Beyond
#1の別ヴァージョン。
10. Rex Regi Rebellis 
前作収録の名曲のフィンランド語ヴァージョン。重厚感を増した本作のサウンドによって生まれ変わったこの名曲は、圧倒的な陶酔感を抱かせるまでに壮大な内容となっている。



Review by Cosman Bradley
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バトル・メタル

TURISAS the 1st album in 2004 Release
★★★★★★★★☆☆...(佳作)

チュリサスの2004年発表の1st。


ムーンソロウやエンシフェルム等の高品質なヴァイキングメタルで知られるフィンランドから、大仰なホーンセクションと共にデビューを飾ったチュリサスは、その第一作目『Battle Metal』で強烈な印象を残すことに成功した。1997年の結成以来、密かにヴァイキングメタルの"戦闘"に特化した作品を作り上げることに尽力してきたウォーロード・ナイガルド(vo)がようやく世に送り出したこの泥臭くも戦士らしい哀愁に満ち溢れた作品は、これらのヒロイックなヘヴィメタルのファンの目に留まらぬはずもなく、瞬く間にチュリサスの名は名声を欲しいままにした。強力な印象を持つチュリサスの楽曲群にはまだ成熟していない部分が見受けられたものの、それを補うほどの、恰も青光りする鋼の剣のような鋭さを持っていたのだ。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

本作の方向性について、我々はある程度エピカルな側面を指摘しなければならないであろう。元来ヴァイキングメタルというマニア向けに過ぎないサブジャンルは、大衆から忘れ去られた叙事詩の断片と民族的な思想を内包するものであった。大仰にも『Battle Metal』と題されたチュリサスの本作は、極めてヴァイキングらしい方向性に特化した作品であることを、我々はここに認めなければならない。チュリサスの北欧の民族らしいペイガニズムに満ちた楽曲群や、古い時代の叙事詩を題材にする部分は、ヴァイキングメタル特有の血生臭さで満ち溢れている。
チュリサスのほぼすべての楽曲を手掛けるウォーロード・ナイガルドが「これは戦いのサウンドトラックだ」と語るように、本作収録の#10~#11はフィンランドの作家サカリアス・ペトリウスにインスパイアされた楽曲であり、17世紀頃の欧州の30年戦争をモチーフとした大作である。ウォーロードがこの叙事詩的な物語のアイデアをチュリサスでエピック・メタルとして消化することを特に重要視したように、我々もまたこの楽曲の重要性について考察しなければならない。
大仰な音楽性や自身のスタイルに適した題材を選出することこそが、エピカルなヘヴィメタルとして更なる高みに上り詰める必須条件であることを、上記の"Rex Regi Rebellis"は雄弁に物語っている。我々は興味深い例を知っている。執筆に入る前に物語の全容(イメージ)を掴んでおくことは、小説においても大切な過程である。後からつけ足したような貧弱な内容では、物語を完結させることは出来ない。小説家は余程の想像力がない限り、思いつきで物語を書くことは難しい。これらと同じように、叙事詩的なヘヴィメタルを完成させるためには、メロディよりも先に題材を選出しておき、後はイメージに沿った楽曲に肉付けしていかなければならないのである。エピックメタルとは、ポピュラーな音楽とは大きく異なった分野に属している。
また崇高な叙事詩を再現するためには、様々な楽器を用いた豪華なサウンドを作り上げることも重要である。本作に収められた雄々しいホーンセクションや郷愁の念を誘うヴァイオリンやアコーディオンの音色は、それらの戦闘的な世界観を表現する際に、ヘヴィメタルの枠を飛び越えて聴者の視覚を刺激する。難解な叙事詩や英雄譚を題材に楽曲を作ることは簡単だが、その世界観を忠実に表現できなければ意味がない。チュリサスは自分たちにとって馴染み深いであろう神話や伝承を扱う術を、非常によく熟知しているバンドなのだ。


1. Victoriae & Triumphi Dominus
華々しく幕開けるイントロダクション。戦場に向かう戦士を鼓舞するための音楽にも聞こえる。
2. As Torches Rise
アルバムの序盤に相応しい勇壮な楽曲。勇敢な雰囲気が支配する反面、戦場の哀愁も漂う。途中の語りの導入によって、より生々しい臨場感を高めることに成功している。
3. Battle Metal
元々は"The Heart of Turisas"という、1stデモに収録された楽曲であった。ここに新たにリメイクされたチュリサスの代表曲は、勇ましさに満ち溢れた名曲として生まれ変わった。なおチュリサスというバンド名は、古代フィンランドの戦神の名に由来する。
4. The Land Of Hope And Glory
帰郷の念について歌った楽曲。エピカルな雰囲気を宿す楽曲であり、荘厳なコーラス部分がヴァイキングらしさを強調する。ヘヴィなリフに乗るヴァイオリンも効果的である。
5. The Messenger
勇壮に駆け抜ける、壮大な戦士たちの戦歌である。
6. One More
冒頭のヴァイオリンパートが秀逸。戦友の無念を感慨深く惜しむ内容を含み、物語のような複雑な展開を持った楽曲である。後半では漢臭いヴァイキング特有の合唱も披露する。
7. Midnight Sunrise
8. Among Ancestors
9. Sahti-Waari
10. Prologue For R.R.R
その名の通り、"Rex Regi Rebellis"への序章。
11. Rex Regi Rebellis
通称「R.R.R.」。曲名は「王は王に対して反逆を行う」というものであり、先述したペトリウスの小説の題材ともなっている。大仰なホーン、中世時代を彷彿とさせる壮麗なストリングスが印象的であり、後半の劇的な展開も相俟って歴史映画の如き興奮を齎す。
12. Katuman Kaiku
「後悔」の名を刻むハーメンリーナの湖から命名されたエピローグ。リコーダーの音色が哀愁を誘う。
13. Till The Last Man Falls
以下の三曲は日本盤のみのボーナス・トラックである。
14. Terra Tavestorum
15. Midnight Sunrise(Liver Version)



Review by Cosman Bradley
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