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「SLAYER(スレイヤー) 」カテゴリ記事一覧


SLAYER 「Seasons in the Abyss」

シーズンズ・イン・ジ・アビス



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1990
Reviews: 89%
Genre: Thrash Metal


スレイヤーの1990年発表の5th。


スレイヤーの第5作目に当たる本作『Seasons in the Abyss』について、頻繁に『Reign in Blood』(1986)と『South of Heaven』(1988)の音楽性を合わせ持った作品であると指摘されるが、その表現こそ本作を最も忠実に再現した言葉であろう。初期スレイヤーの集大成でもある本作は、彼らの魅力を余すところなく詰め込んだ傑作である。
最初、スレイヤーは見境なく暴れ狂う怪人といった有様でデビューしたが、作品を重ねるごとに凶暴ではあるものの、より洗練されていった。その進歩は楽曲の世界観だけには留まらず、表現力を増したメロディ面での進歩にも及んだ。詰まるところ、スレイヤーの目指したスラッシュメタルの美学が、本作には表現されているということである。それはファンを熱狂させるに相応しい要素を有し、また背筋をゾクゾクさせるような恐怖をも伴っている。スレイヤーの血の王朝は終わりなく続き、今後も世界各地で人々に衝撃を与え続けることは間違いない。



1. War Ensemble
冒頭を飾るに相応しい圧倒的なスラッシュ・メタル。洗練されたサウンドがスレイヤーに更なるアグレッションを与えた。暴れ狂うリードギターも凄まじいが、ドラムの激烈さも見逃してはならない。
2. Blood Red
ザクザクしたリフに頽廃的な歌が乗る。リードの旋律は恐怖感を増大させる。
3. Spirit In Black
緩急を交えながらアグレッシブに展開していく。苛烈なリフを冷淡に繰り出していくところが素晴らしい。
4. Expendable Youth
犠牲者に襲い掛かるような、危険な雰囲気を宿したリフを持つ。随所にスレイヤーの得意とする悪魔的なメロディも登場。歌のラインも良い。
5. Dead Skin Mask
メロディを強調した楽曲。不気味な曲調で進む様は異様ですらある。
6. Hallowed Point
超絶な突進力を誇る名曲。その前にはあらゆるものが破壊されても可笑しくはない。
7. Skeletons Of Society
ヘヴィなリフが歯切れ良く刻まれる。表現力を増したトム・アラヤのヴォーカルと共に、ミドルテンポであるにも関わらず緊張感を宿している。
8. Temptation
ヘヴィネスと鋭利さを共存させたリフ、その先にあるのは至高のスラッシュメタルである。中間部から緊張感を増す転調も披露する。
9. Born Of Fire
破壊的な中にも整合性の断片を見出すことが出来る。吐き捨てるようなヴォーカルが特徴的である。
10. Seasons In The Abyss
初期スレイヤーの集大成ともいうべき傑作。緊張感、邪悪さ、攻撃性などすべてが凝縮されている。迫りくるようなリフはスレイヤーの中でも最高のものである。サビらしき部分も存在し、トム・アラヤは陰惨な呪術師の詠唱のような歌唱を披露している。


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SLAYER 「South of Heaven」

サウス・オブ・ヘヴン



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1988
Reviews: 82%
Genre: Thrash Metal


スレイヤーの1988年発表の4th。


人間はしばし盲目に陥ることがある。スレイヤーの前作『Reign in Blood』(1986)の衝撃が強すぎたために、第4作として発表された『South of Heaven』が僅かに遅くなったことで、本作は一部のファンや雑誌で非難の対象とされた。歳月がすべてを解決させるとはよく言うが、歳月が作品に対して再評価の機会を与えるということも、我々は知るべき事実である。
前作同様リック・ルービンをプロデューサーに迎えた本作は、依然として高い完成度を保ち、スレイヤー独自の邪悪な世界観を徹底的に描くことに成功した作品である。スラッシュメタルでは速さが極めて重要視されるが、スレイヤーは世界観を追求することにも尽力するバンドであった。不気味なアルバム・ジャケットそのままの陰惨な世界観は、まさにスレイヤーが描いてきた悪魔の世界のそれであり、聴く者を恐怖で震え上がらせる。平凡な現実とは異なった未曾有の世界に、必ずやファンはカタルシスを覚えることであろう。それこそ、キリスト教や既存の概念に縛られることがないスレイヤーの音楽性である。本作『South of Heaven』は、間違いなく聴くに耐える作品である。



1. South Of Heaven
頽廃的で邪悪なメロディが要の本作を代表する名曲。スピードを落としたとしても、この楽曲から退屈な部分は見当たらない。
2. Silent Scream
サタニックなリフが怒涛の勢いで突進する。前作の圧倒的なスピードに加え、洗練されたメロディを有したところは間違いなくスレイヤーにとって大きな進化である。本作はメロディの向上面においても注目すべきであろう。
3. Live Undead
ドラマ性を増したリフが背後で鳴る。ただ緊張感の抜けた退屈な部分があることも否めない。
4. Behind The Crooked Cross
一定の速さを保ちながら行進する。
5. Mandatory Suicide
威圧感さえ感じるサタニックなメロディから幕開ける楽曲。その後、破壊的なリフへと移動しながら随所にメロディアスなフレーズを挟む。「Suicide」と連発する歌詞も印象的だ。
6. Ghosts Of War
本曲からも、トム・アラヤ(vo)が歌詞を意識して歌うようになったことが分かる。それが楽曲に新たな説得力を与えた。
7. Read Between The Lies
各楽曲の練られ方は非常に進歩している。ヘヴィなリフに邪悪な旋律が絡む。
8. Cleanse The Soul
強烈なスピード感を宿す。間違いなく、本作が遅くなったとの批判を受けたのは、一部の楽曲に固執した意見である。後半には印象的なメロディも配する。
9. Dissident Aggressor
重厚極まるリフが悪魔の軍団の行進のように突き進む。奇声のように唸りを上げるリードギターが魅力的。以外にもトム・アラヤはメロディらしきものを歌っている。
10. Spill The Blood
メタリカとは違い、アコースティック・パートの導入は当時大きな物議を醸し出した。しかし本曲こそは、本作の作風を代表するメロディアスな名曲である。


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SLAYER 「Reign in Blood」

レイン・イン・ブラッド



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1986
Reviews: 91%
Genre: Thrash Metal


スレイヤーの1986年発表の3rd。


ヘヴィメタル史にその名を刻む名作は数あれど、スレイヤーの第3作『Reign in Blood』ほど過激な歴史的名作は存在しない。全10曲およそ30分という怒涛の内容は、正直何が起こっているのかすら分からない凄絶さである。これほどまでに過激な音楽を、スレイヤーはいとも簡単に完成させてしまった。もはや我々が表現する言葉など、この偉大な傑作の前では脆弱な戯言でしかない。「言葉で説明するより聞いた方が早い」という格言は、まさに本作に当てはまる。



1. Angel Of Death
ナチスの虐殺者ヨゼフ・メンゲレについて歌ったという、スレイヤーの名曲中の名曲。この過激極まる楽曲をアルバムの冒頭に配すところも凄いが、この後も更なる衝撃が立て続けに襲いかかる。
2. Piece By Piece
およそ2分の中を、静から動へと破壊的に行進する。
3. Necrophobic
1分半しかないが、怒涛の突進を披露する。まさに何が起こっているか分からない、といった状況である。
4. Altar Of Sacrifice
サタニックなスレイヤーの楽曲を更に過激に進化させたスラッシュメタル。暴虐的なリフ、ドラムが縦横無尽に悪魔の饗宴の様を披露する。
5. Jesus Saves
形容する言葉が見当たらない。
6. Criminally Insane
破壊的なスピードで一気に突進する楽曲。しかし、本作の殆どの楽曲にも同じような表現が適用される。
7. Reborn
重々しいがスピード感のあるリフが無慈悲に叩きつけられる。
8. Epidemic
一層鋭利な刃物のようなリフが刻まれる。途中から転調もある。
9. Postmortem
印象的なリフから開始。破壊的な中にも理不尽な構成力、そして展開力が紛れ込んでいる。
10. Raining Blood
スレイヤーの邪悪な世界観を極限まで極めた名曲。血の雨の降るSEからメロディアスなリフへの流れはあまりにも有名。ブラックメタルを遥かに凌駕した生々しい血の惨劇を連想させる部分は、最もおぞましい恐怖以外の何物でもない。真の恐怖とは、このように決して安易なものではないのだ。近年特に、我々は恐怖の表現を軽んじて用いてしまっている。


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SLAYER 「Hell Awaits」

Hell Awaits



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1985
Reviews: 85%
Genre: Thrash Metal


スレイヤーの1985年発表の2nd。


ケリー・キング(g)、トム・アラヤ(vo、b)、ジェフ・ハンネマン(g)、デイヴ・ロンバード(d)というアメリカで結成された4人組のスレイヤーは、その異様極まるバンド名と共に、スラッシュメタル界に俗悪な名を轟かせていた。記者をして「"Hell Awaits"は、当時のメタル・シーンにおいて最も邪悪で陰惨で病的なアルバムだったと断言できる」とまで言わしめるスレイヤーの第2作『Hell Awaits』は、発売されるや否や世界各地をどす黒い衝撃で襲った。
本作が一般人の手元に渡ると、まず悪魔崇拝、黒魔術、死体性愛を堂々と歌った歌詞が問題視され、瞬く間にスレイヤーは恐怖の存在と化した。スレイヤー畏怖の最大の原因となったのが、紛れもなく『Hell Awaits』に表現された凶悪なサウンドであった。ヴェノム系列のブラックメタルであることは確かだが、パンクやハードコアを極限まで突き詰めた横暴なまでのスピード感は、当時のスラッシュメタル慣れしていない若者にとっては過激すぎた。
現在ではスレイヤーの素性も知られ、彼らが素晴らしいヘヴィメタルバンドであり、メンバーも卓越した人格者であることは既に明らかだが、容易に情報を入手できなかった時代において、如何にスレイヤーの生みだしたスラッシュメタルが斬新で革命的なものであったか、我々は『Hell Awaits』を手にとって事実を確認する必要性があろう。



1. Hell Awaits
2分近く謎の言葉を発する冒頭から異様な雰囲気が漂う(一部では、その言葉が日本の西行法師ではないかという疑惑が持ち上がった)。スレイヤーの生みだした初期の傑作であり、劇的な構成と狂気に満ちる攻撃性が迫真性を伴って襲い掛かる。
2. Kill Again
凶暴なメロディを伴ったリフ、圧倒的なデイヴ・ロンバートの超絶技巧のドラムが融合した名曲。耳を疑うスピードで破壊の光景が散々に描かれていく。
3. At Dawn They Sleep
暴虐的なリフの的確な波状攻撃が不気味さすら感じさせる。中間部分から転調し、メロディアスな面も垣間見せつつ更に暴れまわる。
4. Praise Of Death
破壊的な衝動に駆られるリフ、スピード感が怒涛のアグレッションを生み出す。前方に突進するかのようなリードギターが危機迫る勢いである。
5. Necrophiliac
悪魔が飛び交う様を表現したようなギターの旋律が印象に残る。凶暴なリフが周囲を駆け巡る様は圧巻。
6. Crypts Of Eternity
地獄への階段を上るかのような、苛烈なリフが非常に格好いい。スレイヤーの楽曲の構成力が単純な攻撃性から生じていないことも、既に明白である。
7. Hardening Of The Arteries
最後に#1"Hell Awaits"に似た構成に繋がる。トム・アラヤ(vo)のヴォーカルが狂気に駆られているようで凄まじい。


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SLAYER 「Show No Mercy」

Show No Mercy



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1983
Reviews: 81%
Genre: Thrash Metal


スレイヤーの1983年発表の1st。


過激な音楽性を追求したヘヴィメタルのスタイルは、後にスラッシュ・メタルとして世界各地のアンダーグラウンド・シーンに定着することとなる。スレイヤーはその代表的なバンドとなった。本作は、サウンド面は粗削りだが、既にサタニックでエクストリームな世界観が描き出されている。また、当時のスレイヤーは、イギリスのヴェノム(Venom)から強い影響を受けていた。そのことがはっきりと分かる作品。



1. Evil Has No Boundaries
2. The Antichrist
3. Die By The Sword
4. Fight Till Death
5. Metal Storm/Face The Slayer
6. Black Magic
7. Tormentor
8. The Final Command
9. Crionics
10. Show No Mercy


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