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Introduction

Robert_E_Howard

「エピック・メタルとは、叙事詩的なヘヴィメタルの総称であり、主に大仰かつ劇的でヒロイックな音楽性を示す言葉である」 [More stats] 

 ──Cosman Bradley


◆新着情報 News Topics
[Reviews]
VALKYRIE 「Deeds of Prowess」
WRATHBLADE 「Into the Netherworld's Realm」
VIRGIN STEELE 「Nocturnes of Hellfire & Damnation」
[Release]
Jack Starr’s Burning Starr 「Stand Your Ground」
Cirith Ungol 「King Of The Dead」
Manilla Road 「To Kill a King」

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ラスト・イン・ピース



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1990
Reviews: 90%
Genre: Thrash Metal


メガデスの1990年発表の4th。


再びエド・レプカの齎したカヴァー・アートワークは新たな衝撃で我々の脳髄を直撃することとなった。"Hangar 18"という偉大な名曲を引っ提げて、ヘヴィメタル・シーンに帰還を果たしたメガデスは、強烈無比な第4作『Rust In Peace』を発表するに至った。ライト・パターソン空軍基地のハンガー18に関するUFO隠蔽を扱った"Hangar 18"の世界観がそのまま表現されたカヴァー・アートワークの暗示している内容は、もはや恐ろしくも巨大な社会の裏側を描き出しているのである。作品のタイトルともなっている"Rust In Peace"が導き出す実態とは、軍事社会が齎す核戦争によって、人類の文明が滅び去るように、安穏とした民衆に対する最後の警告のようにも聞き取れる。最も、メガデスそのものであるデイヴ・ムステイン(vo、g)は、単なる社会的な皮肉とユーモラスなアイデアによって、この驚異的な作品の世界観を思いついただけなのかもしれない。
解雇したメンバーに変わりマーティ・フリードマン(g)、ニック・メンザ(d)が新たに加入した本作が、メガデスの第2作『Peace Sells... But Who's Buying?』(1986)と並ぶ傑作である事実は、もはや疑いようがない。流動的なメガデスのメンバーがあるべきところに納まり、満を持して発表された本作は、メガデスという特異なヘヴィメタル・バンドがやってきた活動の集大成を、斬新なギターワークで表現することに成功した。マーティのシャープながらもメロディアスなギタープレイは"Holy Wars...The Punishment Due"という最大級の名曲を生み、作品全体に驚嘆すべき知性と完全なる攻撃性を加えた。前作『So Far, So Good... So What!』(1988)の中途半端なパンクの融合が既に過去の失敗であるかのように、ここに表現されたヘヴィメタルは"インテレクチュアル"以外の何物でもない。それこそが、メガデスの掲げるアイデンティティであり、最大の武器なのである。メガデスはこのスタイルを死ぬまで守り続けていくことであろう。そして、失敗した暁には、再び原点に戻ってくるのである。
本作は2004年にリマスター再販され、4曲のボーナストラックが新たに収録された。デモ音源では、初期ギタリストであるクリス・ポーランド(g)がギターを弾いている。



1. Holy Wars...The Punishment Due
メガデス屈指の名曲。鋭いリフの正確な射撃と、軍隊のような徹底したドラムが迫真性を伴って迫り来る。中間部からのテンポチェンジは、メガデスのドラマティシズムが爆発した瞬間であろう。
2. Hangar 18
先述した通り、アメリカのUFO隠蔽を歌った楽曲である。メロディアスなリフに加え、後半からのニック・メンザの強烈なドラムが光る。なおこの楽曲は、1992年のグラミー賞ベスト・メタル・パフォーマンス部門にノミネートされた。当時スラッシュメタルバンドのノミネートは、異例中の異例であったろう。
3. Take No Prisoners
4. Five Magics
5. Poison Was The Cure
6. Lucretia
7. Tornado Of Souls
8. Dawn Patrol
9. Rust In Peace...Polaris
当時のメガデスの暴虐ぶりを示すような、破壊的な名曲。荒れ狂うリフの波状攻撃は圧倒的である。タイトルの"ポラリス"とは、核爆弾の名前であるという(正確には、核弾頭を搭載した戦略弾道ミサイル)。
10. My Creation
11. Rust In Peace...Polaris (Demo)
12. Holy Wars...The Punishment Due (Demo)
13. Take No Prisoners (Demo)


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So Far So Good So What



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1988
Reviews: 80%
Genre: Thrash Metal


メガデスの1988年発表の3rd。


アメリカで異才を放ち続けるメガデスの第3作『So Far, So Good... So What!』は、解雇した二人のメンバーに変わり、ジェフ・ヤング(g)、チャック・ビーラー(d)が加わって制作された。長らくムステインとエレフソンの"デイヴ兄弟"以外のメンバーは流動的なメガデスだが、当時の二人の横暴ぶりは凄まじかったらしく、メタル界でも誰も寄り付かなかったらしい。メガデスには度々ドラッグ問題も浮上するが、デイヴはそれを「自分自身の弱さだ」と主張する。いかに攻撃的で強靭な音楽をやっていたとしても、ヘヴィメタルは一人一人の葛藤する人間の苦悩の果てに生み出された産物であるということを、我々は知らなくてはならない。
前作『Peace Sells... But Who's Buying?』(1986)で異例の成功を収めたメガデスが発表した本作は、スラッシュらしいダークな雰囲気とは少々違う内容を含んでいる。"Anarchy In The U.K."のカヴァーからも分かるように、パンクの音楽性がブレンドされているのだ。それが本作の雰囲気を前作とは違った魅力的なものへと昇華し、内容的にも十分満足できる作品へと仕上げたのである。メガデスの斬新なアプローチは見事に成功し、アメリカではプラチナム・アルバムに認定されている。デイヴが語るように「オレたちの音楽のシーンでは、超ビッグな数バンドを除けば、プラチナムどころかゴールド・ディスクになるのも稀なことだ」とは最もである。



1. Into The Lungs Of Hell
メガデスにしては珍しい奇抜な冒頭のイントロダクション。次曲への期待感を煽る。
2. Set The World Afire
攻撃的な内容と圧倒的なリフを誇る楽曲。
3. Anarchy In The U.K.
セックス・ピストルズのカヴァー。この時期のデイヴの趣味が良く反映されているといえる。シングル・ヒットとなった。
4. Mary Jane
上記と同じくシングル・ヒットを飛ばした。
5. 502
なんとも単調な楽曲で、本曲を収録するのなら別の楽曲を収録して欲しかった。
6. In My Darkest Hour
デイヴが友人であった故クリフ・バートンに捧げた楽曲。シリアスかつダークな曲調は荘厳なメロディと相俟って、メガデスの楽曲中最高のドラマを演じる。間違いなく指折りの名曲に入る。
7. Liar
社会には嘘が満ち溢れている。メガデスのメンバーもそういった環境で育ってきたのであろうか。
8. Hook In Mouth
PMRCに捧げた楽曲(笑)。PMRCとは過去のコラムでも取り上げた通り、HM/HRを理不尽な理由で弾圧した団体である。デイヴの楽曲中での批判は皮肉めいているが、楽曲は非常にアグレッシヴで優れている。
9. Into The Lungs Of Hell (Paul Lani Mix)
10. Set The World Afire (Paul Lani Mix)
11. Mary Jane (Paul Lani Mix)
12. In My Darkest Hour (Paul Lani Mix)


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ピース・セルズ...バット・フーズ・バイイング?



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1986
Reviews: 89%
Genre: Thrash Metal


メガデスの1986年発表の2nd。


「平和が発売された」という衝撃的なメガデスの第2作『Peace Sells... But Who's Buying?』発表のニュースは、社会に蔓延するどす黒い不満の如く、足早に80年代半ばのヘヴィメタル・シーンを駆け巡った。メガデスが提示した内容には続きがあった。「平和が発売されたが、実際には誰が買うんだ?」皮肉に満ちたデイブ・ムステイン(vo、g)の問い掛けは、我々のような社会人にとって、大きな疑問を残すこととなった。巨大産業と化した軍事社会のシステムから解放されることを、一般大衆は自由と考えていたのであろうか?
エド・レプカによって仕上げられた偉大なカヴァー・アートワークは、3機の戦闘機と共に、あまりにも生々しいヴィック・ラトルヘッドが"Peace Sells(平和を売る)"の看板を持っているという意味深なものだ。これだけでも得体の知れない知的さや社会的なメッセージを読み取ることが出来るが、デイブ・ムステイン、デイブ・エレフソン(b)、クリス・ポーランド(g)、ガル・サミュエルソン(d)という怒れる若者らによって制作された本作の内容は、更なる反骨精神や社会への攻撃の正当性を誇示した、"健全な音楽ファン"たちが恐れるものとなっていた。かつて、評論家たちはスラッシュ・メタルの一方的な攻撃性に対し、感情的な批判を顕にして、その低俗な文化を議論したが、メガデスはその何れにも当て嵌まっていなかったのである。欲望に塗れ、肥え太った腹を露出させる政治家らを冷笑するかのように、メガデスは冷めた態度で核弾頭並の破壊力を持つ、複雑で高度なスラッシュ・メタルを軽々と演奏したのだ。これが"インテレクチュアル(知的な)・スラッシュメタル"と形容されたのは必然的な流れだった。残念ながら、未だに我々はメガデスを押し留めるに相応しい、新たな音楽のスタイルを発見するには至っていない。
本作は2004年に衝撃の復活を果たしたメガデスと共に、新たにリミックスが施され、ボーナストラックの収録という形で再版された。また、2011年にはライブ音源を含めた2枚組という豪華仕様でリマスター再販された。オリジナルよりも遥かに良くなった音質は、このヘヴィメタル史に輝く奇怪な名作を、極上の品質で楽しむには十分なものだ。



1. Wake Up Dead
本作の開始を告げる強力な一曲。ビデオも制作され、世界に衝撃的な印象を与えた。
2. The Conjuring
ヘヴィメタルの持つカタルシス。それを十分に堪能できる楽曲である。
3. Peace Sells
メガデスを代表する名曲である。メロディアスなライン、知的なフレーズ、刺激的な攻撃性が凝縮されて襲い掛かる。ヘヴィメタルとはこうあるべきである。
4. Devil's Island
サタニックなイメージは初期スラッシュメタルに多大な影響を与えた分野の一つだが、メガデスがこれらのモチーフを用いれば当然個性的な名曲となる。
5. Good Mourning / Black Friday
6. Bad Omen
7. I Ain't Superstitious
8. My Last Words
強烈な突進力を誇る名曲。オリジナルでは本曲が最後となる。
9. Wake Up Dead (Randy Burns Mix)
10. The Conjuring (Randy Burns Mix)
11. Peace Sells (Randy Burns Mix)
12. Good Mourning / Black Friday (Randy Burns Mix)


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キリング・イズ・マイ・ビジネス



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1985
Reviews: 84%
Genre: Thrash Metal


メガデスの1985年発表の1st。


スラッシュ・メタル界でも異才を放ち続けるメガデスが1985年に発表した記念すべき第一作『Killing Is My Business... and Business Is Good!』は、当時は劣悪な音質のために誤った解釈を受けていた作品である。本作の荒削りなリフの所有する高い攻撃性や、アルバム・タイトルに見られる社会的な方向性は、極めて異質な存在感をメガデスに与えていたことは、当時からでも否めない。ジャズ畑から発掘されたクリス・ポーランド(g)のセンスも非常に高い(メガデスがジャズやフュージョン等の音楽性に影響されていることは次作でより明白となる)。
バンドのファンは、よく頻繁に創始者デイブ・ムステイン(vo、g)が以前に所属していたバンド、メタリカ──現在ではヘヴィメタル・シーンで最もビッグなバンドである──の初期作品と本作を比べたがるが、メタリカが歳月を経て過去作をリマスター再発したように、メガデスもようやく2002年の第一作のリマスター再発により同じ土俵に立てたという訳である。本作はデモ音源をボーナストラックとして収録し、著しい音質の向上が認められる。



1. Last Rites/Loved to Death
2. Killing is My Business...And Business Is Good
「俺は殺しが仕事なんだ……でもこの仕事は儲かるんだぜ」というタイトルが示すように、社会の矛盾や皮肉を攻撃的なスラッシュメタルで表現する手法は、この分野の大きな特色である。メガデスは特にこれらの社会的事項と関係が深い。
3. The Skull Beneath the Skin
4. Rattlehead
ラトルヘッドとはメガデスのアルバム・ジャケットに毎回登場しているマスコットのことを指している。どうやら第一作目からこの愛着のわく怪物のイメージはあったようだ。
5. Chosen Ones
6. Looking Down the Cross
7. Mechanix
メタリカの"Four Horsemen"の原曲。デイブは本曲の作曲に加わっていたと主張し、収録されるに至った。歯切れのいいリフを持つスピーディな名曲だが、歌詞はエロティックな内容となっている(笑)。
8. These Boots
9. Last Rites/Loved to Deth (Unreleased Original 1984 Demo)
10. Mechanix (Unreleased Original 1984 Demo)
11. The Skull Beneath the Skin (Unreleased Original 1984 Demo)


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