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 過去にヤフオクで落札されたエピック・メタル・アルバムのまとめ情報。価格順。情報提供はコメント欄にお願いします。


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 2010年09月15日に『METAL EPIC』に掲載された『エピック・メタル・アルバム 「ベスト10」』。様々な疑問点や矛盾があるので、ここで指摘したい。あの頃は、まだこのサイトでも数多くのエピック・メタル・バンドたちを取り上げていなかった。正に若さ故の過ちである。


Victory Songs



ヴァイキング・メタル・バンドがランキングに入っている
 具体的には、ムーンソロウとエンシフェルムのアルバムがエピック・メタルのランキングに入っている。このバンドたちは、ヴァイキング・メタル・バンドであり、明確には、エピック・メタルのジャンルには含まれない。従来のヴァイキング・メタルは、北欧神話や英雄叙事詩をテーマとしているので、そこが紛らわしい。

Temple of Shadows



アングラが8位に入っている
 アングラはブラジルのメロディック・パワー・メタル・バンドであり、エピック・メタルのジャンルには含まれない。確かに、メンバーのラファエル・ビッテンコートは、マノウォーの大ファンであり、『Temple of Shadows』(2004) も十字軍をテーマとした壮大なアルバムだが、この選択は失敗。

Symphony of Enchanted Lands



ラプソディー・オブ・ファイアが2位に入っている
 ラプソディー・オブ・ファイアの第2作『Symphony of Enchanted Lands』(1998)は名盤だが、"エピック・メタル専門サイト"をスローガンとして掲げる今の『METAL EPIC』から見ると、疑問が残る選択である。

Frost And Fire



キリス・ウンゴルとマニラ・ロードがランキングに入っていない
 最大の失敗。現在では、エピック・メタル=キリス・ウンゴルとマニラ・ロードなので、このバンドたちのアルバムが入っていないランキングなど有り得ないはずである。一方、マノウォーとヴァージン・スティールがランキングに入っている点は良かった。


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The 80s Epic Metal Best 5 Extra Chapter.



第5位

Medieval Steel 『Medieval Steel』(1984)

Dungeon Tapes



コメント:幻のエピック・メタル・バンドが生み出したカルト盤。


第4位

Omen 『Warning Of Danger』(1985)

Warning of Danger



コメント:80年代のエピック・メタル・シーンの「最も危険なバンド」が残した名盤。


第3位

Slauter Xstroyes 『Winter Kill』(1985)

Winter Kill



コメント:80年代のアメリカのアンダーグラウンド・シーンで最もテクニカルなエピック・メタルの名盤。


第2位

Dark Quarterer 『Dark Quarterer』(1987)

Dark Quarterer



コメント:全てのエピック/プログレッシブの原点となった名盤。


第1位

Adramelch 『Irae Melanox』(1988)

Irae Melanox-Deluxe Ed. 2



コメント:欧州のエピック・メタル・シーンの基盤を作り上げた伝説的な名盤。



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The 80s Epic Metal Best 5.



第5位

Warlord 『悪魔の洗礼』(1983)

悪魔の洗礼



コメント:国内盤も発売されたカルト・エピック・メタルの名盤。


第4位

Virgin Steele 『Noble Savage』(1986)

Noble Savage (Re-Release)



コメント:エピック・メタルとクラシック音楽の融合を果たした傑作。


第3位

Manowar 『Sign Of The Hammer』(1984)

SIGN OF THE HAMMER (サイン・オブ・ザ・ハマー)(直輸入盤・帯・ライナー付き)



コメント:言わずと知れたマノウォーの最高傑作。


第2位

Cirith Ungol 『King Of The Dead』(1984)

King Of The Dead



コメント:エピック・メタルの大仰なサウンド・スタイルの原点となった名盤。


第1位

Manilla Road 『Crystal Logic』(1983)

Crystal Logic



コメント:80年代のエピック・メタルのサウンド・スタイルを確立した"クラシック"。



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New Epic Metal Age.



 近年、イタリアを先頭にして新世代エピック・メタル・バンドが次々に登場している。恰も群雄割拠するハイボリア時代の諸王国の如く、これらのバンドもまた、実力がなければファンに認められることはない。ここでは活力ある注目株をいくつか紹介する。


英雄叙事詩譚の再訪。

ROSAE CRUCIS 「Fede Potere Vendetta」(2009)

Fede Potere Vendetta


──イタリアのエピック・パワーメタル、ロジー・クルーシズの第3作。シンフォニックなサウンドを使用しない正統派エピック・メタル史において、極限のドラマティシズムを一心に追求するティボリ出身の逸材である。過去、"エピックメタルの父"ロバート・E・ハワードの小説『Worm of the Earth(大地の妖蛆)』(1932)を題材とした第一作『Worm of the Earth』(2003)を発表し、極めてエピック/ヒロイックな分野へと特化したサウンド、及び世界観を世界各地のマニアたちに向けて披露した。そのスタイルは本作『Fede Potere Vendetta』にも見事に継承されており、本来、デモ『Fede Potere Vendetta』(1998)の流用を含む本作は、新たに〈コナン・トリロジー〉なる名曲を加えた後に完成し、全編が母国イタリア語で歌われる、という仕様である。スペインのサウロム(SAUROM)などにも通じるその勇壮さは常時異様を極めるものであり、前述の3部作(当然の如く、この作品はハワードの小説『CONAN』が題材となっている)に該当する"Le Cronache di Nemedia"、"Crom"、"Venarium"では、ヒロイズムが齎す興奮と恍惚のある種の頂点に達している。これらはエピック・メタルの新時代に金字塔を打ち立てたとでも断言すべき、ロジー・クルーシズの生み出した途方もない傑作群である。なお本作には、ドイツからグレイブ・ディガー(GRAVE DIGGER)のクリス・ボルテンダール(Chris Boltendahl)がゲスト参加。他、2010年には英語圏ヴァージョンである『Fede Potere Vendetta - Overlord Edition』が発売。エピック・メタルのファンならば、こちらも逃す手はないであろう。


真実の時、来たれり。

MARTIRIA 「Time of Truth」(2008)

Time of Truth


──イタリア・ローマ出身の真性エピックメタルの使徒、マーティリアの第3作。元ウォーロード(WARLORD)のリック・マーティン・アンダーソン(Rick Martin Anderson:vo)、ダンウィッチ(DUNWICH)のアンディ・メナリオ(Andy "Menario" Menariri:g、key)を抱えるバンドであることは、エピック・メタルのマニアたちの間では既に有名である。この強力なメンバーに加え、同郷の作家、詩人のマルコ・ロベルト・カペリ(Marco Roberto Capelli)を加えたのがこのマーティリア・プロジェクトである。一見するとエピカルなヘヴィメタル以外は決して誕生してこないようなクレジットだが、本作『Time of Truth』はまさにその王道を貫いた作品。既にアルバム・ブックレットの裏表紙に描かれているジャック・ド・モレー(Jacques de Molay, 1244 - 1314)の肖像画がサウンドのすべてを物語っており、宗教的かつ神秘的なカルト・エピック・メタルが惜しみもなく展開される内容を有している。また今作では、従来のキリスト教的世界観に加え、始祖ヴァージン・スティールが用いたような古代ギリシャ神話をモチーフとした"The Storm (Ulysses)"、"Prometeus"などの楽曲も登場し、叙事詩的な世界観に幅を広げている。その中にあっても、"Give Me a Hero"の突出したヒロイズムには驚きを禁じ得ず、本曲はマーティリアが生み出した最高の名曲の一つに数えられるはずだ。近年は特にエピック・メタル・シーンでの活躍著しいマーティリアだが、ファンは本作が品切れになる前に、是非とも入手しておきたいところ。


新時代の凄絶なる荒波。

BATTLEROAR 「To Death & Beyond...」(2008)

To Death & Beyond


──ギリシャの正統派エピック・パワーメタル、バトルロアの第3作。当然の如く、フィンランドのバトルロー(BATTLELORE)とは全くの別物であり、その迫真のサウンドと叙事詩的音楽に打ち込む堅実な姿勢は似て非なるもの。アメリカの地下エピック・メタルの神、マニラ・ロードを深く崇めるというバトルロアのサウンドからは、80年代エピック・メタルの薄暗い雰囲気と強烈な異臭が漂っている。本作『To Death & Beyond...』も例外ではなく、バトルロアが追求するエピック/ヒロイックなサウンドの極地ともいうべき凄絶な内容が展開され、重厚な叙事詩的リフが巨大な城塞を建設し、勇壮なコーラスが恰も戦地での戦士らの鬨の声の如く木霊する。エピック・メタルらしく、ロバート・E・ハワード、エドガー・ライス・バロウズ、北欧神話の世界観に代表される幻想的な本作の内容は、時にリアリスティックな描写と相俟って聴き手の想像力をも強烈に掻き立てる。劇的な冒頭を飾る"The Wrathforge"、広大な大洋を彷彿とさせる一大叙事詩"Oceans of Pain"、バロウズの『火星』シリーズにインスパイアされた"Warlord of Mars"などを含み、すべてが名曲と断言しても過言ではない完成度を誇っている。エピック・メタルは素晴らしい音楽だと、改めて痛感させられる作品であることは間違いない。結局のところ、80年代初期にマニラ・ロード、キリス・ウンゴルから始まり、幾度となく挫折を体験したエピック・メタルは、今なお進化を続けている。


古マケドニア軍の行軍の如く。

SACRED BLOOD 「Alexandros」(2012)

Alexandros


──ギリシャ発祥のエピック・パワーメタル、セイクリッド・ブラッドの第2作。同郷のエピック・メタル・バンドの中ではバトルロアに次ぐ逸材のセイクリッド・ブラッドは、主にアテネを拠点に活動し、豪傑かつ英雄主義的なエピック・メタルを聴かせている。既にアルバム・タイトルが物語っているように、古代マケドニアの王アレクサンドロス3世の生涯をコンセプトにした本作『Alexandros』の発表によって、その地位を不動のものとした。始祖ヴァージン・スティールのデイヴィッド・ディファイも絶賛したという本作の見事なサウンドは、本格派に相応しく、ダイナミックかつシネマスティックな音楽性を備えた壮大なものである。紀元前334年の"グラニコスの戦い(Battle of the Granicus)"を描写した英雄的な"The Battle of the Granicus (Persian in Throes)"や雄大なメロディを持つ"Ride Through the Achaemenid Empire"では、前作『The Battle of Thermopylae: The Chronicle』(2008)からの大きな飛躍が感じ取れる。本作の完成度を見ても明らかであるように、今後の更なる活躍に期待したい。


神の名をその手に。

WOTAN 「Epos」(2007)

Epos


──イタリアの正統派エピックメタル、ヴォータンの第2作。北欧神話の戦神の名をバンド名に冠していることが既に物語っているように、アメリカのマノウォーを代表とする非常に漢らしい世界観を追求するエピック・メタルの一派に属する。そして、サウンドもそれに相応しく、本作『Epos』では終始徹底したヒロイックな旋律に彩られ、要所で劇的な展開を交えた濃密な叙事詩が披露される。ローマ帝国に反逆したスパルタカスの英雄像をドラマティックに描いた"Spartacus"、勇壮なる"Vae Victis"、フランス最古の英雄叙事詩『ローランの歌』をモチーフとした長大な大作"Le Chanson de Roland"、9分に及ぶ波乱のラスト"Ithaca"など、耳を惹きつける楽曲は極めて多い。シンフォニック・エピックなサウンドも悪くないが、やはりエピック・メタルは硬派なサウンド、英雄叙事詩的なテーマに限り、本来の実力を発揮できる。




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Classic Epic Metal, Pt 2.



 前回の続き...


『Crystal Logic』以来の傑作。

MANILLA ROAD 「Spiral Castle」(2002)

Spiral Castle


──アメリカが誇る真性アンダーグラウンド・エピックメタル、マニラー・ロードの第11作。2000年にマーク・シェルトン(Mark Shelton:g、vo)によって再結成され、衝撃の復活作『Atlantis Rising』(2001)を発表し健在振りをエピックメタル界にアピール、その後は破竹の勢いで躍進を続ける。2002年に発表された本作は、名作『Crystal Logic』の世界観を受け継ぎつつ、サウンド面では驚異的な進歩を遂げた。正統派エピックメタルに相応しい鋼のギターサウンドを手に入れ、冒頭を飾る劇的なイントロダクション"Gateway to the Sphere"を聴いただけでも凄まじく強烈な音像にしばし圧倒される。続くタイトル・トラック"Spiral Castle"はマニラ・ロードの歴史の中で最もヒロイックな名曲であり、他の追随を許さない雄大極まる孤高の世界観が展開する。本作に収録された楽曲が全7曲のみという単純明快な構成にもマニラー・ロードの自信の程が窺えよう。既に本作の発表によって、「チープなサウンドが特徴」との酷評を受けたマニラ・ロードは過去の産物と化した。全エピックメタル・ファン必聴盤。


叙事詩的様式美。

WARLORD 「Rising Out Of Ashes」(2002)

Rising Out of the Ashes


──アメリカのカルト・エピックメタルの王者、ウォーロードの第2作。これまでに様々な経緯を経て名作を発表してきたウォーロードだが、その作品数は驚くほど少ない。本作は奇跡の再結成を果たしたウォーロードの第2作目に該当し、新ヴォーカリストにはハンマーフォールのヨアヒム・カンス(vo)が迎えられている。収録された楽曲の大半はウォーロード時代とローディアン・ガード時代の名曲の焼き直しだが、その完成度は驚くほど高い。何より80年代と雰囲気が全く変わっていない有様には一種の驚嘆すら覚える。本作より伝統的なエピックメタルのサウンドは如何なる時代においても変わることがないことが分かる。ボーナス・トラックには名曲"Lost and Lonely Days"を収録。


正統派エピックメタルの中で最もメロディアスな作品。

DOOMSWORD 「Resound The Horn」(2002)

Resound the Horn


──イタリアの古兵、ドゥームソードの第2作。古代・中世に傾倒し、重厚かつシリアスな正統派エピックメタルを展開するドゥームソードが2002年に放った本作は、まさに古典的なエピックメタルの王道を貫くサウンドである。ドゥーム・メタルにも接近するヘヴィネスと重苦しさが漂う中、叙事詩的な歌詞に乗せて放たれる必殺のエピカル・リフは聴き手の高揚感を強烈に煽り立てる。エピックメタル原理主義故にシンフォニックな音楽性は皆無。本作にて表現されているのは迫真のリアリズムに満ちた古代・中世の戦場の有様である。どれも名曲揃いの内容だが、特に"Onward into Battle"に表現された大仰なヒロイズムは異常極まる。終始徹底してヒロイックな世界観を一貫させ、高度なドラマ性とも融合した濃密な内容を誇る本作こそは、正しく正統派エピックメタルが生み出した真の傑作であろう。


古典的エピックメタルの再興。

ASSEDIUM 「Rise of the Warlords」(2006)

Rise of the Warlords


──イタリアの正統派エピックメタル、アッセディウムの第1作。カルト的なエピックメタルが生み出され続けるアンダーグラウンド・シーンにて突如頭角を現したアッセディウムは、マニラ・ロードやマノウォーなどの始祖たちからの影響が根強い。本作でも大仰なドラマ性やヒロイックなフレーズが多用され、古代ギリシア神話やロバート・E・ハワード、マイケル・ムアコックの世界観を追求した正統派エピックメタルが大仰に展開される。硬派なサウンド故に印象的な楽曲は多いが、強烈なツインリードを持つ"Sacred Vengeance"やエピカルな世界観を極めた"March Of The Hoplite"などは名曲。


イタリアに眠る真性エピックメタルの血脈。

MARTIRIA 「On the Way Back」(2011)

One the Way Back


──80年代正統派エピックメタルの継承者、イタリア・ローマ出身のマーティリアの第4作。元ウォーロードのリック・アンダーソン(Rick Anderson:vo)とダンウィッチのアンディ・メナリオ(Andy"Menario"Menariri:g、key)を中心としたマーティリアは、前作『Time of Truth』(2008)辺りからサウンドをより伝統的なエピックメタルのスタイルへと変化させ、本作にてその方向性を完成させた。イタリアの詩人、マルコ・ロベルト・カペリ(Marco R. Capelli)によって描かれた深遠な詩に加え、古典的なエピックメタル様式のサウンドが絡み合う様は、マニアの好奇心を大いに擽る。古典劇風なサウンドは時に始祖ヴァージンスティールをも彷彿とさせる。また本作はカルト的なエピックメタルのサウンドが幾分か洗練され、より広義にアピールする力を備えている。




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Classic Epic Metal, Pt 1.



 細分化した時代だからこそ正統派が求められている。ピュア・メタルもまた然り。今回は正統派エピックメタルの不朽の名作たちを二週に渡り特集する。


叙事詩的冒険譚の始まり。

MANILLA ROAD 「Crystal Logic」(1983)

Crystal Logic


──アメリカのエピックメタルの重鎮マニラ・ロードの第3作。1983年発表の本作は、軌道に乗ったマニラ・ロードが生み出した記念すべき最初の傑作であり、後のエピックメタルに影響を与えた要素が多く残されている。元来エピックメタル自体がマーク・シェルトン(Mark Shelton:g、vo)の言動から生み出されていったようなものだが、その最も根本的なサウンドと世界観が本作には表現されている。ヘヴィかつメタリックなリフ、ヒロイックなムードの漂うメロディ、ドラマ性に満ちた大仰な展開、そしてヒロイック・ファンタジーに触発された勇壮な世界観がエピックメタルの始まりを告げている。雄大なストーリー性を考慮した冒頭から続く"Necropolis"、"Crystal Logic"という名曲への流れは、エピックメタル史において最も輝かしい1ページの内容であろう。偉大な名曲"Crystal Logic"のヒロイックなギターソロはすべてのエピックメタルバンドの基準となった。なお本作は2012年に「Shadow Kingdom Records」よりリマスター再発されている。


重厚なる戦士らの行軍。

MANOWAR 「Into Glory Ride」(1983)

Into Glory Ride


──アメリカ、エピックメタルの始祖マノウォーの第2作。第一作『Battle Hymns』(1982)より遥かに重厚かつシリアスな内容へと進化した本作では、ロバート・E・ハワードの『コナン(Conan)』を原点とするヒロイック・ファンタジーに共通する勇壮な世界観をエピックメタルに導入した記念すべき作品である。『コナン(Conan)』でも登場する鋼の秘密について扱った重厚な"Secret Of Steel"、北欧神話に登場する神の居城ヴァルハラを題材としたエピックメタル"Gates Of Valhalla"はカルト・エピックメタルの唯一無二の名曲。しかし結局のところ、本作の最後を飾る"March For Revenge (By The Soldiers Of Death) "に表現された圧倒的なヒロイズムの前には何人も敵わないであろう。


ナドソコル。

CIRITH UNGOL 「One Foot in Hell」(1986)

One Foot in Hell


──アメリカのカルト・エピックメタル、キリス・ウンゴルの第3作。整合性が完全に破綻した混沌としたエピックメタルで知られる彼らだが、本作『One Foot in Hell』では以外にも洗練されたサウンドを披露。渾身のヘヴィかつメタリックなリフとヒロイックな世界観が融合した本作こそ、純粋な正統派エピックメタルの名作に連なる。この手のマニアに限定されるが、現在でも数多くのエピックメタル・バンドが挙ってカヴァーするのも頷ける納得の内容だ。マイケル・ムアコックの小説より拝借した"Nadsokor"は問答無用の名曲。勇壮かつ哀愁を放つ"War Eternal"も良い。


エピックメタル史に輝く不朽の名作。

VIRGIN STEELE 「The Marriage of Heaven & Hell Pt. I」(1994)

The Marriage of Heaven & Hell


──アメリカのエピックメタルの帝王、ヴァージンスティールの第6作。デイヴィッド・ディファイ(David Defeis:vo、key)の才能が開花した本作では、後に「バーバリックかつロマンティック」と形容されるサウンドの一片を担っている。本作はコンセプト・アルバムであり、人種問題、宗教問題、戦争などに関する歌詞の記述が見受けられる。内容は当然の如く素晴らしく、大仰なロマンティシズムに彩られた魅惑的な楽曲群は宝石のような煌びやかさで妖艶なムードを発散。全編捨て曲はない。冒頭を飾る壮大な"I Will Come for You"やヒロイックかつ劇的な"Blood & Gasoline"はエピックメタルの真の名曲だ。本作こそはエピック・ヘヴィメタルのファンによって永久に愛される不朽の名作であろう。なお本作は2008年にリマスター再発された。


カルト・エピックメタルの金字塔。

LORDIAN GUARD 「Lordian Guard」(1995)

Lordian Guard


──アメリカ産カルト・エピックメタル、ローディアン・ガードの第一作。元ウォーロードの"デストロイヤー"ことウィリアム・ティミス(William j.Tsamis:g)が結成したバンドであるローディアン・ガードは、本来はウォーロードの楽曲として制作されていたものを新しく録り直し、発表するために本作を含め二作品を残した。第一作『Lordian Guard』では解散したウォーロードに変わり、本作でヴォーカルをとっているのは女性シンガー、ヴィダン・セイヤー・リメンシュナイダー(Vidonne Sayre Riemenschneider)である。彼女の魔女を彷彿とさせる歌声に加え、ウィリアム・ティミスが持ち込んだキリスト教的な世界観が混合し、独自のカルト・エピックメタルが展開される。ここまで徹底した内容だと不気味でしかないが、マニアは本作のような作品をエピックメタルの聖典とするのであろう。"War in Heaven"、" Lost Archangel"といった凄絶な神曲を含む。




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Recommended Epic Album.



 ヘヴィメタルという言葉は多大なジャンルが混合した総称に過ぎない。中でも極めてマニアックな分野に属するエピックメタルを最大限に楽しもうとすれば、あまり世に出回っていない作品に触れることも必要となる。これらのアンダーグラウンド作品はピンからキリまであるが、名作を見つけようものならかなりの痛手を被ることとなる。少なくとも『METAL EPIC』誌が厳選した下記に紹介された5作品はエピックメタルの良作に入る。


エピックメタル神話の遺作。

CIRITH UNGOL 「Paradise Lost」(1991)

Paradise Lost (Reis) (Dig)


──アメリカ、キリス・ウンゴルの第4作。過去マイケル・ムアコックやロバート・E・ハワードの小説等を題材としたファンタジックなエピックメタルを創造してきたキリス・ウンゴルは、後のエピックメタルの方向性を決定付けた偉大なバンドである。1991年に奇跡の再結成を果たした後発表された本作は、キリス・ウンゴルの最終作であり、最も輝かしいカルト・エピックメタルの大傑作に数えられる。奇怪なヴォーカルが特徴的なティム・ベイガーによる最後の三部作"Chaos Rising"、"Fallen Idols"、"Paradise Lost "は、既にエピックメタルの伝説と化している。


エピックメタル最古にして最大の古典。

MANILLA ROAD 「Open the Gates」(1985)

Open the Gates


──1977年結成のエピックメタルの重鎮マニラ・ロードによる4th。一貫した古代・中世への傾倒で世界中に熱狂的な信者を持つアメリカのマニラ・ロードは、既にこの分野における最大の古参である。数あるマニラ・ロードの作品の中でも半永久的に支持される本作は、最も純粋なエピックメタルの正統的サウンドに彩られる不朽の名作として名高い。中世の「アーサー王伝説」をモチーフとした"The Ninth Wave"、浮世離れした"The Fires of Mars"の放つヒロイズムは異常を極めており、エピックメタルの根本的なあり方を我々に問いかける。


その名よ永遠なれ。

DOOMSWORD 「My Name Will Live On」(2007)

My Name Will Live on


──エピックメタル大国イタリア出身のドゥームソードの第4作。暗く重厚な世界観で独自のエピックメタルを創造し続けるドゥームソードは、数少ない正統派エピックメタルの最重要バンドに数えられる。本作は初期のダークなエピックメタルに疾走感を加味させ、崇高な芸術的作品の域にまで到達させた最高傑作である。アイルランド神話にインスパイアされた冒頭の"Death Of Ferdia"、紀元前の「ゲルゴウィアの戦い」をモチーフとした"Gergovia"、終盤の大作二曲"Once Glorious"、"The Great Horn"はエピックメタルの歴史的名曲に該当。


エピック・パワーメタル第一の刺客。

WIZARD 「Goochan」(2007)

Goochan


──"ドイツのマノウォー"との異名を取るドイツのエピック・パワーメタル、ウィザードの第7作。古き良きヘヴィメタルを称賛する一派トゥルー・メタルに属するウィザードは、これまでに激烈な疾走感に溢れる攻撃的なエピックメタル作品を作り続けてきた。本作は、魔女"Goochan"を中心に展開する一大コンセプト・アルバムであり、ウィザード史上最もドラマティックな作品となっている。名曲"Witch Of the Enchanted Forest"、"Pale Rider"、"Call To the Dragon"等を収録。中でも"Pale Rider"のドラマ性は別格。


ヴァイキングメタルが生んだ一大叙事詩。

MOONSORROW 「Kivenkantaja」(2003)

Kivenkantaja


──フィンランドのシンフォニック・ヴァイキング、ムーンソロウの第3作。重厚な民謡旋律とヒロイックな世界観で徹底した作品を提供するムーンソロウの存在は、エピックメタル・シーンでも有名である。最高傑作と称される本作は、恰も映画のようなSE、緻密な構成を有し、迫真の表現力で叙事詩的世界観を披露する作品である。収録曲のすべてが名曲に値する完成度だが、中でも"Jumalten kaupunki"の壮大なスケール感と雄々しさには圧倒される。




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Recommended Epic Album.


 
 ヘヴィメタル作品を購入する際に失敗を避けたい気持は誰にでもあるが、膨大な作品数から良作を抜き出すことは難しい。希少なエピックメタルにおいては更に成功率が下がることになろう。我々のために、コスマン・ブラッドリー博士はエピックメタルに相応しい5つの入門書を用意した。


エピックメタルの歴史を網羅。

VIRGIN STEELE 「Hymns to Victory」(2002)

Hymns to Victory


──エピックメタルを聴く上で最重要バンドであるアメリカのヴァージンスティールを避けて通ることはできない。本作はヴァージンスティールの代表曲を網羅した定番のベスト盤。ファンの意見を参考にした選曲が素晴らしく、ヴァージンスティールの名曲を殆ど収録している。過去のリマスターされた音源はすこぶる良く、全収録時間は70分を超えており、ここからエピックメタルの世界を広めることは十分に可能。当然の如く本作には両方収録されているが、"Burning of Rome (Cry for Pompeii)"、"Emalaith"を知らない者はエピックメタルファンではない。


ヒロイズムの原点。

MANOWAR 「Sign of the Hammer」(1984)

SIGN OF THE HAMMER (サイン・オブ・ザ・ハマー)(直輸入盤・帯・ライナー付き)


──エピックメタル界ではヴァージンスティールと並び双璧を成す、アメリカのマノウォーの第4作。1984年に発表された歴史的名盤であり、その力強く雄々しいサウンドはエピックメタルの基礎を確立した。既に北欧神話を題材にした"Thor (The Powerhead)"から"Mountains"への流れは伝説的であり、最後の"Guyana (Cult of the Damned)"はマノウォーのドラマ性を極めた偉大な名曲である。本作にはエピックメタルに必要な要素がすべて詰まっている。


壮大なる異世界。

BAL-SAGOTH 「Battle Magic」(1998)

Battle Magic


──他のエピックメタルバンドとは全く異なる手法でこの分野を極めたのがイギリスのバルサゴスだ。ブラックメタルを基盤とするシンフォニックなエピックメタルは、一部のエピックメタルファンから絶賛された。詩人バイロン・ロバーツの創作による壮大な世界観も魅力の一つ。本作はバルサゴスの作品中最も明確なサウンドを用いた傑作であり、キーボードによる壮麗な装飾が聴き手の視覚を刺激する。斬新なエピックメタルを求めるなら、バルサゴスは間違いなく必聴であろう。


エピックメタルにおけるファンタジー世界の再現。

BLIND GUARDIAN 「Somewhere Far Beyond」(1992)

Somewhere Far Beyond


──欧州のエピックメタルの重鎮、ブラインドガーディアンの第4作。J・R・R・トールキンの『指輪物語』やマイケル・ムアコックの『永遠の戦士』シリーズ等を題材にした幻想的な作風が特徴であり、アメリカのエピックメタルとは異なるメディーバル(中世的)な音楽性を持つ。メロディック・パワーメタルを踏襲した楽曲群は、エピックメタルの中では非常に分かりやすい部類に属する。欧州の伝統的なファンタジーに興味を抱く向きなら、本作を押えておいて損はない。


ヒロイック・ファンタジーの源流。

DOMINE 「STORMBRINGER RULER -The Legend of the Power Supreme-」(2001)

ストーム・ブリンガー・ルーラー


──イタリアの古豪、ドミネの第3作。過去『METAL EPIC』で何度も取り上げられてきたエピックメタルの定番中の定番。本作は幻想的なヒロイック・ファンタジーの世界観を再現した数あるヘヴィメタル作品の中で、未だ色褪せることのない名盤である。"ファンタジックかつヒロイックなエピックメタル"という表現は本作のためにあるようなもの。マイケル・ムアコックの『永遠の戦士』シリーズを題材とした楽曲群は実に正統派らしい。




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Epic Metal Album Best 10

 私が今まで視聴してきた全メタルアルバムの中から、厳選したエピックメタルアルバムのベスト10までを発表しよう。当然これは、私の全くの独断と偏見による標章である。ベスト10を発表するに当たって基準を幾つか設けており、原則として一バンド一アルバムまでとしている。なぜならそうしなければ、ベスト5を全てバルサゴスが埋めることになるからである……。それでは私が愛聴している至高のエピックメタルの名盤達を発表しよう……


第10位

BLIND GUARDIAN 「Imaginations From The Other Side」(1995)

Imaginations from the Other Side



 10位は、ドイツのブラインドガーディアンの5th。このアルバムは私にとっても思い入れが高いアルバムであり、私が中世幻想世界に魅力を抱くきっかけになった作品なのである。数ある彼らの作品でこのアルバムを選出したのは、全曲の統一された世界観と楽曲の完成度の濃密さが最も優れていたからである。加えてアンドレアス・マーシャルによる壮大なアートワークとアルバム内容が一致するという、エピックメタルで最も基本的な部分が抑えられている点も評価につながった。三曲目の「A Past And Future Secret」は最高の英雄バラードである。


第9位

MOONSORROW 「Voimasta Ja Kunniasta」(2001)

Voimasta Ja Kunniasta



 9位はフィンランドのムーンソロウの2nd。彼らは3rdも歴史的な名盤なのであるが、あえて2ndを選出したのは、このアルバムに漂っている古代北欧の幻想的な土着性と民族的要素が色濃いからである。私が求めている、古代英雄世界の再現は大方このアルバムの中に表現されている。異教徒であり、戦士でもあるノースメンの生きている姿が、ケルティックな旋律に北風の如く乗って私に届けられる様は、郷愁的な感覚を思い出させてくれる。結局それは、私が求める臭気なのである。


第8位

ANGRA 「Temple of Shadows」(2004)

Temple of Shadows



 8位はブラジル、アングラのコンセプトアルバムの傑作である。彼らはメロディックパワーメタルバンドなのであるが、このアルバムでは十字軍を題材にした一大叙事詩世界を緻密に描くことによって、他に類を見ないシネマスティックなドラマ性を有したエピックアルバムを完成させている。中世の十字軍の宗教的世界観を忠実に描ききった内容は、感動以外の何物でもない。


第7位

SAUROM LAMDERTH 「Sombras del Este」(2003)

Sombras Del Este I



 7位はスペインのサウロム・ラムダースの2nd。私が求めた中世ファンタジーの世界を最も忠実に描いているアルバムとして、このアルバムを選出した。真の幻想世界が再現された、牧歌的であり民族的な勇敢さの漂う本編は、「指輪物語」をコンセプトにしたストーリーアルバムである。まさに私にとっては夢の共演である。サウロムの笛の音色は私にとって至高の癒しなのである……。


第6位

MANOWAR 「Gods Of War」(2007)

ゴッズ・オヴ・ウォー



 6位はアメリカのメタルの王者、マノウォーの10th。マノウォーというと、最高傑作と称される4th「Sign of the Hammer」が有名であるが、私の求めるヒロイズムとスケール感ではこのアルバムが上回っていたのでこちらを選出した。何より圧倒的なのは、大仰を極めつくしたオーケストレーションと壮大なエピッククワイアである。私も崇拝する戦神、偉大なるオーディンを賛美をするという崇高な目的のもと完成されたこのアルバムは、マノウォーの歴史の中で最もヒロイックなアルバムであり、またヴァージンスティールが11th「Visions of Eden」でそうであったように、エピックメタルの終着点に到達した驚異の傑作なのである。


第5位

DOMINE 「STORMBRINGER RULER -The Legend of the Power Supreme-」(2001)

Stormbringer Ruler



 5位はイタリアのドミネの3rd。恐らく、私はこの国で最もこのアルバムを聴いているだろう。本作に関しては、ヒロイックファンタジーの世界が極めて原作に忠実に再現された作品、とだけいっておこう。本作を聴けば、その原作が何かはお分かりいただけるだろう。今まで数えきれないほど愛聴してきたこのアルバムは、私にとって手放せないエピックメタルアルバムである。恰も、エルリックが魔剣ストームブリンガーを手放せないように……


第4位

VIRGIN STEELE 「Invictus」(1998)

Invictus



 4位はアメリカのヴァージンスティールの8th。正直、ヴァージンスティールの選出は非常に困難を極めた。「The Marriage of Heaven & Hell」にするか、それとも「The House of Atreus Act Ⅰ」にするか、「Visions of Eden」にするか……。この難しさを皆にもご理解いただきたい!本作は私が最初に購入したヴァージンスティールのアルバムであり、また全編完璧に近いところとラストの感動的な大団円を考慮して何とかこのアルバム一枚を選出した。しかし本当にこれば微小な差にすぎないのだ。詰まる所、彼らのアルバムはあまりにも傑作が多すぎる。


第3位

ENSIFERUM 「Victory Songs」(2007)

Victory Songs



 ベスト3に入ったのは、フィンランドのエンシフェルムの3rdである。このアルバムが選出されたのが意外に感じられるかもしれないが、そのような言葉を粉微塵にする圧倒的な衝撃が本編にはある。私は本作を始めて視聴した際、信じられないような恍惚感と興奮を抱いた覚えがある。果たして、ここまでヒロイックで幻想的なエピック作品があるのだろうか?思わずそんなことを口走ってしまう衝撃の一作である。


第2位

RHAPSODY 「Symphony of Enchanted Lands」(1998)

Symphony of Enchanted Lands



 ベスト2は、イタリアのラプソディーの2ndアルバムである。先述したサウロムの2ndが牧歌的なファンタジーエピックメタルアルバムの最高傑作とするのなら、こちらはハイ・ファンタジーエピックメタルアルバムの史上最高傑作である。劇的な冒頭に始まり、瞬時にその大作スペクタクル映画の如き圧倒的な世界に引き込まれ、ラストは常識を逸脱した盛大さで締めるその作風は、ヘヴィメタルそのものを超越した非現実の世界ともいえる。いやしかし、本作を視聴している間は幻想が現実となるのである。もはや、この作品は芸術であり、メタルというジャンルなのかも疑問である。


第1位

BAL-SAGOTH 「Chthonic Chronicles」(2006)

Chthonic Chronicles



 栄光の第一位は……イギリスの怪物バルサゴスの6thである。このアルバムは、終ぞ私が追求した古代の世界を戦慄を禁じ得ない迫真性と驚異を持って完成させた、窮極のエピックメタルアルバムである。 本作の前では私達の普遍的な概念などは意味を持たず、幻想怪奇の世界へと視覚を伴い誘われ、私は成す術もなく放心することしかできない。即ち、この驚異の産物を私達が完全に理解するのは、到底不可能だということである。故に、本作は謎めいており魅力的なのである。



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