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Night of the Stormrider

ICED EARTH the 2nd album in 1991 Release
★★★★★★★★☆☆...(好盤)



アメリカ、フロリダ出身のパワーメタル、アイスドアースの2nd。1991年に発表され、日本デビューも果たしたアルバムである。

硬派なギタリスト、ジョン・シェイファー(G)が率いることで有名なドラマティックバンドだが、この2ndアルバムもまた然り。
サウンドは非常に先述したドラマ性を有するスラッシュ・メタルよりの鋭角的なものであり、ギターの抒情的なフレーズが冴えわたる、高品質のB級メタルである。

彼らの素晴らしいところは、ジョン・シェイファーの趣味によるエピカルな傾向と荘厳なる闇属性の雰囲気にあるといっていい。"闇属性"などと大袈裟なことを記したが、本当は彼らのダークさを例えるなら"アメリカンコミックのダークヒーロー"というフレーズがしっくりくるだろう。孤高の雰囲気(同時に勇ましさも漂う)なのだ。

本作はクラシカルの名曲である「Carmina Burana(カルミラ・ブラーラ)」をオープニング・アクトに配した#1で劇的に幕をあける。これを聴いただけでも劇的メタルファンは悶絶である。なによりここまで劇的で大仰なスラッシュは無いのだから……。続く#2も本作のダークでドメスティックな雰囲気を盛り込んだ名曲。執拗なまでに「ストームライダー」のフレーズが連呼される。もちろんこのクオリティ(粗削りだが…)と雰囲気は終始一貫されている。

ここまでドラマティックでコンセプチュアルだと大方気がつくだろうが、本作はストーリーアルバムである。アメコミ好きのジョン・シェイファーが作り上げたというダークファンタジーが意気揚々と展開されていく。タイトルとアートワークに登場する「ストームライダー」が地獄からやってきて世界を破滅に導くという、息を飲むストーリーである。早くも2ndにしてコンセプトを楽曲で十分に表現することが出来る彼らの技術は高評価していい。
ある種、このスタイルはエピックメタルバンド群に接近したスタイルだ。重厚なコンセプトに沿って、楽曲を練り上げていく。彼らはアメリカのバンドだが、非常にヨーロピアンテイストということで、マノウォーらに共通しているとも言えなくない。パワフルで漢らしさも漂っている。

またこの作品はファンから「ドラマティック・スラッシュ・メタル」と形容されている。その背景にはエピカルな要素が大きく貢献している。こういうエピカルな方法論もあるのだ。後、エッジーでドラマティックなリフの応酬パートが基盤である本作は、頭を上下に振るのにも最適だ。
クラシカルな導入部とスラッシュ然としたメタル・パワーが劇的な融合を果たした好盤である。

最後に加筆するが、これはリマスター再販盤のジャケで、オリジナルはもっと渋い。


1. Angels Holocaust
カルミラ・ブラーラの劇的なメロディを伴って展開する名曲中の名曲。
2. Stormrider
後半のリフのドラマティックな畳み掛けが非常にリズミカルで魅力的だ。既に展開力には目覚ましいものが見受けられる。
3. Path I Choose
4. Before the Vision
5. Mystical End
6. Desert Rain
7. Pure Evil
8. Reaching the End
9. Travel in Stygian


Review by Cosman Bradley
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