Epic Metal; Review Fan Site.
© 2010-2017




METAL EPIC Members' Profiles PART: 3



DaikiOohashi2.jpgDAIKI OOHASHI

"コスマン・ブラッドリー博士の筆名"

Interests:
Heavy Metal, Epic Films, Medieval & Ancient History, Mythology, Iiterature

Metal Style:
Epic Metal, Progressive Metal, Classic Metal, Melodic Power Metal, Viking Metal

Metal Band:
Cirith Ungol, Manilla Road, Manowar, Virgin Steele, Bal-Sagoth

Movie:
Conan the Barbarian, The Lord of the Rings, Braveheart, Spartacus, El Cid, The Good, the Bad and the Ugly, Once Upon a Time in the West

Respect:
Byron Roberts, David DeFeis, Robert Ervin Howard, Clark Ashton Smith, Howard Phillips Lovecraft, Lin Carter, Michael John Moorcock, Edgar Rice Burroughs

Ages:
Antediluvia, Ancient, Greek, Viking, Dark, Medieval, Scottish and Celtic, Crusades, Renaissance, Gothic, Western


*大橋大希(おおはし だいき):1991年、福島県福島市生まれ。福島学院大学短期大学部情報ビジネス科卒業。青年期、アメリカのパルプ雑誌『ウィアード・テイルズ』(Weird Tales)やロバート・アーヴィン・ハワード、ハワード・フィリップス・ラヴクラフト、クラーク・アシュトン・スミス、リン・カーターなどの作家に影響を受け、作家を志す。また、同時期、友人から借りたメタリカの『メタル・マスター』がきっかけで、ヘヴィメタルのファンとなる。その後、キリス・ウンゴルやマニラ・ロード、マノウォーやヴァージン・スティールなどのバンドを通じて、エピック・メタル(Epic Metal)に心酔。大学在学中にこのサブ・ジャンルの研究を始める。
▼続きを読む
カルト・エピック・メタル(Cult Epic Metal)

一部の熱狂的なファンによって支持されるエピックメタルの総称。

ヘヴィメタルの分野でも特にファン層が少なく、一部に熱狂的な信奉者を有することから、次第にエピックメタルに用いられるようになっていった言葉。

エピックメタルでの使用頻度:
80年代半ばに誕生した言葉であり、主にアメリカの地下を拠点とするマニラ・ロードやキリス・ウンゴルの発表した作品が相次いで一部で熱烈な支持を獲得したことから、俗に言うカルト・エピックメタルという言葉が広まった。カルト・エピックメタルの持つ一般的な意味は「中毒性のあるエピックメタル」であり、一部のファン層が繰り返しこれらのバンドの作品を聴いたり、支持したりする姿勢からこう名付けられたとされる。またアンダーグランドのエピックメタル作品が極めて宗教的な信仰心を煽るサウンドを有していたことからも、この言葉が用いられるようになった原因とされる。現在でも、マニアからの支持率が高いエピックメタル作品には、頻繁にこの言葉が用いられる。

参考作品:
MANILLA ROAD、CIRITH UNGOL、MANOWAR、WARLORD


▼続きを読む
カルト(Cult)

主に宗教的な崇拝、礼拝を意味する言葉。

古くはラテン語のCultusから派生した言葉である。様々な意味を持ち、「新興宗教」や「熱狂的な支持」を表す際にも用いられる。

エピックメタルでの使用頻度:
これまでにアンダーグランドのヘヴィメタル作品には"カルト"という言葉が頻繁に用いられてきた。主にあまり世間に出回らず、一部の熱狂的なファンによってのみ支持され、また崇拝されるバンドや作品を指して我々はしばしば「カルト的」と表現する。これらはある一つの作品やバンドが、恰も教祖のように熱烈な支持を受けることに由来している。当然の如く、カルト・エピックメタルも例外ではない。

参考作品:
MANILLA ROAD、CIRITH UNGOL、MANOWAR


▼続きを読む
カタルシス(catharsis)

主に音楽や文学を通して、日常で抑圧されていた感情が一気に解放されることを指す言葉。

古代ギリシァを起源とする言葉であり、アリストテレスが悲劇のもたらす効果にカタルシス(katharsis)があると説いたとされる。またカタルシスの齎す精神の開放によって、魂の浄化になると考えられていた。カタルシスとは詩学や心理学において浄化を意味している。

エピックメタルでの使用頻度:
ヘヴィメタル全般ではカタルシスという表現が頻繁に用いられる。ポピュラーな音楽よりも特異な音楽性を持つヘヴィメタルはカタルシスを極めて感じやすい分野にあり、またそれを作品の原動力とするバンドも存在する。ヘヴィメタルの持つ魅力の一つに"現実からの解放(*)"という考え方があるが、これを求めるファンが多いことからもヘヴィメタルにおけるカタルシスが非常に重要な意味を持っていることが分かる。特に緻密な構成や物語的な作品を展開するエピックメタルでは、カタルシスはより重要視される。

参考作品:
ブラックメタル、エピックメタル作品全般


*これとは逆に現実的な内容(軍事、戦争、社会問題、人種差別等)を扱うヘヴィメタルバンドがある。
▼続きを読む
メタル・エピック(METAL EPIC)

『METAL EPIC』は、コスマン・ブラッドリー博士が考案したHR/HM情報誌の名称である。

『METAL EPIC』誌では、主にエピックメタルを中心として作品のレビューを定期的に掲載している。作品に対しては10つの段階で評価を下しているのが特徴。ただし映画作品にこれは該当していない。その他としてコスマン・ブラッドリー博士が連載する多種多様なコラムがある。代表的なものは『コラム・ザ・コラム』。

エピックメタルでの使用頻度:
コスマン・ブラッドリー博士監修のもと、『METAL EPIC』誌では叙事詩的な作品を多く取り上げている。多かれ少なかれ『METAL EPIC』誌がこの分野に貢献したことは事実であり、特にエピックメタルに関する知識が乏しい本国においては、近年その意味合いはより強まっている。また『METAL EPIC』誌自体が未だに研究段階の領域を脱していないため、今後様々な情報が発見されていくことは明白である。

主なレビュー作品:
BAL-SAGOTH、VIRGIN STEELE、MANOWAR、IRON MAIDEN


▼続きを読む

METAL EPIC Members' Profiles PART: 2



english-gentleman-bn.jpgDAVID ORSO

"『METAL EPIC』の編集者"

Interests:
Heavy Metal, Western Films, The Civil War & Old West History, Gun Action

Metal Style:
Epic Metal, Classic Metal, Melodic Power Metal

Metal Band:
Iron Maiden, Bal Sagoth, Virgin Steele, Manowar, Gamma Ray, Megadeth

Movie:
The Plainsman, My Darling Clementine, The Wild Bunch, For a Few Dollars More, The Good, the Bad and the Ugly, Once Upon a Time in the West, Duck, You Sucker, The Man from Nowhere, Johnny Yuma, High Plains Drifter, Unforgiven, Open Range

Respect:
Robert Ervin Howard, Ennio Morricone, Sergio Leone, Sam Peckinpah, Clinton Eastwood, Lee Van Cleef, Tomas Milian

Ages:
Antediluvia, Ancient, The Civil War, Old West


▼続きを読む
パーカッション(Percussion)

打楽器全般の名称。

一般的には、演奏者が手足やドラムスティックで、楽器を叩いたり、こすったりして音を発する楽器のことを指す。ドラムと混同されることが多いが、通常ドラムとは分けて考えられる。しかし実際にはドラムスとパーカッショニストを兼任している場合がほとんどである。
主な楽器としてはコンガ、ボンゴ、ティンパニ等が挙げられ、ラテン音楽を思わせる部分もある。

エピックメタルでの使用頻度:
どのメタルにもパーカッションは導入されている場合が多い。代表的なバンドはアングラやセパルトゥラ等のブラジルのバンドである。やはりラテン音楽が根底にある国々のメタルバンドにとって、パーカッションは馴染みの深い楽器のようである。そしてエピックメタルとの関係性であるが、繊細さを要するエピックメタルには、余り露骨なパーカッションが取り入れられることはないようである。よってパーカッションは味付け程度にとどまることが多い。その他余談としてだが、パーカッションはほぼ何でも楽器なるといっていい。そのため、自分のペ○スを楽器とし、パーカッションを行ったメタルバンドがいる(笑)。演奏者の名誉を重んじてあえて名前は伏せておこう。

参考作品:
ANGRA、SEPULTULA
▼続きを読む
サウンド・エフェクト(SE)

主に効果音の総称。Sound Effectの略語がSEである。

SEは映画や演劇の演出として用いられてきた用法である。これは効果音であって、音楽ではない。
周囲の状況や環境をより具体的でリアリティに富んだものにするため用いられることが多く、その代表例がバトル・メタルよく聞かれる剣撃や馬の足音、はたまた銃撃音や鳥のさえずりにまで及ぶ。これらのSEは生録音から、シンセサイザーで制作する方法まである。

エピックメタルでの使用頻度:
SEこそエピックメタルの専売特許である。エピックメタルのアルバムでは、ストーリーの状況を伝えるためのSEが大寮に導入される場合が極めて多く、またその完成には必須といえる。具体的には、中世史を題材としたエピックアルバムの場合は先ほども上げた剣撃、馬の足音、砲撃のSE等がよく用いられ、ファンタジーものの場合には竜の咆哮、焚き火の音、しゃべり声まで挿入される。そうしたSEは、アルバムにおける効果的な情景描写にひどく貢献しており、一種の映画的演出にまで至る場合もある。その代表例がラプソディーやフェアリーランド等のファンタジーエピックメタルバンドである。彼らの作品を聴けば、SE最大の効果を感じることが出来るだろう。またヴァイキング系にもSEは多く導入されており、剣撃はもちろんのこと、波の音まで聴けるのだから面白い。代表格はフィンランドのムーンソロウだろう。彼らの音像からは、映画的になればなるほどSEの重要性が増すという事実がうかかえる。要するに、エピックメタルとSEはきっても切り離せない関係にあるということである。

参考作品:
MANOWAR、VIRGIN STEELE、SAUROM、THY MAJESTIE、RHAPSODY、FAIRYLAND、MOONSORROW、ENSIFERUM


▼続きを読む

METAL EPIC Members' Profiles PART: 1



Cosman_BradleyCOSMAN BRADLEY

"『METAL EPIC』の創設者"

Interests:
Heavy Metal, Epic Films, Medieval & Ancient History, Mythology, Iiterature

Metal Style:
Epic Metal, Progressive Metal, Classic Metal, Melodic Power Metal, Viking Metal

Metal Band:
Cirith Ungol, Manilla Road, Manowar, Virgin Steele, Bal-Sagoth

Movie:
Conan the Barbarian, The Lord of the Rings, Braveheart, Spartacus, El Cid, The Good, the Bad and the Ugly, Once Upon a Time in the West

Respect:
Byron Roberts, David DeFeis, Robert Ervin Howard, Clark Ashton Smith, Howard Phillips Lovecraft, Lin Carter, Michael John Moorcock, Edgar Rice Burroughs

Ages:
Antediluvia, Ancient, Greek, Viking, Dark, Medieval, Scottish and Celtic, Crusades, Renaissance, Gothic, Western


▼続きを読む
インディーズ(indies)

シーンにおいてメジャーに属さず契約もせず、独立性を持ち活動しているものを指す。

Independent(独立)を語源とし派生。英語表記はindie(インディー)で、反対はメジャー。
大衆的にはマイナーの内、独立性が高いものをインディーズと呼ぶ傾向にある。

エピックメタルでの使用頻度:
アンダーグラウンドで活躍するメタルバンドのほとんどはインディーズである。日本でのインディーズの認知は「メジャーへの踏み台」としての意識が高いが、欧米など音楽性が難解故に商業的な成功を得られない地域では「唯一の創作活動の場」としての独立性を強めている。後者がまさにヘヴィメタルである。メタル界でも強力なレーベルとして知られるドイツの「Nuclear Blast(ニュークリア・ブラスト)」、アメリカ最大のメタルレーベル「METAL BLADE(メタル・ブレイド)」ですらインディーズである。このことからも、ヘヴィメタルバンドのメジャーへの飛躍がいかに難しいことかが伺えよう。しかし、メタルにはそのような商業的な成功は至って後回しなのである。まずはファンが第一に考えられ、後はメタルをプレイして人生を捧げることに従事する。彼らメタラーの方がメジャーのバンドよりも遥かに人間らしく、魅力的だということはいうまでもない。結局のところ、メジャーかインディーかの違いで音楽の本質を決定づけることは不可能だということである。エピックシーンでも、数多くの名前さえ知られていないインディーズ・レーベルがエピックメタルバンドを支援している。私が認知しているのはジョーイディマイオのレーベル「Magic Circle Music」や、「Cacophonous」、「Dragonheart」等である。こういうレーベルには感謝したいものだ。

参考作品:
Nuclear Blast作品METAL BLADE作品
▼続きを読む
インストゥルメンタル(Instrumental)

器楽曲のことを指す言葉。

簡潔にいえば、ヴォーカルの入らない曲のことを言う。楽器のみで演奏される曲である。
略語はインスト。

エピックメタルでの使用頻度:
インストゥルメンタル楽曲はメタル界全般で大いに用いられる。また数々の名曲が生まれたのも事実である(参考作品を参照)。エピックメタル系のヘヴィメタルでは、主に重厚なシンセサイザー、中世のアコースティック楽器、ツインリードのメロディックなアンサンブル、壮大なクワイア等で構成されることが多い。エピックメタルで最も有名なのがバルサゴス、ラプソディーのインストゥルメンタルであろう。スペクタクルなサウンドを有するエピックメタルでは、映画のスコアと大差のない密度の高い楽曲が制作される傾向にある。また曲の繋ぎ、ストーリーアルバム等の劇的な演出にも効果的に用いられる。

参考作品:
Bal-Sagoth、RHAPSODY、ICED EARTH、HAMMER FALL、VIRGIN STEELE、THY MAJESTIE、DARK MOOR、RUNNING WILD
▼続きを読む
アンプラグド(unplugged)

アンプ等の電子装置を一切使わない、楽器の生演奏のことを指す言葉。

エレキギター等のアコースティックもあり、主にエリック・クラプトン、キッス等が有名である。
それらのヒットの発端となったMTVは現在、「アンプラグド」という名称を商標登録したため、「プラグレス」という言葉が使用されるようになった。

エピックメタルでの使用頻度:
ハードロック界でのアンプラグト作品は多くも、メタルというジャンルでのアンプラグドは基本的に御法度である。それはメタルとしての一貫性が揺らぐばかりでなく、メタルからの脱却を図るに他ならないためである。しかし雰囲気としてアンプラグドを導入したり、ボーナストラック、企画盤(ハロウィンの『Unarmed』(2009)、フィントロールの『Visor Om Slutet』(2003)、ダークムーアの『Between Light & Darkness』(2003)、ブラインド・ガーディアンの『Forgotten Tales』(1996)等が有名である)等での使用頻度は比較的高い。そういう使用法では、ファンを異なった視点で楽ませるために行われたりする。エピックメタル界では、マノウォーがライブでのファンサービスの一環としてアンプラグド曲(バラードのアコースティックヴァージョン)を数曲演奏した。また中世への傾向を見せるエピック・バンドは、民族楽器(スパニッシュギター、ハープ、カンテレ等の弦楽器)のみの楽曲をアルバム中に収録したりするが、インストゥルメンタルまたはバラッドの場合が多い。

参考作品:
Bob Dylan、KISS、Helloween、FINNTROLL、BLIND GUARDIAN、DARK MOOR
▼続きを読む
アルペジオ(Arpeggio)

アルペジオ、またはアルペッジョとは分散和音のことを指す。

簡潔にいえば、一つのコードの弦を一弦ずつ弾いていく奏法である。
リズム感や深みを演出するほか、伸びやかな音が奏でられるのも特徴である。
言葉でいっても分かりにくいと思うので動画で手っ取り早く聴いてみたほうがいいだろう。

エピックメタルでの使用頻度:
主にクラシックからの影響を残すエピックメタルバンドに、アルペジオ演奏は見られることが多い。ギターソロ等でドラマティックなパートの演奏に用いられることも多く、その効果は非常に高い。またエピック楽曲のイントロダクションとして抒情的にポロポロ(擬音語)弾いていく場合もある。一般的にはネオ・クラシカルに最も顕著に使用される。

参考作品:
RHAPSODY、DARK MOOR、SAVATAGE、Yngwie Malmsteen
▼続きを読む
リフ(riff)

リフレクション/リフレインの略語。
最初はジャズ演奏におけるバックグラウンドとして使用され始めた。

多様な種類を持っており、楽曲の至る所で中核を成す極めて重要な部分である。ロックでは主に歪んだ重低音による単音、あるいは二音のフレーズの繰り返しがメインとなる。

エピックメタルでの使用頻度:
エピックメタルでもリフは重要である。楽曲の要であることはもちろんのこと、リフにエピカルなメロディや起伏を加味させ用いることも多い。この場合「エピカル・リフ」と一般には呼ばれる。

参考作品:
全ヘヴィメタル作品
▼続きを読む
image soon

Michael John Moorcock 1939-

マイケル・ジョン・ムアコック

"チャンピオン・エターナル"


「ムアコックは悲劇的な小説を多く描いた。その悲壮感と宿命感は今の私にも多く影響しているのだ」

経歴:
彼は1939年にイギリス、、ロンドン南部のサリー州Michamで生まれる。そして1956年ころ(17歳)に編集、創作を始めた。1961年にイギリスのSF雑誌『Science Fatasy』誌6月号に、エルリックを主人公とする中篇「夢見る都」を発表。1964年には25歳の若さで、雑誌『New Worlds』の編集長となる。彼は、「ニュー・ウェーブSF」と呼ばれることになる作品を多く掲載するようにり、一世を風靡した。1966年に発表した「この人を見よ(Behold the Man)」で1967年のネビュラ賞受賞する。1975年「ホークウインド」のメンバーなどとともにアルバム「ニュー・ワールズ・フェア(THE NEW WORLDS FAIR)」を発表。また「ブルー・オイスター・カルト」には作詞を提供するなど、音楽会への影響も見せている。『グローリアーナ(Gloriana)』で1979年度世界幻想文学大賞長編部門大賞を受賞した。1994年にイギリスを離れ、アメリカに移住し現在も執筆活動を続けている。

代表的な作品:
マイケル・ムアコックが生み出した物語は崇高なものだ。彼もヒロイックファンタジィの偉大な作家達(特に<コナン>を生み出したロバート・E・ハワード)に影響されはしたが、想像した世界は奇妙なものだった。病んだ文明人を主人公とした<エルリック・サーガ》はこれまでのファンタジーにおける固定観を徹底的な破壊するとともに、「アンチ・ギロイック・ファンタジィ」なるジャンルを新たに開拓した。屈強な男が明確なる悪を打ち破る構造ではなく、自らも悪に属し白人(アルビノ)故に常に苦悩を強いられる<エルリック>の登場は斬新だった。一説によるとエルリックにはムアコック自信が投影されているという。彼は自身の剣<ストームブリンガー>の吸収する魂なしでは生きていけないという設定も、その魅力を一層際立たせた。しかしムアコックはここで終わる作家ではなかった。〈〉を皮切りに〈コルム〉、〈エレこーゼ〉、〈ホークムーン〉と次々と英雄達を生み出し、それが1つのコンセプトの元に集結するという大河を創造した。《エレコーゼ・サーガ》第一作のタイトルに表された『永遠チャンピオン』、彼ら戦士達はそう呼ばれ、幾多の転生を繰り返し永遠の逃走を行うようムアコックに定められた。その舞台は《多元宇宙》と呼ばれる膨大な世界であり、ムアコック独自の宇宙観、思想が展開された。《多元宇宙》にはあまたの次元が存在しており、その個々の星それぞれに世界は違っている。全宇宙は〈宇宙の均衡(コズミック・バランス)〉によって支えられており、《宇宙の天秤》と、同じく太古より存在する2つの勢力(善と悪)である《法》と《混沌》は永遠とも言い得る構想を繰り広げ宇宙のバランスを左右する。そのバランスを保つのが「永遠チャンピオン」の運命であり、彼らは宇宙のサイクルの一部と化している。ムアコックはこの壮絶なサーガを練り上げ、ヒロイックファンタジィの歴史を塗り変えたのだ。また、彼は作中の数カ所に〈タネローン〉という名の都市を登場させており、この都市でチャンピオンたちの物語は終わりを告げた。ムアコックの代表作はもちろんこのこのシリーズだが、他にも。『グローリアーナ(Gloriana)』、『この人を見よ(Behold the Man)』等の名作を生み出している。「永遠チャンピオン」代表作は、『ストームブリンガー(Stormbringer)』、『暁の女王マイシェラ(The Vanishing Tower)』、『剣の騎士(The Knight of The Swords)』、『永遠のチャンピオン(The Eternal Champion)』、『タネローンを求めて(The Eternal Champion)』等がお勧めである。総じてムアコックの存在はファンタジィ界において絶大であり、彼の物語にひとたび触れれば、自分の持っている世界観に多大な影響を及ぼすことは必至である。生涯一読したい作家の一人である。

下記には、マイケル・ムアコックの代表的作品を年代と共に選出しておいた。

『エルリック・サーガ(Elric saga)』
「メルニボネの皇子」 Elric of Melnibone (1972)
「暁の女王マイシェラ」 The Vanishing Tower(The Sleeping Sorceress) (1970)
「ストームブリンガー」 Stormbringer (1963-1964)
「黒き剣の呪い」 The Bane of the Black Sword(1962)
『ホークムーン・サーガ(Hawkmoon saga)』
「額の宝石之巻」 The Jewel in the Skull (1967)
「赤い護符之巻」 Sorcerer's Amulet(The Mad God's Amulet) (1968)
「夜明けの剣之巻」 Sword of the Dawn (1968)
「杖の秘密之巻」 The Secret of the Runestaff(The Rune-staff) (1969)
「タネローンを求めて」 The Quest for Tanelorn (1975)
『コルム・サーガ(Corum saga)』
「剣の騎士」 The Knight of The Swords (1971)
「剣の女王」 The Queen of The Swords (1971)
「剣の王」 The King of The Swords (1971)
『エレコーゼ・サーガ(Erekosë saga)』
「永遠のチャンピオン」 The Eternal Champion (1970)
「剣のなかの竜」 The Dragon in the Sword (1986)
『その他』
「グローリアーナ」Gloriana (1978)
「この人を見よ」 Behold the Man (1969)

*日本のハヤカワSF文庫の挿絵は天野喜孝(ファイナルファンタジー等の原画を担当)が担当している。ムアコック本人も大変気に入っているという。

邦訳作品:
グローリアーナ (創元推理文庫)グローリアーナ (創元推理文庫)
(2002/01)
マイケル ムアコック
商品詳細を見る
ブラス城年代記〈3〉タネローンを求めて (創元推理文庫)ブラス城年代記〈3〉タネローンを求めて (創元推理文庫)
(1989/02)
マイケル ムアコック
商品詳細を見る
この世の彼方の海―永遠の戦士エルリック〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)この世の彼方の海―永遠の戦士エルリック〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
(2006/05)
マイクル・ムアコック
商品詳細を見る
暁の女王マイシェラ―永遠の戦士エルリック〈3〉 (ハヤカワ文庫SF)暁の女王マイシェラ―永遠の戦士エルリック〈3〉 (ハヤカワ文庫SF)
(2006/07)
マイクル ムアコック
商品詳細を見る
ストームブリンガー―永遠の戦士エルリック〈4〉 (ハヤカワ文庫SF)ストームブリンガー―永遠の戦士エルリック〈4〉 (ハヤカワ文庫SF)
(2006/09)
マイクル ムアコック
商品詳細を見る
額の宝石 【新版】 <ルーンの杖秘録1> (創元推理文庫)額の宝石 【新版】 <ルーンの杖秘録1> (創元推理文庫)
(2006/06/27)
マイケル・ムアコック
商品詳細を見る
赤い護符【新版】 <ルーンの杖秘録2> (創元推理文庫)赤い護符【新版】 <ルーンの杖秘録2> (創元推理文庫)
(2006/08/24)
マイケル・ムアコック
商品詳細を見る
黒曜石のなかの不死鳥―永遠の戦士エレコーゼ〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)黒曜石のなかの不死鳥―永遠の戦士エレコーゼ〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)
(2007/05)
マイクル ムアコック
商品詳細を見る
剣の騎士 [永遠の戦士 コルム1] (ハヤカワ文庫SF)剣の騎士 [永遠の戦士 コルム1] (ハヤカワ文庫SF)
(2007/11/08)
マイクル ムアコック
商品詳細を見る


エピックメタルに与えた影響:
これにしては影響力が顕著に見られるので、作例を挙げることが十分だ。マイケル・ムアコックの小説()はエピック・メタル界にまで影響を与えた。ここではロック界での話題は差し控えておく。ムアコックの「チャンピオン・シリーズ」はエピックメタルの音楽性に極めてオーヴァーラップした。小説中に表現された多元的な世界観、悲劇的な英雄行為、禍々しいまでの幻想はカルト・メタルの雰囲気に見事に照合する。まず1981年にキリス・ウンゴル(後にエピックメタルを代表するバンドとなる)は真っ先に〈エルリック〉の世界観をメタルに取り入れた。カオティックかつヒロイックなサウンド以外にもアルバムアートワーク、詞世界にまでその影響は及んだ。今でこそ有名なブラインドガーディアンも2nd「Follow the Blind」で既にムアコックの小説を詞にとりいれた。題材としたのは主に「メルニボネのエルリック」である。彼らは後に4th「Somewhere Far Beyond」にて『タネローンを求めて』を題材、タイトルとした"Quest for Tanelorn"を発表。それに続いたのがイタリアのドミネである。1997年に発表された1st「Champion Eternal」ではタイトルにそのまま使用されたということで、エピックシーンに衝撃を与えた。その後もドミネはこのコンセプトを続けていき、ムアコック系エピックメタルを完成へ導いた。私もその歴史的な3rd「STORMBRINGER RULER」(恐らく日本で一番聴いている)は今も愛聴しているしている。他にもスペインのダークムーアもで先述した〈エルリック〉を取り上げている。ムアコックの存在がなければ、今のエピックシーンは大きく変わっていただろう。もちろん、数々の傑作が誕生しなかったに違いない…。本当に彼が小説を書いていてよかった!


影響を受けた主なメタル作品:
DOMINE 「Champion Eternal」(1997) "The Mass Of Chaos" "The Chronicles Of The Black Sword" " The Black Sword" "The Eternal Champion"、「DragonLord」(1999) "Last of the Dragonlords (Lord Elric's Imperial) " "Mars, the Bringer of War" "Dragonlord (The General Master of the Mightest Breasts)"、「STORMBRINGER RULER」(2001) "The Legend of the Power Supreme" "The Hurricane Master " "Horn of Fate (The Chronicles Of The Black Sword - The End Of An Era Part II) " The Bearer of the Black Sword(The Chronicles Of The Black Sword - The End Of An Era Part I) "For Evermore(The Chronicles Of The Black Sword - The End Of An Era Part III)" "Dawn of a New Day - A Celtic Requiem (The Chronicles Of The Black Sword - The End Of An Era Part IV)"、「EMPEROR OF THE BLACK RUNES」(2004) "Arioch, the Chaos Star" "The Prince in the Scarlet Robe (the three who are one - part I)" "The Song of the Swords" "The Forest of Light"、BLIND GUARDIAN 「Follow the Blind」(1989) "Damned for All Time" "Fast to Madness"、「Somewhere Far Beyond」 (1992) "Quest for Tanelorn"、CIRITH UNGOL 「Frost & Fire」(1981) Art Work、「One Foot in Hell」(1986) "Nadsokor"、Paradise Lost」(1991) Art Work、DARK MOOR 「The Hall Of The Olden Dreams」(2002) "The Fall Of Melnibone"、メタル以外 Hawkwind 「Warrior on the Edge of Time」(1975) 、「The Chronicle Of The Black Sword」(1985)、BLUE OYSTER CULT Mirrors (1979)、Cultosaurus Erectus」(1980)、Fire Of Unknown Origin (1981)

DOMINE2DOMINE010304
▼続きを読む