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Introduction

Robert_E_Howard

「エピック・メタルとは、叙事詩的なヘヴィメタルの総称であり、主に大仰かつ劇的でヒロイックな音楽性を示す言葉である」 [More stats] 

 ──Cosman Bradley


◆新着情報 News Topics
[Reviews]
VALKYRIE 「Deeds of Prowess」
WRATHBLADE 「Into the Netherworld's Realm」
VIRGIN STEELE 「Nocturnes of Hellfire & Damnation」
[Release]
Jack Starr’s Burning Starr 「Stand Your Ground」
Cirith Ungol 「King Of The Dead」
Manilla Road 「To Kill a King」

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ShiHuangDi

Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2012
Reviews: 86%
Genre: Symphonic Epic Metal



イタリアのパレルモ出身、シンフォニック・エピック・メタルの使徒、ザイ・マジェスティの2012年発表の5th。




シンフォニックな側面からエピック・メタルの写実的なサウンドを追求するイタリアのザイ・マジェスティは、近年で最も評価を高めているバンドの一つに含まれる。彼らの具体的な功績は、主に『Hastings 1066』(2002)や『Jeanne D'arc』(2005)に見られる。この作品が成功した理由は、中世の史実を題材に選び、壮大なエピック・メタルのサウンドを映画的なシンフォニック・メタルで表現したことにある。その手法も独特であり、そこにあったのはオペラやサウンドトラックの要素を含む新しいエピック・メタルのスタイルであった。そのため、ザイ・マジェスティは一般的にエピック・メタルのジャンルに加えられることになった。



本作はザイ・マジェスティの第5作目であり、全く新しい挑戦を行っている。それはテーマに中国史を持ってきたことであり、これが彼らの転機にもなっている。
一般的にエピック・メタルというジャンルでは、テーマに中世の史実や架空のファンタジー、または文学作品などを取り上げることが多い。しかし、今回のザイ・マジェスティの試みは全く別である。本作に中国史──紀元前221年に中国統一を成し遂げた秦の始皇帝 (Shi Huangdi) の生涯──を選んだことで、サウンドはアジア的な要素を多く含んでいる。それが特に表現された"Under The Same Sky"や"Ephemeral"という楽曲では、従来のザイ・マジェスティの激しいエピック・メタルの要素の中にも新しい風を吹き込んでいる。これらのサウンドの中では、以前のザイ・マジェスティとは異なる魅力にリスナーは気付かされる。なお、本作の物語は中国の春秋戦国時代末期を舞台に、叙事詩的な戦争から国家の統一、そして始皇帝の死までを迫真のエピック・メタルで描いている。
本作ではイタリアのエピック・メタル、ホーリーナイツのシモーネ・カンピオーネ(g)がプロデュースを行い、クリムゾン・ウィンドのアレッシオ・トゥオルミーナが新ヴォーカルに抜擢。"End Of The Days"では、ラプソディー・オブ・ファイアのファビオ・リオーネがゲストに迎えられている。



1. Zhoongguo
2. Seven Reigns
3. Harbinger Of A New Dawn
4. Siblings Of Tian
5. Walls Of The Emperor
6. Under The Same Sky
7. Farewell
8. Huanghun
9. Ephemeral
10. End Of The Days
11. Requiem


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Dawn

THY MAJESTIE the 4th album in 2009 Release
(未聴)

イタリアのパレルモ出身、シンフォニック・エピック・メタルの使徒、ザイ・マジェスティの2009年発表の4th。


「Dark Balance Records」より発表。前作『Jeanne D'arc』(2005)よりヴォーカルがジュリオ・グレゴリオ(Giulio Di Gregorio)からダリオ・カーショ(Dario Cascio:vo)に交代。全3部作から構成されるエピック・メタル作品であり、♯1~♯3が「Trapasso - Exequies of the formal sphere」、♯4~♯10が「Rovina - The neverending night」、♯11~♯12が「Vendetta - A new Dawn」を表している。作品のモチーフは従来のイメージとは異なる"戦争と死"。




1. As You Fall
2. M.A.D.
3. Dawn
4. The Hunt
5. Of pain and Disgrace
6. To an Endless Devotion
7. Inferis Armata
8. Two Minutes Hate
9. The Legacy
10. Out the Edge
11. Day of the Changes
12. Through Heat and Fire



Review by Cosman Bradley
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ジャンヌ・ダルク

THY MAJESTIE the 3rd album in 2005 Release
★★★★★★★★★☆...(傑作)

イタリアのパレルモ出身、シンフォニック・エピック・メタルの使徒、ザイ・マジェスティの2005年発表の3rd。


物語...
1337年から1453年にかけて続いた英仏百年戦争の最中に救世主として登場し、「オルレアンの乙女(The Maid of Orléans)」と称されたフランスの英雄ジャンヌ・ダルク(Jeanne D'arc)。ジャンヌは神の啓示によってオルレアンの解放とランスでの戴冠式を使命とし、"パテーの戦い"での勝利の後、ノートルダム大聖堂でフランス国王シャルル7世として戴冠した。宮廷内で孤立した後、1430年のコンピエーニュの戦いでブルゴーニュ軍に捕らえられたジャンヌは、イギリス軍に異端者として異端審問裁判にかけられる。裁判によれば、ジャンヌが聞いた声は神のそれではなく、別のものであったという。よってジャンヌには死刑判決が下り、中世キリスト教世界で最も過酷な刑罰──火刑を受けることとなった。ジャンヌの火刑が実行されたのはフランス、ルーアンのヴィエ・マルシェ広場であったという。ジャンヌの死後、ローマ教皇カリストゥス3世のもと裁判がやり直され、ルーアンにて死刑判決が覆る。爾来、フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトの再評価によって広く名が知れ渡り、徐々にフランスでの国民的英雄としての地位を固めていく。1920年にはベネディクトゥス15世によって列聖され、カトリック教会の聖人に名を連ねた。

『Jeanne D'arc』について...
伝説はかつてスペインのダーク・ムーアが第2作『The Hall Of The Olden Dreams』(2001)の"Maid of Orleans"で取り上げたものだ。この叙事詩を扱った他の作品にリュック・ベッソンの映画『The Messenger: The Story of Joan of Arc(邦題:ジャンヌ・ダルク)』(1999)があるが、内容についてはそちらの方が詳しい。過激かつリアルな描写がセンセーショナルな印象を与えた問題作である。
話が逸れたが、1998年のイタリア・パレルモで結成されたエピック・メタル・バンド、ザイ・マジェスティが「Scarlet Records」より発表した第3作『Jeanne D'arc』のテーマに選択したのがこのジャンヌ・ダルクの生涯である。バンドの結成は、同郷のクラウディオ・ディプリマ(Claudio Diprima:d)とジュセッペ・ボンディ(Giuseppe Bondì:key)が出会ったのがきっかけであったという。二人は徹底して「エピカルなヘヴィメタル」を目指し、以来シーンでの活動を続けてきたのである。
本作でザイ・マジェスティは、演劇的かつリアリスティックな手法を用い、悲劇と栄光に満ちた聖女ジャンヌ・ダルクの真実に迫っている。本作で描かれているのは、ジャンヌ・ダルク死後の再評価までとなっており、その凄絶な様が血生臭くも圧倒的なスケール感のエピック・メタルによって構築されている。1066年に実際に起こった「ヘイスティングスの戦い」を描いた前作『Hastings 1066』(2002)がエピック・メタル史に巨大な爪痕を残した功績はどう考えても大きいのだが、そのザイ・マジェスティの新作ともあれば、否応にも周囲の期待は高まるもの。前作からおよそ3年という空白を経ての本作の発表は、バンドにとっても新しい挑戦となっている。
バンド内での変化もあった。今作から新ヴォーカルを録るのがジュリオ・グレゴリオ(Giulio Di Gregorio)であり、前任のダリオ・グリーオ(Dario Grillo)よりも力強い歌声が特徴的なシンガーだ。ヴォーカルの影響力もあるが、本作のサウンドは以前のザイ・マジェスティよりも遥かにパワー・メタル的な攻撃性が前面に押し出された作風である。全体的に壮大な演出を得意とした迫真のエピック・クワイアは控えめであり、より肉薄のあるコーラスが主役となっている。ジャンヌ・ダルクはカトリック教の聖女なので、"Ride To Chinon"、"...For Orleans"などの楽曲ではよりキリスト色の強いコーラス・パートも目立っている。ザイ・マジェスティは、過去シングルにもなった『Echoes of War』(2003)という絶対的な名曲を持っているが、今作でも卓越した作曲とソングライティングで"The Chosen"という次世代エピック・メタルの名曲を完成させている。当然の如く、その他の楽曲ですら、完成度は恐ろしいまでの高水準を保っているところは、このバンドの圧倒的なポテンシャル故であろう。
シンフォニックな側面からエピック・メタルを追求してきたのがイタリアのザイ・マジェスティというバンドである。ここに表現されているすべての壮麗なサウンドは、一見ヘヴィメタルとも疑われるものだが、その根本的な概念はやはりエピック・メタルに属している。この分野は途方もない進化を遂げている。ザイ・マジェスティのサウンドを聴けば直に事実は明白なものとなる。エピカルなパワー・メタルとリアリスティックな中世史の融合を果たし、本作『Jeanne D'arc』で徹底的に描かれたストーリーテリングな内容は、劇的な興奮を聴き手に齎し、多くのエピック・メタル・ファンの心を捉えることが約束されている。




1. Revelations
スペクタクル映画の如きイントロダクション。SE、クワイア、オーケストレーションを使用する。
2. Maiden Of Steele
スピード感溢れる勇壮なエピック・メタル。アグレッシブなサウンドの中に中世のメロディ、強烈なサビのインパクトを加える。コーラスはキャッチーでありながら、中世時代の雰囲気を漂わせている。
3. The Chosen
"Echoes of War"に次ぐ名曲。荘厳な中世のメロディに乗せ、徹底して大仰なヒロイズムが流麗に描かれている。エピカルなオーケストレーションを駆使した劇的なサウンドは圧巻である。臨場感及び緊張感も特筆に値する。
4. Ride To Chinon
スピーディなパワー・メタルと中世の世界観が融合した楽曲。芸術的なコントラストを持つ。クワイア・パートではカトリック的なムードも醸し出している。
5. ...For Orleans
目まぐるしい展開を持つ名曲。エピカルなリフを用い、戦場のSEが雰囲気を盛り上げる。映画の如き圧倒的なスケール感を放ち、大仰極まるコーラスを導入。ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』のように、終始劇的な旋律に包み込まれている。
6. Up To the Battle!
疾走曲。スピーディなサウンドにヒロイックなメロディが伴う。
7. March Of the Brave
イントロダクション。
8. The Rise Of a King
悲劇的な旋律を伴う楽曲。静と動の使い分けが際立つ。他の楽曲の例に洩れず、本曲も壮大なクワイア・パートを持っている。
9. Siege Of Paris
宗教音楽の如きイントロからヘヴィなリフへと展開。ダークなムードが漂うが、サビは真逆。エピカルなサウンドの発する誘引力は相当のものである。
10. Time To Die
重厚なミドル・テンポ。史実的かつオペラティックなサウンド。ジャンヌ・ダルクのリアリスティックな悲劇を演じている。後半ではテンポ・チェンジする。
11. Inquisition
不穏なイントロダクション。
12. The Trial
プログレッシブな大作。複雑なパートから構成され、疾走と減速を繰り返す。ヴァースからコーラスまでシリアスな雰囲気で統一され、立体的な音で聴き手に迫る。中間部では更にプログレッシブな展開を持ち込む。



Review by Cosman Bradley
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Echoes of War

THY MAJESTIE the mini album in 2003 Release
★★★★★★★☆☆☆...(佳作)

イタリアのパレルモ出身、シンフォニック・エピック・メタルの使徒、ザイ・マジェスティの2003年発表のEP。


第2作『Hastings 1066』(2002)より本作タイトル・トラック"Echoes of War"、日本盤ボーナス・トラックよりストライパー(STRYPER)のカヴァー"In God We Trust"、及び第1作『The Lasting Power』(2000)のブラジル盤ボーナストラックより"Hywelbane"、"Facing the Beast"の2曲を収録。世界各地のエピック・メタル・ファンから大反響を得た前作だが、その最大のハイライト"Echoes of War"が収録されている点では大きい。




1. Echoes of War
2. In God We Trust
3. Hywelbane
4. Facing the Beast



Review by Cosman Bradley
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HASTINGS 1066

THY MAJESTIE the 2nd album in 2002 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

イタリアン・エピック・メタルの新星、ザイ・マジェスティの2002年発表の2nd。


「英国の運命に新たな風を吹き込むべし」

"Echoes Of War"より


ザイ・マジェスティの真価がこの作品には込められている。それはエピック・メタルの真価と同じものであり、充実した完成度と整合性、物語性を加味した、エピック・メタル・ファンが求めてやまないものである。本作はまさに、歴代のエピック・メタル作品の中でも歴史的な一枚であり、我々の独断と偏見では、全てのエピック・メタル・ファンが聴くべき作品である。
エピック・メタル的な要素として、まずはコンセプトの選択に注目する。我々は以前コラム(Battle of Hastingsでも触れたが、本作は中世史において最も重要視される「ヘイスティングスの戦い」を題材としたトータル・ストーリー・アルバムである。この史実はイングランドの王座を巡る抗争であり、ノルマンディ公ウィリアムの英雄物語でもある。ザイ・マジェスティはエピック・メタルの基本的な題材の選択を行っている。従来、中世世界のテーマはこの分野にとって極めて馴染みが深いものだ。安易なファンタジーではなく、中世の実際の史実を取り上げたことによるリアリスティックな演出も評価に値しよう。
次にサウンドが、エピック・メタルの理想的な劇的さで表現されているということである。本物の聖歌隊を起用した壮大極まりないクワイアの紡ぎ方、大仰な盛り上がり、中世民謡調のメロディの導入、更には劇的な曲展開と非の打ちどころがない内容だ。聴き手ははすぐさま、本作の徹底された、映画のスクリーンの如き圧倒的な叙事詩的音に飲まれることであろう。楽曲の繋ぎ方に関しても、全く持って素晴らしいとしか言いようのない構成。小曲を巧みに挿みながらのメイン・トラックへの流れは、コンセプト・アルバム特有の流れではあるが、その効果は中世の風景を伴う視覚的効果と共に最大限に発揮されている。また臨場感も圧倒的だ。
シンフォニックなエピック・メタルにシリアスで壮大な音楽性を求め、かつリアリティも追求した本作は、エピック・メタルが提供する恍惚の賜物である。本作の内容は、ヘヴィメタルのジャンルを超えたかに思われる──かつてアングラの「Temple Of Shadows」がそうであったように。一つの物語をエピック・メタルを通して感じることができる架空の擬似体験は、常に驚嘆すべき興奮に満ち溢れたものだ。




1. Rerum Memoria
2. The King And The Warrior
勇壮な中世系シンフォニーがメロディックなリフと共に駆け抜けるエピックメタルの典型。ヒロイックなメロディラインは魂を高揚感に包む。名曲である。
3. Intro Echoes
4. Echoes Of War
本作のハイライトにして歴史的名曲。映画さながらの重厚感と圧倒的なスケールが聴き手を包む。騎士の勇敢さ、歴史的な臭気を宿した旋律が劇的に展開される様は凄まじいの一言に尽きる。
5. The Sight Of Telham Hill
牧歌的なイントロダクションに続く幕開けは劇的である。そこから勇壮極まりない疾走曲へと展開し、スクリーンの如き目まぐるしい場面を次々に見せる。サビの神聖なクワイアには宗教的雰囲気すら漂っている。また、この曲の最大の見せ場は中間部から始まり、冒頭の幻想的な民謡旋律が再び繰り返されるパートは感動的ですらある。
6. Incipit Bellum
7. Intro Scream
8. The Scream Of Teillefer
9. Intro Anger
10. Anger Of Fate
ヒロイックな雰囲気を前面に押し出したエピック。中世騎士を思わせる魅惑的・幻想的なロマンティシズムが楽曲に彩りを加える。
11. Intro Pride
12. The Pride Of A Housecarl
13. Through The Bridge Of Spears
14. Demons Of The Crow
イングランドにおいて、戦いに勝利したウィリアムの戴冠を描くラスト。映画音楽を彷彿とさせる重厚感や臨場感を駆使し、盛大に描ききっている。大仰なスケールが胸を打つ。
15. In God We Trust



Review by Cosman Bradley
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The Lasting Power

THY MAJESTIE the 1st album in 2000 Release
(未聴)

イタリア出身のエピック・メタル、ザイ・マジェスティの2000年発表の1st。


劇的なシンフォニック・メタルを提示し、本格的なエピック・メタル・サウンドを提供するイタリアのザイ・マジェスティ。本作はアメリカのファンタジー作家、テリー・ブルックスの小説『The Sword of Shannara(邦題:シャラナの剣)』(1977)を題材とした自作ストーリー・アルバム。中世騎士道物語、宮廷風ロマンスに通じる雰囲気や民謡調メロディを用いたサウンドは壮麗。やはり素晴らしいのは、大仰かつ聖歌隊を彷彿とさせる壮大なクワイア。華麗なストーリーを伴って展開する合唱には、エピック・メタルの神髄が見い出せる。




1. Thy Majestie Theme
2. Wings of Wind
3. March of The Damned
4. Under Siege
5. Name of Tragedy
6. Durnovaria
7. ...At The Village
8. Mystery of Forest
9. Cruenta Pugna
10. The Green Lands
11. Sword of Justice
12. Tears of Sorrow
13. Treachery
14. Nymph's Recall
15. Time To Battle



Review by Cosman Bradley
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