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Robert_E_Howard

「エピック・メタルとは、叙事詩的なヘヴィメタルの総称であり、主に大仰かつ劇的でヒロイックな音楽性を示す言葉である」 [More stats] 

 ──Cosman Bradley


◆新着情報 News Topics
[Reviews]
VALKYRIE 「Deeds of Prowess」
WRATHBLADE 「Into the Netherworld's Realm」
VIRGIN STEELE 「Nocturnes of Hellfire & Damnation」
[Release]
Jack Starr’s Burning Starr 「Stand Your Ground」
Cirith Ungol 「King Of The Dead」
Manilla Road 「To Kill a King」

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The Holy Empire


Country: United States
Type: Full-length
Release: 2013
Reviews: 83%
Genre: Epic Metal



アメリカのエピック・メタル、ウォーロードの2013年発表の3rd。

ウォーロードの第3作『The Holy Empire』は、活動停止後のバンドの復活作として、アンダーグラウンド・シーンのエピック・メタルのファンたちからも注目されていた。ウィリアム・チャミスとマーク・ゾンダーを中心として、そこに元マーティリアのリック・アンダーソンをヴォーカルに向かえて制作されたのがこの『The Holy Empire』だった。本作はアメリカやヨーロッパのエピック・メタル・シーンにおいて話題となり、ウォーロードという存在が強力な影響力を持っていることを証明するためには、十分な完成度を有していた。かつて、ウィリアム・チャミスはローディアン・ガードでクリスチャン的なエピック・メタルを創造したが、その流れを受け継いだのが『The Holy Empire』という作品だった。ローディアン・ガード時代からの影響は"Father"で表現されており、その他に"Thy Kingdom Come"、"The Holy Empire"などの楽曲がキリスト教的な世界観を強調している。"City Walls of Troy"はウォーロードのエピック・メタル・ルーツの一つ、古代ギリシャの叙事詩に影響を受けた楽曲であり、カトリック風のメロディとは異なった暗い世界を表現している。"Kill Zone"は『The Holy Empire』の楽曲の中では異色の内容を持ち、80年代のスラッシュ・メタルに通じるアグレッシブなムードを醸し出している。アルバム・ジャケットはジョン・マーティンが描き、バンドが再びクリスチャン的なエピック・メタルを意識していることが伝わる。



1. 70,000 Sorrows
2. Glory
3. Thy Kingdom Come
4. City Walls of Troy
5. Kill Zone
6. Night of the Fury
7. Father
8. The Holy Empire


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ライジング・アウト・オブ・ジ・アッシェズf The Ashes



Country: United States
Type: Full-length
Release: 2002
Reviews: 85%
Genre: Epic Metal


伝説的なカルト・エピック・メタルの王者、ウォーロードの2002年発表の2nd。


新ヴォーカルにウォーロードのファンを公言していた、ハンマーフォールのヨアヒム・カンス(vo)を迎え制作。約20年の時を経て、再び世に送り出された奇跡のエピック・メタル作品。奇跡はバンドの復活だけではなかった。アルバムの内容、そしてサウンドもかつてのウォーロードを感じさせる。時代を経て変わるものもあるが、このバンドにとって変わったものは、最新の録音技術の違いだけだった。

収録された内容は、大半がローディアン・ガード(LORDIAN GUARD)時代と過去のアルバム楽曲の焼き直しだが、完成度は驚くほど高い。長年のファンは、その不変のサウンドを体験することができる。自らの音楽性を一貫して追求することが、伝統的なヘヴィメタルの長所である。この音楽のスタイルは保守的だと見られる場合も多いが、信念を貫けない作品に果たして魅力はあったのだろうか。答えは否である。

様式美を極めたウォーロードの本作におけるサウンドは、カルト的で重厚な雰囲気が支配する伝統的なエピック・メタルのそれだった。リードギターの抒情的なフレーズの多様、硬派なドラマ生、漢らしい大仰さが滲み出たウォーロードのエピック・メタル・サウンドは、非常にシリアスだった。ドラマティックでシリアスなヘヴィメタルを探しているファンなら、本作の内容に満足することは確実。孤高のエピック・メタルという言葉が相応しい作品である。

なお、ここではバンド名に言及する。WARLORDというのは"王者の中の王者"という意味である。ちょうどこの言葉は、エドガー・ライス・バロウズの「火星シリーズ」に登場する英雄、ジョン・カーターを表す際用いられた、栄誉ある称号だった。本作には、過去の名曲"Lost and Lonely Days"が日本盤のみのボーナス・トラックとして収録。輸入盤には未収録なので注意。その後、2015年にルビコン・ミュージックより紙ジャケットでリマスター再販された。



1.Battle of the Living Dead
ローディアン・ガード時代の楽曲。ザクザクしたメタリックなリフから勇壮なメロディを伴い疾走する佳曲である。重厚なリフ使いは正統派に通じる。
2.Enemy Mind
独特の荒涼とした雰囲気を惜しみなくにじませるミドルテンポ。ダークでシリアスなメロディもいい味を出している。前半部は彼らにしては大仰さが抑え気味だが、後半部からのメロディックなパートでは盛り返す。
3.Invaders
SFチックな、メロディアスかつドラマ性に満ち溢れた名曲。明快なサビの哀愁漂うコーラスは絶品。歌のメロディに関して言えば、スケール感を感じるものである。特筆すべきは、中間部分より開始される劇的なツインリードパートであり、美しさすら感じるメロディ展開には息をのむ。大方この私の美的感覚を刺激したのは、様式美のそれだろう。これほど泣きのメロディを大仰に繰り出すバンドはいない。
4.Winds of Thor
ウォーロード時代、『Metal Massacre II』に収録されたのが初出。劇的極まりないヒロイックメロディを奏でる圧巻のフィニッシュブロー。凄まじいまでに重厚感あふれる名リフとヒロイックなギターの絡みはエピックメタルの極みといっていい。この名曲一曲で、彼らの偉大さを知るのには十分だろう。孤高のドラマ性、豪傑なヒロイズム、大仰さ、様式美が最高次元で融合した大傑作である。
5.War in Heaven
ローディアン・ガード時代を代表する名曲のリメイク。漢らしさに哀愁のリードメロディを加味した壮絶なナンバー。威厳さえ漂う高潔な楽曲である。
6.My Name Is Man
なにやらファンタジックな笛らしき音色のイントロで始まり、異例を帯びたバラード調へと流れる。まるで漂う雰囲気は中世の騎士さながらで、高潔さ、勇敢さで溢れかえっている。
7.Lucifer's Hammer
弾丸の様なリフと哀愁のリードが絶妙に絡み合うエピックパワーメタル。ここでもやはり漢らしさのにじむ重厚なリードメロディに続き泣きのメロディに転調するという劇的な手法が活かされている。
8.Sons of a Dream
キャッチーなコーラスで幕あけ、劇的なエピックメロディへと展開する圧巻の曲。
9.Achilles Revenge
戦いを想起させるウォー系エピックナンバー。ヒロイックなスケール感を網羅する、劇的なまでにメロディックな名曲。曲に漂う戦士的で力強い雰囲気は、このジャンルでは最高峰のものだ。伝説的なエピック・アルバムであるう本編を締め括るに相応しい、壮大なナンバーである。
10.Lost and Lonely Days
日本盤のみのボーナストラック。


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The Best of...


Country: United States
Type: Compilation
Release: 1993
Reviews: 80%
Genre: Epic Metal


アメリカのロサンゼルス出身、エピック・メタルに多大なる影響を残した伝説的なバンド、ウォーロードの1993年発表のベスト盤。


1983年発表のデビューEP『Deliver Us』、シングル『Lost and Lonely Days』(1894)、第一作『...And the Cannons of Destruction Have Begun』の内容を収録。恐らく正統的なベスト盤である本作は、当時殆ど廃盤状態にあったウォーロードの楽曲をすべて網羅したファン感涙の作品である。ウォーロードの音楽性はドラマティックであり、哀愁に満ちた様式美の作風は他のバンドと一線を画している。今なおカルト的なファンが世界中に点在していることからも分かるように、マニアの間では相当な人気がある。エピックと称するに相応しい本作の大仰かつヒロイックな楽曲群は、実に漢臭くメロディアス。特にギタープレイに関しては、様式美を極めた幽玄な雰囲気を有している。エピックメタルを語る上で欠かせないこのウォーロードだが、このベスト盤にしても現在はプレミア価格がついている次第。近年ではバンドの2011年の再結成に続き、過去作品が徐々にリマスター再発され、楽曲をようやくCDで聴けるようになった。



1. Deliver Us from Evil
2. Winter Tears
3. Child of the Damned
4. Penny for a Poor Man
5. Black Mass
6. Lucifer's Hammer
7. Mrs. Victoria
8. Aliens
9. Lost and Lonely Days
10. Beginning/Lucifer's Hammer
11. Soliloquy
12. MMCLXXXIV
13. Child of the Damned


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ザ・キャノンズ・オブ・デストラクション



Country: United States
Type: Live album
Release: 1984
Reviews: 84%
Genre: Epic Metal


アメリカの伝説的なカルト・エピック・メタル、ウォーロードの1984年発表のライブ盤。


実際にはビデオ・サウンド・トラックの形式を取る本作『...And the Cannons of Destruction Have Begun』は、ウォーロードが80年代に発表した数少ない本格的な作品である。デストロイヤー(William J Tsamis:g)、サンダー・チャイルド(Mark S Zonde:d)、ダミアン・キング二世(Rick Cunningham:vo)、アンチエンジェル(Dave Waltry:b)、センティネル(Diane Kornarens:key)のメンバーによって制作された。

観客のいない状態での擬似ライブを収録したビデオのサウンド・トラックという異例の本作は、当時主流であったMTVを狙ったものである。また、単なるプロジェクトとしてライブを行わないウォーロードが、ファンのためにその願望を叶えた作品でもあった。当然の如く、この斬新な発想はファンを歓喜させ、本作『...And the Cannons of Destruction Have Begun』が称賛されるのに長く時間はかからなかった。

デビューEP『Deliver Us』(1983)を経て発表されたシングル『Lost and Lonely Days』(1894)の内容を収録した本作は、ウォーロードの正確な第一作目としての認識が高い。『Deliver Us』で披露した叙情的なヨーロピアン・サウンドはそのままに、よりパワー・メタルとしてのアグレッシブな面を前面に押し出したのが本作の全容であり、その他に聴き手を絶えず魅了するメロディも兼ね備えている。本作の充実した完成度を考えれば、『Deliver Us』がカルト・エピック・メタルのマニアたちに高く評価されたことも頷ける。最も本作の評価は、前作に勝るとも劣らない。

熱烈なファンによって支えられ、ウォーロードの評価は永久に揺るぎないであろう。なぜなら、それは過ぎ去った時代の名残であり、過去ウォーロードは実力で称賛を勝ち取ったからだ。戦いの原野の栄光が風に乗って遠くの土地へ運ばれるように、ウォーロードの残した功績は各地へ広まり、再びロック音楽のファンたちを魅了することとなる。そして、彼らはエピック・メタルの古い歴史を紐解く時に、日焼けした辞書の中に、ウォーロードの名を目にすることになるのだ。なお、本作は2015年にルビコン・ミュージックより紙ジャケでリマスター再販。



1. Beginning / Lucifer's Hammer
台詞入りのイントロダクションを加えたEP『Deliver Us』の最後の楽曲。オリジナルより遥かにヘヴィなサウンドへと進化を遂げ、ギターソロ・パートは最高のものを聴かせる。
2. Lost and Lonely Days
シングル『Lost and Lonely Days』から収録。ウォーロード最大の名曲。中間部のソロ・パートはあまりにも臭い。以外にも歌詞は失恋について書かれている。
3. Black Mass
EP『Deliver Us』から収録。緊張感が増し、メロディの切れも良い。神秘的な雰囲気も醸し出す。
4. Soliloquy
キーボードの旋律を主に用いた楽曲。独特の荒涼とした質感にも磨きがかかる。哀愁は絶品。
5. Aliens
シングル『Lost and Lonely Days』から収録。ボイジャー1号とパイオニア10号が宇宙人と遭遇する可能性について示唆されている。メロディアスなフレーズを執拗に繰り出す本曲は、ウォーロードの様式美のスタイルをよく表している。メロディックなエピックメタルとしての完成度は高い。
6. MCMLXXXIV / Child of the Damned
冒頭のローマ数字は本作が発表された1984年を表している。劇的なイントロダクションに始まり、圧倒的なスピードで雪崩れ込む構成は、後のドラマティック・メタルの分野に幾許かの影響を与えた。
7. Deliver Us From Evil / End
EP『Deliver Us』の一曲目。意図したのかは分からないが、本作の最後でEPの冒頭に戻る展開は凝っている。無論、本曲も元曲を軽く凌駕する素晴らしい名曲。


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悪魔の洗礼



Country: United States
Type: EP
Release: 1983
Reviews: 88%
Genre: Epic Metal


アメリカのロサンゼルス出身、カルト・エピック・メタルの王者、ウォーロードの1983年発表のEP(現在は1stと認識)。


『Deliver Us』について...
ウォーロードのデビューEPとして記録されている本作『Deliver Us』は、1983年に当時はまだインディーズ・レーベルでしかなかった「Metal Blade Records」より発表された。ロシアン・ルーレット(Russian Roulette)と呼ばれるハードロック・バンドで活動していたサンダー・チャイルド(Mark S Zonde:d)がデストロイヤー(William J Tsamis:g)と出会い、1980年にウォーロード結成が結成された。彼らにとって、これはロサンゼルスで始動したヘヴィメタル・プロジェクトの一つに数えられた。
ある日、二人は「Metal Blade Records」の企画する『Metal Massacre』(*注釈1)のコンピレーション・アルバムの広告を目にした。そしてデビューのために、自らを「Oz Records」へと売り込んだのである。その偶然の試みが首尾よく成功したように、"Winds of Thor"、"Lucifer's Hammer"の2曲が『Metal Massacre II』に収録された。ウォーロードは後にダミアン・キング二世(Rick Cunningham:vo)、アンチエンジェル(Dave Waltry:b)、センティネル(Diane Kornarens:key)のメンバーを雇い、初のEP『Deliver Us』を完成させた。
本作の発表はウォーロードに大きな成功をもたらし、『Deliver Us』の楽曲は頻繁にロサンゼルスのラジオでも演奏された。またサンフランシスコでもウォーロードのヨーロピアンなサウンドが既に大絶賛され、一部でカルト的な人気を誇った。更にウォーロードは日本のワタナベ・ミュージックとも契約を交わし、1984年には『Deliver Us』の日本盤が発売された。日本のHR/HM専門誌『Burrn!』でもウォーロードの記事が紹介され、多くのファンを生んだ。この頃、ウォーロードは正式なバンド体制ではなく、事実ライブを一度も行うことがなかった。この逸話がアンダーグラウンドのカルト・メタル・シーンで語り継がれ、現在では一種の伝説と化している──以上が、"幻の名盤"『Deliver Us』に関して我々が知る限りの情報である。

*注釈1:「Metal Blade Records」企画のヘヴィメタル・オムニバス・アルバム。80年代初期にキリス・ウンゴル、ヴァージン・スティール、メタリカ、スレイヤーなどのバンドが楽曲を収録したことでも知られる。


*  *  *


上記の複雑な経緯は、ウォーロードのEP『Deliver Us』をヘヴィメタル界でも異色の作品として位置付けるには十分な要素であり、実際に本作は異色のサウンドを収めている。ウォーロードがアメリカのバンドらしからぬヘヴィメタルの様式美を踏襲し、叙事詩的な作曲アプローチを行ったことは明白であり、万人の評価に値するものであろう。また、エピックなパワー・メタルの元祖でもある本作は、他のバンドの作品群と一線を画し、ミスティクかつオカルティックな世界観を劇的な手法で描いている。1983年の彼らの快挙は、大いに評価されて然るべきだ。主に聖書をテーマにした特殊な歌詞は、作詞したデストロイヤーの個性と相俟って、荒涼とした独特の風味を本作に馴染ませている。

ウォーロードの『Deliver Us』は、紛れもなく80年代初期を代表するエピック・メタルの名盤だが、本作が市場に出回った数を考慮してみても、万人がこの音源に辿り着いたとは到底考えられない。過去、ウォーロードの存在に気付き、尚且つ幸運を備えた者のみが、この『Deliver Us』を手にすることができた。最も今となっては、優れたインターネットの力でウォーロードの楽曲を聴くことが容易となっている。しかし、本作を単なる"思い出"として消化してしまうことは、あまりにも惜しいようだ。 なお、本作は2015年にルビコン・ミュージックより紙ジャケでリマスター再販。多くのロック音楽のファンたちがウォーロードのCDを手にすることとなった。



1. Deliver Us From Evil
アコースティック・パートから始まり、荒涼とした世界を描く。リード・ギターを主軸にしたドラマティックなヘヴィメタルである本曲は、ウォーロードの代表的楽曲の一つであろう。
2. Winter Tears
メロディアスなフレーズが耳を惹きつける。全編に渡り哀愁が滲み出ている。中間部のソロ・パートはヘヴィメタルの様式美に忠実。アコースティック・ギターによるエピローグにも注目したい。
3. Child of the Damned
強力な疾走曲。鋭利なリード・ギターに導かれて劇的な疾走をする。ウォーロードが生み出したアグレッションの名曲といっても過言ではない。なお本曲は様々なバンドによってカヴァーされている。
4. Penny For a Poor Man
静と動を駆使した内容。メロウなパートとヘヴィなパートを合わせ持つ。
5. Black Mass
宗教的な雰囲気を宿す楽曲。本作中最も不気味な雰囲気を宿した楽曲であり、重苦しいメロディが特徴的。
6. Lucifer's Hammer
ヘヴィなリフが打ち出される名曲。スムーズな楽曲の展開力がドラマ性を極める。中間部のソロは必聴。リード・ギターも最高にメロディアスなもの。


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