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Blazon Stone

Running Wild the 6th album in 1991 Release
★★★★★★★★☆☆...(名盤)

船長ロックン・ロルフ(g、vo)率いるジャーマン・パワー・メタルの権化ランニングワイルドの6th。

私が所有しているのは1997年のノイズからのリマスター盤である。前作でも書いたが、リマスターにより異常なほどメタリックでダイナミックな音質へと変化しているため(もともと楽曲がパワフルということもあるが)、#1冒頭のツインリードが炸裂するパートには鳥肌が立った様だ。
作風は前作と全くと言っていいほど変わらぬ伝統的なヘヴィメタルスタイルを今作でも披露。といっても前作よりも更に楽曲のメタルサウンドが野太くなり洗礼の度を磨いているので、その手のメタルファンにはもちろんのこと、正統派メタルを聴き始める向きにも十分薦められる。
特に先ほども挙げた#1はこれ以上ないほど劇的な幕開けを持つ、孤高の名曲である。他にもキャッチーなまでに親しみやすいメロディを持つ#5も名曲に値するだろう。
このヘヴィかつメタリックなテンションは前編に渡って繰り広げられるが、前半に名曲が集中しているせいと漢らしい熱い世界観も相まって、後半には少々聴き疲れも覚える。最も、それは本作のボリュームが満足いくものであることに他ならないのだが。彼らの圧倒的なポテンシャルの高さと、独特の世界観を継続したという意味では、今作は最高のヘヴィメタルアルバムに位置する。その絶対的な個性である、シン・リジィからの影響を伺わせるケルティック/アイリッシュ調のメロディの導入も、完成されたメタルサウンドに物語を想起させるに至るまでストーリーテリングである。ランニングワイルドの放出するケルティックメロディは洗礼されたものであり、極めて明確な旋律を耳に残すことが出来る。

今作に限らず思うことだが、ランニングワイルドのメタルは、徹底された"海賊"に代表される勇壮な世界観と漢臭い楽曲で唯一無二の個性を持っている。充実とはまさに彼らの作品のことである。ロルフ船長の操舵は、ジャーマンの伝統的な古い香りを潮風の如く運び、中世の哀愁の旋律を歌って、我々を変わらぬ冒険に連れ出してくれるのだ。


1. Blazon Stone
メタル界広しといえど、これほど劇的なイントロダクションを設けたバンドはいないだろう。キーボードなどは一切使用せず、鋼鉄のツインリードとドラムスのみで形成される伝統のサウンドは、魅惑的なほど漢らしい。この名曲の2分以上も続くイントロは、名演どころかドラマティック・メタル史に残るかと思われる。その後の展開も、ドラマ性と勇壮さに満ちた、見事なエピックパワーメタルが展開される。爽快感すら溢れるサビでのメロディアスな歌パートと扇情的なギターのフレーズも、この上ないほど高揚感を昂ぶらせる。クライマックスでのツインリードパートでは、またもや激烈なケルティックメロディが早弾きされ、雄大なそのメロディは圧巻のスケール感を放つ。まさに名曲中の名曲、前作収録の「Riding the Storm」と並び彼らの歴史を語る上で欠かせない曲である。
2. Lone Wolf
3. Slavery
4. Fire & Ice
5. Little Big Horn
陽気な雰囲気とメロディが印象的な曲だが、明白な展開と程良い洗礼がなされた充実の名曲である。ランニングワイルド特有のケルトメロディは大放出だ。
6. Over the Rainbow
7. White Masque
8. Rolling Wheels
9. Bloody Red Rose
10. Straight to Hell
11. Heads or Tails
12. Billy the Kid
13. Genocide
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Death or Glory


Running Wild the 5th album in 1989 Release
★★★★★★★★★☆...(名盤)

1989年に発表されたランニングワイルドの5th。
このアルバムは1997年にドイツのノイズ・レコードからリマスターされている。リマスター盤にはボーナストラックがつくばかりか、音質が大幅に良くなり、メタリックなリフの生み出すダイナミズム、楽曲の迫力が大幅に増している。

数あるランニングワイルドのアルバムの中でも本作を最高傑作に挙げるファンは多い。彼らのアルバムはほとんどが同じ音づくり、内容であるために好きと嫌いにはっきりと分かれる。この断固なスタイルは「ランニングワイルド症候群」と形容される。
本作はファンが最高傑作と挙げるだけあり、本作を素晴らしいと思うならば彼らのアルバム全てが素晴らしいと思うだろう。それほど本作は分かりやすく充実したランニングワイルドのアルバムだといえる。劇的なオープニングで幕を開ける#1などはランニングワイルドの典型的なスタイルを顕著に表わしてる。大仰でドラマティックで漢らしいヘヴィメタルとはなんなのか。粗方その答えはこのアルバムで見出せるだろう。

ランニングワイルドには絶対的な個性があり、バンドのコンセプトに中世時代の"海賊"を選択しているのだ。非常に漢らしいコンセプトである。彼らの勇壮なパワーメタルと荒々しいこのコンセプトは見事に消化され、独特のメタルを生みだした。メタル界でもトップを争う漢らしさ漂うメタルサウンドが、その結果である。
そのサウンドでも重要な位置を担うのが、ランニングワイルド特有のヴァイキングメロディである(シン・リジィのメロディを踏襲したものといえる)。本作にも大胆に導入されているケルト系メロディが勇壮なツインリードによって歌い継がれていくのは興奮以外の何物でもない。特にこのアルバムではヴァイキングメロディがドラマティックに展開する楽曲が多く、その部分が本作の評価を高めているといっても過言ではない。
更に評価すべきところはトータルでの完成度の高である。どの楽曲にも捨て曲らしいものは見当たらず、また非常に練られている。楽曲の繋ぎ方、締め方も物語を思わせるドラマ性を持ち合わせており、伝統的なメタルの中にある歴史や伝承からの影響が垣間見れる。彼らの最高傑作である。


1. Riding the Storm
ランニングワイルドの歴史を代表する屈指の名曲。キーボードなどの味付け一切なしの鋼鉄メタルリフのみで構築された劇的なイントロを聴くだけで鳥肌が立つ。そしてそこからタイトルの如く嵐のようにリフが重なり合い漢らしさを爆発させる突き進み方は凄まじいまでだ。まさに荒々しい本物の海賊である。
2. Renegade
非常にキャッチーでジャーマンらしい曲だがここでも海賊に通じる荒々しさを感じさせるところは流石か。
3. Evilution
ヘヴィかつメタリックなリフはこれぞ正統派メタルを思わせる。またメロディがケルト臭満載で、漢くささが大変良い。
4. Running Blood
もの悲しいアルペジオで始まる冒頭のパートはまるで冒険譚のようだ。重く、歴史を感じる雰囲気は並大抵のバンドが出せるものではないだろう。 漢のロマンすら感じる。
5. Highland Glory (The Eternal Fight)
メロディックかつドラマティックなインストゥルメンタル。旋律やタイトルからも分かるが、彼らの根底にはアイルランドやスコットランド音楽があるようだ。
6. Marooned
鋭角でスピーディなギターリフが非常に心地よい曲だ。しかもメタルらしい硬派なリフだから正統派メタルファンなら納得できる。この曲も海賊を思わせる荒々しい雰囲気を持つが、彼ら特有のケルトメロディがドラマティックに展開される部分も持ち得、しばし聴き入ってしまう。
7. Bad to the Bone
シングルカットもされたこともあり非常に分かりやすい曲となっている。ノリのいい、軽快で馴染みやすいこの曲からして某レビュー誌でアメリカンと形容されたのかもしれない。恐らくアメリカンとはアメリカ人が好みそうな……という意味だろう。
8. Tortuga Bay
スピーディーな疾走曲。お決まりの泥臭いコーラスなど、熱苦しい曲だ。
9. Death or Glory
バグパイプを導入し、彼らのルーツを垣間見ることができるタイトルトラック。演出も凝っており、楽曲にリアリティを感じる。
10. Battle of Waterloo
血に染まるかのような高潔なるヴァイキングメロディが全編を支配する劇的なバトルトラック。ナポレオンのワーテルローの戦いを題材にするという伝統的なメタルのスタイルを貫き、エピカルともとれるドラマ性を内包する。ケルトメロディの進行はとてつもなく勇壮であり、彼らの唯一無二の個性がいかに強いか思い知らせれる。彼ら屈指の大名曲である。
11. March On
始め普通にアルバム本編の曲かと思ったが、ボーナストラックらしい。
12. Wild Animal
1997年、リマスターされた際に追加されたボーナストラック。この「Death or Glory 」時代にリリースされ当時アルバムには入らなかったシングル曲である。曲は典型的なランニングワイルド節で安心して聴ける。当時の楽曲の完成度がいかに高かったかということだろう。
13. Tear Down the Walls
こちらもシングルに入っていた曲。
14. Störtebeker
上に同じ。
15. Chains & Leather
上に同じ。改めてボーナスが5曲も入っているリマスター盤はかなりお勧めだと感じる。
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Port Royal

Running Wild the 4th album in 1988 Release
★★★★★★★★☆☆...(名作)

ドイツの正統派パワーメタルランニングワイルドの4th。1988年発表。

購入が遅れたため(当初購入の意思はなかったが、名盤らしいとの情報で踏み切ったというわけだ)、5thのレビューを先に書いてしまうという曰くつき(?)のアルバムだ。

しかしその甲斐あってか、もう少し早く購入していても何ら問題のない充実したアルバムであった。まず名曲#2は彼らのファンなら聞いておいて損はない。

サウンドは、90年代以降の洗礼されたランニングワイルドの伝統的なものとは異なり、B級らしい垢ぬけないサウンドが特徴的である。しかし楽曲はやはり練られており、聴き手を飽きさせない要素が多く盛り込んである。インストゥルメンタルや語りなどの導入はその代表例だ。
曲の持つ雰囲気も彼ら特有の海賊を思わせるものであり、着実に完成形へと向かっていることは確実だと伺える。特に、ラストを飾る大作#11は、始めて制作された大作曲であり、後の彼らのドラマ性を後押しするものだ。

ファンならずとも、十分聴く価値のある、隠れた名盤であるだろう。


1. Intro
2. Port Royal
3. Raging Fire
4. Into the Arena
5. Uaschitschun
6. Final Gates
7. Conquistadores
怪しげなイントロから一気に炸裂するケルトハーモニー、ロルフの漢らしい歌声を存分に生かした海賊調の歌い回し、掛け声系のノリのいいコーラスがこれ以上ないほど上手くかみ合った最高の名曲である。後半のドラマティックなツインリードも出色の出来。ランニングワイルドここにあり、だろう。
8. Blown to Kingdom Come
9. Warchild
10. Mutiny
11. Calico Jack
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