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Circle of Life

Freedom Call the 4th album in 2005 Release
★★★★★★★★★☆...(埋もれた名作)

ドイツのエピック・パワーメタル、フリーダムコールの2005年発表の4th。

忍耐力が必要なヘヴィメタルのアルバムがあるかも知れない。アルバム開始から無言で机に座して視聴し続け、盛り上がる場面で一気に解放されるのである。例えばエピックメタル作品にはよくある、コンセプトアルバムというやつだ。そのような作品は冒頭を聴いただけでは魅力が完全に理解しきれないのだ。
そしてここに無造作に置かれたフリーダムコールの第4作『The Circle of Life』についても、忍耐力が必要な作品なのである。冒頭の楽曲は#2"Carry On"を除き、従来のファンを納得させるには至らない。ヘヴィメタルファンが最も恐れていることはバンドの方向性が変わることであり、ヘヴィメタルバンドでなくなることだ。その点において、ドイツのグレイブ・ディガーはいい例であろう。『The Circle of Life』は前半に耐えきれば(そのような作品があるとして)、至福の時間が訪れる。それは#6"The Gathering (Midtro)"のドラマティックなイントロダクションから始まり、ようやくフリーダムコールのオペラは幕を開けるの。後は、充実と精錬の極みにある彼らのファンタジー世界に酔いしれ、陶酔し尽くせばいいだけなのである。最後に、日本盤の素晴らしいアコースティックのボーナストラック2曲#13"Freedom Call"、#14"Hymn to the Brave"の存在と、私は本作を特に好んでいる事実を記しておこう。


1. Mother Earth
よく聴くとそれほど悪くもないことに気付く。
2. Carry On
明るさに満ちた典型的なフリーダムコールの楽曲。
3. Rhythm Of Life
ヘヴィかつパンク色すら感じる点は、確かに我々の抱く"フリーダムコール像"と異なる。いかなるバンドにもイメージは存在しており、変化が生じると批判の対象となるのである。そういった批判をする者らを保守的と呼ぶ声もあるが。
4. Hunting High And Low
メロディックなシャッフルが特徴的。
5. Starlight
現代的なキーボードの旋律は非難の対象か。
6. The Gathering (Midtro)
王国調の壮大なイントロダクション。以降、楽曲の質は劇的に変わる。
7. Kings & Queens
ヒロイックな疾走曲。オペラ調の中間部は特に素晴らしい。
8. Hero Nation
壮大なミドルテンポ。クワイアのスケール感が圧倒的である。哀愁に満ちた中間部の展開も一聴の価値がある。
9. High Enough
ヘヴィメタルらしい重厚なリフを用いながらも、欧州特有の哀愁を巧みに混入した佳曲である。これは特筆すべき進化であろう。
10. Starchild
幻想的な雰囲気と勇ましい雰囲気を兼ね備えた名曲。中間部のソロはメロディックメタルファンを自負するならば必聴。彼らは独自のファンタジー世界を極めた感がある。
11. Eternal Flame
フリーダムコールの世界観は冬の世界に傾向したファンタジー色が強いが、時としてそれは素晴らしい幻想を生み出す。雪はファンタジーにとって伝統的なシンボルの一つなのである。
12. Circle Of Life
タイトルトラック。神妙さすら漂う。最後のコーラスが余韻を残し、エピックメタルバンドとして高い評価ができる。


Review by Cosman Bradley
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Eternity

Freedom Call the 3rd album in 2002 Release
★★★★★★★★☆☆...(傑作)

ドイツのエピック・パワーメタル、フリーダムコールの2002年発表の3rd。

本作『Eternity』は、多くのメロディックなヘヴィメタルのファンが絶賛しレビューを惜しまないため、私が書くことは少ないようである。作品として多数のレビューが行われる場合は、対象が特に優れているか、もしくはその逆であるのかの何れかである。そして本作は前者のようだ。
クリス・ベイ(vo、g)のファンタジーに対する探求から始まったこのフリーダムコールも、ようやく全盛期を迎えたと述べることが出来る傑作を生み出した。『Eternity』はヘヴィメタルにおけるエピカルな側面と時に攻撃的な側面を平均的な比率で融合させ、完成に至った作品である。劇的なヘヴィメタルのファンにとっては嬉しいことに、聴者を絶えず驚かせる斬新な手法にも満ち溢れている。クワイア──それは今作でも全編に用いられている──と交響曲による劇的な#1"Metal Invasion"はまさにその典型といえよう。
今作品の持久力も見逃してはならない。充実の楽曲が作品の後半まで継続されることは、ファンにとっては信頼に値するであろう。彼らは10番目の楽曲に素晴らしい名曲を提供するとよく言われるが、今作でもその噂は本当であった。#10"Island Of Deams"はファンタジーの恍惚を齎し、#11"Turn Back Time"は映画を鑑賞した後の如き強烈な余韻に浸らせてくれる。今作は間違いなくフリーダムコールが残した最大の功績となるであろう。


1. Metal Invasion
壮大なイントロダクションを伴った名曲である。疾走感もあり、冒頭としては最高の部類に入る。
2. Flying Home
前半はとにかく攻める。時に北欧的な哀愁も絡め、煌びやかな疾走を続ける。
3. Ages Of Power
強力な展開と勇壮さを発散する。サビは力強さに満ちている。
4. The Spell
イントロダクション。
5. Bleeding Heart
ファンタジックなキーボードとピアノが使用される。本作はキーボードの多用についても触れておくべきであろう。
6. Warriors
勇壮なクワイアが放つ飛翔感が特に印象的。
7. The Eyes Of The World
ヒロイック極まりない楽曲。ファンファーレと疾走感、クワイアが恰も円卓の騎士の如く一同に会した時のテンションは凄まじい。前作『Crystal Empire』の#6"Call Of Fame"に通じるかも知れない。
8. Fame In The Night
行進曲調でかつ聖歌隊を彷彿とさせるクワイアが幻想の世界へと導く。
9. Land Of Light
ファンファーレが特徴的な楽曲。タイトルの如く、彼らの楽曲は光に満ち溢れている。
10. Island Of Deams
完成度は本作の中では最高か。疾走するファンタジックなメロディに高揚感を覚える。
11. Turn Back Time
アコースティカルなバラード。御伽噺のような雰囲気が漂う。


Review by Cosman Bradley
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Crystal Empire

Freedom Call the 2nd album in 2001 Release
★★★★★★★★☆☆...(好盤)

ドイツのエピック・パワーメタル、フリーダムコールの2001年発表の2nd。

「D&D」や「conan」等のアダルトなファンタジーを期待するのなら、フリーダムコールの第2作『Crystal Empire』を選択したことは間違いとなる。天上の黒雲を突き破って大地に注ぎ込む光の如く、彼らの奏でるメロディは明るい。それは冒頭の#1"The King Of The Crystal Empire"から期待感を煽り突入する#2"Freedom Call"への流れで既に明らかだが、こういったファンタジー世界もないではない。
彼らの世界観を具体的に表現する際に、児童ファンタジーという言葉が頻出するように、フリーダムコールが描く世界は生易しいものである。しかしながら、その利点として働く要素は、地下世界で長らく視聴され続けてきたカルト的なエピックメタルを受け付けない向きには、エピックメタルの手始めとして今作を手に取るのもいいかも知れない。また単純に、ガンマ・レイ等に連なる勇壮なパワーメタルに魅力を感じるなら、本作の出来は満足いくものであろう。キーボードやクワイアを多用したヘヴィメタルサウンドは今日では少なくないが、その分野のクオリティにおいても、フリーダムコールは一際優れている。


1. The King Of The Crystal Empire
児童向け冒険小説のような好奇心を煽るイントロダクション。
2. Freedom Call
バンド名を冠した名曲。疾走する煌びやかなメロディが特徴的。
3. Rise Up
勇壮かつメロディアスな楽曲。本作の完成度の高さを物語る。
4. Farewell
5. Pharao
不穏なパートが印象的だが、クワイアの壮大さは相変わらず。
6. Call Of Fame
本作中最も勇壮な楽曲。クワイアが圧倒的なヒロイズムを誇る。
7. Heart Of The Rainbow
8. The Quest
大作。不完全燃焼であることは否めない。
9. Ocean
フリーダムコールの明るい世界観をよく表現している。
10. Palace Of Fantasy
集大成ともいうべき内容。勇壮なギターワークに対するクワイアの混入は見事。本作は名曲が多く収録されているが、この楽曲は抜きん出ている。
11. The Wanderer
欧州の古謡的なバラード。小国の宴とも表現できるかも知れない。


Review by Cosman Bradley
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Stairway to Fairyland

Freedom Call the 1st album in 1999 Release
★★★★★★★★★★...(神盤)

ドイツのエピック・パワーメタル、フリーダムコールの1999年発表の1st。

フリーダムコールは、元ムーンドックのヴォーカリストであるクリス・ベイ(vo)とガンマ・レイのドラマー、ダン・ツィマーマン(d)を中心に結成されたバンドである。加えて、後のハロウィンのギタリスト、サシャ・ゲルストナー(g)も参加している。これだけでピンとくるかもしれないが、その後想像の通り、彼らは典型的なメロディックパワーメタルサウンドを提示している。田のバンドと差別化できる部分は、シンフォニックな要素を盛り込んだエピカルな世界観及びファンタジー性である。主に、劇的なツインリードメロディと分厚いクワイアを基盤に勇壮に疾走するスタイルは、この手のファンの要望に十分すぎる程答えている。
少し私情を挟もう。かつて私は劇的メタルファンだった。私は日々ドラマティックなメタルの発掘に明け暮れていた。そして入念な調査の結果、フリーダムコールの高い評価を聞き及んだのである。レコード店で#1を視聴した瞬間、私はこのアルバムが傑作であることを確信した。それほど、厳格なパイプオルガンに導かれる#1の流れ出る美旋律の放つインパクトは大きかったのである。本作を購入するには数年の月日を必要としたが、改めて全編を聴いた時、あの確信は間違いではなかったことを私は悟った。全編を通し、強烈な打撃が待ち構えているアルバムである。前述した名曲#1、劇的なまでのクサさを撒き散らす#2、幻想的な#3、美しいまでにドラマ性を宿した#4、勇壮極まりない疾走を展開する#5、神聖な雰囲気がエピカルな聖歌調バラード#6と正直なところ前半は完璧な構成ではないだろうか。当然その後も素晴らしい楽曲は続く。特にラストの#11などは物語的な本作に見事な幕を引いている。
これらの劇的なメロディックメタルとしての完成度もさることながら、彼らはさらにファンタジーへの傾向も見せている点にも注目したい。以前クリス・ベイはインタビューでこう語っている「ムーンドックの仕事も素晴らしいけれど、それは俺が本当に歌いたいことじゃないね」このアルバムで表現された内容とは、彼がフロントマンとなり制作された"タラゴン"という世界を舞台としたファンタジー物語である。私が思うに、彼が本当に歌いたかったのはファンタジーのことではないだろうか。クリスの歌唱には感情的な説得力がある。本編の視覚的な分野は、この壮大なコンセプトに根付いたものなのである。
彼らの創り出す旋律は、ブラックやデスとは対照的な飛翔感や希望を抱かせるものである。しかしそれが、以外にもヘヴィメタルにマッチしている。このアルバムは、ヘヴィメタルの視野の広さの再確認という点においても評価できるだろう。最後に、本作は大仰かつドラマティックなサウンドを有しファンタジーをテーマに取ったことから、"エピック・パワーメタル"と呼ぶにふさわしいことを付け加えておく。

1.Over The Rainbow
荘厳なイントロからややダークなパートに移行し、そこから劇的に光明なサビへと突入する名曲。
2.Tears Falling
イントロから劇的極まりないツインリードを伴って疾走する名曲。その後のブリッジでの壮大なクワイア、サビでの飛翔感は感動すら呼ぶ。
3.Fairyland
4.Shin On
冒頭は神聖なバラード調に始まり、ファンタジックな旋律を勇壮な疾走で醸す。シンフォニックなアレンジも絶大な効果を呼び込んでおり、サビの分厚いクワイアと相まって壮大な世界観を表現しているといえる。
5.We Are One
まずイントロが凄まじい。流麗なツインリードから一気に疾走パートへと持っていく流れは、余りにも定番的なものだが、完成度が高まり過ぎている。
6.Hymm To Brave
共に合唱すること請負の壮大な聖歌。ヒロイックなムードも盛り込み、楽曲はエピカルな雰囲気を十分に発散している。
7.Tears Of Taragon
8.Graceland
9.Holy Knight
10.Anothe Day
11.Kingdom Come



Review by Cosman Bradley
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