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Beyond the Red Mirror



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 2015
Reviews: 88%
Genre: Epic Power Metal


ドイツのエピック・パワー・メタル、ブラインド・ガーディアンの2015年発表の10th。


「ストーリーはSFとファンタジーの狭間にある。その物語は、95年のアルバム『IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE』から始まる。そこに存在する2つの世界は、以来、更に悪い方向へと劇的に変わってしまっている。かつては世界と世界の間にはいくつかの通り道があったが、現在はひとつの道として『赤の鏡』(ザ・レッド・ミラー)だけが唯一残っており、それを必ず見つけなければならない」
 ──ハンズィ・キアシュ



トールキンやムアコック等のファンタジー作品が好きで、それをヘヴィメタルの音楽のスタイルに組み込むという意欲的な挑戦を続けるうち、やがて、ブラインド・ガーディアンは世界的な成功を収めた。日本で人気が高いエピック・メタル・バンドは、このブラインド・ガーディアンとラプソディー・オブ・ファイアだけだった。特殊な趣味はメインソングライターのハンズィ・キアシュ(vo)のものであり、ブラインド・ガーディアンが1986年に結成された時から、その方向性は決まっていたようなものだった。ハンズィ・キアシュのお気に入りは、具体的にはトールキンの『指輪物語』とマイケル・ムアコックの『永遠のチャンピオン』だった。
近年のブラインド・ガーディアンの印象はあまり強いものではなかった。それは最近の作品がモダン化し、古いファン層の反発を買っていたことにも関係していた。特にエピックなヘヴィメタルのファンたちは、ブラインド・ガーディアンの音楽性が『A Night at the Opera』(2002)を最後に、大きく変化したことを知っていた。こういったファンたちが望んでいたブラインド・ガーディアンの音楽性は、大仰であり、劇的であり、ヒロイックであり、ファンタジックなものだった。
ブラインド・ガーディアンの最高傑作として人気を集めた『Imaginations From The Other Side』(1995)は、今でも強烈な印象をリスナーに与える作品だった。その作品に収録された"Bright Eyes"と"And The Story Ends"に続く新たなストーリーが、ブラインド・ガーディアンの第10作『Beyond the Red Mirror』(2015)の中で描かれることとなった。ハンズィ・キアシュが語るように、このストーリーは古い時代のファンタジーやSFに影響を受けていた。「Nuclear Blast」から配給された『Beyond the Red Mirror』は、プロデューサーにチャーリー・バウアファイント、アートワークにフェリペ・マチャドを迎え、ファンに大きく期待されて迎え入れられた。バンドのファンたちが驚いたのは、本作が2枚組のコンセプト・アルバムということだった。これはブラインド・ガーディアンの歴史の中でも意欲的な挑戦であり、多くのエピック・メタル・バンドが通ってきた道だった。意外なことに、エピック・メタルの始祖、マニラ・ロードが2015年に発表した新作『The Blessed Curse』も2枚組だった。
『Beyond the Red Mirror』のサウンドは、基本的には『A Night at the Opera』に接近した大仰な音楽のスタイルだった。ブラインド・ガーディアンが得意とするクワイアを大量に導入し、豪華なオーケストラも加えた本作は、近年でも最高の密度を誇る作品となった。圧倒的なサウンド・プロダクションに加え、プラハ、ブダペスト、ボストンの本物のクワイア隊と90人編成のオーケストラを導入したブラインド・ガーディアンのエピック・メタルが、退屈な内容になるはずがなかった。ファンたちはその事実に応えるかのように、『Beyond the Red Mirror』を購入した後、すぐに高評価のレビューを書いた。これらのファンたちによるレビューは、インターネットを通じて世界中に拡大すると、『Beyond the Red Mirror』が2000年代以降のブラインド・ガーディアンの作品の中で、最高の評価を獲得していることが分かった。「Encyclopaedia Metallum: The Metal Archives」では、本作に対して絶賛の声が集まり、90%を超える点数を記録した。詰まる所、バンドは『Imaginations From The Other Side』以来、ファンが求めるエピック・メタルの真の傑作を作り上げたということだった。



1. The Ninth Wave
2. Twilight of the Gods
3. Prophecies
4. At the Edge of Time
5. Ashes of Eternity
6. The Holy Grail
7. The Throne
8. Sacred Mind
9. Miracle Machine
10. Grand Parade


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Memories of a Time to Come: Best of Blind Guardian



Country: Germany
Type: Compilation
Release: 2012
Reviews: 85%
Genre: Epic Power Metal


ドイツのエピック・パワー・メタル、ブラインド・ガーディアンの2012年発表のベスト。

バンド結成25周年を記念したベスト的選曲のコンピレーション・アルバム。Disc1とDisc2の楽曲は2011年のリミックス・ヴァージョン。リミデッド・エディションにはDisc3が付属。LUCIFER'S HERITAGE時代の楽曲とデモ音源を収録。LUCIFER'S HERITAGEはブラインド・ガーディアンの前身バンドであり、楽曲を探していたマニアには朗報となった。本作はブラインド・ガーディアンの第1作『Battalions of Fear』(1988)から第9作『At The Edge Of Time』(2010)までの人気曲を選び、独自の曲順で収録。どの楽曲もブラインド・ガーディアンというバンドの特殊性を感じるには十分なクオリティを誇り、過去に数々の名曲を生み出してきたミュージシャンたちの実績に、改めて注目することができる。ファンとしても、初期から最新作までの人気曲を一気に楽しめるということで、本作のコストパフォーマンスの高さには納得できる。当然のように、ブラインド・ガーディアンのファンタジックな世界観をこれから楽しむという初心者にも、『Memories of a Time to Come』は役立つ内容となっている。



Disc 1:
1. Imaginations from the Other Side
2. Nightfall
3. Ride into Obsession
4. Somewhere Far Beyond
5. Majesty
6. Traveler in Time
7. Follow the Blind
8. The Last Candle

Disc 2:
1. Sacred Worlds
2. This Will Never End
3. Valhalla
4. Bright Eyes
5. Mirror Mirror
6. The Bard's Song (In the Forest)
7. The Bard's Song (The Hobbit)
8. And Then There Was Silence

Disc 3:
1. Brian
2. Halloween (The Wizard's Crown)
3. Lucifer’s Heritage
4. Symphonies of Doom
5. Dead of the Night
6. Majesty
7. Trial by the Archon
8. Battalions of Fear
9. Run for the Night
10. Lost in the Twilight Hall
11. Tommyknockers
12. Ashes to Ashes
13. Time What Is Time
14. A Past and Future Secret
15. The Script for My Requiem


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At the Edge of Time



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 2012
Reviews: 82%
Genre: Epic Power Metal


ブラインド・ガーディアンの2010年発表の9th。


モダン化したことで一部の古く熱烈なファンから痛烈な批判を浴びた前作『A Twist In The Myth』(2006)の発表からおよそ4年後に届けられた第9作『At The Edge Of Time』は、以外にも過去の名作に通じる内容を有しているものであった。ジョージ・R・R・マーティンの小説を題材とした先行シングル『A Voice In The Dark』が素晴らしかっただけに、我々は良い意味で期待を裏切られた。ドイツのブラインド・ガーディアンのサウンドにドラマティックな展開、ヒロイックな疾走感、民話にも通じる幻想的な世界観が戻ってきたのである。この本来の姿を誇示したような勇敢なブラインド・ガーディアンのファンタジック・サウンドをファンが称賛しないはずがない。
初のメンバーチェンジが勃発した『A Twist In The Myth』後の作品が原点回帰した事はもはや皮肉でしかないが、モダン化したサウンドを大幅に軌道修正したことは大いに成功へと繋がった。シャープなリフやよりキャッチーさを増したクワイアを前作から受け継ぎ、そこに名作『Somewhere Far Beyond』(1992)の強烈なエッセンスを加えたのが本作『At The Edge Of Time』であり、ブラインド・ガーディアンは現代ヘヴィメタル・シーンでの着実な一歩を踏み締めたのだ。

──21世紀という新しい時代には、もはや古い考えや手法は必要ではなく、未来を見据えて前進することのみがバンドの力となる。ある意味で、前作でのやり方は正しかったのかも知れない。過去にばかり捉われず、新しいことを試すことも時には重要だ。本作で初となるオーケストラの導入はまさに新しい挑戦であろう。ブラインド・ガーディアンの賢いところはただ現代的な表現を用いるのではなく、ちゃんと自らのルーツも忘れないところだ。『At The Edge Of Time』は新時代のブラインド・ガーディアンが決して駄作ばかりを発表するバンドではないことを証明した。

追記:なお輸入盤デジパックには本編未収録のボーナスCDが付属する。収録曲は下記を参照にされたし。



Disk:Ⅰ
1. Sacred Worlds
ロールプレイング・ゲーム『Sacred 2: Fallen Angel』に提供した楽曲。およそ8分を超える大作である。オーケストラを始めて導入しているが、既に完成しているブラインド・ガーディアンのサウンドには蛇足であった。また一般の家庭用ゲームに楽曲を提供するブラインド・ガーディアンの姿勢には疑問が残る。
2. Tanelorn (Into The Void)
マイケル・ムアコックの『永遠のチャンピオン』をベースとした楽曲。『Somewhere Far Beyond』収録の"Quest for Tanelorn"と共通のテーマを扱っており、ファンタジックなサビのクワイアの印象が強く残る。スピーディな曲調も勇壮である。
3. Road Of No Release
アメリカのSF作家ピーター・S・ビーグル(Peter S. Beagle)の作品にインスパイアされた楽曲。メロディアスな展開を持ち、ブラインド・ガーディアンのエピカルな手法が活かされている。しかしそれらは過去でやり尽くされたものだ。
4. Ride Into Obsession
アメリカのファンタジー作家ロバート・ジョーダン(Robert Jordan)の『時の車輪(Wheel of Time)』シリーズをベースとした楽曲。ロバート・ジョーダンはロバート・E・ハワードの『コナン』シリーズも過去に手掛けていた。シャープな疾走感を誇る楽曲であり、近年のメロディック・パワーメタルのスタイルに接近したサウンドを持つ。ここでもブラインド・ガーディアンの個性であるクワイアは高揚感を高める働きを担っている。
5. Curse My Name
ジョン・ミルトンの『国王と為政者の在任権(The Tenure of Kings and Magistrates, 1649)』に基づく楽曲。ジョン・ミルトンはこの論文によって国王を処刑する際の正当性を主張した。古いモチーフに相応しく、中世の雰囲気薫るルネッサンス調の絶妙なバラードに仕上がっている。
6. Valkyries
北欧神話のヴァルキリーを歌った楽曲。サビでは大仰なクワイアが聴ける。しかし今作では重厚なクワイアが幾分か単調になった点に疑問が残る。
7. Control The Divine
ジョン・ミルトンの『失楽園(Paradise Lost)』に基づく楽曲。メロディアスなフレーズを多用した構成や、内容にドラマティックなプロローグとエピローグを配す箇所などは確かに『Somewhere Far Beyond』に通じる。
8. War Of The Thrones
シングル未収録のピアノ・ヴァージョン。アメリカのSF・ファンタジー作家ジョージ・R・R・マーティン(George R. R. Martin)の『氷と炎の歌(A Song of Ice and Fire)』シリーズに基づいた楽曲である。幻想的な雰囲気に原点回帰したバラードであり、ファンタジー文学にも通じる民話的な要素を持っている。多くのファンはこういった楽曲が聴きたかったはずだ。
9. A Voice In The Dark
"War Of The Thrones"と同じ題材を扱う。これはブラン・スターク(Bran Stark)の物語である。なおこの楽曲はシングルとして先行発売された。シングル・カットされるに相応しい内容を持ち、劇的な疾走と勇壮なクワイアを配する典型的なブラインド・ガーディアンの名曲である。前作から発表された『Fly』での失敗を繰り返さなかった点は高く評価できる。
10. Wheel Of Time
ロバート・ジョーダンの『時の車輪(Wheel of Time)』シリーズに基づく楽曲。"Sacred Worlds"と同様オーケストラが導入されており、今回は上手く馴染んでいる。ブラインド・ガーディアンの音楽性はメロディック・パワーメタルを基盤としているため、こういったバンドがオーケストラを導入するとラプソディー・オブ・ファイアやフェアリーランドなどに代表されるシンフォニック・メタルのサウンドに急速に接近する。そしてそれらは結果的にブラインド・ガーディアンから個性を奪うことになる。


Disk:Ⅱ
1. Sacred Worlds (Extended "Sacred" Version)
2. Wheel of Time (Orchestral Version)
3. You´re the Voice (Radio Edit)
John Farnhamのカヴァー。
4. Tanelorn (Into the Void) (Demo Version)
5. Curse my Name (Demo Version)
6. A Voice in the Dark (Demo Version)
7. Sacred (Video Clip)
8. Studio Documentary


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Twist in the Myth


Country: Germany
Type: Full-length
Release: 2006
Reviews: 77%
Genre: Epic Power Metal


ブラインド・ガーディアンの2006年発表の8th。


『METAL EPIC』誌より抜粋:



「ある一つの分野を極め尽くしたのであれば、後はただ速やかに後退するのみである──」
2006年に発表されたブラインド・ガーディアンの第8作目『A Twist In The Myth』は、その迷信めいた法則に最も忠実に属した作品であり、エピカルなサウンドを極限まで追求した──しかし緻密過ぎて万人の評価は得られなかった──前作『A Night at the Opera』(2002)を踏襲するような内容は殆ど収録されていない。その手のマニアではないファンは楽曲がシンプルになったと喜ぶであろうが、むしろ本作は今後のエピックメタル・シーンにおいて極めて深刻なダメージを与えることとなった問題作である。今回のことでブラインド・ガーディアンがこれまでに極め続けてきたものが一度に崩れた。急激にモダン化したブラインド・ガーディアンに対し、熱心なファンは大いに疑問を抱き続けている。
我々は現実を直視しなければならない。かつてはファンタジー・エピックメタルの最高峰とまで称されたブラインド・ガーディアンですら、時代の風潮には敵わなかった。本作をブラインド・ガーディアンの世界的な出世作として絶賛する記者がいる傍ら、多くのファンは絶望していることであろう。「世界で通用するためにはエピカルな面を殺ぎ落とし、シンプルでキャッチーな作風にしなければ成功はしない」ブラインド・ガーディアンの選択はある意味では正しい。しかし、過去の名作において、ブラインド・ガーディアンが突出した作品を作り続けてきたことは紛れもない事実の一つとして残ってはいるものの、結果的にその偉大なタペストリーに『A Twist In The Myth』の名が刻まれることはなかったのである。



古い世界の文化と伝統を汚さんとする現代の悪しき風は、着実にエピックメタル・シーンにも忍び寄り、ドイツのブラインド・ガーディアンを暗い影で覆った。メロディック・パワーメタルに追い風が吹く中、そのトップバンドとして同国のハロウィンらと共に評価されたブラインド・ガーディアンが世界的な市場で認知され始めたことをきっかけに、ブラインド・ガーディアンを取り巻く状況は大きく変わっていった。変化はブラインド・ガーディアンの身近な状況だけには止まらなかった。
本作『A Twist In The Myth』にて伝統的なエピック・パワーメタルのサウンドは後退し、代わりにモダンな音楽性が支配権を得た。この現象は音楽界ではよくある出来事だが、音楽性の微妙な変化がバンドに不幸を招き入れたことは、ブラインド・ガーディアンのメンバー自身が予測していたことであったろうか。伝統的なへヴィメタルバンドが方向性を変えるとの決断を下した際、古い思想との対立は避けられない。
バンドで初めて、初期からブラインド・ガーディアンを支えてきたトーマス ・"トーメン"・ スタッシュ(d)が脱退した。後任に迎えられたのはブラインド・ガーディアンのファンでもあったフレデリック・エームケ(d)であり、彼を迎えて本作は制作されることとなった。新ドラマーの加入というニュースは従来のブラインド・ガーディアンのファンにとって衝撃的であったが、我々が更に目を惹きつけられたのはトーメンがバンドを去った理由であった。
音楽性の相違──トーメンが脱退した理由の根源は恐らくそこに属するが、ここに本作が道を踏み外した(あるいは現代化した)原因があると我々は考えている。脱退後のトーメンが結成したサベージ・サーカス(Savage Circus)なるバンドの発表した作品からも分かるように、トーメンは近年のブラインド・ガーディアンのサウンドに大いに不満を抱き、葛藤していた。ブラインド・ガーディアンのハンズィ・キアシュ(vo)が次々と新しいサウンドを模索する中、トーメンは頑なに古いサウンドに拘っていた。それらの意見の対立の結果が、最終的には現実の意味での「脱退」という形で表れたのである。そして、フレデリック・エームケが新しくバンドに加入した。
ブラインド・ガーディアンのサウンドに突如現れたモダンなフィーリング。短くコンパクトに収められた楽曲群。果たしてそれらはブラインド・ガーディアンの創造するファンタジックなエピックメタルと形容できるものなのであろうか。我々は珍しく懐疑的だ。「ぼくたちの新しい試みを否定しているファンもいるけれど、何十年後かにはこのアルバムを受け入れていると思う」ハンズィが語ったこの言葉が決して便宜を図るためではないことを祈りたい。しかし未来の我々が『A Twist In The Myth』を受け入れようとも、ブラインド・ガーディアンの"劇的でヒロイックなエピックメタル"が帰ってくるという保証は何処にもない。それらは無情にも「現代」という魔物に呑み込まれてしまったのだ。



1. This Will Never End
初期の楽曲とは違い、大きく洗練された雰囲気を持つナンバー。現在のブラインド・ガーディアンが世界的なヘヴィメタルバンドであることを証明するに相応しい楽曲である。それは同時にアンダーグランド的なエピックメタルからの脱却を意味している。
2. Otherland
従来のブラインド・ガーディアン独自のエピックメタルを披露する名曲。ファンタジックかつ壮大なクワイアが大きく印象に残る。
3. Turn The Page
大仰な雰囲気を持つスピード・ナンバー。シャープなリフが高速で刻まれる。前半の楽曲が素晴らしいのが本作の特徴だが、前半のみ聴いてアルバムを評価する者などいないであろう。
4. Fly
先行シングルとして発売された楽曲。始めて視聴したファンは前シングル『And Then There Was Silence』との違いに驚いたことであろう。本曲を敢えてシングルとして発表することで、ブラインド・ガーディアンはバンドの変化を訴えたかった。
5. Carry The Blessed Home
バグパイプの音色を取り入れたバラード。従来のファンタジックな雰囲気と大仰なクワイアを有している。説話的な部分も多少は残す。
6. Another Stranger Me
7. Straight Through The Mirror
8. Lionheart
9. Skalds And Shadows
中世風のバラード。アイルランド神話をモチーフとした内容であり、幻想的な雰囲気が醸し出されている。アコースティック楽器の音色は非常にロマンティックだ。
10. The Edge
11. The New Order
12. All The King's Horses
日本盤のみのボーナストラック。
13. Dead Sound Of Misery
初回盤のみのボーナストラック。


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ナイト・アット・ジ・オペラ



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 2002
Reviews: 89%
Genre: Epic Power Metal


ブラインド・ガーディアンの2002年発表の7th。


「そしてそこには静寂が訪れた」
 "And Then There Was Silence"より


メロディック・パワーメタルを基盤とする欧州のエピックメタル勢の中で、ドイツのブラインド・ガーディアンが明らかに抜きん出た存在であることは、既に我々が承知している事実である。その孤高とも表現できる圧倒的な実力を証明したのが前作『Nightfall In Middle-Earth』(1998)であり、トールキンの『シルマリルの物語』を題材とした本作は一大コンセプト・アルバムとして発表され、ブラインド・ガーディアンの持つ極めて高いポテンシャルをファンに知らしめることとなった。当然の如く、ブラインド・ガーディアンの発表する次回作への期待は大いに高まったが、前作からおよそ3年の歳月を経て我々の元に届けられたのは、『And Then There Was Silence』という名の一枚のシングルであった。

ブラインド・ガーディアンのファンは長い間待たされたことになるが、その忍耐を軽く凌駕する濃密な時間が『And Then There Was Silence』には収められていた。古代ギリシャのトロイア戦争をモチーフとしたこの楽曲は、およそ14分に到達する超大作であり、これまでにブラインド・ガーディアンが行ってきたことの集大成に等しかった。この空前絶後の大作の発表に我々は息を呑んだが、その翌年に発表された第7作『A Night at the Opera』は更に素晴らしい内容を持った作品であった。

いかなる分野であれ、極めればそれなりの結果が得られるものだが、ブラインド・ガーディアンが追求してきたエピックメタルの世界は極めれば極めるほど輝きを増していった。一般的に『Somewhere Far Beyond』(1992)、『Imaginations From The Other Side』(1995)、『Nightfall In Middle-Earth』という名作を矢継ぎ早に世に送り出したブラインド・ガーディアンのサウンドは極め尽くされたものだと考えられていた。しかし、その安易な推測以上に、エピックメタルにはまだ可能性が残されていたのである。

『A Night at the Opera』──この途轍もないエピックメタルの一大傑作は、ブラインド・ガーディアンが到達する最終的なサウンドを雄弁に物語っている。恰も螺旋の如く絡まる大量の音像は、荘厳なオーケストレーション、濃厚なクワイアと混ざり合い、巨大な円形闘技場で巻き起こる喝采の如く大気を振動させている。叙事詩的な題材を扱った個々の楽曲群は、既に視覚を刺激する段階にまで上り詰めた迫真の表現力を備えたものであり、脈動する巨大なダイナミズムが聴き手を絶えず圧倒し続ける。ドラマ性を追求した果てに表現された劇的な展開と緻密な楽曲の構成は、もはや過去のブラインド・ガーディアンの比ではない。我々はここに断言するが、本作を超えるブラインド・ガーディアンのエピックメタルのサウンドはこの先誕生しない。ブラインド・ガーディアンは自らのエピックメタルを究極的にまで完成させてしまったのだ。そうでなければ、我々が本作にこれほどまでの称賛を贈ることはまずないであろう。それとも我々は、単に感受性が鈍ってしまっただけなのか?



1. Precious Jerusalem
キリストが砂漠で神と出会う神秘的な場面を歌ったオープニング・トラック。次々と繰り出される濃密なクワイアが聴き手を圧倒する。聴き込めば、その音の奥深さに驚かずにはいられない。特にサビのクワイアの処理は凄まじい。
2. Battlefield
ドイツ最古の英雄叙事詩『ヒルデブラントの歌(Das Hildebrandslied)』を題材としたエピックメタル。ヒロイックなエピック・パワーメタルの傑作であり、勇壮な曲調が高揚感を一気に高める。父親が騎士道精神のために挑戦する息子を殺めるという悲劇的な内容であるにも関わらず、本曲の大仰な内容は宮廷騎士の行軍の様を思わせる。
3. Under The Ice
"And Then There Was Silence"と同じテーマのもと制作された楽曲。預言の如くトロイアは陥落したが、カサンドラは戦争を生き延びた。甲高いサビのクワイアが芸術的に響き、全体を古代風の重厚なムードが覆う。
4. Sadly Sings Destiny
信者に崇められるキリストの宿命を歌う。意表を突くリズムなどモダンな要素が顕著だが、シリアスさや緊張感は失われていない。
5. The Maiden and The Minstrel Knight
中世の雰囲気漂う英雄的なバラード。「アーサー王物語」の一部でもある騎士トリスタンの物語『トリスタンとイゾルデ』を扱う。本曲でブラインド・ガーディアンは、この美しくも悲劇的な愛のロマンスを感受性豊かに描いている。内容はまるで中世の宮廷で詩人が物語を歌っているかのようである。弦楽器が奏でる儚げな旋律は思わず感銘を誘う。トリスタンがイゾルデへの愛を貫いたように、サビの壮大なクワイアは高貴な勇気で満ち溢れている。
6. Wait For An Answer
オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』をモチーフとした楽曲。複雑な展開を持つ箇所はプログレッシブでもある。
7. The Soulforged
テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ(Dungeons & Dragons)』の世界を小説化した『ドラゴンランス』をモチーフとした楽曲。邪悪な魔術師であり、ドラゴンランスの象徴的存在である登場人物のレイストリンを主人公としている。ブラインド・ガーディアンのファンタジックな手法が爆発した名曲であり、壮大なクワイアとメロディックなフレーズを有している。
8. Age Of False Innocence
イタリアの哲学者ガリレオ・ガリレイを描いた楽曲。天文学者でもあったガリレオの葛藤を描いている。知的なピアノの旋律が印象的。
9. Punishment Divine
ドイツのニーチェを題材にした楽曲。圧倒的なスピード感を持ち、徹底したアグレッションを叩きつける。勇壮なサビは流麗。
10. And Then There Was Silence
ブラインド・ガーディアンが放つ史上最大のエピックメタル大作。神話と化したトロイア戦争をカサンドラが物語る。オペラの如き劇的な場面展開を多用し、エピック・クワイアが怒涛の迫力で繰り返されていく。特筆すべきサビのクワイアが放つスケール感は映画音楽の域に達しており、尋常ならざるヒロイズムで聴き手を圧倒する。ブラインド・ガーディアンが過去に古代ギリシァをテーマにした楽曲は殆ど存在していないが、本曲に表現された内容は完全にそれらを再現している。聴き手を選ぶことは確実だが、この大胆な挑戦はエピックメタルにおける前代未聞の超大作を生み出したことになろう。
11. Harvest of Sorrow
ボーナス・トラック。前作に収録されるはずであった楽曲のアコースティック・ヴァージョン。


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ナイトフォール・イン・ミドル・アース



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 1998
Reviews: 88%
Genre: Epic Power Metal


ブラインド・ガーディアンの1998年発表の6th。


「鏡また鏡。目の前の壁に」
 "Mirror Mirror"より


プロローグ...
1988年のデビュー以来、飽くなき探求心でファンタジックなヘヴィメタルを追求してきたドイツのブラインド・ガーディアンは、前作『Imaginations From The Other Side』(1995)でその幻想文学にも通じる世界観を極めた。90年代半ばのヘヴィメタル低迷期に発表された本作は、ブラインド・ガーディアン独自のファンタジー観と徹底した大仰なアレンジが細部にまで施された充実した内容を誇り、間違いなくブラインド・ガーディアンのキャリアにおける最高傑作に相応しかった。
歌詞の面でも飛躍的な進歩を遂げた『Imaginations From The Other Side』では、エリック・ヴァン・ラストベイダーの小説や十字軍の伝記の他に、中世文学の世界では馴染み深い「アーサー王物語」に関する伝説を取り上げるなどの意欲的な試みも実行された。加えて歌詞に忠実な中世音楽の新しい要素も導入されることとなった。当然の如くこの試みは成功し、メロディック・パワーメタルから開始されたブラインド・ガーディアンのエピックメタルは、唯一無二の強烈な個性を獲得するに至ったのであった。欧州中世の持つ幻想的な世界観とメロディックなエピック・パワーメタルの劇的な融合──読んで文字の如く、ブラインド・ガーディアンはその手法を極めたのであった。
1996年に発表された企画盤『The Forgotten Tales』を経て次にブラインド・ガーディアンが本格的に取り組んだ作業とは、デビュー以来一貫して追求してきたJ・R・R・トールキンの『指輪物語』を題材とした壮大なコンセプト・アルバムを作り上げることであった。実に不思議なことに、これまでの作品でブラインド・ガーディアンはトータル的なコンセプト作品を制作していなかった。今やトールキンのファンタジー小説を題材としたヘヴィメタル作品などは世に溢れているが、我々はブラインド・ガーディアンの楽曲以外に相応しいものはないと考えている。今でも第3作『Tales from The Twilight World』(1990)に収録された"Lord of the Rings"は、当時における『指輪物語』を題材とした楽曲の最高峰なのだ。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

満を持して1998年に発表されたブラインド・ガーディアンの第6作『Nightfall In Middle-Earth』は、トールキンの『シルマリルの物語』の『クウェンタ・シルマリルリオン(Quenta Silmarillion)』を題材にした一大コンセプト・アルバムとなった。歌詞は熱狂的なトールキンのマニアとしても認知されているハンズィ・キアシュ(vo)が手掛け、一部では専門家の助言も取り入れることに成功した。
今回は敢えて有名な『指輪物語』を外し、ファンタジー神話の第一記に焦点を当てたことが、ブラインド・ガーディアンというバンドの本質を伺わせるものとなっている。なぜなら、この物語はあまりにも複雑に絡み合っており、本作の内容は我々ですら理解できない寓話的な領域に到達しているからである。また膨大なページ数を有する『シルマリルの物語』の原作は、迂闊に手を出したら部屋に缶詰にされることになりかねない代物である。故に我々はエピックメタル作品に対し本来行うべきであるはずの歌詞の分析を、今回は敢えて最小限に止めるよう気を付けている。難解を極める解説は、本作の良さを引き出すことにはならないと我々は判断したからである。


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本作で題材となっている『クウェンタ・シルマリルリオン』とは、トールキンの創造した中つ国(Middle-Earth)を舞台とした一連の物語のうち、創世神話である『アイヌリンダレ(Ainulindalë)』、神々の盛衰を描く『ヴァラクウェンタ(Valaquenta)』に続き開始される物語である。物語で描かれているのは主に大宝玉シルマリルを巡るエルフ・人間と冥王モルゴスとの戦争であり、モルゴスがフェアノールの元からシルマリルを奪ったことから物語は始まる。ここではシルマリルとは「至福の地」アマンの地のヴァリノールで輝いていた二つの木の光を封じ込めた三つの宝玉のことを指している。

『Nightfall In Middle-Earth』で描かれているように、この戦争で多くの悲劇が生まれ、多くの死が訪れた。最終的には壮麗なる王国ゴンドリンの生き残りである王子エアレンディルが冒険の果てにアマンに辿り着き、ヴァラール──アイヌアのうちで最も強力な存在──に助力を乞い、その願いを聞き入れたヴァラールの軍勢によって強大なモルゴスは遂に打ち破られるが、本作では完全に物語を最後まで描いてはいない。しかし"Final Chapter (Thus Ends...)"の語りで隠れた王国の最後の希望エアレンディルと、明けの明星となって輝く彼の運命が示唆されている。詰まるところ、本作で敢えてブラインド・ガーディアンは闇の勝利という陰惨な場面で物語を終わらせているが、最終的には光が勝利を収めるのだ。

ここで描かれたことは一般的な我々の知識の範囲では到底理解できるものではないが、本作はブラインド・ガーディアンにとっては必然的な作品であったと断言せざるを得ない。ブラインド・ガーディアンの楽曲の中には膨大なコンセプトの材料が眠っており、それを一度に開放する機会が必要であったのだ。この『Nightfall In Middle-Earth』はまさにブラインド・ガーディアンのファンタジーに対する探求心が爆発した傑作であり、素晴らしい名曲を幾つも含んでいる。"Into the Storm"、"Nightfall"、"Mirror Mirror"などの名曲たちは、今後もファンタジー・メタルの愛好家たちに末永く愛されていくことであろう。

本作は全体的にも非常に上手く構成されたコンセプト・アルバムとしても間違いなく突出しており、トールキンの小説を題材としたエピックメタル作品の中では随一の完成度を誇っている。徹底した場面展開と原作の忠実な再現力には終始驚かされるものがある。本作の評価でよく耳にするように、小曲が多いという声や、インストゥルメンタルでアルバムが埋め尽くされているという意見は、コンセプチュアルなヘヴィメタルの美学に対する理解力の乏しさが生んだ誤解に過ぎない。ブラインド・ガーディアンが本作のライナーノーツで物語の詳細な解説をしていない点には未だに不満が残るが、我々がここまで緻密に設計されたコンセプト作品を見るのは極めて稀なことである。



1. War of Wrath
冥王モルゴスと下僕サウロンの語りから始まるイントロダクション。これまでにモルゴスは光に二度破れ、二度勝利している。果たして次はどちらが勝利を手に収めるか。これから中つ国でエルフ・人間とモルゴスの間で壮大な戦争が起こる。
2. Into the Storm
シルマリルを持って光から逃れるモルゴスと闇の従者たち。本曲はファンタジックなエピックメタルの完成形である。荘厳かつ幻想的なクワイアが高揚感を強烈に鼓舞し、劇的なメロディを持つツイン・リードがエピカルなサビに加わる。
3. Lammoth
SEによるインストゥルメンタル。
4. Nightfall
哀愁を誘う壮大なクワイアが印象的な楽曲。ノルドール王フィンウェを殺したメルコール(モルゴス)に復讐を遂げるため、ノルドールを率いてフェアノールが中つ国へと旅立つ経緯が叙事詩的に語られる。様々なコーラスの掛け合い、印象的なサビのメロディは感動を呼ぶ。幻想文学の世界観が芸術的に再現されている点は素晴らしい。
5. The Minstrel
民謡調の小曲。アマンの地の遥か彼方の海の向こうには中つ国があるという。
6. The Curse of Feanor
フェアノールは執拗にモルゴスに復讐を果たそうとするが、一族はその道連れとなる。彼の強力な意志は"フェアノールの呪い"となり、フェアノールの死後も一族を終わりなき宿命で苦しめていく。劇的な緩急に富む展開は、サビの放つ高揚感で頂点に達する。
7. Captured
モルゴスによって捕らえられた者たち。
8. Blood Tears
友フィンゴンを失ったマイズロスの悲しみを歌う。サビのクワイアは恰もマイズロスの涙のように濡れている。悲劇的な場面が容易に想像できる楽曲の迫真性は驚嘆に値する。
9. Mirror Mirror
ブラインド・ガーディアンの楽曲の中でも史上最高と謳われる名曲。フィンロドとトゥアゴンが水の王ウルモの啓示を受け、隠れ王国──ナルゴスロンドとゴンドリン──を建国する経緯を描く。ヒロイックなムードを発散する疾走が叙事詩的なクワイアに導かれ、終始劇的に展開する内容を有する。勇壮さを極めるサビのクワイアはブラインド・ガーディアンの集大成に等しい。
10. Face the Truth
語り。月に僅かな希望が輝く。
11. Noldor (Dead Winter Reigns)
幸福を捨て去り中つ国へと旅立ったノルドールの悲劇的な運命を物語る。ゆったりとしたテンポで進み、壮大なサビへと続く。
12. Battle of Sudden Flame
笛の音色を用いた語り。
13. Time Stands Still (At the Iron Hill)
伝説として名高いノルドールの上級王フィンゴルフィンとモルゴスの決闘を描いた英雄叙事詩。ヒロイックな世界観を構築するアグレッシブな名曲であり、戦意を鼓舞するかのような劇的なクワイアが繰り広げられる。本曲が持つ圧倒的な臨場感は、フィンゴルフィンとモルゴスが対峙する場面の壮絶な緊張感を完全に再現している。なおこの場面はジョン・ハウ(John Howe)がファンタジー絵画として描いたものが残されている(*画像上)。
14. The Dark Elf
光に忍び寄る暗い影を暗示する短い言葉。
15. Thorn
フィンゴンとマイグリン。異なる二人の英雄の行く末がゴンドリンの運命を握る。楽曲の陰惨なイメージが示しているように、やがてマイグリンは同胞を裏切り王国には悲劇が訪れた。ピアノの旋律を効果的に用いている点も好印象である。
16. The Eldar
悲壮感に満ちたバラード。戦いで死んだエルフはようやく故郷の地へと帰ることが出来る。
17. Nom the Wise
「人間の友」フィンロドの死。"ノーム(Nom)"とはフィンロドがベオルの民に呼ばれていた時の名である。
18. When Sorrow Sang
不滅の愛を歌う。メロディック・パワーメタル的なスピード感が発散される楽曲。疾走に鮮やかに乗る勇壮なメロディは秀逸。
19. Out on the Water
悲劇的な短いコーラス。
20. The Steadfast
勝利者モルゴスの語り。
21. A Dark Passage
6分に及ぶ最終的な楽曲。光を打ち破り五度目の戦いに勝利したモルゴスが、歓喜の中で自らの絶対的な権力を主張する。長い物語に終わりを告げるように、静と動を使い分け、クワイア・パートでは壮大に盛り上がる。闇の勢力の勝利により、楽曲の終わり方には不穏な雰囲気が漂っている。
22. Final Chapter (Thus Ends...)
最後の語り。語り部は希望が滅亡したゴンドリンの王子に残されていると言う。


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フォーゴトゥン・テイルズ


Country: Germany
Type: Compilation
Release: 1996
Reviews: 80%
Genre: Epic Power Metal


ブラインド・ガーディアンの1996年発表の企画盤。

本作『The Forgotten Tales』はそのアルバム・タイトルが示す通り、ブラインド・ガーディアンの忘れられたルーツを網羅した作品である。ブラインド・ガーディアンの音楽的ルーツがメロディック・パワーメタルのみに属していないことは、既に『Somewhere Far Beyond』(1992)から顕著となった。本作にはこれまでの作品には収録されなかった過去の楽曲のアコースティック・ヴァージョンやカヴァー曲が収録されており、どれもブラインド・ガーディアンらしい魅力を十分に備えている。ブラインド・ガーディアンの熱心なファンであるならば本作が持つ重要性はよく分かるであろう──なぜなら、本作には中世音楽のトラディショナルな要素があるからだ。
企画盤であるこの『The Forgotten Tales』にヘヴィメタルの要素は殆ど登場しない。しかしアンドレアス・マーシャルの幻想的なカヴァー・アートワークに惹かれた者であるならば、本作に宿った遠い昔の音楽に酔いしれることが出来るであろう。"亡者の守護神"は意味深な素振りで我々をファンタジー文学の世界へと手招きしている。現実での葛藤から簡単に脱却する方法がここにはあるが、我々は帰ることを忘れてはならない。
なお本作は2007年の再発の際に新たにボーナストラック3曲が追加収録された。楽曲はそれぞれディープ・パープルのカヴァー#14"Hallelujah"、ジューダス・プリーストのカヴァー#15"Beyond the Realms of Death"、ディオのカヴァー#16"Don't Talk to Strangers"である。



1. Mr. Sandman
1995年のシングルに収録された楽曲であり、ザ・コーデッツのカヴァー。
2. Surfin' USA
世界的にも有名なザ・ビーチ・ボーイズのカヴァー。
3. Bright Eyes
第5作『Imaginations From The Other Side』収録曲のアコースティック・ヴァージョン。アレンジには中世音楽の影響が顕著に表れている。ブラインド・ガーディアンのアコースティック楽器の使い方は非常に上手い。
4. Lord Of The Rings
第3作『Tales from The Twilight World』収録の名曲のリメイク。ハンズィ・キアシュは始め、思うように本曲を再現できていなかったと語っている。しかしこの完成品を聴けば、誰もがあの『指輪物語』の世界にトリップすることであろう。
5. The Wizard
魔術師について歌ったユーライア・ヒープのカヴァー。『Imaginations From The Other Side』の日本盤ボーナストラックとしても収録されている。
6. Spread Your Wings
クイーンのカヴァー。オペラティックなロックで世界中に影響を与えたクイーンは、当然の如くブラインド・ガーディアンにとっても重要なバンドだ。
7. Moudred's Song
第5作『Imaginations From The Other Side』収録曲のアコースティック・ヴァージョン。「アーサー王物語」のモードレッドについて歌った名曲であり、アコースティック・アレンジで中世の英雄音楽として生まれ変わった。弦楽器の生み出す高潔なドラマ性には驚くものがある。
8. Black Chamber
第4作『Somewhere Far Beyond』収録の小曲のリメイク。ピアノによるドラマティックな内容である。
9. The Bard's Song
第4作『Somewhere Far Beyond』収録の名曲のライヴ・ヴァージョン。本曲ではブラインド・ガーディアンとファンとの間で行われる合唱による駆け引きが楽しめる。
10. Barbara Ann/Long Tall Sally
第2作『Follow the Blind』収録のカヴァー曲。
11. A Past And Future Secret
第5作『Imaginations From The Other Side』収録曲のバラード。アーサー王の物語を魔術師マーリンが語るこの楽曲は、ブラインド・ガーディアンが生み出した最高のバラードの一つに数えられる。
12. To France
マイク・オールドフィールドのカヴァー。中世時代の民謡の雰囲気が漂う、郷愁に満ちたナンバーである。
13. Theater Of Pain
第4作『Somewhere Far Beyond』収録の楽曲のインストゥルメンタル・ヴァージョン。本作に幕を下ろすファンタジックなエピローグだ。終盤までのドラマティックな展開は企画盤としてのクオリティではない。


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イマジネイションズ・フロム・ジ・アザー・サイド


Country: Germany
Type: Full-length
Release: 1995
Reviews: 95%
Genre: Epic Power Metal


ドイツのエピック/メロディック・パワーメタル、ブラインド・ガーディアンの1995年発表の5th。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

幻想世界へのインヴィテーション。長年ジャーマン・メタル──ドイツ生まれのヘヴィメタル──のファンにとって忘れられない存在だったハンズィ・キアシュ(vo)は、それらの秘密の物語を古い本棚の奥深くから引っ張り出してきて、真に驚くべき楽曲を練り上げていた。その大胆な試みは、ヘヴィメタルが低迷期を迎えた90年代の初期から実行に移され、既に『Somewhere Far Beyond』(1992)という偉大な傑作が生み出されていた。88年のデビュー以来、正当な進歩を続けた"ファンタジック・ヘヴィメタルのマスター"ことブラインド・ガーディアンは、この名作で自分たちのやってきたこと──具体的には、メロディック・ヘヴィメタルとエピック・メタルを掛け合わせた音楽のスタイル──が間違いではないことを証明して見せた。
よく言われることだが、世界的なエンターテイナーは常に人々を驚かせることを得意としてきた。それは奇想天外なマジシャンにも、例えばかの有名なバットマンに登場する、ゴッサム・シティの狂気的なサーカス団にも当て嵌まることだ。しかし、今回のことで、ブラインド・ガーディアンにも奇抜なエンターテイナーとしての称号を与えなくてはならなくなった。理由は明白だった。なぜなら、ここに発表されたバンドの新作『Imaginations From The Other Side』は、全く新しい驚きに満ちており、現実での時間を忘れさせるように、音楽ファンを興奮させるドラマティックな内容だったからだ。全く持って、このドイツの亡者の守護神は、素晴らしい作品を完成させてしまった。
この作品は、ブラインド・ガーディアンがヘヴィメタル業界でトップの仲間入りを果たすための、記念すべき一作目となった。日本では『Somewhere Far Beyond』を超える最大のヒットを記録した。それぞれの楽曲に込められたテーマや、バンドとしての実力、ファンにとってはお馴染みのアンドレアス・マーシャルによるカヴァー・アートワークに至るまで、『Imaginations From The Other Side』は完璧だった。
コンセプトも忘れてはならない。エピック・メタルにとって極めて重要なこの項目は、長年数々のバンドたちを悩ませてきた。あるバンドは大昔の神話や伝承に題材を求めたり、近年ではアーサー・C・クラークのようなSF作品に挑戦するバンドも目立ってきている。しかし、最も確実なのは、ブラインド・ガーディアンが得意とする西洋ファンタジーの分野だった。中世時代の古い叙事詩や英雄譚を始めとする、高潔でヒロイックな物語を本格的に題材としたブラインド・ガーディアンの本作は、それらの世界観が如何にヘヴィメタルと合うかどうか、また、その事実を説得力のあるサウンドではっきりとさせている。細部までこだわるのがブラインド・ガーディアンというバンドだった。本作はエピック・ヘヴィメタルの新たな可能性を世界中のファンに知らしめることとなった...



1. Imaginations from the Other Side
冒頭を飾る壮大な楽曲。物語は老いた男が自らの夢や幻想は失われてしまったと嘆くものであり、そんな男がかつて夢見ていた世界とは如何なるものであったか、我々はこれを始めとして知らされることとなる。内容は劇的かつファンタジックな展開に富んでいる。
2. I'm Alive
エリック・ヴァン・ラストベイダーの小説『Warning』からインスパイアされた楽曲。ここでは核戦争で人間は地下に住んでいるが、ある戦士がまだ地上には望みがあると言い出し、そのために彼らは生き残る。スピーディな楽曲ながら、中世風のアコースティカルなパートを織り交ぜドラマティックに聴かせる。特にブリッジ・パートは傑作に値するであろう。
3. A Past and Future Secret
魔法使いマーリンがアーサー王の死について物語るという楽曲。マーリンは魔法使いであると同時に吟遊詩人でもあったという。民話的な世界観が幻想的に展開される本曲は、ブラインド・ガーディアンが生み出した中世風バラッドの楽曲の中では最高のものであろう。
4. The Script for My Requiem
英国十字軍の悲劇の顛末について物語る。サビでの聖歌隊のようなクワイアと、中間部でのギターソロ・パートは勇壮を極める。ブラインド・ガーディアンの楽曲の中で最も劇的なギターソロ・パートを持つのは本曲ではなかろうか。
5. Mordred's Song
『アーサー王物語』において、最後にアーサーと戦いを交えるその息子モードレッドの悲劇を描く。楽曲から漂う悲劇的な雰囲気が素晴らしく堪える。繊細な表現に満ち、中世時代の気品が漂う曲である。
6. Born in a Mourning Hall
ブラインド・ガーディアン曰く新しい試みを行ったという楽曲。ファンタジックなサビは見事に本作の持つ雰囲気にはまっている。
7. Bright Eyes
現実と幻想、善と悪との間で葛藤する少年が選択を迫られるという内容の物語。結論が「現実には何の価値もない」ということになるのは、夢想家が考えそうなことだ。楽曲は精神的で暗い雰囲気が漂う。
8. Another Holy War
アイリッシュ風のメロディが強烈な印象を与える楽曲。こういった旋律にはブラインド・ガーディアンのルーツが見て取れる。ギターソロ・パートは絶品。歌詞は救世主に関するものであり、救世主のために聖戦が頻発するという。
9. And the Story Ends
#7"Bright Eyes"で登場した少年が吟遊詩人と出会い導かれる最後の楽曲。大仰さは相変わらずであるが、ブリッジでの盛り上がりが秀逸。終始徹底したファンタジー観が見事に貫かれている。
10. The Wizard
ボーナストラック。ユーライア・ヒープのカヴァー。


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Somewhere Far Beyond



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 1992
Reviews: 92%
Genre: Epic Power Metal


ドイツのエピック/メロディックパワーメタルの筆頭、ブラインド・ガーディアンの1992年発表の4th。

本作『Somewhere Far Beyond』はブラインド・ガーディアンらしいドラマティックかつファンタジックな世界観を確立させた名作である。前作『Tales From The Twilight World』(1990)を軽く凌駕する内容を持ち、楽曲は更なる進化を遂げている。日本盤の帯に書かれた「前作を見事に踏襲」という言葉は実に適切な表現であろう。
新しい要素として、冒頭から美しく響くスパニッシュギターに代表されるように、本作では中世音楽を取り入れている。いよいよブラインド・ガーディアンの幻想物語を描く手法が本格化してきた。ヘヴィメタル・パートの破壊的なリフとケルトメロディの美旋律が入り乱れる手法は、従来よりも遥かに説得力を増している。特に今回はアンドレ・オルブッチ(g)のギターソロが作曲されたパートが多く、各楽曲でのソロは非常に洗練されたものとなっている。また楽曲の展開力においても圧倒的であり、劇的なテンポ・チェンジを要所で多用している。これらの要素は、まさにブラインド・ガーディアンのファンタジーメタルが完成したことを強烈に物語っている。総じて本作は非常に高度なエピックメタル作品である。

また本作は、物語的なコンセプト・アルバムであるという。本作では様々な吟遊詩人──本作で彼らは「Bard(バード)」という呼び名で呼ばれる。バードとは、ケルト人達が呼んだ吟遊詩人の名を指す──が幾多の次元より集まり、その世界での出来事を歌にして語る。アンドレアス・マーシャルの幻想的なアルバムジャケットは、まさにその吟遊詩人たちによる集会の様を描いたものである。これはまるで不思議な話で、紡がれる物語は至高の絵画となって劇的なヘヴィメタルとして具現化している。故に本作に徹底的に表現されたブラインド・ガーディアンの幻想世界が、聴き手に様々な光景を見せることは必至である。エピカルでストーリーテリングな傑作が『Somewhere Far Beyond』なのである。なお本作は、初期の頃からブラインド・ガーディアンの音楽性と世界観に影響を与えているJ・R・R・トールキンの『指輪物語』やマイケル・ムアコックの『永遠の戦士』等のファンタジー小説の愛好家たちにも訴える要素を持っている。

追記:本作は過去何度も再販され、リマスター再販盤が2002年と2007年に発売されている。なおそれぞれ収録のボーナス・トラックは異なっており、2007年のリマスター再販盤には#14"Ashes to Ashes (Demo Version)"、#15"Time What is Time (Demo Version)"が新たに収録された。



1. Time What Is Time
静寂の中に聞こえる美しいスパニッシュギターの音色。そこからの大仰な展開は劇的極まりない。オープニングを飾るに相応しい名曲だ。物語は映画『BLADE RUNNER』の世界観に基づいた未来を舞台としている。
2. Journey Through the Dark
時空を超えて旅するバードについての楽曲。このバードは人に乗り移ることが出来る力を持っている。非常にスピーディでスリリングな名曲である。本作の楽曲を聴けば"シリアスなファンタジー・メタル"が決してくだらないものばかりではないことが分かる。
3. Black Chamber
怪物に取りつかれ死を迎える男の物語に、クラシカルなピアノが悲壮感を添える短い楽曲。
4. Theatre of Pain
ケルティックなメロディが幻想的なミドルチューン。未来から来た吟遊詩人が環境問題の恐ろしさについて語り、荒廃した未来世界の現状を嘆く。
5. Quest for Tanelorn
カイ・ハンセンの協力のもと制作され、マイケル・ムアコック『永遠の戦士』に登場する永遠の都《タネローン》 を舞台にした強力な楽曲である。歌っている詩人は、チャンピオンの相棒であるという。恐らく、英雄の介添人(共に戦う宿命を持つ戦士)を意識して書かれた楽曲の可能性もある。劇的なハーモニーを持つソロパートを披露する楽曲であり、また聖歌隊のような壮大なコーラスも素晴らしい。
6. Ashes to Ashes
中世を想起させるメロディを持つ楽曲。サビのメロディは特にそうであろう。
7. Bard's SongⅠ- In the Forest Ⅱ- The Hobbit
二曲からなる組曲。前半「In the Forest」は年老いたバードの物語る話であり、後半「The Hobbit」は『ホビットの冒険』を題材とした物語である。「In the Forest」は中世ドラッドの影響を顕著に受けた、ブラインド・ガーディアン史屈指の名曲である。「The Hobbit」はドラマティックなメロディックチューンだ。
8. Piper's Calling
スコティッシュ・バグパイプによるインストゥルメンタル。
9. Somewhere Far Beyond
スティーヴン・キングの小説『ダークタワー』にインスパイアを受けた長尺の楽曲。主人公のローランドが、《暗黒の塔》の謎を握る《黒衣の男》を捕らえようと旅をする場面が描かれる。タイトルの「何処か遥か彼方」という意味深なフレーズは、アルバムの鍵を握っている。内容は本作でも最高にドラマティックなもの。
10. Spread Your Wings
ボーナス・トラック。クイーンのカヴァーである。クイーンの素晴らしさ、またはブラインドガーディアンというバンドのルーツが再確認できる。
11. Trial by Fire
ボーナス・トラック。イギリスのヘヴィメタル、サタンのカヴァー。
12. Theatre of Pain [Classic Version]
ボーナス・トラック。#4のクラシック・インストゥルメンタル・ヴァージョン。生のオーケストラではなくキーボードを用いている。そのためかファンタジック・ゲームの音楽のように聞こえる。


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テイルズ・フロム・ザ・トワイライト・ワールド



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 1990
Reviews: 90%
Genre: Epic Power Metal


ブラインド・ガーディアンの1990年発表の3rd。

ドイツのブラインド・ガーディアンは1988年に第一作『Battalions Of Fear』でデビューして以来、独自のエピックな方向性の探求を続けてきた。この作品から既にファンタジー文学の影響がヘヴィメタルに表れていたようだ。

ブラインド・ガーディアンの創造するヘヴィメタルは、昔からエピック・メタルの典型のスタイルだった。詞世界には、当然の如くヒロイック・ファンタジーが選択されていた。ブラインド・ガーディアンを語る上で興味深いのは、バンドの創始者であるハンズィ・キアシュ(Vo、b)がファンタジー文学のマニアだったことだ。彼は自分が愛してやまない物語を語り、それをJ・R・R・トールキンの『指輪物語』やマイケル・ムアコックの『永遠のチャンピオン』シリーズ、中世騎士道物語の代表作『アーサー王伝説』と公言している。他にドイツの英雄叙事詩にも影響を受けているようだ。当然の如く、ブラインド・ガーディアンの楽曲には様々な形でそれらのファンタジー叙事詩が登場する。云わばブラインド・ガーディアンのヘヴィメタルは、ファンタジー専門の巨大な図書館のようなものだ。

そして、ブラインド・ガーディアンの幻想的で壮大なエピック・ヘヴィメタルは、この第3作『Tales From The Twilight World』で完成したといっても過言ではない。現在でも、今作を最高傑作に上げるファンは多い。今に見られるシンフォニックなエピック・メタルとは一線を画す、スピーディかつパワフルな楽曲が次々に展開されていく大仰な作風は、熱心なファンには衝撃的だった(最も素晴らしいのは、ファンタジー文学の世界が見事に描かれていたこと)。本作の音楽性は、明らかにメロディック・パワー・メタルを基盤としているが、スラッシーなスピードとエピックな世界観の融合は、ブラインド・ガーディアンの独自の方法論だった。

上記の要素に幻想的なクワイアが加味され、ブラインド・ガーディアンの幻想世界は完成した。また、クワイアだけではなく、リードギターの流麗なメロディも非常に素晴らしく構築されている点も注目に値した。アンドレ・オルブッチ(lead g)は楽曲のソロ・パートを作曲しているため、印象的なメロディが多かった。更にメロディは、より勇ましいものを目指し、ケルト音階が取り入れられた。これらはヒロイックなヘヴィメタルには欠かせない要素だった。勇ましいソロが十分に展開される#1"Traveler in Time"、#6"Lost in the Twilight Hall"は既にファンタジー・メタルの名曲として名高い。ファンタジックでエピックなヘヴィメタルを語る際、ブラインド・ガーディアンの名は欠かせない存在となった。なお、本作は2007年にリマスター再販され、大幅に音質が向上した。



1. Traveler in Time
もはやこの手のエピックメタルでは定番ともいえる、クワイアを使ったドラマティックなオープニングから一気に爆走を開始する名曲。流麗なギターメロディと勇ましいヴォーカルがあまりにもスリリングな興奮を与える。クライマックのソロはファンタジー特有の世界観を強烈に印象付ける。最後の静かなエピローグも幻想的だ。
2. Welcome to Dying
疾走曲。猛烈な勢いで疾走し、そこにファンタジックなクワイアが加わるのはやはりブラインド・ガーディアンの代名詞であろう。また、ギターメロディも実に勇ましい。ファンタジー特有の興奮を感じる楽曲である。
3.Weird Dreams
まるでガンマ・レイ(元ハロウィンのカイ・ハンセンが結成したバンド。彼はこのアルバムにゲスト参加している)を思わせるようなパワフルなインスト。怒涛の勢いで勇ましいメロディが突き進む様は圧巻。
4. Lord of the Rings
タイトルにブラインド・ガーディアンが愛してやまない『指輪物語』をそのまま使用した名曲バラード。美しく、どこまでも幻想的な楽曲。古のファンタジーを思わせる、ファンタジーとは何かを問いかけられているような楽曲である。ここまで指輪物語を忠実に再現しているとは驚異的だ。
5. Goodbye My Friend
疾走曲。非常に勇ましい。
6. Lost in the Twilight Hall
ファンが共に合唱するために作られたかのような壮大な楽曲。サビでの大合唱はあまりにも勇ましく、若い勢いに満ち溢れている。ここまでやる大仰さは素晴らしい。展開はまるでRPGのようで、冒険物語を思わせる部分が随所に登場する。肝心のカイ・ハンセンは途中から突如奇声をあげて乱入し、凄まじいパフォーマンスを披露している。
7. Tommyknockers
攻撃的なメロディが耳に焼きつく佳曲。よく衰えないというほど、こちらでも疾走をしている。
8. Altair 4
短めの繋ぎ的な曲。いかにもドイツというような怪しげなメロディが印象に残る。
9. Last Candle
幻想的かつ荘厳なクワイアで幕を開ける必殺のファンタジーメタル。とにかく勇ましく、まるで#1"Traveler in Time"の再来とでもいうようなファンタジックな世界観が味わえる。サビでのクワイアとヒロイックなギターソロが爆走するパートでは途轍もない高揚感を得られる。また、ラストでのオペラティックな幕の締め方など、ブラインド・ガーディアンのエピックな手法が花開いた名曲でもある。


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フォロー・ザ・ブラインド(ニュー・ミックス)



Country: Germany
Type: Full-length
Release: 1989
Reviews: 71%
Genre: Epic Power Metal


ブラインド・ガーディアンの1989年発表の2nd。

本作はファンタジックな世界観を構築しようとする部分や、流麗なリードギターのメロディなど聴くべき箇所は多い。特にアルバムのオープニングにドラマティックな聖歌風イントロを加えるなど、エピックな要素も強くなってきている。もちろんそれが前面開花したというわけではないが、少なくとも#1に続く#2は名曲だろう。まだまだ荒削りではあるが、バンドの進化の過程を知るには良い一枚だと思われる。2007年のリマスター盤は4曲のデモ・ボーナス入り。1stと同じくリミックスされたため、大幅に音質と楽曲が良くなっている。#8には彼らの憧れだったカイ・ハンセンがゲスト参加。



1. Inquisition
2. Banish from Sanctuary
流麗に流れるリードギターのメロディと、怒涛の疾走感が感情を揺さぶる名曲。ファンタジックかつドラマティックな世界観がうまく表現されていると思う。
3. Damned for All Time
4. Follow the Blind
5. Hall of the King
6. Fast to Madness
7. Beyond the Ice
8. Valhalla
9. Don't Break the Circle
10. Barbara Ann
11. Majesty [Demo Version]
12. Trial by the Archon [Demo Version]
13. Battlions of Fear [Demo Version]
14. Run for the Night [Demo Version]


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Batallions of Fear


Country: Germany
Type: Full-length
Release: 1988
Reviews: 73%
Genre: Epic Power Metal


ブラインド・ガーディアンの1988年発表の1st。

ハンズィ・キアシュ(vo、b)、アンドレ・オルブリッチ(g)、マーカス・ズィーペン(g)、トーマス ・"トーメン"・ スタッシュ (ds)によって制作。この作品からファンタジー文学を題材にした試みが見られる。"Gandalf's Rebirth"がそれ。基本的な音楽のスタイルはパワー・メタルであり、80年代のエピック・メタルからの影響も強い。スピーディーな"Majesty"はバンド屈指の名曲。デビュー20周年を記念した2007年のリマスター再販盤には、初期のデモ5曲が追加。また、その際リミックスされているので、印象の変わる曲もチラホラある。



1. Majesty
2. Guardian of the Blind
3. Trial by the Urchon
4. Wizard's Crown
5. Run for the Night
6. Martyr
7. Battalions of Fear
8. By the Gates of Moria
9. Gandalf's Rebirth
10. Brian [Demo Version]
11. Halloween (The Wizard's Crown) [Demo Version]
12. Lucifer's Heritage [Demo Version]
13. Symphonies of Doom [Demo Version]
14. Dead of the Night [Demo Version]


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