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Alive Aftershock



Country: Greece
Type: Split
Release: 2013
Reviews: 80%
Genre: Epic Heavy Metal


ギリシャの古典派エピック・メタル、ラースブレイドの2013年発表のスプリット盤。


前作『Into the Netherworld's Realm』(2012)と同じく、ギリシャの「Eat Metal Records」から発売されたラースブレイドの『Alive Aftershock』は、現代のエピック・メタル・シーンでも人気の高いスプリット・アルバムという形式である。本作には、ギリシャの2つのバンド──ラースブレイドとコンヴィクシオン(Convixion)──の楽曲をそれぞれ収録している。

この『Alive Aftershock』に収録された楽曲を見ても分かるように、キリス・ウンゴルとマニラ・ロードの2つのバンドは、地中海諸国では非常に人気の高い存在となっている。そして、エピック・メタルのファンたちが驚くのは、ラースブレイドのヴォーカルであるニック・ヴァーサミス(Nick Varsamis)の歌唱法が、極めてマーク・シェルトンに接近しているということだ。これは『Into the Netherworld's Realm』を経て、バンドが更に進化したという証拠だろう。必然的に次回作への期待も高まる。



1. Convixion - The Eyes of the Beast
2. Convixion - I'm Alive (Cirith Ungol cover)
3. Wrathblade - Triton the Trumpeter
4. Wrathblade - Aftershock (Manilla Road cover)


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WRATHBLADE_1st.jpg

Country: Greece
Type: Full-length
Release: 2012
Reviews: 90%
Genre: Epic Heavy Metal


ギリシャのアテネ出身、アンダーグラウンド・エピック・メタルの最終兵器、ラースブレイドの2012年発表の1st。




2000年代以降のギリシャのアンダーグラウンド・シーンで確立された、重厚なスタイルの新時代のエピック・メタル・サウンドは、NWOMEM(New Wave Of Mediterranean Epic Metal)の拡大と共に、次第に世界各地のヘヴィメタル・ファンたちの間へと浸透していった。当然のように、その中心にいたバンドは、ギリシャを代表する存在であるバトルロア(Battleroar)であり、そこに無数のイタリア勢が続く形となった。
そして、2010年代に入ると、次第に欧州各地のアンダーグラウンドのエピック・メタル・シーンは激しさを増し、多種多様なバンドたちが群雄割拠する時代が幕明けた。
そういった過酷な環境の中で、ドイツから登場したアトランティアン・コデックス(Atlantean Kodex)は、第2作『The White Goddess』(2013)という傑作を世に送り出した。一方、イタリアでは、アドラメレク(Adramelch)やダーク・クォテラー(Dark Quarterer)などの古参バンドが復活するという動きもあった。
しかし、2010年代以降のアンダーグラウンド・シーンで本当の勢いを持っていたのは、ギリシャ圏のバンドたちだった。例えば、ギリシャでは、前述したバトルロアの他、セイクリッド・ブラッド(Sacred Blood)、ブレイヴライド(Braveride)などが活躍し、キプロスでは、アラヤン・パス(Arryan Path)やソリタリー・セイバード(Solitary Sabred)などがエピック・メタルのファンたちの心を掴んだ。



ここに紹介するラースブレイドも、サウンド的にはバトルロア直系の重厚なエピック・メタル・スタイルを体現したバンドだが、アンダーグラウンド・シーンのファンたちの期待は、周囲の想像を遥かに上回るものだった。実際のところ、ラースブレイドというバンドは、2003年にギリシャのアテネで結成され、シングル『War of the Titans』(2006)、デモ『Reins of Doom』(2011)を発表し、エピック・メタルのファンたちの心を掴んでいた。
そして、2012年、ラースブレイドは、ギリシャの「Eat Metal Records」から第一作『Into the Netherworld's Realm』を発表した。言うまでもなく、このエピック・メタル・バンドとしての圧倒的な自信や誇りに満ち溢れた重厚な作品は、全てのドラマティックな叙事詩的音楽のファンたちが、その発売を心待ちにしていたものだった。
ヒロイズムを貫くギリシャの若者たちが生み出した一大叙事詩──『Into the Netherworld's Realm』は、従来のエピック・メタルという音楽の全ての要素を詰め込んだ作風であり、このジャンルの始祖たちから受け継いだ遺産を巧みに進化させていた。
例えば、『Into the Netherworld's Realm』という作品を通じて、クラシックなヘヴィメタルのファンたちは、ドイツのランニング・ワイルド(Running Wild)の存在を思い出すことができた。また、この『Into the Netherworld's Realm』を聴いた従来のエピック・メタルのファンたちは、マニラ・ロード(Manilla Road)、キリス・ウンゴル(Cirith Ungol)、ブローカス・ヘルム(Brocas Helm)、ソルスティス(Solstice)などのバンドが残した作品に共通点を見出すことができた。
実際のところ、ラースブレイドは、自身のフェイスブック上で影響を受けたバンドとして、マニラ・ロード、キリス・ウンゴル、ブローカス・ヘルム、ソルスティス、スルー・フェグ(Slough Feg)、ランニング・ワイルド、セイクリッド・スティール(Sacred Steel)、アイアンソード(Ironsword)、ドミネ(Domine)などのバンドの名前を挙げていた。
このように、過去の様々なエピック・メタル・バンドたちの作風を取り入れたからこそ、ラースブレイドの『Into the Netherworld's Realm』は、シンプルながらも衝撃的なサウンドを確立することができたのだった。
そして、現代のエピック・メタルのファンたちは、ラースブレイドの登場から受けた凄まじいまでの衝撃を、同国のバトルロアと重ねることができた。その衝撃こそが、新時代のエピック・メタル・シーンの形成に必要なものだった。
結果的に、こういったエピック・メタル・バンドたちが生み出した純粋な刺激は、数多くのファンやフォロワーたちを世界各地に拡大させるきっかけとなった。ヒットとは無縁のアンダーグラウンド・シーンの中でも、本当に優れた作品がファンたちの間に拡大するスピードは驚くほど早かった。
詰まるところ、かつてのバトルロアの第3作『To Death and Beyond...』(2008)のように、ラースブレイドは、この『Into the Netherworld's Realm』を通じて、2010年代以降のエピック・メタルのサウンドの骨組みを完成させたのだった。これで暫くの間、欧州のエピック・メタル・シーンは安泰だろう。



1. God-Defying Typhoeus
2. Dolorous Shock
3. In Metal We Trust
4. Dream Trap (Doomopolis pt I)
5. Reins of Doom (God of War pt I)
6. Flee to Freedom
7. Signs of Wrath
8. For You


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