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Introduction

Robert_E_Howard

「エピック・メタルとは、叙事詩的なヘヴィメタルの総称であり、主に大仰かつ劇的でヒロイックな音楽性を示す言葉である」 [More stats] 

 ──Cosman Bradley


◆新着情報 News Topics
[Reviews]
VALKYRIE 「Deeds of Prowess」
WRATHBLADE 「Into the Netherworld's Realm」
VIRGIN STEELE 「Nocturnes of Hellfire & Damnation」
[Release]
Jack Starr’s Burning Starr 「Stand Your Ground」
Cirith Ungol 「King Of The Dead」
Manilla Road 「To Kill a King」

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In The Shroud Of Legendry



Country: Greece
Type: Full-length
Release: 2009
Reviews: 74%
Genre: Symphonic/Epic/Hellenic Metal


ギリシャ発祥、エピック/ヘレニック・メタルの後継者、アスロスの2009年発表の1st。


『METAL EPIC』誌より抜粋:



アメリカのヴァージン・スティールがエピック・メタルを追求する過程で辿り着き、後にギリシャのリフレクション(REFLECTION)などが継承した古代ギリシャ世界を題材としたエピック・メタルの一派が、その古名に肖って"ヘレニック・メタル(HELLENIC METAL)"と形容されるに至ったのは、遅かれ早かれ、必然的なことであった。アレクサンドロス大王が齎したヘレニズム文化の再来の如く、ヘヴィメタルと古代ギリシャ文化を融合させ、劇的かつ古典的なヘヴィメタルのスタイルを編成したヘレニック・メタルの登場は、エピック・メタル史においても致命的な改革を齎した。ヘラス──古代ギリシャ人は、かつてギリシャ全土をこう呼んでいた──における神話大系、及び英雄叙事詩、悲劇などを題材としたこれらのエピック・メタルは、他の分野で可能性を拓けるバンドが登場する傍ら、ずっと古代の事象を追求していたのである。
その代表作としてヴァージン・スティールの『The House of Atreus』(1999~2000)が大きな成功を収めたことは、後続のヘレニック・メタル・バンドにとってはある種の事件であった。本作はエピック/ヘレニック・メタルのファンから絶賛され、海外の一部のレビュー・サイトなどでは驚くべき高得点をマークした。ヴァージン・スティールの"アトレウス二部作"が古代ギリシャの劇作家、アイスキュロス(Aischylos, 525 - 456 B.C)の『オレステイア(The Oresteia)』を題材としていたことは有名であったが、それに続くかの如く、ギリシャからリフレクションが詩人ホメロスの『オデュッセイア(Odyssea)』を題材とした『ΟΔΥΣΣΕΙΑ (Odyssey)』(2003)を発表したことは、実はあまり知られていなかった。この分野はエピック・メタルの狭きセクションから見ても、あまりにも偏った分野であったのだ。そして、戦地の業火がやがて鎮まるかの如く、ヘレニック・メタルの勢いも次第に衰えていった。



2009年、我々は滅亡したヘレニック・メタルの再興を見る。ギリシャのアテネより突如出現した英雄、セイクリッド・ブラッドが"テルモピュライの戦い(Battle of Thermopylae)"を題材とした第一作『The Battle of Thermopylae: The Chronicle』(2008)で強烈に提示したように、古代ギリシャ世界を不変のテーマとしたエピック・メタルの一派は、完全に死に絶えてはいなかったのである。それらは地下で着々と準備を進める軍隊のように、長年に渡り力を温存していたのだ。そして、その抑えつけられていた強力な力が、恰もカタルシスの如く、一気に解放され始めたのは、誠に近年になってからのことであった。
セイクリッド・ブラッドでも中心人物を務めていたポーリーデイキス(Polydeykis:g、key)が、更なるヘレニック・メタルの再興を訴えるべく挑んだのが、今回のアスロス・プロジェクトに他ならない。ポーリーデイキスの単独のプロジェクトであるアスロスは、その掲げる崇高な理想に相応しく、これまでに確立されてきたヘレニック・メタルの伝統を一身に継承している。当然の如く、歌詞の題材はすべて古代ヘラスに関するものであり、叙事詩的なムードを漂わせる各楽曲では、ヘラスの神々と英雄たちが幾度となく登場する。"Aegean Blue (Poseidon's Realm)"では海の神ポセイドンがテーマとなり、またアスロスは、ギリシャ発祥の古典文学に対しても追求、"Enslaved (A Slave's Odyssey)"などの楽曲ではホメロスの『オデュッセイア』を扱っている。本作『In the Shroud of Legendry - Hellenic Myths of Gods and Heroes』では、これらの時代を超えた叙事詩の中で、勇壮なドリア風の調べによって彩られ、古代の神話、及び神と英雄の燦然たる物語が、恰も大宇宙の巨大なパノラマの如く、優雅に展開される。そのために悠久の古代ギリシャ旋法──アスロスは実際に、インストゥルメンタルの中でギリシャ旋法を用いている──は蘇り、エピック/ヘレニック・メタルのために幻想的な情景を散々と描くのだ。なお本作にはフォークアース(FOLKEARTH)のメンバーに加え、ヴァイキング・メタルでも活躍する女性ミュージシャン、ヒルドル・ヴァルキリー(Hildr Valkyrie)が参加している他、多くのゲスト・ミュージシャンが迎えられている。



1. In the Vineyards of Dionysus
インストゥルメンタル。リズミカルなリフが勇猛に行進する。
2. The Wrath of the Hekatonkheives
勇壮なドリア風の調が真実のヘレニック・メタルを奏でる。古代ヘラスの再現、エピック・メタルに秘められたドラマ性、ヒロイズムを宿した迫真のリフが渾然一体となり、ギリシャ発祥のカタルシスの如く解放される名曲。
3. Aegean Blue (Poseidon's Realm)
魅惑的な民謡調のバラード。海の神ポセイドンをテーマとする。笛の音色と厳かなコーラス、女性ヴォーカルがメランコリックなムードを演出する。
4. The Dance of Kouretes
遠くから聞こえる笛の音色。突如としてメタリックなリフによって静寂は破られ、フォーキーなエピック・メタルが展開する。リズミカルな笛とリフが心地良い。
5. Enslaved (A Slave's Odyssey)
およそ8分に及ぶ大作。ホメロスの『オデュッセイア』を題材とする。スペクタクル映画のスコアに使用されても何ら不思議ではない深遠なサウンド。語りとシンフォニックな味付けのみで構成されており、以外にもギターは登場しない。まさにギリシャ音楽。
6. Hellas Eternal
栄光のヘラスとその長大な歴史を幻視する。ギリシャ人にとって、ヘラスの魂は永遠に輝き続ける星である。シンフォニックなイントロからエピカルなリフへ、厳格なクリーンヴォイスが古代の威厳を物語る。
7. Ulysses Before the Gates of Hades (Necromantia)
ギリシア劇の如き内容のインスト。荘厳な旋律が彩る。
8. Taurokatharpsia (Horns of Power)
ギリシャ民謡がヘヴィメタルと狂乱する楽曲。メロディックなギターが耳を惹く。完成度が一級品故、およそ2分間が惜しい。
9. Areth kai Pomh
勇ましいファンファーレの音色が古代の英雄主義を貫く。神秘的なピアノの旋律も花を添える。
10. Talos Unleashed
官弦楽器を用いた民族的なサウンド。笛の音色が乱舞するパートもある。
11. The First Faun (Song of the Elder)
弦楽器によるインストゥルメンタル。演奏は古代のギリシア旋法を彷彿とさせる。
12. The Son of Amon Ra (Intro)
13. The Son of Amon Ra
"アモン・ラーの息子(Son of Amon Ra)"とはアレクサンドロス大王を指す。アレクサンドロスはエジプトを制圧した際、神官からこのような信託を受けたと伝えられる。なおアモン・ラーとはエジプトの太陽神。波乱に満ちた展開を有するエピック・メタルであり、緩急に富んだ内容であり、随所で劇的な転調を加える楽曲。


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