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Defender of the Crown



Country: United States
Type: Full-length
Release: 2004
Reviews: 88%
Genre: Epic Metal


カリフォルニア州サンフランシスコ出身、エピック・メタル古参、ブローカス・ヘルムの2004年発表の3rd。


一度解散したブローカス・ヘルムの自主制作による復活第3作目。音楽性は過去のメディーバル・エピック・メタルを踏襲。本作は、世界各地のエピック・メタルのファンたちから絶賛され、未だブローカス・ヘルムの作品が求められていることをシーンに提示した。



1. Cry of the Banshee
2. Defender of the Crown
3. Skullfucker
4. Drink and Drive
5. Blood Machine
6. Preludious
7. Ghost Story
8. Helm's Deep
9. Juggernaut
10. Time of the Dark
11. War Toons
12. Never Kissed Goodbye
13. Persian Gulf
14. Children of the Nova Dawn


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Black Death



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1988
Reviews: 88%
Genre: Epic Metal


カリフォルニア州サンフランシスコ出身のエピック・メタル古参、ブローカス・ヘルムの1988年発表の2nd。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

「タイトル・トラック"Black Death"で中世時代の暗い背景を描く傍ら、"Prepare For Battle"のような楽曲で中世の燦然たる輝かしい場面を取り扱っている」
ブローカス・ヘルムの第2作『Black Death』は、中世時代に傾向し、ヨーロッパ圏内では広く信じられている二面性の概念を宿した作品である。中世──諸王に仕える勇敢な騎士たちが馬上の決闘などで華々しく命を散らし、勝者は高貴な乙女の愛を勝ち取った時代。ペストの大流行や思想・宗教の弾圧、領土を巡る骨肉の争いに人々が苦しんだ時代だ。そして、その善意と悪意の両方をエピック・メタルとして昇華した『Black Death』こそが、80年代のアンダーグラウンド・シーンを代表する真の傑作であるという。
楽曲は何れも粒ぞろいだが、本編の収録時間はおよそ30分にも満たない。この手法はスレイヤーの名作『Reign in Blood』(1986)を彷彿とさせる。『Black Death』ではエピック・メタルの限界に達した猛烈なスピードがファンタジックな中世のメロディを呑み込んで、渾然一体の叙事詩として聴き手の脳裏を刺し貫く構成。見事に勇壮なその様は、恰も馬上槍試合を行う騎士の凄まじさ、気迫に通じる。ブローカス・ヘルムが本作で完成させたのは紛れもなく中世とエピック・メタルの融合であり、その説得力は前作を軽く凌駕するもの。要所に臨場感を演出する繊細なSEに加え、幻想的なキーボードを導入したことが、大仰なドラマ性の向上へと繋がったのだ。NWOBHM影響下の伝統的なヘヴィメタルを基盤とし、そこにスピーディなリフと中世を強調したメロディを導入した特異なスタイル、これが本作で完成されたブローカス・ヘルム独自のサウンドとなる。
後にドイツのブラインド・ガーディアンの登場によってブローカス・ヘルムの残した功績が曇るのは残念だが、我々は可能な限り、サンフランシスコ・カリフォルニア発祥のかつて地下を席巻したエピック・メタル、ブローカス・ヘルムとその作品たちを覚えていよう。かくして誕生したブローカス・ヘルムの『Black Death』が後続に与えた影響は計り知れなく、現在でも本作が再発掘されることは少なくない。自由な選択が可能である我々が本作のような過去の遺産を積極的に探すのであれば、それは14世紀~16世紀のルネッサンスと類似した発想だ。最もエピック・メタルの場合、まだまだ文芸復興の規模は個人の域に押しとどめられているのが現状。我々はこの小さなコミュニティをどう拡大していくかが今後の課題である。

*追記:本作は2005年に再発。その際、1989年のデモ『Helm's Deep』から5曲、"Prepare For Battle"のライヴ映像を追加収録。



1. Black Death
主に14世紀のヨーロッパで大流行した「黒死病(ペスト)」について歌ったタイトル・トラック。なお"Black Death"とはペストの俗称(死者の皮膚が黒く見えたため)。ダークなイントロダクションから疾走を開始。オリジナル盤において、このイントロダクションは"Black Death Overture"と名付けられていた。静から動への分かり易い展開を持つ。
2. Prepare For Battle
強力なメロディを宿した傑作。疾走するリフにファンタジックなコーラスを絡め、勇ましいメロディを放つ。早くも中世的なヒロイズムが強調。後半のリード・ギターは素晴らしい。
3. The Chemist
幻想的なキーボードの音色がエピカルな雰囲気を醸し出す楽曲。まるでアルバム・ジャケットに描かれた中世騎士道物語の世界のよう。
4. Hell's Whip
ヒロイックなイメージを強調したエピック・メタル。童謡的なイントロに始まり、大仰な歌唱で盛大に盛り上げる。中間部からはドラマティックに疾走を開始。
5. Satan's Prophets
不穏なイントロ、馬の嘶き等のSEを加えた冒頭が知的好奇心を刺激する。依然として疾走感に溢れたエピック・パワー・メタルを披露。
6. Fly High
本作最大のハイライト。哀愁のメロディが縦横無尽に駆け廻る傑作。エピック・メタル以前に、本曲がメロディック・スピード・メタルの分野にも影響を与えていることは確実であろう。
7. Prophets Scream
スピード感に溢れたスリリングな内容。およそ2分と短い楽曲ながら徹底的に高揚感を煽る。
8. Fall Of The Curtain
ミスティクな世界観を描くエピック・メタル。シリアスな内容、エピカルなメロディが効果的に用いられる。起伏に富んだ展開も有し、ドラマ性を高めている。

9. Drink And Drive (bonus track)
10. Crazy (bonus track)
11. Blood Machine (bonus track)
12. Juggernaut (bonus track)
13. Helm's Deep (bonus track)
14. Prepare For Battle (bonus video)


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Into Battle



Country: United States
Type: Full-length
Release: 1984
Reviews: 84%
Genre: Epic Metal


カリフォルニア州サンフランシスコ出身のアンダーグラウンド・エピック・メタル、ブローカス・ヘルムの1984年発表の1st。


「メディーバル(中世)・エピック・メタル誕生史」
 ──『METAL EPIC』誌



プロローグ...
80年代を代表するアメリカのアンダーグランド・シーンにて活躍したエピック・メタル・バンドの名を挙げるのであれば、まず真っ先にカンザスのマニラ・ロードの名が思い浮かぶはずであろう。そして、次点はキリス・ウンゴルであり、その後続として一部でカルト的な人気を博していたのがサンフランシスコ、カリフォルニア出身のブローカス・ヘルムである。マニラ・ロードがヘヴィメタルのサブ・ジャンル、エピック・メタルを完成させたことは恐らく有名だが、実はブローカス・ヘルムも一つ興味深い功績を残している...

『Into Battle』について...
よく議論されているように、エピック・メタルの世界には共通のテーマとなる部分がある。例えば中世やファンタジィ、文学、神話などが示す世界観だ。長い間に渡り、エピック・メタルの世界ではこれらのテーマが作品別によって追求されてきた。そして冷淡な夜風の如く、他のエピック・メタル・バンド同様、ヘヴィメタルが培ってきたこれらの伝統的な世界観に傾向を示し、80年代のNWOBHM影響下の疾走感に満ちたサウンドで颯爽と登場したブローカス・ヘルムが、記念すべき第一作『Into Battle』で後のエピック・メタル史に貢献を果たす内容を完成させたのである。『Into Battle』という単純明快なアルバム・タイトル、騎士を描いたジャケット、バンドの標榜するヒロイックなイメージ。全体的に疾走感に満ち溢れ過ぎてはいるが、随所にエピカルな要素を散りばめたこの『Into Battle』は、その決め手として「中世騎士道物語」に代表される中世の世界観を主な作品のイメージとして掲げていた。既にこの頃、マニラ・ロードは名作『Crystal Logic』(1983)を発表し、キリス・ウンゴルは『King of the Dead』(1984)で自身のファンタジックなイメージを完成へと導いていた。しかし、本来であれば作品を何作も重ねて掴むはずのバンドのイメージを、ブローカス・ヘルムは早くも第一作目から固めていたのだ。まだ『Into Battle』では器用さや緻密さで拙い面が残るが、当時のブローカス・ヘルムのスタイルが強烈であったことは確かだ。現在ではヘヴィメタルに中世の要素を導入したエピック・メタルなどは珍しくもないが、この分野の先駆けであるディオ(DIO)を始め、当時のブローカス・ヘルムが掴んだイメージは非常に大きいものであった。その大胆な挑戦の成功例として、"Into Battle"、"Dark Rider"、"Into the Ithilstone"などの名曲たちが本作の中で輝いている。その輝きは鈍く曇ってはいるものの、我々が埃を掃えば直にでも、再び輝くはずだ。

*追記:本作は2005年に再発。その際、1983年のデモから5曲、ビデオ・ライヴ・トラックが1曲追加収録。



1. Metallic Fury
その名の如く、メタリックなリフで大胆に切り込む強烈な名曲。要所でヒロイックな緊張感を生み出し、更にメロディアスなギター・フレーズが聴き手を魅了する。
2. Into Battle
勇壮なメロディで疾走する楽曲。王と騎士、愛、そして馬上の戦いが始まる。歌詞の内容から察するに、既にヒロイック/エピックな音楽性を標榜していることが明白。
3. Here to Rock
荒々しい疾走曲。NWOBHM影響下の極めて攻撃的な内容が印象に残る。
4. Beneath a Haunted Moon
アイアン・メイデンを彷彿とさせる楽曲の進行が面白い。リード・ギターのメロディックなフレーズは耳を惹く。
5. Warriors of the Dark
勇壮な雰囲気を放つアップ・テンポ。ヘヴィメタルというよりかハードロック的な軽快なノリを感じさせる。
6. Preludious
インストゥルメンタル。
7. Ravenwreck
ドラマ性に満ちたスリリングなリード・ギターが印象的。"Warriors of the Dark"などの楽曲とは一変、ダークかつエピカルな雰囲気を醸し出す。
8. Dark Rider
高速のメロディが疾走する楽曲。鋭角なリフが聴き手を襲う。全体的にコンパクトにまとめられているが、後半からドラマティックに展開するソロ・パートがエピカルな雰囲気を発散する。
9. Night Siege
ヒロイックなムードを宿す疾走曲。メタリックなリフも強力。アルバム・ジャケットのイメージに相応の勇敢なサウンド。
10. Into the Ithilstone
ロマンティックなメロディで中世の騎士のイメージを描く。ブローカス・ヘルムはそのビジョンをヘヴィメタルに融合させようとしていた。内容は拙いが、本曲の残した功績は大きいと考えられる。


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