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「ROSAE CRUCIS(ロジー・クルーシズ) 」カテゴリ記事一覧


ROSAE CRUCIS 「Fede Potere Vendetta - Overlord Edition」

Fede Potere Vendetta Overlod Ed



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2010
Reviews: 93%
Genre: Epic Power Metal


イタリアのティボリ発祥、エピック/ヒロイック・メタルの子孫、ロジー・クルーシズの2010年発表の3rd。


「心得ておくがいい、王子殿下よ、大洋がアトランティスを呑み尽くし、その煌く都邑の数々を滅ぼした時より、アリヤスの子孫が勃興するまでの時の狭間に、今は忘れられた時代があり、数多の輝ける王国が、星々の下の青い外套さながらに、世界に広がっていたことを──ネメディア、オフィル、ブリタニア、ハイパーボリア、黒髪の女性と蜘蛛の巣喰う神秘の塔で知られたザモラ、騎士道で名高いジンガラ、田園地帯のシェムと国境を接するコス、影に守られた墳墓の国スティギア、鋼を身につけ、絹と黄金を纏った騎手を擁したヒルカニアなどである。しかし、この世界で最も誇り高い王国は、夢見る西部に君臨したアキロニアであった。この地にやってきたのがキンメリア人コナン、漆黒の髪に陰鬱な色を湛えた瞳を持ち、剣を手にした盗賊、掠奪者、殺人者であった。途方もなく憂鬱で途方もなく陽気な彼は、宝石をちりばめた地上の王座の数々を、サンダルを履いた足で踏みにじっていったのである」
 ──ネメディア年代記



本作はロジー・クルーシズの第3作『Fede Potere Vendetta』(2009)を英語圏ヴァージョンに新たに録り直したものだ。EP『Venarium』(2010)を経ての発表となる。ロジー・クルーシズが最新作である第3作目を再録した背景には、様々な諸説が飛び交っているが、そのうち、恐らく最大の原因となったのは、音質面での問題であろう。ロジー・クルーシズは前作『Fede Potere Vendetta』を、傑作と称された第2作『Il Re Del Mondo』(2008)より劣る音質で提供してしまった。そしてロジー・クルーシズのファンは、そのことがずっと気になったままであった。

『Fede Potere Vendetta - Overlord Edition』と題された本作は、イタリア語から英語へと変更する際に再録した成果が多大であり、音質面で問題視──しかしクオリティ面では絶賛──された前作で憤りを感じたというファンは、確実に満足する内容となっている。音質がクリアになったことによって、『Fede Potere Vendetta』の内容が如何に素晴らしいものであったか、などという再評価もファンの間では起こっている。専ら歌詞を英語にしたことによって、一部の楽曲では、同郷で類似スタイルのドミネを彷彿とさせる場面も出現し始め、感受性の鋭いリスナーは恐らく指摘するはず。何れも、高尚なエピック・メタル・バンドである事実以外に差異はないのだが。

紆余曲折あったが、エピック・メタルの伝統的なヒロイズムに相応しく、本作こそ正統にして真性のコナン・ミュージックのリバイバルである。汗握る拳で剣を打ち鍛えるキンメリアの鍛冶屋の如く、剣を筆に持ち替えた現代の信奉者らは、蘇った古代の信仰の祈りの言葉を聴くように、『Fede Potere Vendetta』を静寂の中で聴き、同じくその手に汗握ることであろう。即ち原始の人間が感じたであろう恍惚と興奮を、現実の陽光の遠く遮られた秘密の場所に至り、我々も願わくば感ずるのである。Crom!

2012年、8月号、『METAL EPIC誌:ヒロイック・ファンタジーの再訪』より



1. The Fall of the False
1996年の楽曲。ギターを主軸にしたエピカルなインストゥルメンタル。リードギターがダークなメロディを奏で、ドラマ性を高めるナレーションや剣のSEを加える。後半にはテンポ・チェンジと掛け声が入る。
2. Fede Potere Vendetta
1993年の楽曲。タイトル・トラック。イントロダクション"The Fall of the False"のダークな世界観を引き継いだ展開を聴かせる。各パートではスピーディなリフと大仰なコーラスを多用。アグレッシブなサウンドとシリアスなメロディの放つ緊張感が独特。
3. Crusade
1994年の楽曲。およそ7分に及ぶ大作。威厳に満ちたエピカル・リフが扇情的。荒馬の如く駆け廻るヒロイックなメロディ、及び勇敢なムードを発散するヴォーカルが、唯一無二の英雄叙事詩の世界を創造する。マノウォーにも通じるバーバリックなサウンドを提示し、一方のエピローグでは、ヴァージン・スティールを彷彿とさせる劇的な展開も見せる。
4. Anno Domini
1996年の楽曲。ヒロイズムを極めたエピック・メタルである。容赦のない説得力に満ちたサウンドが、劇的なヒロイック・ファンタジーの世界観と狂おしいまでの名演を果たす。リードギターのメロディは極めてセンセーショナルなもの。エピック・ファン待望の一曲であろう。
5. The Nemedian Chronicles
1995年の楽曲。"コナン・トリロジー"の一曲目。コナンの第一作『不死鳥の剣(The Phoenix on the Sword)』(1932)にて描かれている、冒頭の物語の導入部を忠実に再現した内容。ナレーションに至ってはそのままである。なおベイジル・ポールドゥリス作『Conan the Barbarian(邦題:コナン・ザ・グレート)』(1982)のサウンドトラックからのメロディの引用がある。
6. Crom
1995年の楽曲。"コナン・トリロジー"の二曲目。「クロム」とはキンメリア人が信仰する神の名。 完全なるコナン・ミュージックの再臨である本曲は、途方もない臨場感と常識を逸したヒロイズムが宿る大傑作である。冒頭のリードギターの奏でる英雄的な旋律は驚嘆に値する。なお英語盤では、同国のドミネにも通じる独特のムードが漂う。コーラスに至っては、イタリア語盤の方が重厚に練られている印象を受ける。
7. Venarium
1997年の楽曲。"コナン・トリロジー"の三曲目。およそ8分に及ぶ大作。コナンが最初に登場したという、少年時代のヴェナリウム砦での闘いを描く。哀愁に満ちたメロディでヒロイックな世界観を構築し、そこに妖艶かつダークな疾走感を加味した一大傑作である。怒涛の興奮に満ち、荘厳なムードによって支配された英雄たちの世界が、絶えず聴き手を圧倒し続ける。どうやらロジー・クルーシズの音楽では、常に"劇的"であることが当たり前のようだ。
8. Blood-Steel
2009年の楽曲。ヘヴィな疾走曲であり、要所に雄々しい掛け声風コーラスを用いる。劇的な旋律に彩られたリフも素晴らしい演出をする。
9. Yes We Tank
ボーナス・トラック。英語盤にのみ収録。潔く完結している本作の内容に、敢えて蛇足を加える必要はない。


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ROSAE CRUCIS 「Fede Potere Vendetta」

Fede Potere Vendetta



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2009
Reviews: 91%
Genre: Epic Power Metal


イタリアのティボリ発祥、新世代エピック・パワー・メタル筆頭にしてコナン・ミュージックの継承者、ロジー・クルーシズの2009年発表の3rd。


『Fede Potere Vendetta』について...
ロジー・クルーシズの第2作『Il Re del Mondo』(2008)がデモ第一作『Il Re del Mondo』を再録した内容であることは、以前述べた通りである。注意深いファンは既に気付いているかもしれないが、本作『Fede Potere Vendetta』に至っても、前作で成功を収めた方法論に基づき制作されている。1998年に制作された同名のデモ第2作『Fede Potere Vendetta』に収められていた楽曲が、本作の内容と等しい。しかし、そのままの状態でフルレンス・アルバムの発表に至るという妥協があるはずもなく、ロバート・E・ハワードの名作『コナン(Conan the Barbarian)』の伝説を題材としたデモ収録の"Le Cronache di Nemedia"、"Crom"に加え、今作では新たに大作"Venarium"が追加収録された(またボーナス・トラックとして新曲の"Sangue Acciaio"が収録されている)。この"Venarium"も前述の楽曲と同様にハワードの『コナン』にインスピレーションを受けた作品であり、全3曲合わせて一つの壮大な"コナン・トリロジー"を形成している。これらは現代の時代に適応した正統なソード・アンド・ソーサリー音楽の続編と呼べる代物であり、ロジー・クルーシズはエピック・メタル・シーンで高まりつつある己の名声に更なる上乗せをした。なお本作には、ドイツからグレイブ・ディガー(GRAVE DIGGER)のクリス・ボルテンダール(Chris Boltendahl)がゲスト参加している。

主な批判...
エピック/ヒロイックなヘヴィメタルの分野において、本作は一見して完璧に思えたが、重大な見落としが残されていた。前作『Il Re del Mondo』は読んで文字の如く、楽曲の質、世界観、及びサウンド・プロダクションに至るまで完璧であった。しかし、今作では、サウンド・プロダクションという一つの面において、ロジー・クルーシズは致命的なミスを犯していたのである。正統派ではあるが、タイトル曲"Fede Potere Vendetta"に代表される過去の楽曲のリメイクが、今作では上手く収まらず、結果としてカルト・エピック・メタルのような醜悪な音質を有していることは、如何に前衛的なエピック・メタルのスタイルを持つロジー・クルーシズといえども、大々的な非難は逃れられないであろう。かつては豪傑であったメタリックなサウンドも、チープ極まる音質のために、ダイナミックな迫力が殆ど削がれている。流麗なツイン・ギターのハーモニーは、音量を上げてようやく耳に聴き取れる程度だ。今回、ロジー・クルーシズは確かにソード・アンド・ソーサリー音楽史において偉大な作品を作り上げたが、エピック・メタルを長年悩ませてきた憎き旧敵から、遂に完全に逃れることはできなかった。仮に本作の完全盤が発売されるのであれば、我々は喜んで遠くの街にまで足を運ぶつもりである。



1. La Caduta del Falso
2. Fede Potere Vendetta
3. Crociata
4. Anno Domini
5. Le Cronache di Nemedia
6. Crom
7. Venarium
8. Sangue Acciaio


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ROSAE CRUCIS 「Il Re Del Mondo」

Il Re Del Mondo



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2008
Reviews: 92%
Genre: Epic Power Metal


イタリアのティボリ発祥、NWOMEMの代表格、ロジー・クルーシズの2008年発表の2nd。


「エピック・メタル史上窮極のメロディアス盤」
 ──『METAL EPIC』誌



『Il Re Del Mondo』について...
ロバート・E・ハワードの小説を題材とした第一作『Worms of the Earth』(2003)の発表後、イタリアのロジー・クルーシズは、エピック・メタルの偉大な始祖であるキリス・ウンゴルのトリビュート・アルバム『One Foot In Fire』(2006)、次いでマニラ・ロードのトリビュート・アルバム『The Riddle Masters』(2007)に参加して時間を繋げていた。それぞれ提供した楽曲は『One Foot In Fire』に"Death of the sun"、『The Riddle Masters』に"The Fires of mars"である。
間違いなく、ロジー・クルーシズは80年代の正統的なエピック・メタルを継承した新世代のエピック・メタル・ムーヴメント、NWOMEM(New Wave of Mediterranean Epic Metal)における有力株であった。実際に、前作『Worms of the Earth』は世界各地のエピカルなリスナーから予想以上の反応を得ていた。シンフォニックなサウンドを使用せず、硬派なパワー・メタルとエピック・メタルの独創的な世界観が融合したロジー・クルーシズの強烈なサウンドは、将来に対する期待もまた、大きいものであった。前作の発表からおよそ5年の月日が流れたが、ファンはロジー・クルーシズから受けた強烈なインパクトを忘れることができないまま、この日を迎えた。
ロジー・クルーシズ──中世の《薔薇十字団》をモチーフとしたバンド名を使う神秘主義的なこのイタリアのエピック・メタル・バンドは、アンドレア・マージン(Andrea "Kiraya" Magini:g)とイゴール・バッチ(Igor Baccei:g)によって、1988年にティボリで結成された。意味深なバンド名が物語るように、当然の如く、彼らは古典的なエピック・メタルのスタイルを追求し、初期にはキリスト教や中世の神秘主義を扱う歌詞を書いた。現在も受け継がれているバンド名は、その時の名残に過ぎない。
やがてキリス・ウンゴル、マニラ・ロード、ウォーロード、マノウォーといった先人たちに影響を受けて成長していったロジー・クルーシズは、1992年にデモ第1作『Il Re del Mondo』を発表する。そして1998年にはデモ第2作目となる『Fede Potere Vendetta』を発表。この2作目のデモの段階で、どうやらロジー・クルーシズは自分たちに最も相応しい題材を発見するに至ったようであった。テキサス出身の小説家、ロバート・E・ハワードが創造したとされる幻想的なヒロイック・ファンタジーの世界観が、大地に敷石を隙間なく敷き詰めるように、見事にロジー・クルーシズの剛直なサウンドに収まったのである。以降、ロジー・クルーシズは、これらの勇壮な世界観に強烈なインスピレーションを受け、デモ第3作『Promo 1999』(1999)、デモ第4作『Bran Mak Morn』(2001)を矢継ぎ早に発表し、遂に正式な第一作『Worms of the Earth』を発表するに至ったのである。
バンドは尊敬するアメリカのマノウォーと同様のスローガンを大胆に掲げ、新世紀のエピック・メタル・シーンに斬り込んでいった「偽りのメタルに死を!」。またこの時期、幸運な出来事もあった。2002年に、ロジー・クルーシズはエピック・メタルの始祖マニラ・ロードと同郷の実力あるエピック・メタル・バンド、ドゥームソードとの間に友情を結んだのである。
さて、夜空に星々が輝いている必然さのように、ロジー・クルーシズの第2作目が「Jolly Roger Records」から発表された。この『Il Re Del Mondo』と題された本作は、文章を注意深く読んでいれば気付くことであろうが、1992年に発表された第一作目の同名デモ音源の再録盤である。我々はロジー・クルーシズを指してよく"新世代のエピック・メタル・バンド"と呼ぶが、イタリアのドミネやマーティアと同様、彼らの結成の歴史は80年代にまで遡ることができる。これらの地下で活動を行っていたバンドが、どういうわけか、近年、特に2008年以降に急激にシーンへと登場してくるようになったのである。時代がようやくエピック・メタルのインテリジェントな音楽性に追いついたという考察もあるが、真相はどうであれ、結論としてエピック・メタルのシーンは大いに盛り上がった。そして、我々の推測では、ロジー・クルーシズの第2作『Il Re Del Mondo』もまた、新時代のエピック・メタル・シーンに新たな風を吹き込む格好の材料になる、ということである。それも巨大な、暴風を伴う台風のような、凄絶な風によって…
ロジー・クルーシズの大きな成功の要因の一つは、歌詞を母国イタリア語に変え、大仰な歌唱を得意とするジュゼッペ・チャローン(Giuseppe Cialone:vo)の持ち味を最大限に引き出したことだ。前作以上に民族的なインスピレーションを宿したエピック・メタルを展開した事で、以前とは全く異なった印象をリスナーに与えることに成功したのだ。本作の収録曲が制作されたのは1992年頃だが、時代性が齎すイマジネーションの差異を全く感じさせない強烈な内容に至っては、誠に驚嘆を禁じ得ない。はっきり断言してしまうと、前作のロジー・クルーシズとは全くの別物である。
今や豹変したスペインのサウロムにも接近したかのような、新生代エピック・メタルを代表するような前衛的なサウンドが、『Il Re Del Mondo』には収められている。エピック・メタルの一つの神話大系である中世やヒロイック・ファンタジーのテーマに大胆な手法で迫り、幻想的な雰囲気に大幅な説得力が加味された肉厚のサウンドを有し、熟達した叙事詩的世界観を作り上げた本作こそ、未来のエピック・メタルの礎を体現したともいえる、真の歴史的な傑作である。そして、本作を完成させるに至って、シンフォニックなエフェクトは一切使用されてはおらず、厳格にも正統派エピック・メタルの古典的スタイルを固辞し、極限状態での破綻したドラマティシズムを追求したことが、ロジー・クルーシズの達成した最大の偉業に連なっている。これをリスナーのうちの一人が「既にエピック・メタルを超えた」というのであれば、ヤハウェがアブラハムに齎した信託の如く、エピック・メタルの未来は約束されたことになるであろう。まさに新時代エピック・メタルの曙が訪れた。



1. Sacrem Reformationem
1992年の楽曲。妖艶な音色に導かれて開幕する劇的なエピック・メタルの世界。その方向性は他の追随を許さない。
2. Rosa Croce
1991年の楽曲。およそ8分に及ぶ大作。バンド名を冠した渾身の楽曲であり、本作のハイライト。神秘的な教祖クリスチャン・ローゼンクロイツ (Christian Rosenkreuz, 1378 - 1484)によって創設した中世の秘密結社、《薔薇十字団》に関して描いている。ロジー・クルーシズ(ROSAE CRUCIS)という名は、実際の《薔薇十字団》の多くのメンバーに与えられた名であるという。スリリングな疾走パートに深遠なコーラスを導入し、その後一気に雪崩れ込む展開を有する。中間部からはまるで別曲。恰もオペラ会場の如き劇的な顛末に眩暈を覚える。
3. La Chiesa
1990年の楽曲。劇的に疾走するエピック・メタル。メロディックなフレーズに加え、母国語の独特な響きが異様な空間を形作る。スリリングなギタープレイも要所で光る。
4. Contro Il Mio Destino
1991年の楽曲。およそ7分に及ぶ楽曲。シリアスな雰囲気に彩られた絶品のエピック・メタル。随所に配置されたメロディアスなリードギターは強烈に耳を惹きつける。後半から開始される疾走パートはドラマ性を極めている。
5. Il Signore Delle Tempeste
1990年の楽曲。ネオ・クラシカル風なギターが耳に残る。疾走するパートと台詞が導入されるパートにおいて、エピック・メタル特有の異様な緊張感を醸し出す。
6. La Sacra Corona
1991年の楽曲。およそ9分に及ぶ大作。ローマ教皇と十字軍について歌う。異様な雰囲気によって包まれ、恰も大作映画の如き重厚感で聴き手を圧倒する傑作。緻密に練られた芸術的展開、珠玉のメロディがロジー・クルーシズのポテンシャルの高さを物語っている。この大仰さこそがエピック・メタルであろう。
7. Il Re Del Mondo
1992年の楽曲。タイトル・トラック。深遠なムードが全体を包み込む。プログレッシブな展開を有し、静と動を器用に使い分ける。勇壮な疾走パート、及びメロディは絶品。リフにはマニラ・ロードからの影響が顕著である。なおコーラスにはハワードの世界観からの影響も窺える。
8. Ballo In Fa D Minore
ボーナス・トラック。アンジェロ・ブランドゥアルディのカヴァー。


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ROSAE CRUCIS 「Worms of the Earth」

WORMS OF THE EARTH



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2003
Reviews: 75%
Genre: Epic Power Metal


イタリア出身のエピック・パワー・メタル、ロジー・クルーシズの2003年発表の1st。


「そこでは一つの渦巻く乱流が蠢く影の塊の中に湧き起こっていて、そしてその暗黒の中から這いだしたのは四つ足の獣のような、あるいはまた人間めいた形をしたもので、それがブランの足もとに倒れ込んで這いつくばり、悶えうめき、そしてしゃれこうべのごとき顔をもたげると、死にまどう犬のごとく吠えた」
 ──ロバート・E・ハワード『大地の妖蛆』より



『Worms of the Earth』という物語...
ロバート・E・ハワードの書いた小説の中にブラン・マク・モーン(Bran Mak Morn)という名の英雄がいる。ブラン・マク・モーンの伝説は1930年代のアメリカのパルプ雑誌〈ウィアード・テールズ〉誌に発表され、『Kings of the Night(闇の帝王)』(1930)、『Worm of the Earth(大地の妖蛆)』(1932)という小説が活字になっている。ブラン・マク・モーンは古代民族ピクト人の最後の王であり、ローマ帝国との確執に苦しみ抜いた挙句、数々の不思議な出来事に遭遇する男である("Bran Mak Morn")。この物語はローマ帝国がブリテン島に侵攻した3世紀初頭の時代を舞台としており、戦王ブランはローマ人たちと対峙しているが、圧倒的なローマ帝国の力の前に為す術がない("The Justice of Roma")。悲運の英雄の伝記を語らんと、物語は幕開ける。敵国の内情を知るために、ブランは大使としてローマ内に留まっていた。そんな中、彼の眼前で名もなきピクト人が十字架にかけられた末、惨殺される。殺したのはエボクラムの軍政総督ティトゥス・スラであった。この惨状を目にしたブランは、ティトゥス・スラへの憎悪を募らせ、固く復讐を決意する。夢の中で、ブランは月神教の高僧ゴナルと出会い、地の底に封印されている妖蛆を解いて、憎きローマを滅ぼすという策を見出す("A Wizard in My Dreams")。忠実な戦士ゴナルの協力を得て、ブランはエボクラムを脱出して西方へと馬を駆る("Escape from Eboracum")。辿り着いた湿地の奥地で〈ダゴンの溝〉の魔女と出会ったブランは、暗い伝説に包まれた〈扉〉の場所を聞くに至る。魔女アトラを抱く代わりに、ブランは魔女を道案内させる約束をする("The Dagon's Moore")。やがて魔女によって、〈ダゴンの塚〉の〈黒の碑〉こそが、探し求めていた〈扉〉であることが知らされる。ブランは〈ダゴンの塚〉の底から〈黒の碑〉を盗み出し、〈ダゴンの池〉に投げ入れる。かくして、魔女アトラの導きによって〈扉〉に入ったブランは、〈黒の碑〉を囮にして、地の底で巨大な大蛇の如く蠢いている異様な化物『大地の妖蛆』との取引に応じる("The Black Stone")。戦王ブランの望みは、正式な一騎打ちでティトゥス・スラを殺すことであった。太古より崇めていた〈黒の碑〉を囮にされたために、『大地の妖蛆』はこれを叶えるといった。地底の化物との約束通り、〈黒の碑〉を〈ダゴンの塚〉へと運ぶブランであったが、周辺の異様な変化に気付かない、ということはなかった。かつて、厳粛に輝いていたローマの強固な尖塔が、何者かの力によって倒壊していたのだ("Traian's Tower Falls")。不安を感じたブランは、急いでティトゥス・スラとの決闘の場、即ち〈ダゴンの塚〉の環状列石へと向かった。そして目的地へと辿り着く。しかし、『大地の妖蛆』の人智を超越した諸力によって〈環〉から呼び出されたティトゥス・スラは、既に人間の原形を留めてはおらず、ただ哀れにブランの足元で脈打つのみの存在となっていたのである("Worms of the Earth")。宿敵の無残な姿に悲痛の念を感じ取ったブランは、かつてティトゥス・スラであったものに対し、迅速なる死を、剣による唯一の慈悲を与えることになった("Requiem for Titus Silla")。かくして、ピクト人の王はその目的を果たしたが、その後、『大地の妖蛆』に狙われる身になったと伝えられる。

今作でイタリアのロジー・クルーシズが題材としているのは、このハワードが生涯愛したピクト人の英雄物語であり、主に"1930年代のヒロイック・ファンタジー小説を扱う"エピック・メタルの伝統に大胆な挑戦を行っている。スピーディなパワー・メタルを主軸としたロジー・クルーシズのエピック・メタルのサウンドは、勇壮だが何処か哀愁の漂う幻想冒険譚と共鳴し、神秘的で魅惑的な楽曲群を生み出している。この音楽性に、緊張感に満ちた筆跡のような迫真性、及び有史以前の雄大な文明諸国を彷彿とさせるような重厚感が加われば、何れは完全なハワードの世界が実現するに違いない。我々はその時が訪れるのを、暫し待ちたい。



1. Behind the Eyes of Partha MacOthna
イントロダクション。
2. The Justice of Roma
およそ7分に及ぶ大作。スピーディなエピック・メタル。ソリッドなリフと大仰なコーラスを用いたドラマティックなサウンドが、聴き手の高揚感を存分に高める他、スリリングな展開も有する。
3. Bran Mak Morn
英雄の名を冠したエピック・メタル。劇的なエピカル・リフで疾走し、終始徹底的にヒロイックな世界観を描く。聴き手は息つく暇さえ与えられないであろう。
4. A Wizard in My Dreams
台詞入りのインストゥルメンタル。ハープのような音色を用い、妖艶な雰囲気が漂う。
5. Escape from Eboracum
およそ7分に及ぶ大作。雄々しいメロディを持ち、緩急に富んだ内容を披露する。
6. The Dagon's Moore
哀愁を感じさせるリード・ギターの旋律が印象を残す楽曲。その他、ドラマティックなコーラス・パートも持つが、スピーディな内容は前半と大差がない。
7. Gates to Abominium
ヘヴィかつメタリックなリフ、荘厳なコーラス、エピカルなムードを発散させる楽曲。その大仰なドラマ性は特筆に値する。途中には台詞も入る。
8. The Black Stone
タイトルの〈黒の碑〉は、ハワードが生み出したクトゥルフ神話関連小説のシンボルであり、この『大地の妖蛆』とて例外ではない。シリアスな幻想怪奇の世界観を描き、ドラマ性に満ちたヒロイックな旋律が展開する本曲は、非常に完成度が高い。
9. Traian's Tower Falls
荘厳なコーラスを用いたインストゥルメンタル。徐々に盛り上がり、次曲へと繋がる。
10. Worms of the Earth
タイトル・トラック。圧倒的なスピードで周囲を圧倒し、印象的なコーラスと緩急に富んだ展開とを有する。
11. The Witch
魔女の如き囁き声が不気味な雰囲気を醸し出す場面から、異様を極める。漢らしい哀愁に満ちた楽曲であり、迫真性に満ちたスピーディな展開が、劇的な叙事詩的世界観を構築する。本作で最もハワードの世界観を表現することに成功した名曲であろう。
12. Requiem for Titus Silla
本作のエピローグ。ダークな雰囲気に満ちたギター・インストゥルメンタルである。ミステリアスな雰囲気も宿す。


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Author:コスマン・ブラッドリー博士


Cosman Bradley(16/06/10)
David Orso(16/06/10)
Daiki Oohashi(16/06/10)
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