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Fighting for the Flame



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2008
Reviews: 83%
Genre: Epic Heavy Metal


イタリアの地下から放たれた新世代エピック・メタルの刺客、アッセディウムの2008年発表の2nd。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

要するに『Rise of the Warlords』(2006)がカルト的なエピックメタルのマニアたちに絶賛されたことは当然の成り行きであったが、その分野以外からの評価を一切受け付けなかったことは語るまでもない。マニラ・ロードやキリス・ウンゴル、またマノウォーやヴァージンスティールなどに連なるアメリカの地下の最も暗い領域より発祥したエピックメタルの古典を現代へと呼び戻し、不穏極まる瘴気の中で演奏されたような迫真のエピックメタル作品を作り出したイタリアのアッセディウムにしてみれば、外部の評価などは関係なく、ただ自分たちの追求した幻想と怪奇の叙事詩的世界をヘヴィメタルとして表現したに過ぎなかった。しかし、各地のエピックメタルのマニアたちから送られてきた評価のみは意に反して好意的であり、間もなくアッセディウムは新時代のアンダーグラウンド・エピックメタルの極めて重要なバンドとして認知されることとなった。
暗い世界より舞い戻り、アッセディウムは第2作目となる本作『Fighting for the Flame』を「My Graveyard Productions」より発表した。前作と同様、異様なるエピックメタルのカルト的な雰囲気に満ち溢れた今作でも、80年代に回帰したアッセディウムの正統派エピックメタルのサウンドは変わりようがない。エピックメタルの分野で始祖と謳われるマニラ・ロードやキリス・ウンゴルの純粋なエッセンスを受け継ぎ、本作『Fighting for the Flame』の不動のエピックメタル・サウンドは完成した──劇的なヒロイズムを基盤とした楽曲群に顕著に表れているものは、言うまでもなく最も純粋なエピックメタルの要素であり、それらが激しく衝突を起こして雄大な世界観を築き上げている。今作で特に注目すべきなのが偉大なる始祖マニラ・ロードからの影響であり、前作を凌駕するスラッシーで重厚なサウンドやリードギターのフレーズなどは明確にマニラ・ロードのサウンドを彷彿とさせるものがある。本作に収録された"Achaean Glory"や"Where Seawolves Dare"などの名曲は、マニラ・ロードの存在なしには誕生さえしなかったであろう。また本作には"Invade - The Knight Errant"や"Romanitas"などのマノウォーにも通じるヒロイックなロマンティシズムに満ち溢れる名曲も存在しているが、やはりここでも始祖たちからの影響は根強く残っている。現在まで我々は目を瞑り、平凡な娯楽へとしばし逃れてきたが、古い時代の伝統は一部にはしっかりと伝わっていることをここで認めるべきである。
我々は長い間に渡りエピックメタルという特異な分野を追求してきた。幾度となくエピックメタルが絶滅の危機に陥る様を目にしてきた。しかし、我々は過去の教訓を忘れてはいない──「偉大なものでもいつか必ず失われるが、その魂は永遠に続いていく」──エピックメタルの辿った歴史こそ、この言葉の持つ真の意味を表しているのではないであろうか。アッセディウムの第2作『Fighting for the Flame』には、エピックメタルのプリミティブな魂が宿っている。



1. Winter Is Coming
冒頭から決死のヒロイズムを突き上げる。まさに正統派エピックメタルのサウンドに忠実な劇的でヒロイックな世界観が展開。
2. The Flame
ヘヴィなメロディが特徴的。雄々しい疾走、コーラス、リードギターとエピックメタルとしては王道の展開。
3. Invade - The Knight Errant
容赦のない鋭いリフで勇ましさを叩きつける。ヒロイック・ファンタジーにも通じる幻想的なムードが聴き手の陶酔感を強める。後半にはスピーディなパートも有し、語りやギターソロなどを用いて更なるドラマ性を演出する。
4. Primal Rage
キリス・ウンゴルを彷彿とさせる混沌とした内容を有し、ヴォーカルはマニラ・ロードを踏襲。攻撃的なサウンドの中にも強靭なヒロイズムが光る。
5. White Goddess
荒々しいリフでダークに展開。中間部からは更に攻撃的に疾走を開始。
6. Desecration
よりマニラ・ロードのサウンドに接近した楽曲。ソロ・パートはオリジナルに忠実。
7. Romanitas
ヒロイックな世界観を極めた名曲。勇猛果敢なメロディを多用し、大仰な高揚感と共に飛翔する。後半からはドラマ性に満ちたテンポ・チェンジをも披露する。
8. Achaean Glory
メタリックかつスピーディなリフで構築されるアグレッシブなナンバー。まさに80年代のエピックメタルを踏襲した楽曲であり、ヴォーカルやギターサウンドにはマーク・シェルトンからの影響が顕著。スリリングな後半のツインリード・パートは特に秀逸。
9. Osiris
古代エジプトの神を扱った楽曲。コンセプチュアルかつエキゾティックなメロディも導入。
10. Where Seawolves Dare
およそ9分に及ぶ大作。長尺な楽曲の中にエピックメタル特有の深遠なドラマ性を表現。カルト的な雰囲気を宿し、終始徹底したアンダーグラウンド・サウンドで構築される。


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Rise of the Warlords



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2006
Reviews: 85%
Genre: Epic Heavy Metal


イタリアの正統派エピックメタル、アッセディウムの2006年発表の1st。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

エピックメタル大国イタリアより2006年に突如放たれたアッセディウムの第一作『Rise of the Warlords』は、広大な大洋を経由して世界各国のカルト的なエピックメタルの熱狂的なマニアたちのもとへと届けられた。マニラ・ロードやキリス・ウンゴルなどの80年代に遡る古典的なエピックメタルを標榜し、それを現代のエピックメタルの様式美で再現したアッセディウムの『Rise of the Warlords』は、それが恰も当然であるかのように、一部のマニアたちの間で大喝采を浴びた。
アッセディウムの『Rise of the Warlords』は、デモ『Far from the Light』(2005)を経てイタリアの「My Graveyard Productions」より発表された。前述したように、アッセディウムのサウンドは正統派エピックメタルに極めて忠実であり、大仰かつ劇的でヒロイックな世界観を構築する各楽曲群は、この分野の一部のマニアたちの弦線を強烈に刺激する内容を有している。本作ではイギリスのアイアン・メイデン(IRON MAIDEN)にも通じるツインギター編成によるドラマティックなメロディを惜しみなく使い、コンセプチュアルな内容に沿った驚嘆の世界が大仰に展開される。『Rise of the Warlords』に構築された一切の妥協を許さない叙事詩的な世界観は、迫真の表現力でもって聴き手を歓喜の渦へと導いていく。これらの劇的なエピックメタルに触れる機会を得られるのは、正しく真のエピック・ヘヴィメタルのファンのみであろう。
アッセディウムの構築した厳かな世界観も特筆に値する。本作には古代ギリシア神話をモチーフとした神々の戦いや、ロバート・E・ハワード並びにマイケル・ムアコックの創造した壮大な世界を題材とした大仰なエピックメタルが多数収録されている。今回アッセディウムが選択したのは何れも深遠な題材であり、シリアスなエピックメタルを作る上では欠かせない重要な要素である。これらのヒロイック・ファンタジー的な題材がエピックメタルにおいて古くから使用されてきた共通のテーマであることは、既に我々が過去に述べた通りである。アッセディウムはエピックメタルの伝統的な技法を用いて、"Sacred Vengeance"や"March Of The Hoplite"などの強烈な名曲を生み出している。エピックメタルの世界では、魅惑的な名曲を生み出すために新しい要素などは必要としていない。なお、アッセディウムの叙事詩的な世界観への傾向は、ギュスターヴ・ドレ(Gustave Dore, 1832 – 1888)がミルトンの『失楽園』を描いたカヴァー・アートワークの「And many more too long(敵の数は多く、戦いの時は長い)」からも感じ取れる。
本作『Rise of the Warlords』は、僅かながらも着実に世界各地に広まりつつある古典的なエピックメタルの再興運動を一気に加速させるべき強力な力を持った作品である。これまでに我々はイタリアの秘めた恐るべきポテンシャルにも驚かされてきたが、今回のアッセディウムのサウンドには更に驚かされることとなった。細分化したヘヴィメタルのジャンルの中では極めて劣勢の状況にあったエピックメタルだが、近年アンダーグラウンドのバンドの活発な活動には目を見張るものがある。そして注目すべきなのが、それらのエピックメタル・バンドが目指しているサウンドが何れも80年代の古典的なエピックメタルに属しているということだ。この興味深い事実は、今再びエピックメタルが隆盛を取り戻そうとしている現実を我々に突き付けている。
長く続いてきたヘヴィメタルにおけるドラマティシズムの追求は、エピックメタルの再興によって終わりを告げる。我々はもう目をつぶることはできない。その第一歩として、一度は失われた驚嘆の光景を目にするために、我々はアッセディウムの『Rise of the Warlords』を手にするのだ──



1. Ancestral
本作の序曲。アッセディウムは腐敗した人類のために、忘れられた時代の英雄と神々の栄光の物語を歌う。
2. Sacred Vengeance
古代の習慣と神々に従い、戦いへと向かう戦士たちの詩。アイアンメイデンを彷彿とさせる暗く劇的なメロディで疾走する。ツインリードの奏でる旋律は鋭く、エピカルな世界観をシリアスに描く。
3. Messenger Of Chaos
マイケル・ムアコックの"メルニボネのエルリック(Elric Of Melnibone)"に影響を受けた楽曲。この物語は、エピックメタルの世界では長く続く不変のテーマである。原作に相応しく荘厳かつヒロイックな内容を持つ。中間部での悲壮感を演出する場面も忘れてはならない。
4. Cimmerian Steel
キンメリアで誕生した鋼の剣について歌う。その武器は英雄の唯一にして最大の武器である。
5. Under The Black Stars
6. Swordsdance
次曲へのイントロダクション。
7. March Of The Hoplite
勇敢なる古代ギリシャ軍の重装歩兵の行軍の様を叙述する大作。およそ7分に及ぶ内容であり、雄大な旋律に彩られたシリアスなエピックメタルの名曲である。ヴォーカルの大仰な歌唱がエピカルなサウンドに大きな脈動感を与えている。終始目まぐるしい展開を有し、ドラマティック極まりない内容で聴き手を圧倒する。
8. Imperial Dream
かつて地上最強と謳われたローマ帝国の栄光。大胆不敵なリフと古代風のエピカルなメロディで大仰に展開する。ヒロイズムに満ちたツインリードの臭さは尋常ではない。
9. Thirst For Glory
10. Legions Of The Underworld
邪悪なる軍勢の暗い伝説。


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