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「DOOMSWORD(ドゥームソード) 」カテゴリ記事一覧


DoomSword 「The Eternal Battle」

The Eternal Battle



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2011
Reviews: 85%
Genre: Epic Metal


デスマスター(Deathmaster:vo)率いるイタリアン・エピック・メタルの重鎮、ドゥームソードの2011年発表の5th。


かつて、エピック・メタルの完成形とまで称されたいくつかのバンドのうち、ドミネやバルサゴスなどの古参は、長い歳月に渡り、沈黙を守り続けている。ファンたちはその沈黙がやがて破られ、エピック・メタル界に新たな旗が掲げられる日を待ち望んでいる。しかし、墓所に眠りについた亡者がそうであるように、彼らの安眠も容易く打ち破られることがないこともまた、ファンたちはよく知っていた。アンダーグラウンド音楽のファンたちが願うことは、歳月の蚕食によって、安眠が永眠に変わってしまわないことである。

残されたエピック・メタル・バンドの中には、今なお古いやり方でこの分野を追求しようとする動きがあり、その一翼を担っているのが、イタリアのドゥームソードである。このサブ・ジャンルの始祖と称される、キリス・ウンゴルやマノウォーを起源とする、劇的でヒロイックなエピック・メタルを標榜するドゥームソードは、これまでに発表してきた作品の中で、その最終目標に限りなく近づいてきた。エピカルな手法の全てを結集した前作『My Name Will Live On』(2007)では、一部で"正統派エピック・メタルの究極形"とまで評価される程の絶大な信頼を勝ち得た。窮地にあるこのシーンにおいて、人跡未踏の地下から放たれたこの強烈な一撃は、当然の如く、世界各地のマニアにも大きな衝撃を与え、改めてエピック・メタルの可能性を思い知らされることとなったのである。"エピック・メタル"──その言葉は今や死語ではなかった。

かくして、幾多の盛衰を味わいながら、名実共にエピック・メタルの最重要バンドへと上り詰めたドゥームソードだが、数多くのバンドがそうであったように、ここに来て成功を汚すようなことはしなかった。成功が多くのヘヴィメタルバンドを破滅に導いてきたことは確かだが、円熟したドゥームソードの第5作『The Eternal Battle』のサウンドがそうであるように、ドゥームソードは極めてシリアスで、尚且つ冷静に事態を受け止めていた。現代エピック・メタルの体現者は、自らがやるべきことだけを見詰め、そして表現すべきことだけをこの『The Eternal Battle』という作品に納めたのだった。後は蓋を開けたファンがどう感じるか、それだけのことだった。

本作に収められた暗く重い古風な楽曲群。大人のために用意された真性のエピック・メタルは、シリアスに展開され、冷静に興奮を煽る。研ぎ澄まされたエピック・ギター・リフが遥か有史以前の戦地の上で踊る。各楽曲に描かれた古代の叙事詩は、一人の冒険者のために忘れられた古典劇を演じるであろう。中でも冒頭の"Varusschlacht"は、古代ローマとゲルマン民族との間で勃発した"ウァルスの戦い(Varusschlacht)"について言及している。

ドゥームソードは決して難しいことを大仰に(楽曲は大仰だが)やろうとしているわけではなく、無口な男が己に課せられた仕事に一直線に汗を流すように、ただ真面目なだけのバンドだ。ファンたちはそんなドゥームソードを敬愛してやまないし、ダークなエピック・メタルの傑作である本作の出来にも満足している。恰も古典的なヒロイック・ファンタジーの世界のように単純なドゥームソードの世界には、忘れ去られた時代の思い出たちが輝いている。本作を熱心に愛聴する者は、何れそのヒロイックでロマンティックな世界を垣間見ることとなる。そして、誰も知らないエピック・メタルの新世界は、遂にあなたのものとなるであろう。



1. Varusschlacht
古代ローマとゲルマン民族との間で勃発した"ウァルスの戦い(Varusschlacht)"をモチーフとしたエピックメタル。ヒロイックなコーラスを伴って疾走するパートは絶品。アルバムの一曲目から浮世離れした世界観を惜しみなく披露するところは、ドゥームソード以外の何物でもない。
2. Eternal Battle
突出したタイトル・トラック。ヘヴィなエピカル・リフに勇ましいコーラスが続く。シリアスさに満ち、ミドル・テンポの良さを十分に引き出している。史劇風のエピカルな方向性が一切ぶれていない点には注目すべきであろう。後半にはメロディックなパートも待ち構えている。
3. Wrath Of The Gods
4. Soldier Of Fortune
5. Battle At The End Of Time
疾走感を取り戻したドゥームソードの真髄。正統的なエピックメタルに疾走感が加われば、そのヒロイズム増大することになる。現代の音楽にしては非常に古い時代の雰囲気を醸し出すが、これはエピックメタルの高度な表現力が成せる業である。
6. The Fulminant
エピカル・リフがスピーディに繰り出される。楽曲の盛り上げ方は非常に上手い。
7. Song Of The Black Sword
哀愁に満ちたメロディからスピーディに展開。随所に強力なリフを仕込み、聴き手を全く飽きさせない。本曲はメロディックな正統派エピックメタルの傑作であろう。
8. The Time Has Come…
中世風のインストゥルメンタル。
9. Warlife
バンドのヒロイズムを結集したエピック・メタル。英雄的なリード・ギターのメロディが強烈な印象を残す。


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DoomSword 「My Name Will Live On」

My Name Will Live on



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2007
Reviews: 89%
Genre: Epic Metal


古代・中世の世界観に傾倒し、徹底したヒロイズムを追求するイタリアの古兵、ドゥームソードの2007年発表の4th。


「我はローマに打ち勝つ男の名を耳にした──ウェルキンゲトリクス」
 "Gergovia"より


『METAL EPIC』誌より抜粋:

これまでのドゥームソードは何れも第一作『DoomSword』(1999)を超えることが出来なかった。ドゥームソードは自らの世界観を確立させようと葛藤していた。第2作『Resound The Horn』(2002)ではヴァイキング的な方向性を開花させたが、より重厚な世界観を重視したために初期の野蛮な疾走感が失われてしまった。勇壮な音楽性における劇的な高揚感もまた然りである。続く第3作『Let Battle Commence』(2003)に関しては最早我々が擁護する言葉もなく、紛れもないエピックメタルの退屈極まる凡作であった。
失敗を繰り返すことでドゥームソードは進歩しているのだと我々は一度は考えようとしたが、庇護的な想像とは逆に、発表されていく作品は退化の一途を辿っていった。我々は最初大いなる期待を抱かされた正統派エピックメタルの傑作『DoomSword』を単なる思い出として保管しようとしたが、まだ何処かでドゥームソードに対して淡い希望を抱いていた。それとも我々は、単に希少なエピックメタルの源流がまた一つ消え去るのを酷く恐れていただけなのかも知れない。
前作から4年の歳月が流れ、ようやくドゥームソードの第4作『My Name Will Live On』が発表された時、我々は抑えられていた感情が爆発するように、自らが抱いていた希望が決してまやかしではなかったことを認めた。暗い黴と蜘蛛の巣だらけの墓所からドゥームソードは帰還し、剰え強力な武器を手にしていた。青光りする磨き上げられた鋼鉄の剣の刀身のように、ドゥームソードの古いエピックメタルは鋭さを身に纏っていた。我々は圧倒され、興奮することを惜しまなかった。長く追い求めていたエピックメタルの理想形が今、我々の眼前に届けられていたのだ。
過去の歴史を顧みることも必要だが、重要なのは今である。ドゥームソードの第4作『My Name Will Live On』が紛れもないエピックメタルの傑作である事実──その現実のみが我々の陳腐な脳髄を駆け廻っていた。古代の史劇を再現した崇高な世界観が劇的なエピックメタルによって創造性豊かに描かれ、聴き手の聴覚と視覚を絶え間なく圧倒する。装飾を一切使用しない生まれたままのエピックメタルが、驚くほどのリアリティを叙事詩の中で発揮する。恰も我々自身がゲルゴウィアの戦場に立ち、ローマ軍とガリア軍の壮絶な果たし合いを眼前で傍観しているような、時代性を超越した錯覚に陥る作品である。
フランス人画家リオネル ・ロワイヤル(*注釈1)のウェルキンゲトリクス(*注釈2)を描いた芸術的な絵画に魅入るように、本作は堅実なエピックメタルファンにとって何度も鑑賞されることであろう。これは素晴らしいエピックメタルの古典の再臨であり、ドゥームソードが最初に伝統的なエピックメタルを再興しようと思い付いたときに既に定まっていたことである。そしてドゥームソードの才能を長年信じ続けてきたファンは、己のコンパスの正確さに自身を持って頷くであろう。
我々の推測力は長い間盲目的な領域にある。本作は雑多な情報に囚われ続ける我々のような偽善者を導く聖典であるかも知れないのだ。エピックメタルの一大傑作『My Name Will Live On』を持って、ドゥームソードの名は我々の歴史書の中に生き残り続ける。偉大な真の芸術的作品の前で我々が出来ることは、本作を称賛し尽くし、このように記事にして世に送り出すことのみなのである。

*注釈1:Lionel Royer(1852-1926)。フランス人画家。『My Name Will Live On』のカヴァー・アートワークに彼の描いたウェルキンゲトリクスの絵画が使用されている。
*注釈2:Vercingetorix(72-46 B.C.)。ガリア戦争にて頭角を現し、その後ガリア人を率いてローマのガリア侵略に抵抗した人物。フランスでは「最初の英雄」と称される。




1. Death Of Ferdia
恰も史劇が幕開けるような劇的な冒頭。緊張感を伴ったエピカル・リフの行進。勇ましいヴォーカル。凄絶な場面展開。叙事詩的なエピローグ。ドゥームソードが必殺の武器を携えてエピックメタル・シーンに帰還した事を告げる名曲である。歌詞ではアイルランド神話の勇士ファーディア(Ferdia)の悲劇的な死を扱っている。ファーディアはかつて親友であったクー・フーリン(Cú Chulainn)の持つ槍ゲイボルグで殺される。この叙事詩的なテーマは、ドゥームソードの描くシリアスなエピックメタルに実に適しているといえよう。
2. Gergovia
紀元前のゲルゴウィア(Gergovia)で起こったとされるウェルキンゲトリクスとガイウス・ユリウス・カエサルの軍の壮絶な戦いを描く英雄叙事詩。エピカルなSEから劇的にヒロイックなメロディへ展開し、勇壮な疾走をする。そしてコーラスは戦士の血潮のように情熱的に響く。ドゥームソードはまさに我々の理想とするエピックメタルの様式美を体現している。当然の如く、本曲も異常なまでのヒロイズムで満ち溢れている。
3. Days of High Adventure
小刻みなエピカル・リフが楽曲を盛り上げる。大仰さを増したナイトカマー(vo)の円熟した歌声も勇ましく浸透していく。サビは異常なほどの雄々しさを誇る。円熟したエピックメタルとして、ギターソロに至るまで一切の隙がない。
4. Steel of my Axe
荒々しい疾走感を誇る楽曲。漢らしい掛け声と重厚なリズムが軍隊の行軍の如き轟きを生む。シンプルにまとまっているが、前作のような退屈なパートなどは一つも存在していない。
5. Claidheamh Solais (Sword of Light)
ミドル・テンポで突き進むエピックメタル。メロディックなリフと勇ましいコーラスのコントラストが絶妙。ギターは非常にメロディアスである。
6. Thundercult
朗々としたコーラス、ヒロイックなメロディが紡ぎ出される。目まぐるしいまでの勇ましい展開は押えの利かない荒馬のよう。既にエピカルなドラマ性は極め尽くされている。
7. Luni
"ルーニ(Luni)"とはローマの都市の名である。かつてはラテン語で「月」を意味するルナ(Luna)と呼ばれる大都市であったという。暗く重厚な楽曲であり、冷静にヒロイックなメロディを聴かせる。
8. Once Glorious
中世時代の高貴さを漂わせるアコースティック・パートで幕開ける。英雄的なコーラスを伴い、勇壮に行進する様は圧巻。更にヒロイックなムードを発散するサビは聴き手の高揚感を極限まで高める。およそ8分に及ぶ大作だが、終るのが惜しいほど濃密な内容を誇る名曲である。
9. The Great Horn
高潔かつ野蛮なメロディに導かれるエピックメタル。恰も眼前で中世の戦闘が行われているような劇的な臨場感を放つ。計算し尽くされた要所へのヒロイックなギターメロディの導入、勇壮さを極めたコーラスを聴かせるサビなどは筆舌に尽くしがたい。本曲はドゥームソードのヒロイックなエピックメタルが完成したことを告げる大傑作であろう。


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DoomSword 「Let Battle Commence」

Let Battle Commence


Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2003
Reviews: 80%
Genre: Epic Metal


イタリアが誇る正統派エピック・メタル、ドゥームソードの2003年発表の3rd。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

ドゥームソードは完全なヴァイキングメタルバンドではないが、前作『Resound The Horn』(2002)は北欧神話からのインスピレーションが顕著な作品であった。名作『Doomsword』(1999)より疾走感を抑え、オペラティックな雰囲気をも取り除いた『Resound The Horn』の評価は、熱狂的なエピックメタルのファンの間でも真っ二つに分かれた。無論駄作ではないが、我々はドゥームソードの未来を多少危ぶむことを余儀なくされた。
名作の続編が名作であるという保証はなく、その次の次は更に悪質な内容を備えている場合もある。前作の延長線上にある本作『Let Battle Commence』はまさにその範疇に属し、我々は期待感を大いに殺がれる結果を目の当たりにした。重く暗い雰囲気はエピックメタルにとって重要なものであるが、その良点は時に大きな溝となることもあるのだ。
ヴァイキングメタル的な重厚な世界観へと傾倒したドゥームソードは、本作のコンセプトをイングランドを侵攻したヴァイキングの叙事詩に絞り、風に向かって剣を掲げて戦いを始めるように、終始徹底して中世の戦闘場面を描いている。ドゥームソードのデスマスター(vo)は、恰もキリスト教徒を惨殺する神をも恐れぬ異教徒の如く、デーン・ヴァイキングの視点からこの伝説を歌い上げている。しかし残念なことは、朗朗と舟で転寝する水夫のように、退屈という響きに満ちた楽曲を本作に収録してしまったことだ。これらの楽曲では、暗く陰鬱な世界観は緊張感を失い、後はただ一本通行の惰眠が聴き手を襲うのみである。
果たして、かつて我々が絶賛したドゥームソードは何処に行ってしまったのか。闇雲に虚空を弄ってみても何も掴めない。決してブラックメタルではない暗さや陰鬱さ、暗澹たる世界観が持つ叙事詩的なドラマ性を持つドゥームソードのエピックメタルはもはや本作にはなく、一介の辺鄙なヘヴィメタルバンドと化してしまったドゥームソードが『Let Battle Commence』の中にはある。緊張感と説得力の失われた内容では、本作の最後に大仰に掲げられた"My Name Will Live On"という言葉ですら陳腐に聞こえてしまう。そのようなことはあってはならないことだ。
しかし、ドゥームソードの選択した方向性は、この手の音楽のファンにとって貴重な光なので、"継続させる"という最も難しい行為を中断しないよう願いたい。ここでは本作『Let Battle Commence』をある程度批難したが、本国で敢えてドゥームソードに苦言をするサイトは、恐らくこの『METAL EPIC』だけであろうし、再びドゥームソードのエピックメタル作品が発表された際に、迷わず筆を執るのもこのサイトなのだ。



1. Heathen Assault
アコースティック・パートから幕開け雄々しく展開していく。およそ8分の大作であり、静と動を使い分ける。音楽性としては正統派ヴァイキングメタルに近い。
2. In The Battlefield
騎手の乗る荒馬の如くエピカルなリフが暴れ狂う。随所にドラマティックなパートを盛り込んである。
3. Wodens Reign
ヘヴィネスを伴ってゆっくり進む。コーラスも多用し勇ましいが、印象に残るほどの盛り上がりには欠ける。
4. Deathbringer
ダークな雰囲気を持つ楽曲。一本調子であり、途中から退屈な展開となる。
5. The Siege
ヒロイックなメロディが印象的なエピックメタル。ドラマティックなリフや朗々としたコーラスが聴き手の戦意を鼓舞する。
6. Blood Eagle
8分に及ぶ大作。ヘヴィなリフがドラマティックに展開していく様は、これぞドゥームソードと唸らせる。陰鬱でエピカルな世界観も良い。
7. My Name Will Live On
「我が名は生き続ける」という言葉は、勇士が戦地に赴く際の置土産のようなものである。本作で最も練られた楽曲であり、ヒロイックな世界観を独自のエピックメタルで存分に表現する。後半からはよりドラマ性のあるパートへと展開していく。


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DoomSword 「Resound The Horn」

Resound the Horn


Country: Italy
Type: Full-length
Release: 2002
Reviews: 92%
Genre: Epic Metal


イタリアの古兵、ドゥームソードの2002年発表の2nd。


「正統派エピックメタルの中で最もメロディアスな作品」
 『METAL EPIC』誌


劇的かつヒロイックなヘヴィメタルこそが、エピック・メタルにおいて最も重要な要素であることを、イタリアのドゥームソードは堂々と証明してみせた。前作『Doomsword』(1999)は希少な正統派エピック・メタルの作品として、一部の層から絶賛され、間もなくカルト的なこのジャンルのマニアの間で聖典と化した。その第一作目において、陰鬱で暗澹たる内容が、明確なヘヴィメタルを望む向きからの攻撃の対象になったことは否定できないが、それでもファンたちはドゥームソードの古典的なエピック・メタルを称賛し続けた。
叙事詩的音楽のファンが待ち望んだドゥームソードの第2作『Resound The Horn』ではいくつか変化があった。オペラティックな歌唱が魅力的であったナイトカマーが脱退し、替わりにデスマスター(vo)がヴォーカルへと変更した。本作でデスマスターは非常に無骨かつ漢らしい歌声を聴かせている。ヴォーカルの交代に乗じてサウンドもより重厚に変化しており、これらは明確な進歩と言えよう。各楽曲では過剰な疾走を抑え、劇的なギター・リフでシリアスに行進する。大仰極まるヒロイックなフレーズも大量に投下された。また、北欧神話や中世時代のヴァイキングの史実等に題材を求めた本作は、大作指向、作品全体の統一感、緻密な作風を貫き、自身が正統派エピック・メタルの唯一無二の体現者であることを強烈にアピールしている。
前作でのオペラティックな雰囲気が後退したことはドラマ性の減退にも成り得たが、本作のより重厚かつドゥーミーなサウンドは、決して単調なものではない。それはエピック・ギター・リフが持つドラマ性の高さから派生しているものであり、オペラ的要素を失った穴を埋める要素は十分にある。本編収録の7つの厳選された叙事詩の中には、ロマンティックなほどに扇情的な旋律が溢れんばかりに詰め込まれている。それらはエピック・メタルの歴史の中で最もメロディアスなものだ。しかし結局のところ、強烈なインパクトを放っていた要素が失われた喪失感は否めず、楽曲もドゥーム・メタルに接近していることは惜しい進歩でもある。恐らく、本作でドゥームソードがよりリアリティを伴った叙事詩的な世界観へと傾倒したことは、古典的なエピック・メタルを追求する過程において必要不可欠な行為だったのだ。
今回、ドゥームソードは冷静沈着な態度で傑作を生み出したが、安易に選択できるファンタジー的なテーマを避けて通り、史実を題材としたシリアスなエピック・メタルにこそ、叙事詩的音楽の本質があることを証明した。そのような作品は更に増えるべきだ。最も現在では、ドゥームソードのように古典的なエピック・メタル作品を堂々と発表すること自体、勇気のいる行為になってしまった。しかし、イタリアでは徐々にこういった音楽のスタイルが増加しており、それは国の文化と深く関係していることだった。



1. Shores of Vinland
ヒロイズムを纏ったエピック・ドゥームの真髄。ヴィンランドを発見したヴァイキングの一団がテーマであり、およそ7分に及び力強い世界観をシリアスに披露する。一般大衆が聞こうものなら大凡拒絶反応が起こることは必至。
2. Onward into Battle
本作最大の名曲。劇的なエピカル・リフが大いに高揚感を高める。ミドル・テンポで重厚に突き進む様は恰も軍隊のよう。要所ではヒロイックなコーラスも多用する。特にサビの気高いコーラスはマノウォーにも通じる。
3. The DoomSword
前作の"Swords Of Doom"に続くバンドのテーマ的楽曲。重戦車の如きリフが繰り出されるシリアスなエピックメタル。漢らしいメロディも健在。徹底的にヒロイックに作り上げられている名曲である。
4. MCXIX
楽曲の幕開けが劇的なことがドゥームソードの魅力の一つである。本曲も異常なドラマティシズムを有するエピカル・リフによって構築される。ヘヴィかつメタリックなそのリフは、真性の正統派エピックメタルとして他の陳腐な音楽性を一蹴する。
5. For Those Who Died With Sword In Hand
他の追随を一切許さない世界観が展開。朗々と漢らしい曲調で行進していく。泥臭いコーラス、ヒロイックなリフとメロディなどが緊張感を伴って徐々に迫ってくる。
6. The Youth of Finn Mac Lool
メロディアスなフレーズがヒロイックな世界観を構築。デスマスターのヴァイキング的な歌声と三連の曲調が絶妙なケミストリーを起こし、戦士的ロマンティシズムを雄大に描き出す傑作。本作のハイライトであろう。
7. Resound the Horn: Odin's Hail
戦いの神オーディンを讃えるタイトル・トラック。本作辺りからドゥームソードがヴァイキング的な世界観へと傾倒していく。しかし実際には、ドゥームソードはヴァイキングメタルバンドではないと発言し、叙事詩的なヘヴィメタルバンドであることを公言している。詰まることろ、ヴァイキング的なインスピレーションは一部に過ぎないということである。


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DoomSword 「Doomsword」

Doomsword



Country: Italy
Type: Full-length
Release: 1999
Reviews: 89%
Genre: Epic Metal


イタリアのアンダーグランド・エピック・メタル、ドゥームソードの1999年発表の1st。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

イタリアのドゥームソードの第一作『Doomsword』は、誰も知らない地下でひっそりと発売されていたような、黴と蜘蛛の巣だらけの作品である。過去にエピックメタルの名作を数多く発表しているイタリアから届いたこの朗報は、随分時間が経って我々の元に舞い込んだ。一聴して紛れもなく、ドゥームソードのサウンドはエピックメタルの古典のそれであることが判明した。なお本作は『Sacred Metal』(1997)なるデモを経てから発表されている。
今や過去の歴史的悲劇を叙事詩的なヘヴィメタルで描こうとするドゥームソードの存在は間違いなく貴重であり、最初にドゥームソードを発見した時は、我々の間にも希望という一条の光が差し込んだ。我々は常々思うが、80年代初期に生まれたエピックメタルの血脈が何度も消えそうになりながら、密かにこうして生き長らえていることは実に興味深い真実である。一体何処からこれらの伝統が継続されていったのかという疑問に対して、我々は未だにその正確な出処を掴めてはいない。しかし、恐らくドゥームソードのサウンドから推測するに、伝説的なキリス・ウンゴルやマニラ・ロードの名は、この分野において現在も多大な影響力を持っているものであろう。そしてそれらのエピックメタルの音楽性を語る時に忘れてならないのが、ロバート・E・ハワードやマイケル・ムアコックが創造したかつてのソード・アンド・ソーサリー(剣と魔法)の世界なのである。

──ドゥームソードのサウンドは重く暗い。シリアスでドラマティック、そしてヒロイックである。エピックメタルそのものであるかのようなドゥームソードの重厚な楽曲群は、忘れ去られたそれらの伝統を今も頑なに守り続けている。本来エピックメタルとは暗く地味なものであって、盛大な交響曲で盛り上げるものではなく、恰も無言の豪傑であるかのように、必要な時にのみ、瞬時にその凄絶なヒロイズムを爆発させるのだ。いつしかそれらの伝統はシンフォニックなキーボードやクワイアへと移り変わったが、エピックメタルの古典は確かに存在していた。イタリアのドゥームソードは同国のドミネらと共に、現在へと続く正統派エピックメタルの数少ない生き残りとして、表舞台には全く記録されないであろうが、我々の辞書には名が残る。



1. Sacred Metal 
オペラティックに幕開ける様は劇的極まる。ヒロイックに展開されるエピカル・リフも素晴らしいが、崇高に叫ぶナイトカマー(vo)の歌唱も絶品。エピックメタルを体現する名曲であり、まさに本曲こそエピックメタルの鏡である。
2. Warbringers
剣と盾に生きる戦士を歌う。重厚なリフでドラマティックに展開するエピックメタル。コーラスなど各所から漢らしさが滲み出ている。途中から劇的なまでにメロディックなパートへと移行する様は壮絶。
3. Helms Deep
"ヘルム峡谷(Helms Deep)"とは『指輪物語』に登場するローハンの城塞である。名は9代目ローハン王ヘルムがここで戦ったことに由来する。7分に及ぶ大作であり、ヒロイックなリードメロディとシンフォニックなキーボードが幻想的で力強い雰囲気を醸し出す。中間部に入る台詞とSEもドラマ性に拍車をかける。
4. One Eyed God
ラグナロクに備えるオーディンとトール。アコースティック・パートがドラマ性を極限まで高める。この手法はまるでドミネのようだが、ドゥームソードはエピックメタルの良点を上手く熟知しているようだ。
5. Return To Imrryr
マイケル・ムアコックの《エルリック・サーガ》をモチーフとした楽曲。荒々しいリフで疾走。大仰なヴォーカルが台詞のように歌う箇所が特徴的。  
6. Nadsokor  
エピックメタルの神話、キリス・ウンゴルの名曲をカヴァー。エピックメタル始祖の伝統はドゥームソードにも受け継がれている。楽曲の出来は原曲に忠実。
7. Swords Of Doom  
エピックメタルにおける絶対的な名曲。冒頭のヒロイックなギターメロディから大いに期待感を煽られる。その後野蛮なリフで荒々しく展開し、エピカルな世界観を劇的かつシリアスに表現する。これぞ真のエピックメタルの醍醐味であろう。
8. On The March
重厚に行進する大仰なエピックメタル。ドゥームソード独自の悲劇的な世界観が滲み出た楽曲である。しかしヒロイズムはしっかりと保っており、勇壮なメロディは高揚感を誘発させる。  


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音楽論『叙事詩的なヘヴィメタルの歴史』Kindleストアにて発売中。約5年間に渡るエピック・メタル研究の集大成。主要バンドの紹介、歴史の解説、幻想文学との関連性、エピック・メタル・ルーツへの言及など、アンダーグラウンド・シーンを紐解いた衝撃のヘヴィメタル史。

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拙著『ハイパーボリア全集』、『ハイパーボリア全集2』、『ツチョ・ヴァルパノミの炎の王国』、『最後の理想郷』、『探索者』、『ツァトゥグアの祠』、『イグの神殿』、『オルグリアス』、『ファルナゴスの遺産』、『イックアの妖術』、『ズロヒムの死』、『失われた先史』Kindleストアにて発売中。1930~1950年代頃の『Weird Tales』誌やクトゥルー神話群を踏襲した幻想怪奇短篇集。
The Master

コスマン・ブラッドリー博士

Author:コスマン・ブラッドリー博士


Cosman Bradley(16/06/10)
David Orso(16/06/10)
Daiki Oohashi(16/06/10)
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