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Sword's Song



Country: Finland
Type: Full-length
Release: 2003
Reviews: 68%
Genre: Epic Metal


フィンランドのエピック・メタル、バトルローの2003年発表の2nd。


ファンタジックなヘヴィメタルを標榜するバトルローの第2作『The Sword's Song』は、前作でのゴシカルなサウンドをベースに一段階スケールアップしたものだ。ブックレットの中世風コスチュームの完成度を見ても一目瞭然だが、そこからバトルローの真剣さが判断できる。当然の如く、今作でもJ・R・R・トールキンの『指輪物語』のコンセプトは健在であり、メンバーそれぞれに役が与えられている。詳しくはユリ・ヴァーヴァネン(g:妖術師)、ヘンリ・ヴァーヴァネン(d:半漁人、盗賊、刺客)、ミイカ・コッコラ(b:戦士)、マリア(key:妖術家)、カイサ・ヨウキ(守護者:vo)、パトリック・メンナンダー(vo:戦士)、トミ・ハヴォ(g、vo:使者)である。本作はエルベルスという騎士を主人公とし、『指輪物語』のローハンを彷彿とさせる勇壮な物語が展開されていくコンセプト作品である。ファンタジックな服装に身を包んだ登場人物が様々な出来事を歌い、シンプルにまとまったゴシカルでドラマティックなエピックメタルが次々と展開されていく。バトルローの前作よりも力強く、表現力も増したサウンドは、より多くのファンタジー・メタルファンの耳を惹きつけるに違いない。


『METAL EPIC』誌より抜粋:

フィンランドのバトルローの第一作『...Where the Shadows Lie』(2002)はエピックメタルの歴史に泥を塗った言わば暗黒作品だが、第2作目となる『The Sword's Song』に関してもそれは変わらなかった。我々は何処かでエピックメタルの大いなる可能性を信じてみようと努力したが、このバトルローに至っては、その試みは全く無駄に終わった。そして、我々の追求する芸術的なエピックメタルが未だ遠くの場所に安置されているであろうことも改めて思い知った。
本作はエピックメタルの世界には馴染み深い『指輪物語』を題材としたコンセプト作品である。バトルローは前作でもこの記念碑的名作を題材とした作品を作っていたが、結果は残念極まるものであった。重厚感──ある一部では申し分ないと評価されている──や緻密さが欠如し、表現力が目指すべき世界観に後れを取っているバトルローのサウンドは、エピックメタルの齎す典型的な失敗例の一つとして我々の資料に加筆された。そしてバトルローは今作でもその失敗を繰り返し、エピックメタルの持つ可能性を大きく捻じ曲げることとなった。
中つ国を舞台とした物語は実に壮大なものだが、サウンドはその足元にも及んでいない。ファンタジー世界への憧れ故に中世風のコスプレをした現代人のような、赤面を禁じ得ない内容を本作は有している。幻想的な音色を出そうと各パートで努力はしているが、不条理なデスヴォイスがそれを灰色に濁す。敢えて我々は、同じデスヴォイスを多用しているイギリスのバルサゴス(BAL-SAGOTH)を引き合いに出すが、比較するのもおこがましいほどの大差があるのは明白である。ファンタジー系のエピックメタルをゴシカルかつ単調なサウンドで表現しようとしたのがバトルローの根本的な間違いであろう。バトルローのおかげで、我々は完全なエピックメタルには複雑さや緻密さ、繊細な表現力が必要不可欠であることを知ったのである。



1. Sons Of Riddermark
魅惑的なキーボードに導かれて開始されるファンタジー・メタル。騎士の国として知られるローハンの戦史を描く。勇壮なミドルテンポで行進していく様には高揚感を覚える。中間部で女性ヴォーカルが入る箇所もドラマ性に満ちている。
2. Swords Song
剣に生きる騎士の戦歌。勇壮な曲調がファンタジックな雰囲気を盛り上げる。ドラマティックな疾走感はヒロイズムを発散。
3. The Mark Of The Bear
幻想的な雰囲気が漂う。デスヴォイスがファンタジックなムードを払拭してしまうのが惜しい。
4. Bucacaneers Inn
5. Attack Of The Orgs
6. Dragonslayer
攻撃的な楽曲。各所にシンフォニックなパートがバックで加わる。
7. Chazad Dum (Pt. 2)
8. Horns Of Gondor
壮大なインストゥルメンタル。バトルローはシンフォニックなパートは非常に優れている。タイトルの如く、ゴンドールの雄大な景観が浮かび上がってくる。
9. The War Of Wrath
中つ国の北方王国の戦いを短く叙述する。ファンタジックなキーボードの音色と後半の美しい女性ヴォーカルが特徴的。
10. Forked Height
11. Starlight Kingdom


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.....Where The Shadows Lie



Country: Finland
Type: Full-length
Release: 2002
Reviews: 65%
Genre: Epic Metal


フィンランドのエピック・メタル、バトルローの2002年発表の1st。


バトルローはコンセプチュアルな作品の内容に外見のイメージを加味させようと、中世時代の服装に身を包み演奏をするバンドである。男女混成のデスヴォイスとクリーンヴォイスを使い分け、装飾的なキーボードが煌びやかなそれらの世界観を表現しようとするが、現実的に見てその試みは大きく失敗している。楽曲のモチーフとなっているのはJ・R・R・トールキンの『指輪物語』だが、原作は短くまとめ上げられたバトルローの楽曲のように単純ではない。バトルローの楽曲には、音楽的なファンタジー作品に必要である、幻想世界を描くリアリティが決定的に欠如している。これは今は亡きトールキンに対して失礼極まりない行為である。今でこそ欧州ファンタジーの金字塔として誰もが知る『指輪物語』だが、有名すぎる故にバトルローのような知的好奇心による失敗を繰り返されている。それは非常に残念なことだ。



1. Swordmaster
ザクザクとしたデスメタルにシンフォニックなキーボードが薄らと漂う。中間部には叙情的なパートも配置する。しかしこれだけでは方向性がはっきりとしない。
2. The Grey Wizard
ファンタジックなメロディにヘヴィなリフが絡む。徐々に女性ヴォーカルで盛り上げていく箇所は良い。ファンタジー特有の期待感は十分に感じる。
3. Raging Goblin
4. Journey To Undying Lands
5. Shadowgate
6. Fangorn
7. The Green Maid
女性ヴォーカルによる美しい一曲。幻想的な雰囲気が秀逸だが、エピックメタルバンドとしてバラードの方が優れているという点は致命的。
8. Khazad-dum pt.1 (Ages of Mithril)
9. Ride With The Dragons
10. Feast For The Wanderer


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